台湾とフィリピンの衝突は対岸の火事ではない! 「第3次国共合作」で尖閣諸島を取り込もうとする中国の目論みとは

フィリピン政府に対する抗議デモを起こした台湾の漁師たち 〔PHOTO〕gettyimages

 日本人は、日本に関係がないことには関心を抱かないという悪癖があるが、ルソン海峡を巡って、いま台湾とフィリピンで起きている"騒動"は、尖閣問題に重要な示唆を与えてくれる。

 昨年4月に、中国とフィリピンが全面戦争一歩手前まで争った黄岩島の問題が起きた時、私は本コラム(2012年5月21日付)で、黄岩島問題を尖閣問題に活かすべきだと述べた。当時、北京に住んでいた私には、中国が海洋利権という問題(東シナ海と南シナ海)を一括して、国の核心的利益として捉え始めたことを感じていたからだ。そして、海洋権益問題の水平線上に、台湾統一があるという考え方だ。

 だが当時、日本人は黄岩島問題にまるで無関心で、「直前の教訓」を活かすことができなかった。その結果、周知のような日中の尖閣騒動が勃発したわけだ。当時の野田民主党政権から、安倍自民党政権に変わった今度こそ、よく研究すべきである。

「両岸の漁民の権益は、両岸双方の責任である」

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 事件は5月9日、ルソン海峡で起こった。操業していた台湾の漁船が、フィリピンの警備船から40発以上の銃弾を浴び、乗員一人が死亡した。

 台湾側は、フィリピン政府に謝罪と賠償などを要求したが、フィリピン側はアキノ大統領が「哀悼の意」を示すにとどまった。

 これに対し、台湾総統府は5月15日、制裁措置を発表した。そこには、台湾人のフィリピンへの渡航自粛、現在9万人いるフィリピン人就労者(主にメイド)の新規滞在ビザ拒否、経済交流の停止などである。加えて、15日と16日に、台湾国防部と海岸巡防署が合同で、ルソン海峡周辺で漁民保護を想定した軍事演習を行った。この軍事演習では、双方が暫定的境界線としている北緯20度を初めて超えて南進した。

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