ここへきて「鳥貴族」の下に《飲食業界のエリート》たちが集結している理由…元一風堂社長に丸亀製麺の立役者も
前編記事『カギは「一皿100円」復活にあった…スシローが「回転寿司への原点回帰」で顧客の信頼を勝ち取った理由』より続く
居酒屋業態の数少ない「勝ち組」
コロナ禍で、ワタミや白木屋、土間土間といった大手居酒屋チェーンが早々に大量閉店や業態変更を決定。直近でも、'24年の居酒屋の倒産は過去最多の200件以上にのぼるなど、客足が完全に戻ってくる気配はない。
だがこの逆境にあっても「勝ち組」はいる。流通アナリストの中井彰人氏が挙げるのが、エターナルホスピタリティグループが運営する焼き鳥チェーン最大手「鳥貴族」だ。
「'24年7月期決算は過去最高益を更新しましたが、コロナ禍前の2019年を上回る数字だったこともあり、鳥貴族はこの5年で完全復活したと言っていいでしょう。
大手チェーンを抱えるワタミやコロワイド、モンテローザといった企業と比べて優れていたのは、我慢強さと決断の早さです。コロナ禍では赤字に苦しむなか、金融機関から融資を受ける形で、極力、店は減らさないという方針を貫きました。
その上で'23年1月に、同業のチェーンで約500店舗を展開していた『やきとり大吉』をM&Aで傘下に入れた。これによりグループ全体の店舗数はコロナ禍前の約2倍になりました。スケールメリットを増やし、コロナ禍後の残存者利益を確実に取る。その狙いがはまった形です」