これが一番「痛い死に方、苦しい死に方」医師は本当の事は言いません

死ぬのはやっぱりつらかった…
知りたいと思っても、この世に生きている限り絶対に知りえないこと──人は死ぬときどうなるのか。誰しもが必ずこれから経験するのに、誰も教えてくれなかった「死」の真実をお届けする。

この死に方だけは避けたい

人々が「死」に対して、もっとも恐れること。それは「痛みや苦しみ」だ。第一生命研究所が行った調査によると、「家族や親友と別れなければならない」「自分のやりたいことや仕事ができずじまいになる」といったことよりも、「病気が悪化するにつれて、痛みや苦しみが増すのではないか」と不安を感じる人のほうが多いという。そう回答した人は、6割近くに上る。

悶絶しながら苦しんで死ぬことだけは避けたいが、実際のところ、死に至る病にはどんな痛みや苦しみが伴うのだろうか。命を奪う病気の痛みは、2種類に分けることができる。(1)突然発症するものと、(2)徐々に痛みが増して長期間継続していくもの。

「激痛が伴う病気の中で、(1)の突然発症し、即、死に結びつくものには、くも膜下出血、心筋梗塞、大動脈解離などがあります」

そう言うのは、あざみ野ヘルスクリニック院長の弘田明成医師だ。まず、くも膜下出血。年間12万人以上が命を落とす脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患のひとつだが、とくに痛みが激しいことで知られる。

 

「その痛みは〝後頭部をハンマーで思いっきり殴られたような痛み〟とも形容されますが、急死に至るほど重症の場合は、それ以上の痛みでしょう」(弘田医師)

急性心筋梗塞は、左胸のあたりが締め付けられるように痛み、吐き気や冷や汗、呼吸困難を伴うことが多い。大動脈解離は、心臓から出て全身へ血液を送る太い血管、大動脈の壁に亀裂が入って突然発症する。循環器疾患のうち、心筋梗塞に次いで死亡率が高い病気だ。

昨年、この大動脈解離を経験した林修治さん(仮名・65歳)は、当時を振り返ってこう話す。

「朝起きてから、大きく背伸びをしたんです。その瞬間、背中に激痛が走り、立っていられなくなった。これまでに経験したことのない痛みで、息苦しく、背中に重い鉄板が乗ったような圧迫感があり、押しつぶされてしまいそうでした。なんとか救急車で病院へ行ったのですが、検査台に寝た瞬間から、まったく記憶がありません。あまりの痛みで気を失ってしまったんです。治療を受けて命を取り留めましたが、主治医からは『血管の裂ける場所が悪かったら即死していた』と言われてぞっとしました。実際、同時期に同じ症状で入院した患者2人は、すぐに亡くなったそうです」

あんな痛みはもう二度と経験したくない、と林さんは言う。

このような病気は、突然発症し、処置が遅れると急速に死に至る。痛みの持続時間は短いが、「痛みの激しさ」という点では「一番痛い死に方」と言えるだろう。

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