2013.07.12
今回の参院選は与党勝利の「つまらない選挙」ではない 成長をめぐる歴史的選挙だ
7月3日の公開討論会にて [Photo] Bloomberg via Getty Images
参院選の投開票日が迫ってきた。ほとんどのメディアは与党勝利を予想している。こうなると有権者も選挙への関心が冷めてしまい、投票率の大幅低下が心配になるような展開だ。それを前提に、固い組織票をもつ公明党や共産党が善戦するのではないか、という見方も有力になっている。
本当に、今回の参院選は「つまらない選挙」になるのだろうか。私はそう思わない。たとえ投票率が下がったとしても、長い目で見ると、実は日本政治に深い影響を残す選挙になるのではないか、と見ている。
大げさに言えば、時代を画すエポックメイキングな選挙になるような予感がするのだ。
今回の選挙で問われているのは経済成長
なぜかといえば、そもそも政治の目的の一つである「経済成長」が問われているからだ。この大問題について、与党と野党第1党である民主党の考え方はまったく異なっている。その点がはっきりしたのは、安倍晋三首相と海江田万里民主党代表の日本記者クラブでの公開討論会(7月3日)だった。
安倍は「アベノミクスの副作用を強調しているが、どうやって経済を成長させるのか」と迫った。これに対する海江田の答えはこうだった。
「デフレや円高、株安のままでいいとは思っていない。経済の成長にとって大事なのは持続可能性だ。長続きする経済成長には国内の需要、健全な消費を拡大しなければならない」
「私たちは子ども手当や高校授業料無償化を通じて(子育て世代の)手取り額を増やすことに努力してきた。手取りを増やすことによって、一番消費を必要としている人たちに消費してもらい、持続的に経済が成長することを目指している」(一部略)
ここが核心である。