◆自分から逃げていると死ぬまでカモです


いよいよ寒くなってまいりましたね。気づけば今年もあと2週間ほどで終わってしまいます。
1年を振り返れば色んなことがあったはずなのに、何もかもがあっという間に過ぎ去ってしまい、全ては随分前の出来事のようです。


さて、昨日Twitterのタイムラインに流れてきた記事を読んで、とても面白かったので思わず笑ってしまいました。

こちらからどうぞ→精神安定剤としてのオンラインサロンの話。あるいは普遍的なサービス業の話


言葉に説得力があるのは、堀元さんがご自身の体験を元に語っているからですね。


「オンラインサロンの中心人物はすごいが、サロン会員は無能」


「オンラインサロン文化も煮詰まってきて、ここ1年で急増しているのが『中心人物が無能で、サロン会員はより無能』という地獄のようなサロン」



という表現は、非常に鋭く言い得て妙です。

私はプロブロガーやインフルエンサー界隈を熱心にはウォッチングしていませんが、オンラインサロンに関しては人気サロンの一つに友人が入会していて、内部情報を色々とこっそり教えてくれるので興味深く話を聞いています。

聞いた話を勝手にリークできないのでこの場で詳細は伏せますが、初めの頃は良心的に運営され高い評価を得ていたサロンも、次第に稀代の詐欺師たちがまぎれ込み始め、無能な会員たちを食い物にし、それまでは会員と丁寧に関係を築いてきた主催者も遂に馬脚を露わして、有能な会員を優遇する一方で無能な会員は容赦無く刈り取りにかかる様子は、まさに「あぁ、無情」。


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「何者でもない自分」からの脱却を夢見て、サロン主催者や上位会員が提供するサービスになけなしのお金を払い続け、何も変わらない現実を前に自分がただのカモだと気づいた時、彼らは歌うのでしょう。

聞かせてください。

望み高く生きた無能の人たちのコーラス、「夢やぶれて〜ミュージカル、レ・ミゼラブルより」を。



 


クリスマスも近いと胸に沁みますね。。。

余談ですが、私が「レ・ミゼラブル」と「あぁ、無情」と「ジャン・バルジャン物語」をタイトル違いの同じ話だと知ったのは、中学校の図書館でした。


ブロガーやネットインフルエンサーの「サロン」は、キラキラ起業で言うなら「お茶会」や「ランチ会」のようなもの。

「すごい」と言われている人、「素敵」だと思われる人の元に集まって、志を同じくする仲間(自分と同じように無能な人)と意識高い(同レベルの)会話で盛り上がり、「何者でもない自分」という現実をしばし忘れてひとときの夢を見るのです。


堀元さんの記事を読むまで八木仁平くんのことを忘れてましたが、就職を辞めてまで手がけたオンラインサロンは自然消滅していたのですか。

本人は高知では名門校である土佐高を出て早稲田に行ったのですから、賢い子なのでしょう。
けれど、「ブログで稼ぎたい」なんて目的で自分のオンラインに入ってくるのは基本的にバカばっかりですから、指導しようにも話は通じないし、面白いブログなんて書けるはずもないしで、面倒見きれなくて匙を投げてしまったのでしょうね。

サロンを始めたはいいけど、バカを相手にするサービスなんてやっていられなくなり、すぐに放置したり閉鎖したりする気持ちは分からなくないです。

けれど、バカだからこそ自分のお客さんになってくれたのに、「バカだから客がウザい」などと思うようなサロン主催者はネット芸人として失格だなと思います。だから八木くんは消えてしまったのでしょう。


このブログを読んでいる皆さんはすでにお気付きのことと思いますが、情弱ビジネスには型があります。
プロブロガー、インフルエンサー、オラオラ虚業家、キラキラ起業家、スピリチュアル伝道師などなど、パッケージこそ豊富ですが、ターゲットになるカモの種類と餌の巻き方、狩りの手法などの中身はほとんど同じ。

型そのものはシンプルなので情弱ビジネスは簡単に儲かりそうに思えますが、ハンター同士の競争も激しく常に同業者と狩場とカモの奪い合いをしなければなりません。
カモは誰の餌食になるのかを選ぶことができるので、型通りのことしかできないネット芸人ではカモにすら相手にされず成功できないのです。

型を踏まえて型破りな芸を披露できる一部の芸人さんたちは、やはり注目を集めるだけあって詐欺のお手並みが抜きん出ています。

型破りは型を分かっているからこそ自己流に形を崩せるので、「情弱を搾取するには型がある」ことにすら気づかないおバカさんたちの芸はただの形無し。
形無しの芸なんて観れたものじゃありませんから、どんなに呼び込みしたってカモが餌を食べに来ないのですよ。


今回紹介した記事を書いた堀元 見さんについては、以前こちらの記事→「ぼくは村作りビジネスをやめる。そう決断するにいたった全経緯と教訓について」が大々的にバズっていたので、存在は知っていました。

大学を出て新卒フリーランスになり、プロブロガーに影響されてせっせとつまらないブログを書いたり、オンラインサロンに入ったり、大風呂敷を広げて起業したものの事業に失敗したりと、やっていることは痛いのですが、彼に痛々しさや悲壮感はありません。

それは、堀元さんが正面から自分に向き合い、逃げることなく結果を受け止めているからです。
バカなこともしてきていますが、それを偽りで飾らず、隠し立てもせず、経験から学んだからこそできる発信をされています。


私のブログを訪ねてくださる読者さんの中には、「子宮系にまんまと騙された」「キラキラ起業にハマってバカなことをした」という方々が少なからずいらっしゃいます。
中には、「ゆきさんに話を聞いてもらいたい」「ゆきさんに相談に乗ってもらいたい」とメッセージをくださる方がいらっしゃるのですが、救いを求める相手を間違えています。

冷たいようですが、私は赤の他人です。話を聞かされても何もできません。


「詐欺師の手口にまんまと引っかかってしまった。払ったお金を取り返したい」


そうお思いになるなら、まず相談すべきは消費生活センターです。
相手が返金に応じず話もできないのであれば、今後相手に対しどういう対策が取れるのか弁護士にも相談してみましょう。
メッセージは私にではなく法テラスへして下さい。

何よりもまず、自分の置かれた状況やトラブルは一人で抱え込まず、パートナーや家族に打ち明けるべきではないでしょうか?
数十万〜数百万規模のお金が絡んだ話であればなおさらです。


そして、弁護士や家族に相談するにあたり、必ず済ませておかなければならないことがあります。

それは、「自分と向き合い、自分の愚かさと自分のしでかした過ちを認める」ことです。


それができていなければ、話をすべき相手に正直にありのままを打ち明けることができないでしょう。
大金をドブに捨てたとあっては家族に叱責されるかもしれません。騙された詐欺の手口が荒唐無稽すぎて弁護士からは呆れられるかもしれません。
けれど、自分のバカさと現実を目を背けずに受け止めていれば、耐えてそこから前に進めます。


詐欺師に一矢報いるためにブログに洗いざらい書くのもいいでしょう。
書くためには起こったことを頭の中で反芻し、起こった出来事とその時の状況や感情を書き出すことで自分を客観視できるので、結果的に自分の中で整理がつきます。

けれど、もし「相手を怒らせて、逆に私のことを書かれたらどうしよう」「恨まれたらどうしよう」「名誉毀損で訴えられたらどうしたらいいの?」などと考えて不安になるなら、ブログで告発はやめておきましょう。


「ゆきさんどう思いますか?」

「ゆきさんみたいにブログに書いても大丈夫ですか?」


それは自分に聞いて下さい。



「何が名誉毀損だ! 詐欺師に名誉など無いわ!」



と啖呵を切って戦う覚悟があるのか無いのか、私は知りません。
そもそも「不安の解消」や「決断の後押し」を、自分のことを何も知らないはずの赤の他人に任せようとしたから、カモにされたのではないですか?

「ネットで見つけた赤の他人」に依存しようとする自分とは決別しましょう。
でなければきっと又騙されます。


自分が愚かなことを恥じないでください。
私も同じように愚かです。
人間は基本的に皆愚かなのですから、愚かさを潔く受け入れて前を見ましょう。