今度の総選挙は、消費税、原発、TPPが争点といわれていたが、景気が大きな争点になりつつある。しかも、安倍晋三自民党総裁が仕掛けた金融政策が俎上に上がっている。
25日(日)、テレビ朝日の報道ステーションでは、野田佳彦首相と安倍総裁が出演し、それぞれの持論を述べていた。こうした話は、直接討論するのが一般にはわかりやすい。その場合、コマーシャルが入らず、時間のとれるインターネットメディアは好都合である。今週木曜日のニコ生で直接対決という話もあるが、野田首相側が開催方法で駆け引きを行っており、どのようになるかわからない。是非実現して欲しい。
本コラムの読者なら、ニコ生で筆者が池田信夫氏と討論したことを知っているだろう(http://live.nicovideo.jp/watch/lv115967379)。直接討論するとどちらがまともかはすぐわかる。橋下徹大阪市長を含む多くの読者はニコ生を見ていて、筆者の勝ちといっていたようだ。
筆者は以前にも池田氏と議論したことがあるが、彼は金融政策が雇用に効果があることを知らないのか、認めようとしなかった。この点を指摘すると、すぐに論理の破綻がでてくる。今回は、名目金利と実質金利の違い、予想に働きかける金融政策を知らなかったのか、やはり論理に無理があった。
今回の金融政策の議論も、是非とも雇用までやってくれたらいい。これはこれまでにない展開であるが、国民にとっては極めて望ましいことだ。
安倍総裁の「日銀引き受け発言」はマスコミの誤報だった
筆者はこれまで経済問題の半分以上はマクロ経済政策で対処でき、特に金融政策で解決できる部分は大きいと主張してきた。実際に小泉・安倍政権のときには、竹中平蔵経済財政相や中川秀直自民党幹事長の下でマクロ経済運営のアドバイスを行い、それなりの実績を残してきた。
小泉政権以降の経済パフォーマンスについて、9月17日付け本コラムに記したように、安倍政権が一番いい。経済運営で重要なのは、名目GDP、失業率の二つだ。名目GDPが高く、失業率が低ければいいが、安倍政権で、名目GDP515兆円(2007年4-6月期)、失業率3.6%(2007年6-7月)と一番いい。もっとわかりやすい例でいえば、日経平均株価は18262円(2007年7月9日)とこれも一番高い。
なお、民主党政権は、失業率が下がっているというが、これは雇用調整助成金で失業なのに失業でないとカウントしているから見かけの数字は低いだけだ。実態としては8%程度といわれている。