石渡大輔サウンドが、響く! 唸る! そして叫ぶ!――GUILTYGEAR × BLAZBLUE ミュージックライブ2011イベントリポート(1/2 ページ)
大人気2D対戦格闘ゲーム「ギルティ・ギア」「ブレイブルー」の楽曲を使用した、ライブコンサートが開催された。興奮と、感動と、熱血と、ユーモア満載のイベントを徹底リポート!
1月22日、アークシステムワークスは、同社の人気タイトル「ギルティギア」と「ブレイブルー」のゲームミュージックライブ「GUILTYGEAR × BLAZBLUE ミュージックライブ 2011」を、川崎クラブチッタにて開催した。
ギルティギア、およびブレイブルーのBGMは、すべて同社の石渡大輔氏が作曲している。ゲームとのマッチ具合もさる事ながら、その奔放で独創的な音楽性から、国内外問わず非常に高い評価を受けている。
今回の「GUILTYGEAR × BLAZBLUE ミュージックライブ 2011」は、そんなファンの熱い声に応じる形で行われたものだ。
出演者は、イベントで演奏されるすべての演目を作曲した石渡大輔氏、ブレイブルーのプロデューサーである森利通氏、ブレイブルーのヒロイン「ノエル=ヴァーミリオン」役の近藤加奈子さん、同じくブレイブルー「シシガミ=バング」役の小山剛志さん、「マコト=ナナヤ」役の磯村知美さん。以上のそうそうたる面子で行われた。
ちなみに、今回のイベントでは、セットリストが事前に公開されておらず、何が流れるかはお楽しみ、という体裁をとっていた。
本記事では、この記念すべきライブイベントを徹底リポートする。来場できなかったファンは会場の雰囲気を確かめる助けに、来場したファンはこの記憶を刻み込むため、是非とも最後まで読み進めていただきたい。
空気を揺らす“蒼”の旋律! 前半戦はブレイブルー楽曲メイン!
開場のゴングを打ち鳴らしたのは、プレイステーションにて発売された、初代「ギルティ・ギア」から「ブレイブルーCONTINUUM SHIFT2」まで、歴代タイトルが次々と映し出されたムービーだ。
タイトルの名が挙がるたびに、超満員の会場からは、歓声が地鳴りのように沸き上がった。
ムービーの終了後、間髪入れずに演奏がスタート。記念すべき1曲目は、ブレイブルーCONTINUUM SHIFTアーケード版より、オープニングテーマ曲。ライブのオープニングを飾るに当たって、これ以上に相応しい曲は無いだろう。
ギター3本、ベース1本、キーボード1基、バイオリン1本という、石渡氏の音楽を再現する事に全力を尽くした構成で行われる演奏の迫力は、まさに圧倒的。
1曲目が終了すると、音を切らさず2曲目がスタート。次はブレイブルーより、ラグナ=ザ=ブラッドエッジのテーマ「Rebellion」だ。
3本のギターと1本のベースの、疾走感のある導入部、人間工学的に大丈夫か? と心配になってしまう超絶技巧のギターソロ。主人公のラグナらしい、どこまでも“ガン攻め”な演奏に観客が魅了された。
開幕3曲の最後は、同じくブレイブルーCONTINUUM SHIFTより、ハザマのテーマ「Gluttony Fang」。優雅なピアノの導入に続いて、重厚なベース、そしてドラムの音が重なってゆき、独特の雰囲気を作り出す。数多くある音が、すべての個性を損なわせずに共存する様は、壮観とも言えるだろう。演奏が終了すると、客席からは歓声とともに、どこからか「ヒャッハー」といった声が聞こえたのは内緒だ。
オープニングからの3曲が終了し、ステージ脇から、今回のメインMCを勤める2人、今回のライブ開催の発起人である石渡氏と、ブレイブルー CONTINUUMSHIFTの、マコト=ナナヤ役を演じた、声優の磯村知美さん。
登場とともに磯村さんが「盛り上がってますかー!」と叫ぶと、それに呼応して、観客も叫ぶ。あまりの盛り上がり方に「みんな、そんな早くから障壁解放して大丈夫?」と、ゲーマー声優ならではの、見事な切り返しを披露した。挨拶をひと通り済ませた後は、磯村さんのコールによって、再び演奏がスタートする。
続いての曲目は、ギルティ・ギアよりカイVSソル専用曲「NOONTIDE」。そして同じくギルティ・ギアより、チップ=ザナフのテーマ「SUK A SAGE」。
どちらもファンからの人気は非常に高く、バリバリとギターをかき鳴らす曲だ。それぞれのギターソロパートでは、1音違わぬ正確な演奏で、観客を魅了した。
3曲目が流れる際、ブレイブルーのヒロイン、ノエル=ヴァーミリオン役の近藤加奈子さんが登場。原曲のオルゴールから、バイオリンとピアノへとアレンジされた「Stardust memory〜約束の場所〜」を、身振り手振りを交えて歌い上げた。
歌が終了すると、先ほどまで凛々しく1曲を歌い上げた姿から一転、ハイテンションで観客に向かって「みなさんこんにちわー!」と一言。愛称である「こんちゃん」を、少し卑猥に変換した愛称を呼んでいる人も居たようだ。
そのハイテンションのまま、同じく自らのキャラクター、ノエルのテーマに、自らが歌を当てた「Love so Blue〜蒼の鼓動〜」の演奏がスタート。
曲に合わせて合いの手が入り、生演奏にテンションを乗せて、収録された既存の物より激しく感じられた。
歌い終わりと同時に退場した近藤さんは退場。それに変わって演奏がスタートしたのは、小山剛志さんの演じるシシガミ=バングのテーマ「烈風」だ。演奏の途中に割って入り、歌いだしたのは「小山の兄貴」こと小山さん。
「とうっ!」という掛け声をアドリブで入れたり、歌詞の一部を観客に叫ばせたりと、あまりに自由奔放な歌いぶりは、シシガミ=バングそのものであった。
演奏が終了した際、疲労困憊状態で一言も発する事ができない様子で、ただ片手を挙げる事しかできなかった。「がんばれ!」という声援を受けてやっと発した言葉が「あと1〜2分こうしていていいですか?」。期待通りの反応で、会場を笑いの渦に巻き込んだ。
疲労困憊状態の小山さんは、今回のライブに出場した理由を「以前のイベントで歌った際は、完璧とは程遠い結果になってしまいまして、今回リベンジの機会を頂いたという訳です」と語った。
そんな状態でありながらも、テンションは高いままのようで、やぶれかぶれとも言える勢いで、シシガミ=バングの、もうひとつのテーマ曲「お前の鉄槌に釘を打て」の演奏がスタートした。
満身創痍の体を気合で押し上げ、立ち上がり、血管が切れるような勢いで歌い上げる。
もともとは歌手の景山ヒロノブさんの歌っていた曲で、自分用にチューニングされていない曲でありながら「風林火山!」の叫び声は、熱さでは景山さんと同じ世界にまで達していた。
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