今日公開された公式ブログ記事で、Open Graphアプリの大きな方針転換が発表されています。既存のアプリへの影響も大きい類のもので、おそらく一番問題となるのは「Deprecating features that lead to low quality user experiences(質の低いユーザ体験へと導く機能の廃止)」と題された項目です。ここでは、既存のアプリでは許可されている、もっと言うと、去年のf8での新Open Graph公開時に推奨された「摩擦の無い共有(frictionless share 意訳:手間がかからない簡単なライフログ共有)」を取り締まるような正反対の制約が発表されています。以下、要点をまとめてみます。

補足記事を書きました。

frictionless shareを部分的に廃止

自分が聴いている音楽を自動的に共有するようなアプリは、何をいつ共有されるか分かっている状態では優れたユーザ体験を創り出しますが、ユーザが予測のつかない形で共有してしまうと人々を混乱させてしまいます。

今日以降は、そういったアプリは申請を通らなくなります。ただし、ビルトインアクションを用いて自動的にユーザアクションを共有するアプリは例外です。つまり、現段階でFacebookによって用意されている以下のビルトインアクションを用いた自動共有アプリは今後もOKとなりますが、それ以外は今日を境に申請が通らなくなります。

  • Like - 何かをいいねする
  • Follow - ユーザのフォロー
  • Listen - 歌を聴く
  • Read - 記事を読む
  • Watch - ビデオ、動画、テレビ番組の視聴

ということは、ソーシャルリーダーはビルトインのreadアクションを用いるのでOKでも、グラビアのプロフィールを見ただけで「欲情した」というカスタムアクションを共有するアプリは、今日以降はアウトになるということです。

既にカスタムアクションでこのような実装をしているアプリに関しては、今後90日以内に何らかのビルトインアクションへ移行する必要があります。代替策として使えるビルトインアクションが見つからない場合には、今までとは異なるユーザ体験を実装することが推奨されています。

友だちのウォールへの投稿廃止

publish_streamパーミッションを取得して友だちのウォールへ投稿するのはネガティブなフィードバックが多い、という理由からこの機能は廃止されます。ユーザに対して友だちのウォールへ投稿させたい場合には、今後はfeed dialogを使うことになります。ただし、タグ付け機能を用いて友だちをタグ付けた場合には、その投稿は友だちのタイムラインにも表示されます。すでにこのような機能を実装している場合は、frictionless shareと同様、90日以内の改修が必要になります。

まとめ

新Open Graph公開時は、
  1. add to timelineプラグインでの自動タイムライン投稿
  2. recommendation pluginのソーシャルリーダー機能
  3. Requst Dialogのfrictionlessリクエスト
などで摩擦の無い共有を強調していたため、一度は撤廃したBeaconが再来したかのように見えましたが、やはりユーザや友だちのウォール/タイムラインへむやみに投稿するのは反発が多く、それらの機能が制限されるようです。それにしても、既存のアプリに対しては90日の猶予が与えられているとは言え、新規申請分に関しては記事公開当日から規制されるというのは厳しいですね。