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読書日記No.90

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『かあさん、かあさん ほら見てー 「トモダチ」!』

ウッキー。。。おまえ、小学生か?!
(正真正銘18歳です)







同じようなパターンで、
『ほら見て、カオナシ~』・・・ってのも
何年か前に見たような気がするが。

映画の 『二十世紀少年 最終章』 面白かったですよ。
今日は読書日記なので、感想は近いうちにまた。



では本日の読書日記です。






1冊目・・・西 加奈子 作 『きりこについて』
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今回イチオシのおすすめ本です。
『きりこに捧ぐ』と前書きされたこの本、
しょっぱなから 『きりこは、ぶすである。』という衝撃の一文で始まります。
(しかも”ぶす”は太字・・・)
そのあとも、きりこという女の子がいかに”ぶす”であるかという事実が
延々と語られていきます。
そしてそれを語るのは、
誰よりもきりこを愛し愛され、ゆるぎない信頼関係で結ばれている
”ラムセス2世”(猫)。
IQ740(自称)のラムセス2世の目を通して見る人間の世界は
不条理だけれどもユーモアに溢れていて
笑いながら読んでいるうちに
『自分らしさってなんだろう』 『ブスって、なんなんんだ?!』と
ひとしきり考えさせられてしまいました。
『他人から見た自分』なんてものに価値をおいて行動するのは
きっと人間だけなんだろうね。
猫、実はちょっと苦手なのだけれど、
『猫ってすごいかも!』と思わせてくれました。
猫好きな方に是非!そうでないかたにも是非!(笑)
いい本です♪






2冊目・・・恩田 陸 作 『ブラザー・サン シスター・ムーン』
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小説というよりも、恩田さんの学生時代を振り返った
エッセーのような雰囲気のする本でした。
高校時代に仲の良かった男二人女一人の3人組みが
揃って上京し入学した大学(多分設定は早稲田)で
第一章の主人公となる綾音は小説と
第二章の主人公の戸崎は音楽と
第三章の箱崎は映画とそれぞれ出会います。
そこで何が起こるわけではないのだけれど
学生時代って、本当はこんなだったよなー・・・と
思い出させてくれました。
楽しそうに過ぎていく毎日をちょっと引いた場所から眺めているような
自分はいつも傍観者だったような。
仲の良い友達もいて、心弾む出来事もいっぱいあったはずなのに
自分の居場所ではない所に、ちょこっとお邪魔させてもらっているような気がしてたっけ。
本の紹介文には、
「『夜のピクニック』から4年、恩田陸が贈る、青春小説の新たなスタンダードナンバー誕生!」
・・・と書かれていますが、これはウソです(笑)
夜のピクニックを期待して読むとがっかりするし、
このあまりにも平穏でさらさらと流れていくだけの時間が
青春小説のスタンダードには・・・・ならないと思うぞ。







3冊目・・・穂村 弘 『にょにょっ記』
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穂村さん(詩人)のエッセー、本当に面白いんですよね。
読んでいる間中、顔がニヤニヤしっぱなしです。

この本は別冊文芸春秋に連載された一年分の日記をまとめたもの。
しかしながら、どうして彼の目を通して見るこの世界は
こんなにも面白いことに溢れているのでしょう!
普通の人では見過ごしてしまうような
小さな面白い出来事を彼だけがキャッチできる特殊能力のようなものを
備えているんでしょうかね。

毎日なんだかつまらないなー!・・・なんて思っている人がいたら
ぜひこの本を読んで見てください。
いつもの日常が、ちょっと楽しく見えてくるかもしれません。









4冊目・・・朝倉 かすみ 作 『玩具の言い分』
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表紙をめくって目次を目にすると
それが何気にしりとりになっていることに気づきます。

「グラン・トゥーリズモ」⇒「誦文日和(ずもんびより)」⇒「寄り目インコズ』⇒『小包どろぼう』・・・・・
少々強引なしりとりの題名に苦笑いしながらページをめくると
そこにある世界もまた、少々ほろ苦く
融通のきかない女たちの物語なのでした。

『こんな女になるとは思わなかった・・・』とつぶやく、
アラフォー独身女性。
飲み会のあと、本日の宴会での反省会を一人で繰り広げ
自分がいかにイタイ存在だったかをあげつらう。
その姿の方がよっぽどイタイのだけれど、
そんなことはもうきっと彼女は充分承知なはず。

そう、主人公たちは(全員中年以上の女性)みな
もうとっくに自分のどこが悪いのか何が足りないのかなんて
よ~くわかっていて、
それでも『こんな女になってしまった自分』を玩具のように扱うことで
プライドを保って生きているように見えるのです。
元気溌剌でもなく、上昇志向の持ち合わせもない
やや後ろ向きなアラフォーたちの、けっこう健気で少しHな物語です。










5冊目・・・小路 幸也 作 『マイ・ブルー・ヘブン―東京バンドワゴン』
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小路さんの作品の中で、ずば抜けて面白い『東京バンドワゴン』シリーズ。
既刊3冊では、下町情緒たっぷりな古本屋さんを舞台に、
優しくて正義感に溢れ、でもちょっとおせっかいな一家が活躍するお話でした。
そして待ちに待った4冊目は、あけてびっくり!!
時代をさかのぼり、戦争が終わった直後の下町が舞台となっていました。
今までのシリーズでは知り得なかった主人公達の過去や、
お店ができるまでの裏話が明かされていて
トリビア的な楽しみ満載の番外編となっています。
もちろんはじめてこのシリーズを読む人にも
抵抗なく楽しめるストーリーになっています。
清々しい読後感が味わえる楽しい本です。
ぜひシリーズでどうぞ♪









6冊目・・・小川 糸 作 『蝶々喃々』
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読み始めてすぐに、
物語の世界に取り込まれてしまいました。
主人公の栞が営むアンティークの着物屋さん。
その情緒たっぷりなたたずまいや
物語の舞台となった谷中の町並みが目に浮かんでくるようで
読んでいる間中ウットリし通し。

いつもだったら『なんだかなー』とイマイチ好きになれない
「おとなしく男を待つ女と、心から女を愛しながらも妻子のある男」という
超ベタな設定さえも
なんだか心地よく切なく感じてくるほどでした。

美味しそうな谷中界隈の食べ物屋さんも実名で登場し
主人公はしょっちゅうお腹いっぱい食べまくっています。
(なのにとっても痩せているらしい・・・いいな)

タイトルの『蝶々喃々』とは、
小声で親しげに話し合うさまを表す言葉なんだとか。
可愛らしくひっそりとしているけれど、どこか暖かい
この物語の題名にぴったりだなぁと思いました。








7冊目・・・重松 清 作 『ステップ』
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前回読んだ重松作品の『とんび』が、
早くに妻を亡くした父親が、男手ひとつで男の子を育てる物語でしたが
こちらは、男手ひとつで女の子を育てるお話です。
重松さん、もう自分の得意路線をひたすら邁進することに決めたんですねぇ。
一時期色んなジャンルに挑戦し、
『悪いけど・・・これは読めない』と思ってしまった作品もあったりしましたが。
今はもう迷いも吹っ切れたんでしょうか、
開き直ったかのように(笑)親子の情を描いて泣かせる小説を続々と発表。
この本も、相変わらず素晴らしく上手い文章で
人間の心のやわらかい部分を的確に刺激してくれます。

ただもったいないことに、この本は
娘が二歳から小学校を卒業するまでのお話しか描かれていないのです。
父と娘の関係が微妙になってくるのはまさにこの直後の時期からのはず。
できれば『とんび』のように、
娘が一人立ちするまで、この父娘の物語を読んでみたかったなぁと思うのでした。







(続・ななチンのこと)
あたたかいコメントやメールありがとうございました。
とてもとてもうれしかったです。
ななチンは、時々カクンとつまずきながらも、
家の中でトコトコと歩き回れるようになっていて
少しずつですが回復しているように見えます。
相変わらずろくチンと遊んだり走ったりはできないのですが
ひよこハウスではなく、
元のように二匹仲良くぴったりくっついてお昼寝するようになりました。
もう少し状態が安定したらお医者さんを数軒訪ねてみようと思います。

頂いた優しい気持ちへの恩返し、
いつか私にもできたらいいなあと思っています。
感謝をこめて
(にゃんこより)
Commented by rioryu at 2009-09-06 16:10
『ともだち』の写真笑ってしまいました!!!
ウッキー君、いいですね(爆)
そのノリ好きです^^

きりこについて・・・私にはぴったりなお話かもしれません^^
オモシロそうです☆

ななチン、少しずつ回復しているようで
安心しました。
ろくチンと仲良くお昼寝できるようになっただけでも
嬉しい回復ですよね!

常ににゃんこさんが思いやりある行動や発言をされているからこそ
皆さんが 優しくしてくださるのだと思います^^
素敵ですね☆
私も にゃんこさんのような人でありたいです♪
Commented by nyanko4116 at 2009-09-07 17:12
>rioryuさま
『そのノリ好きです』・・・なんて言ってもらえたら
ますます調子づいて、何でもやっちゃいますよウッキーは。
この先いったいどんな大人になるのやら。。。
長い目で見てやって下さい(笑)

『きりこについて』いいお話です。
ユーモアたっぷりで面白く読めるけれど
大切なことが書かれて、
でも説教臭さは微塵もありません。
ぜひ読んでみてください♪

ななチン、おかげさまで
少しずつ元のななチンに戻りつつあります。
アラフォーになって、
今まで周りの人から良くしてもらうばっかりで
自分はな~んにもしていないことに気づきました。
そろそろ恩返しをしていかなくちゃいけませんよね。
遅まきながら・・・なんですが^^
Commented by のんのんママ at 2009-09-07 22:37 x
あははははは!!!
ウッキーくんっ、アナタはエライっ(爆)
さすが楽しいにゃんこ家♪♪
「ぐるぐる巻き」これからもいろんな事案に応用できそうね!コレ!(笑)

さてさて読書日記♪
あいかわらずにゃんこさんの読書量はスゴイわ~~。
私も今、リクエストしてた本がイッキに押し寄せてきて
嬉しい悲鳴です(笑)
にゃんこさんは重松さんの本をよく読んでるよね。
私はなぜだかほとんど読んでないような?なぜだろ??
明日また図書館行くからチョイスしてこよう!

ななチン、少しずつでも良くなってるとのこと、嬉しいです!
ろくチンと寄り添ってネンネしてる姿見たらホッとするよね。
今後もお大事にね!!
Commented by みも at 2009-09-08 11:34 x
にゃんこさん、こんにちは^^
久しぶりのコメでーす^^;;

↓ななちゃんの記事読んでビックリしました!
でも、少しずつ回復しつつあるようで安心しました。
去年モモも首を痛めて半年くらいゲージ生活が続きました。
突然の事だったので、飼い主にとっても辛い日々でしたが
今はこうして元気になってます。
ななちゃんもきっと大丈夫!!
安心して任せられる獣医さんにめぐり合えますように祈ってます。
ななちゃん、頑張れ~~~!!

ウッキーくん!、いいよ~(^^)v
我が家の息子だけじゃないんだわって何故かホッとしてる母です(爆)
Commented by nyanko4116 at 2009-09-09 16:30
>のんのんママさま
息子はウッキーしかいないので
標準的な18歳男子というものがどの程度なのか
イマイチわからないんですけどね。。。
こんなんでよかとですか?

私も先週は予約図書が一気に5冊やってきて
貪るように読んでいました。
幸せなんだけど、ちょっとあせりますよね(笑)

重松さんの本でおすすめは
『その日のまえに』『きみの友だち』
ちょっと古いけど『エイジ』あたりでしょうか。
時々表紙が怖い本がありますが、
あまりおすすめしません。
ストーリーもいいのですが、
一気に読ませてしまう文章のうまさに
圧倒されてしまいます。

ななチン、今日はおもちゃで遊ぶことができました♪
ありがとう^^
Commented by nyanko4116 at 2009-09-09 16:37
>みもさま
モモちゃん、半年も!
それは辛かったですね。
かわいそうに。

ななチンは今日怪我をして以来始めて
おもちゃをくわえて遊ぶことができました。
(獲物ごっこ)
短い時間でしたが、うれしくて( ▽|||)♪
ななチンもモモちゃんみたいに
きっと元気になれると信じたいです。

息子って・・・不思議ですよねぇ。
どうもウッキーの後ろには
『圏外』の旗がたっているような気がしてならないのですが。
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by nyanko4116 | 2009-09-06 13:15 | 読書日記 | Comments(6)

今日も笑顔で♪


by にゃんこ