斧使い「どうすれば斧の人気が上がるのか本気出して考える」
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斧使い「時間になった。今月の会合を始める」
斧戦士「おう!」
斧ファイター「はい!」
斧使い「さっそくだが、本日の議題に入る」
斧使い「これは武器専門誌『月刊ウェポン』の今月号だ」バサッ
斧戦士「そういや今月号はまだ買ってなかったな」
斧ファイター「ボクも毎号愛読してますよ!」
斧使い「人気投票のページを見て欲しい」ペラ…
斧戦士「人気投票? やってるのは知ってたけど、あまり見たことねえな」
斧ファイター「どれどれ……」
1位 剣
2位 槍
3位 弓
斧戦士「すげえ、トップは剣か! さすがだな……!」
斧ファイター「2位と3位も納得の顔ぶれですね」
斧戦士「んじゃあ、斧は4位あたりか」
斧使い「…………」
5位 刀
6位 ナックル
斧戦士「あれ!? 4位は斧じゃねえのか!」
斧ファイター「たしか前見た時はベスト5には入ってたはずなのに!」
斧戦士「だけどベスト10にはさすがに入ってるだろ!」
斧使い「…………」
……
14位 棍棒
15位 斧
斧戦士「15位!? マジかよ!? 棍棒以下なのかよ!」
斧ファイター「いつの間にか、斧の人気がこんなに低くなってたなんて……」
斧使い「……こういうことだ」
斧使い「少しずつ斧の人気が落ちてきてしまってるのだ」
斧使い「私も人気投票のページなどあまり気にもしていなかったのだが」
斧使い「久々に見たらこの有様だったというわけだ」
斧使い「というわけで、今日の議題についてはもう分かってもらえたと思う」
斧使い「どうすれば斧の人気が上がるのか本気出して考えよう」
斧戦士「おう!」
斧ファイター「分かりました!」
斧戦士「っていわれてもなぁ……う~ん……」
斧ファイター「うーん……」
斧使い「たとえば他の武器になくて斧にあるもの、をアピールできれば……」
斧戦士「なんかあるかなぁ……」
斧ファイター「…………!」ハッ
斧ファイター「あっ、そうだ!」
斧使い「なにか思いついたのか?」
斧使い「まあ、たしかに」
斧戦士「俺の愛用の斧も、戦いがない時は木を切り倒すのに使ったりするしな」
斧ファイター「そこですよ! そこを生かすんです!」
斧ファイター「斧の実用性を、街頭でアピールするんです!」
斧戦士「なるほど、そりゃいいな!」
斧使い「うむ、明日にでもやってみよう!」
斧使い「通行中の皆さま、本日は斧の実用性についてご紹介させていただきます!」
斧使い「斧は武器としてだけでなく、道具としても万能です!」
斧戦士「木を伐採する! 木材を作る! 薪を割る! 料理を作る! 散髪に使う!」
斧戦士「建築には欠かせないし、日常生活でも使ってる人は多いだろう!?」
斧ファイター「どうか斧を! 斧をよろしくお願い致します!」
斧使い「斧に清き一票を!」
― ≪斧組合≫本部 ―
斧使い「『月刊ウェポン』を買ってきたぞ!」バサッ
斧ファイター「おおっ、早いですね!」
斧戦士「さっそく人気投票のページを開いてみようぜ!」
斧使い「私の読みでは、きっと10位以内には――」ペラ…
1位 剣
2位 槍
3位 弓
……
20位 鎌
21位 斧
三人「!?」
斧戦士「分からねえ……」
斧ファイター「どういうことでしょうか……?」
斧使い「うーん……道具としての側面を押し出しすぎてしまったのかもしれんな」
斧使い「斧はしょせん道具なんだ、と軽く見られてしまったのかも……」
斧ファイター「ど、どうしましょう!? せめて20位以内に戻さないと……」
斧戦士「だったら……見た目だ!」
斧戦士「斧のこの屈強なビジュアルを、前面に押し出すのさ!」ブオンッ
斧使い「やってみよう!」
斧戦士「さあさあ、見てくれ! この斧の強そうな外見を!」
斧戦士「巨大なくさび形の刃が、鋭く光って悪を倒す!」
斧ファイター「シンプルなデザインだからこそ、扱いやすく、敵を容易に倒せるんです!」
斧使い「斧は強くて美しい!」
斧使い「アクス・イズ・ビューティフル!!!」
― ≪斧組合≫本部 ―
斧使い「月刊『ウェポン』を買ってきたぞ!」バサッ
斧ファイター「待ってました!」
斧戦士「人気投票のページを開くんだ! さあ早く!」
斧使い「私の読みでは、これで20位以内には返り咲いて――」ペラ…
33位 斧
斧使い「33位ィ……!?」
斧ファイター「さらに順位が落ちてますね……」
斧戦士「どうなってんだ、こりゃあ!?」
斧戦士「っつっても、斧の強みって他になんかあるか!?」
斧使い「……ある」
斧使い「私たちは全員、がっしりした体格をしている。なぜか分かるか?」
斧ファイター「そりゃもちろん、重い斧を毎日のように振り回してるからですよ」
斧使い「その通りだ」
斧使い「この肉体美を武器にするのだッ!」
斧使い「さあ、半裸になれ!」バサァッ
斧戦士「おうっ!」バサァッ
斧ファイター「はいっ!」バサッ
斧使い「見よ! この肉体美! この肩幅!」ムキムキッ
斧戦士「剣や槍の使い手で、ここまで力こぶある奴はいねえだろ!」ムキキッ
斧ファイター「見て下さい、この背筋を! まるで山脈でしょう?」メキメキィッ
斧使い「あなたも斧を握ってみませんか! 結果にコミットする――それがアックス!」
― ≪斧組合≫本部 ―
~ 武器人気投票 ~
56位 斧
斧使い「…………」
斧戦士「…………」
斧ファイター「…………」
斧戦士&斧ファイター「!?」ギョッ
斧使い「実用性もビジュアルも筋肉もダメか……クッククク……」
斧使い「こうなったら……斧を上げるのは諦めよう」
斧戦士「え……!?」
斧ファイター「じゃあどうするんですか……?」
斧使い「決まってるだろう? 他の武器を……下げるんだよ!」
斧ファイター「ディスる!?」
斧使い「刀剣は見た目がかっこいいだけで、実用性皆無のクソ武器!」カリカリ…
斧使い「槍は長さだけが取り柄のデクノボウ!」カリカリ…
斧使い「弓矢を用いる奴はチキン!」カリカリ…
斧使い「ナイフ? 封筒でも切ってろ!」カリカリ…
斧使い「棍棒? うどんでも打ってろ!」カリカリ…
斧使い「鎌は草でも刈ってろ!」カリカリ…
斧使い「カギ爪はめてる奴ってなんであんな奇声を上げるんだよ!」カリカリ…
斧使い「トンファー? あのグルグル回す動作って絶対意味ねえだろ!」カリカリ…
斧使い「ブーメランって親離れできない子供みたいだよね!」カリカリ…
~
斧使い「ククク……出来た!」
斧使い「よし! このビラを町じゅうに貼りまくるぞ! くれぐれもバレないようにな!」
斧戦士「お、おう」
斧ファイター「は、はい……」
斧使い「これで剣や槍の人気はガタ落ちよ! ……効果は抜群だぁっ!」
斧戦士「…………」
斧ファイター「…………」
97位 斧
斧使い「あれえ……? あれれぇ……おかしいぞぉ……?」
斧戦士(やっぱりな……)
斧ファイター(斧のことだけ書かれてない時点で、犯人バレバレだし……)
斧使い「ク……ククク……クカカカカカカカッ! カカカカカカカカーッ!」
斧使い「こうなったら意地だ! 絶対斧の人気を上げてやる!」
斧使い「――どんな手を使ってもだッ!!!」
斧使い「刃はまっすぐにして、柄の横ではなく先端に取り付けよう!」
斧戦士「これじゃ斧っていうか剣や槍じゃねえか……?」
斧使い「うるせえ、黙ってろ! 頭カチ割んぞ!」
斧使い「あとは……柄に装飾品をいっぱい散りばめよう! キラキラ光ってキレイだ!」
斧ファイター「これじゃ握りにくくないですか……?」
斧使い「握りィ……? 実用性なんかどうでもいいんだよッ!」
斧使い「美少女や細身のイケメンどもを金で雇って、アイドルグループを結成させる!」
ONO48
AXILE(アクザイル)
斧使い「ハハハ、どうだ! こいつらに斧持たせて歌って踊らせれば完璧だ!」
斧使い「さらにアイドルの握った斧と触れあえる、握手会ならぬアックス会もやるぞ!」
斧使い「だが、俺の策はまだまだこんなものではないぞ!」
斧ファイター「あの……」
斧使い「あん?」
斧ファイター「それって抱き合わせ商法じゃ……」
斧使い「抱き合わせて何が悪い!!!」
斧ファイター「い、いえっ……!」
斧ファイター「どうしましょう……もはや迷走を通り越して暴走ですよ……」
斧戦士「しょうがねえよ、あいつは生まれてから斧一筋に生きてきたんだ……」
斧ファイター「この組合を作ったのも、あの人ですしね……」
斧戦士「今は好きにさせといてやろう……」
138位 斧
斧使い「…………」
斧使い「ク……クカカカ……フフ、フヒヒヒ……」
斧使い「アーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!!」
斧使い「今年の組合費全部使っちまったし、もうどうしようもねええええええ!!!」
斧使い「ハ、ハハハ……」
斧使い「もう……斧なんかどうでもいい……」
斧使い「どうでもいいんだ……」
― ≪斧組合≫本部 ―
斧使い「…………」ゲッソリ
斧使い「あー……今月の会合を始める。とっとと終わらせるぞ」
斧戦士「おう」
斧ファイター「はい」
斧戦士(斧使い……すっかり痩せこけて……やさぐれちまった……)
斧ファイター(会合はきちんと開くあたり、まだ斧への愛情はあると信じたい)
斧ファイター(けど……)
斧戦士「ん? ウチの組合に客?」
斧ファイター「珍しいですね」
斧戦士「悪いけど、ちょっと出てこいよ」
斧ファイター「分かりました!」
斧ファイター「はぁ……」
~
斧戦士「どうする?」
斧使い「……受けてやれ。どうせ、今日の会合も話し合うことは特になかったしな」
斧ファイター「分かりました!」
~
斧ファイター「オーケーです!」
記者「ありがとうございます!」
記者(ふう、助かった……)
記者(本当は落ちぶれた斧の取材なんかしたくないけど、急きょページに穴が出来ちゃったからな)
記者(まあこいつらなら取材費そんなにかからないし、ちゃちゃっと終わらせるか)
記者「お願いします」
記者(薪割りって……どうせならもっといいもん見せてくれよ。気がきかねえな)
斧使い「…………」カカカカカンッ
記者「え!?」
斧使い「…………」カカカカカンッ
記者(速い……! それに全て正確に真っ二つにされてる……! 芸術的な職人技だ……!)
斧使い「…………」カカカカカンッ
斧使い「ま……こんなもんですかね」
記者「す、すごい……! 斧ってこんなにすごいものだったのか……!」
斧使い「?」
ドガァッ!
記者「おお~……ものすごい威力だ!」
斧ファイター「30メートル先にある的に、手斧をぶつけます!」ヒュルルルルッ
ザクッ!
記者「お、お見事……!」
斧使い「どうも」
記者「正直いって私、斧ってものにあまり期待してなかったんですけど……」
斧使い「でしょうね」
記者「今日のことは絶対いい記事にしてみせますから! 記者魂が燃えてきましたよ!」
斧使い「はぁ」
斧使い(見え透いたお世辞なんかいいやがって……)
それから――
斧使い「ふう……カウンセリングを受けたりして、ようやく心が回復してきたよ」
斧戦士「ずっとあのままだったらどうしようかと思ったぜ」
斧使い「心配をかけたな。これからは地道に――」
斧ファイター「大変です、大変です!」タタタッ
斧戦士「どうした?」
斧ファイター「今月号の『月刊ウェポン』を見て下さい!」
斧戦士「ああ、そういやここしばらく買ってなかったな」
斧使い「なにがあったんだ?」
斧ファイター「人気投票のページを開きますよ!」ペラッ
1位 剣
2位 槍
3位 斧
4位 弓
5位 ナイフ
6位 ヌンチャク
7位 刀
斧戦士「こ、これは……!? 3位じゃねえか!」
斧ファイター「どうやらいつだったかの取材でボクらが見せた斧の実演の記事が大反響だったみたいで」
斧ファイター「斧の人気がグーンと上がったみたいなんです!」
斧使い「そうか……そういうことだったのか……」
斧戦士「どういうことだよ?」
斧使い「結局、心の中では斧というものを疑ってしまっていた……」
斧使い「斧やこれまで自分がやってきたことを、信じ抜くことができなかった……」
斧使い「だから人気など意識せず、いつもやってるように自分の積み重ねてきた技を見せたら」
斧使い「こんなに反響を得ることができたんだ」
斧戦士「なるほどな……」
斧ファイター「次はどうします? もっとすごい技を見せて、1位を狙いますか!?」
斧使い「いや……やめとこう。もう人気争いは懲り懲りだよ」
斧使い「これからは人気なんか関係なく、自分の斧の技量を高めることだけを考えよう!」
斧戦士「おうっ!」
斧ファイター「はいっ!」
― 完 ―
◆以下、おまけ(小ネタ)になります。
女斧戦士っていうと巨乳のむっちむちお姉さんってイメージ

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斧使い「どうすれば斧の人気が上がるのか本気出して考える」
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参考画像見た俺「ひえっ…」