血液型より正確!? あなたの性格はDNAで決まっていた
DNAを調べれば性格がわかる。じつはこれ、海外では常識なのだとか。人事配置も、教育方法も、これですべてがうまくいく――。試してみれば、自分も知らなかった性格がわかるかもしれません。
人生、前向きな人の遺伝子
病気になるリスクなどが、DNAの解析でわかるようになってきている。この事実は、もはや常識と言っていい。
乳がんになる前に乳房切除手術をしたアンジェリーナ・ジョリーも、自身の遺伝子を検査して遺伝的にがんのリスクが高いことを知った。国内の医療機関で4月から開始された新型出生前診断も、胎児がダウン症であるかなどを判断するための遺伝子検査だ。
人間の体質というのは生まれながらにしてある程度決まっている。しかし、性格まで生まれた時点で決められていると聞くと、驚く人も多いのではないか。
「性格はDNAで決まっています」
そう断言するのは、医学博士で新渡戸文化短期大学学長の中原英臣氏と科学評論家の佐川峻氏だ。両氏は、'05年からDNAENTERTAINMENTJAPANと性格診断にDNAを活用するための共同研究を開始。その研究成果は、最新刊『人の性格はDNAで決まっている』(講談社+α新書)に収められている。
ではさっそく、DNAがどうやって性格を決めるのか、その仕組みを見ていこう。
DNAが決めているといっても、「責任感が強い」「頑固」「大らか」といった、個別の性格に対応する遺伝子があるわけではない。
「性格は脳の中身、とりわけ『脳内伝達物質』に影響を受けます。この脳内伝達物質の作られ方が、DNAによって決められているというわけです。
たとえば、ドーパミンという脳内伝達物質があります。これは、やる気や好奇心を司る働きがある。わかりやすく言うと〝心のアクセル〟のようなもの。ドーパミンの影響が強く出ると、気持ちが高ぶってやる気が出ます」(中原氏)
ドーパミンが放出されると受容体に結合するのだが、その受容体のうち「ドーパミンD4受容体」を合成する遺伝子にさまざまなタイプがあることが明らかになったのだ。
「『ドーパミンD4受容体』を合成する遺伝子の中に特定のDNAの塩基配列を繰り返している部分があるのですが、この繰り返しの数は2回から12回まで、人によって異なります。
繰り返し回数が多いほどドーパミンの影響を受けやすく、新奇性が強い—つまり、好奇心旺盛であるという傾向がわかっています。逆に、繰り返しが少ない人は、地道な性格。この繰り返しの数を調べれば、その人の性格を知ることができるのです」(中原氏)
本来であれば、DNA検査を受けなければ実際の性格の傾向を知ることはできないが、ある程度、自己診断することも可能だ。まずは上にあるチェックシートで自分の性格の傾向を確認して、読み進めてほしい。
性格に影響を与える脳内伝達物質には、ドーパミンのほかにもさまざまなものがある。ノルアドレナリンという物質は、協調性にかかわるということがわかっているし、衝動的な性格、固執する性格、優しさにかかわる脳内物質もある。
なかでも、とくに研究が進んでいて重要なものが二つある。一つは先に挙げたドーパミンで、もう一つがセロトニンだ。