モバP「事務所の本棚にマンガの『ミスミソウ』があった」
ありす「ふぅ...暇ですね...」
ありす「事務所には誰もいませんし...」
ありす「そういえば、事務所の本棚にアイドルの皆さんがマンガを置いているんですよね。レッスンの時間までそれを読みましょう。」
ありす「ええと...どれにしましょうか...」
ありす「これがいいですね。」
『ミスミソウ』
ありす「どれどれ...」パラパラ
ありす「舞台は真冬の田舎なんですね...わたしもプロデューサーさんとこういうところに旅行に行ってみたいかも...」
ありす「主人公の名前は春花、ですね。かわいらしい名前ですね。」
ありす「あ、男の子が出てきましたね...春花さんはこの人と恋に落ちるんでしょうか。」
ありす(春花さんが学校のクラスメイトたちにいじめられています...こんなのってあんまりです...)
ありす(すごくかわいそうです...!先生は何をやっているんですか...!)
ありす(あ、春花さんと相場さんがデートに行くみたいですね。春花さん、とても幸せそうな顔です...)
ありす(デートも終わり、帰り道の途中ですね...)
ありす(え、煙...?)
ありす「」
ありす(い、家が...春花さんの家が...燃えちゃって......)
ありす(相場さんが、燃えている火の中に突っ込みました...!)
ありす(相場さんが何かを抱えて出てきました......)
ありす(相場さんが、抱えているモノってーー)
ありす「」
ドアガチャ
モバP「おはよう、ありす。何を読んでーー」
モバP「あ、ありす!?」
モバP「失神している...」
モバP「な、な、なんでだ!?」
モバP「ん、これはーー?」
『ミスミソウ』
モバP「」
モバP「というわけで、お前らを集めたわけだ。」
比奈「」
奈緒「」
比奈「し、知りませんでスよ...!?そんなマンガなんて...?」
奈緒「あ、あたしもだぞ!そんなグロいマンガなんて...」
比奈「あっ、奈緒ちゃん...」
モバP「ん~?どうしてこのマンガがやばいやつだって知っているのかな~?」
奈緒(しまった...!)
比奈(奈緒ちゃん...!)
比奈「まあ、しょうがないでスね。さておき、そのマンガはでスね、我々オタクの間でも有名なんでスよ。」
比奈「でスから、アタシたちは知っているわけでス。」
奈緒「鬱になるマンガといえば、真っ先にこれがあがるからな。」
比奈「でスけど、アタシはそんなマンガを持っていませんし、ましてや他のアイドルも見る本棚にしまっておくなんてしないでスよ。」
奈緒「あたしも同じく、そんなマンガなんて近くにも置いておきたくないからな。」
モバP「誰が置いたんだろうな...」
モバP「しかし...」
モバP「俺も最近ネットで見たことがある程度だが...」
モバP「こんなに精神を削られるマンガはないんじゃないのか?」
比奈「そうでスね...名作であることに間違いはないんでスが...」
比奈「肉体的グロと精神的グロがふたつとも重なり合っているマンガなんてそうそうないでスよ。」
奈緒「今年の春には実写映画にもなったみたいだな。」
奈緒「結構評判もいいみたいだけど、見る人を選ぶスプラッター映画だとか。」
奈緒「あ」
比奈「あ」
モバP「あ」
ーー1時間後ーー
モバP「小梅、お前だろ?」
小梅「......へへ......ごめんなさい...」
モバP(う、カワイイ!)
小梅「事務所でお仕事の時間まで読んでいたんだけど......読み終わらなくて......」
モバP「それでとりあえず本棚に置いたんだな?」
小梅「うん......」
小梅「はい...ごめんなさい......」
モバP「これからは気をつけろよ。」
小梅「うん...気をつけるね...それじゃあ......」
ーーしばらくしてーー
モバP「やれやれ、小梅のスプラッター好きにも困ったもんだな。」
モバP「そういえば、このマンガ、家燃やされた後どうなるんだろうな...?」
モバP「ネットでも家燃やされたことしか語られていなかったからな...」
そのとき、モバPの目に入ったのは、無残な復讐シーンの数々だった!
モバP「」
小梅「忘れ物...しちゃった...」
小梅「あ......」
小梅「プロデューサーさん...気絶している......」
おわり
ありす「ここは...仮眠室...?」
モバP「お、ありす。目覚めたか。」
ありす「わたし、たしかマンガを読んでいて...」
モバP「それ以上は思い出すな、ありす。」
ありす「はい...」
ありす「あの...」
ありす「わたしが落ち着くまでプロデューサーさんにしがみつかせてくれませんか?」
ありす「わたし、怖かったんですよ?」目ウルウル
モバP「くっ、しょうがない、好きにしろ...!」
ありす「えへへ、Pさん...」ギュー
おまけおわり
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