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海洋プランニングという土木調査会社に勤務している熊谷氏は、震災後、福島県の沿岸部で、土木学会の依頼で、津波の被害を調査しました。そこで不思議なことに気づいたという。
それは、津波が到達した浸水線をたどると、なぜか神社が現れる。
それは偶然ではなく、神社のすぐ前まで波が押し寄せたにも拘わらず、そこで津波が止まったそういう神社がとにかく多いのである。

「ひょっとして、神様って、いるんじゃないか」とまで感動した熊谷氏は、休日を使って、福島県の沿岸部、新地町から相馬市、南相馬市までの神社、82社をすべて訪れ、浸水図に照合した。

その結果、驚いたことに、多くの神社がきれいに浸水線の上に並んだのだ。それは、高すぎもせず、低すぎもせず、まさにギリギリの境界線に神社は建てられていた。

しかしながら、82社のすべてがギリギリに立っていた訳では無く14社は海中に消えた。その14社の調査をした結果、海中に消えた神社がすべて近年に建立された神社で、古来に立てられた神社はすべて無傷だったことが判ったのである。

熊谷氏は、なぜ神社はそこに建っているのか?と疑問を感じ、神社建立の年代とその場所に立てたれた理由を調査したそうである。
調査の結果、神社がなぜそこに建っているのかを示す資料なく、ましていつ立てられたのかも判らなかったらしい。
しかし、ある事実が判ったのであります。
実は、以前にも同じ規模の津波に遭遇していたという事実であり、それは、西暦869年年7月9日に貞観地震である。
東北地方は、千年周期で今回の地震とほぼ同じ規模の津波に遭遇していたことが判ったのです。

つまり、貞観地震で残った神社だけが現存する故に、今回の津波でも残ったのではないか?地震の研究家達は、「過去の災害の遺物として神社が建っていたのではないか?」だから今回も残ったという仮説を述べている。

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