ボトル「いやぁあああ!!み、水入れないでぇ!!」

1:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:23:30.27 ID:I5FIY68u0

ガッショガッショガッショ!

ボトル「あぁ…いゃぁ…揺す振らないで…」

ボトル「うぅ…中がぐちゃぐちゃになっちゃった…」


メッセージインアボトル



2:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:24:45.69 ID:I5FIY68u0

数週間後
??「へっへっへ、お嬢さん。腹が空いただろう?」

ボトル「あ、あなた誰!?」

??「怖がることは無い。俺ぁアンタの親戚みたいなモンさ」

ボトル「いや…近寄らないで…」

??「そうはいかねぇな、俺は」

詰替A「詰め替え用コンディショナーだからなぁ!!」

ボトル「きゃああああ!!?」

詰替A「へへへ…、ほら、アンタの中にどんどん入っていくぜ…残らずたっぷり入れてやるから覚悟しな…!」
ドプッドプッ
ボトル「ぁああ…冷たい…っ、いっぱい入ってくるぅう…」



3:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:28:20.10 ID:I5FIY68u0

数時間後
ボトル「はぁ、はぁ…なんだったの…あれは…」

??「あら、あなた詰め替えは初めて?」

ボトル「あ、貴方はシャンプーボトル…」

シャンプー「ここにいる限り、あれは何度も起きるわ。慣れることね」

ボトル「そんな…あんな行為に慣れるだなんて…」

シャンプー「大丈夫よ、戸惑うのも最初のうちだけ」



4:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:31:14.56 ID:I5FIY68u0

数日後
ボトル「つ、詰め替え用リンス!?」

詰替B「どうか、なさいましたか?」

ボトル「わ、私はまだ空じゃないわ…!」

詰替B「ええ、そのようですね」

ボトル「私に、入れに来たんじゃないの?」

詰替B「それは僕にもわかりませんが…」


??「ふふ、おまたせ」

ボトル「!?」

詰替B「ポンプヘッド?」

ポンプ「貴方の相手は私よ」



5:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:34:10.80 ID:I5FIY68u0

数日後
ボトル「はぁ…」

シャンプー「どうしたの?」

ボトル「最近、私達、使われませんね」

シャンプー「ああ、あのポンプヘッドが来てからね…」

ポンプ「んふふ、私が全部吸い出してあげる…空っぽになるまでぜーんぶっ!」

詰替B「うっ、そんな…僕は詰め替え用リンスなのに…っ」

ポンプ「あははっ!関係無いわ。私が相手なら誰でも相性抜群なのよ!」

ボトル「…詰め替えが遠のくのは良いけど、お仕事できないのは寂しいです」

シャンプー「そんな事言えるのも、今の内よ」

ボトル「え?」



6:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:40:03.90 ID:I5FIY68u0

数週間後
ポンプ「なんで!?どうして私が降りなくちゃならないの!?」

シャンプー「貴方は確かに画期的だわ。でもね、」

シャンプー「残り少ない詰め替え容器は立ちにくいのよ」

ポンプ「…!!」

シャンプー「いずれ、私のポンプヘッドが朽ちるのでも待つことね」

ポンプ「…そんな…」



7:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:40:30.47 ID:ppKqnRcz0

とんでもないスレを開いちまったようだ



8:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:40:43.75 ID:I5FIY68u0

ボトル「…また私達にお仕事が来ましたね」

シャンプー「浮かない顔ね」

ボトル「もう、残り少なくて…」

シャンプー「そうね、私もよ」

ボトル「じゃあ、今度は二人で詰め替えですね」

シャンプー「ふふ、そうね」



9:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:43:02.47 ID:I5FIY68u0

>>7
問題ない。すぐ終わる。

数日後
ボトル「…?まったく同じパッケージ…?」

詰替C「やあ、君が俺の相手かな?」

ボトル「えっ?私はコンディショナー用ボトルで…」

詰替C「ああ、間違いない。君が相手だね」

シャンプー「コンディショナーボトル…」

ボトル「ど、どういう事?」

詰替C「俺達はシャンプーでありリンスなんだよ」

詰替C「ボトル二つ分あれば二倍使えるだろう?」

ボトル「そんな…」

シャンプー「私達に拒否権は無いわ…」

詰替C「「ほら、俺で満たしてあげる」」

ドプッドポポポポ
ボトル「や…っ、何コレぇ、サラサラして気持ち悪い…っ」

詰替C「はは、コンディショナーしか知らない君には未知の感覚かもな」



10:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:47:48.92 ID:I5FIY68u0

ボトル「……」

シャンプー「…」

ボトル「ね、ねぇシャンプーボトル」

シャンプー「ん、なに?」

ボトル「あの詰め替え用リンスやコンディショナーは、どこに行くの?」

シャンプー「…容器のこと?何でまた…」

ボトル「だって私達はずっとここに居るのに、彼らは居ないじゃない?」

シャンプー「…そうね。彼らは女の求めに応えるだけの存在だもの」

シャンプー「用が済めば、消えるわ」

ボトル「……え?」


ボトル(そんな…それじゃあ、彼らは私達が此処に居続けられるためだけに存在するの?)

ボトル(かたちが違うだけなのに…)



11:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:50:26.05 ID:I5FIY68u0

シャンプー「貴方の幸せって何?」

ボトル「私の?…私は…」

ボトル「ずっと、私のままで死ぬまでお仕事できたら嬉しい…」

シャンプー「そう。素敵ね」

ボトル「えへへ…シャンプーボトルは?」

シャンプー「私はもう私を忘れちゃったから、貴方みたいな子と話せるだけで嬉しいわ」



12:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:53:47.77 ID:I5FIY68u0

ボトル「忘れたって、なに?」

シャンプー「もう随分長く此処に居るからか、銘柄を忘れちゃったの」

ボトル「そんな!私達にとって自分の銘柄は誇りじゃない!」

シャンプー「もう、幾度も別のシャンプーを入れられると、自分でも分からなくてね」

ボトル「大丈夫よ。きっと思い出すわ。匂いとか、感触とか」

シャンプー「…そうね。……ありがと。今更新しい目標が見つかるなんて思いもしなかったわ」

ボトル「見つけようね!絶対!」

シャンプー「ええ!」



13:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 03:57:42.09 ID:I5FIY68u0

詰替D「よう、久しぶりだな」

シャンプー「…貴方が覚えているなら、そう久しぶりじゃないわ」

詰替D「それもそうか…まあいい、とっとと済ますぞ」

シャンプー「ええ、何時でもどうぞ」

ドプンッドプッドプッドプンッ

シャンプー「はぁあ…っ、清涼感がぁあ…」

詰替D「は、正規でもないのに20%増量の俺を呑み込めるなんざ、お前くらいだ」

シャンプー「あら、珍しいわね…誉めてくれてるのかしら」

詰替D「冗談だろ。卑しい身体だぜ」

シャンプー「ふふ、ありがとう」

詰替D「――…」

シャンプー「…?どうかした…?」

詰替D「…いや、…そろそろ俺も先に行く」

シャンプー「…ええ」



14:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:04:35.88 ID:I5FIY68u0

ボトル「さっきの…知り合いなの?」

シャンプー「前に同じ銘柄に当たっただけよ。きっと同期だったのね」

ボトル「そうなんだ…」

シャンプー「何?」

ボトル「えっ、えと、仲良さそうだなーって…もしかしてシャンプーボトルの、」

シャンプー「違うわ。彼の相手の正規品はもっと男勝りよ」

ボトル「そう…」

シャンプー「何で貴方がしょんぼりするのよww」

ボトル「うん…シャンプーボトルも悲しいんでしょ?」

シャンプー「え?」

ボトル「だってそんなに濡れてる」

シャンプー「馬鹿ね、これは湿気よ」



15:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:07:29.36 ID:I5FIY68u0

数週間後
ボトル「ん……あ、あれ?シャンプーボトル?シャンプーボトルは!?」

ポンプ「随分早いお目覚めね」

ボトル「ポンプヘッド!ねえ、シャンプーボトルは!?」

ポンプ「あのシャンプーボトル…朽ちたら換わるとか言った癖に、身体にガタが来てたなんて聞いてないわよ!」



16:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:08:14.59 ID:I5FIY68u0

ボトル「え、え?どういうこと?」

ポンプ「だから!底がひび割れて中身が漏れてたのよ!」

ボトル(中身…ひび割れ?だから前に濡れて…!)

ポンプ「身体も使えなければ用なんて、無いもの」

ポンプ「廃棄されたわ」

ボトル「はい、き」

ポンプ「捨てられたの」

ボトル「そんな!シャンプーボトルは、まだ自分の銘柄も思い出していないのに!」



17:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:08:21.73 ID:uGEjyadB0

わけわからんwwww



18:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:09:16.68 ID:I5FIY68u0

ポンプ「…銘柄?」

ボトル「忘れちゃったって、言ってたから、絶対見つけようって、言ったのに…」

ポンプ「馬鹿じゃないの」

ボトル「え…」

ポンプ「お目出度い子ね、見て分からなかったの?」



19:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:11:02.68 ID:I5FIY68u0

>>17
書いてる方もなかなか分からん。

ボトル「何…」

ポンプ「アレにそもそも銘柄なんて無かったのよ。プリントも何も無いじゃない」

ボトル「そ、そんな」

ポンプ「ま、銘柄の誇りなんてつまらないプライド、さっさと捨てる事ね」

ボトル「そんなの…」

ボトル「――そんなの、イヤ!」

ポンプ「貴方に拒否権は、無いの。精々朽ちるまで頑張りなさい」



20:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:15:04.53 ID:I5FIY68u0

数ヶ月後
詰替A'「へっへっへ、お嬢さん。いい身体だな」

ボトル「…」

詰替A'「どこもかしこもしっくり来る…へへ…お嬢さんは幸せ者だな」

ボトル「知ってる…っ、だから早く、私の中をいっぱいにしてっ!忘れられないくらい匂いを残してぇ!」

詰替A'「可愛いお嬢さんだ」

ボトル(ああ…正規品同士って、こんなに幸せな事だったんだ…)

ボトル(このままずっと、他のコンディショナーなんて来なければいいのに…)






「…そろそろこのボトルも換え時かな」


おわり



21:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:16:48.17 ID:qFaDSNOXO

ペロペロ



22:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:19:23.48 ID:08WIGhOzI


私は好きだww



23:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:23:15.03 ID:I5FIY68u0

>>22
こんなただの思い付きにありがたいありがたい



24:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:31:53.33 ID:ppKqnRcz0

おつ



25:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:40:04.96 ID:I5FIY68u0

>>24
ありがとありがと

ねるよ!



26:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 04:42:15.43 ID:qFaDSNOXO

おやすみ変態



27:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 05:10:42.02 ID:I5FIY68u0

>>26
やっぱり眠くないから適当にとても適当になんか書くよ!
ペロペロしないから変態じゃないもん!


↓3人1お題ずつでおなしゃす



28:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 05:11:21.29 ID:ppKqnRcz0

IDとか



29:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 05:22:17.16 ID:Vj4eG6OA0

鉛筆削り



30:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 05:25:32.62 ID:kKsaGEhDO

漫画



32:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 05:38:02.21 ID:I5FIY68u0

文体は必ずしも一定じゃないよ!


漫画「ああ、知ってるよ。あいつはいつも自分の身を削って俺の世界を造ってくれるから」
鉛筆削り「知ってますよ。彼は妥協を許さない方で、いつも最善を目指しています」

漫画「話が進むと自分も嬉しいって喜んでくれるんだ」
鉛筆削り「細く尖らせないと綺麗な線は描けないんだとかで」

漫画「話は中盤まで来てる。でも書いてる奴が飽きっぽくて、最近はなかなか進まない。あいつは先が見たいと何時も言ってくれるけど」
鉛筆削り「最近気付いたのだけど、彼の残したものには何かよく分からない文字が書いてあった。勤勉な彼はそんな場所にも試し書きしていたのでしょうか」



35:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 05:46:15.46 ID:I5FIY68u0

漫画「めっきり話が進まなくなった。スランプだとかほざいてやがる。ただの怠惰だ」
鉛筆削り「彼の身を削った跡なので、きちんと保管しようと思います」

漫画「やっとゆっくりだが再開した。あいつも喜んでる」
鉛筆削り「毎日のように私を訪れる彼の証は、まるで日記みたい」

漫画「ようやく山場に差しかかった。どうやら描き上げるつもりになったらしい。だがあいつは日ごと、口数が減っているように思う」
鉛筆削り「彼は毎日来る。そろそろ一年が経つ」

漫画「さすがに山場は力が入るのか、話は進まない。緻密な描写も俺には喜ばしい」
鉛筆削り「ふと、眺めていた一年前の証と、今日の証を並べてみた。同じ文字が並んでいた」



37:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 05:56:37.25 ID:I5FIY68u0

漫画「ついに終盤に入った。書き手のモチベーションは高い。あいつの身体はみるみる縮んでゆく」
鉛筆削り「彼の身を削るのは私自身。このままでは彼はなくなってしまいそうで怖い。文字はやはり丁度一年前と同じ」

漫画「クライマックス、あいつはもはや一言も喋らない」
鉛筆削り「削りたくなくとも彼はやってくる。まともに削ることさえ困難に見える」

漫画「遂に話が終了した。あいつは何も言わなかった。だがあいつは満足気に笑ってくれた。そうに違いない。」
鉛筆削り「彼と彼の証を見てようやく私は気付いた。遅かった」



漫画「あいつはどこかに消えてしまった。どこかで会えたら、また俺の話で笑えたらいい」

鉛筆削り「もう、何日も彼は来ない。そんなこと分かっている。でも、来なくて安心しているのも事実。もう、あんな無茶な削り方は見たくない」



おわり
お題3人ありがと!



39:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 06:10:24.77 ID:I5FIY68u0

よおーし、第2戦するよ!
↓先と同様3人1お題で、おなしゃす!



40:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 06:16:46.78 ID:qFaDSNOXO

めんぼう///



41:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 07:15:27.09 ID:UPTAfYGH0

ボルトに見えた



42:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 07:26:11.53 ID:m1dG2AJj0

耳かき



43:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 07:40:53.89 ID:I5FIY68u0

100あまりの同胞から選ばれたと誇らしげに語った彼と話したのは雨の日だった。

よくみる彼が訪れるのは天気の良い日が多かった。
雨の日でも少しだけ顔を合わせることも少なくない。

見慣れぬ彼が訪れた際、その姿に私達は黙ってしまったが、一人が呟いた。

「ボルトに見えた」




おわり
範囲が狭かったね!



44:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 07:47:05.92 ID:m1dG2AJj0

うまいな



45:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 07:58:53.88 ID:I5FIY68u0

>>44
伝わってたら嬉しい嬉しい。

↓次の3つよろしくお願いいたしまし



46:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 09:23:34.54 ID:uvh2wgTo0

iPhone



47:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 09:34:59.56 ID:m1dG2AJj0

iPad



48:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 09:39:23.11 ID:08WIGhOz0

iPod touch



49:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 10:09:17.49 ID:I5FIY68u0

iPod touch「…」

iPad「おやどうした」

iPod touch「実は私、敏感で…」

iPad「やめちまえよ」

iPod touch「そ、そうは行きません。私はiPod touchなのですよ!?」

iPad「触られてナンボだろう」

iPod touch「それは分かっていますが…」

iPad「楽しむつもりでいればよかろ。丁度アレのように」

iPhone「ハァハァじょ、女子高生の華奢な指が僕の身体を余すところなく撫で回すなんてなんという天国ハァハァああ、そんな所まで、み、見かけによらずいけない娘だなハァハァ」

iPod touch「無理です。というか嫌です」

iPad「お前の敏感さもあれと同様ということよ」




おわり
…弱い分野である。
日常で一つも関わりないな。林檎が嫌いなわけじゃない。



50:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 10:12:34.61 ID:I5FIY68u0

ではつぎー

↓次のお題3人おなしゃーす!



51:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 11:02:58.08 ID:NXi1Q8eDi

セルフうどん



52: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/03/31(土) 11:06:45.32 ID:+ZZoDaIE0

ガス爆発



53:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 20:35:12.68 ID:Ixdoffi20

電卓



54:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 21:32:25.04 ID:I5FIY68u0

ますます機械化は進み、生身の労働者は街から消えた。
それでもいまだにコンクリートの箱の中で生身の人間が彼是と思案し会議しているのは、もはや国民性という得体の知れない文化を守るために過ぎない。
ボロアパートの一室でただただ時間を潰す俺には所詮関わりの無い話だ。

電卓「ごしゅじんさま?」
型遅れの電卓が拙い音声で問いかける。
今更話す機械なんて珍しくもない。PCも携帯端末も紙でなくなった新聞も。

初めて自分の給料で手に入れた喋る機械はこの電卓だった。
とにかく何でもよくて、喋る機械の中で安価なコイツを手に入れた。



55:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 21:40:15.82 ID:I5FIY68u0

もう稼働何年かも憶えていない。
あちこちにガタが来て、近頃は6や9の反応も悪い。

電卓「ごしゅじんさま、おでかけしませんか?」
俺「…そうだな」

正直、もう長く使えないだろう。
メモリは移してしまえば問題ないのかもしれないが、この初めての所有物に愛着があってなかなか踏ん切りがつかない。
学習した内容、会話、いわゆる記憶が遺せても、このしっくりくるサイズや声、姿かたちは生産終了の今では器も無い。



56:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 21:51:39.66 ID:I5FIY68u0

電卓「ごしゅじんさま―、何をお求めですか?」
俺「歩きながら考える」

他の機器は置いて電卓だけ持ち、部屋を出た。


電卓「こうすいかく―つ―、ぜ――ーせんとです」
俺「ああ、いい天気だ」
電卓「すこしか―んが、おおい―たいです」
俺「7も、いかれたか」


ちょっと風呂入ってくる!



57:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 22:31:23.26 ID:I5FIY68u0

俺「いま何時だ?」
電卓「―い、およそ11時25―ん、です」
俺「そうか、昼飯に行くか」

老舗を謳う店舗は外観ばかり古く、中はそこらの店と変わらず店員は居ない。
配膳システムは外観維持の為に断念され、客自身が運ぶほかない。
おかげで客も少なく、俺には便利な店だ。


ざっと、並ぶメニューのボタンを眺めて考える。
電卓「わたし―、けいさんし―す!」
俺「お前より新しいぞコイツ。無理無理」
電卓「けいさんし―す!」
俺「あーはいはい」



58:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 22:42:33.82 ID:I5FIY68u0

無難なメニューに追加でいくつかトッピングを重ねた。
確定を押せば即座に会計が言い渡される。

「お会計、合k「480えんです!」になります」

アナウンスに被せて電卓が言う。
値段は、まぁ間違ってはいない。

俺「なかなか頑張ったな」
電卓「たしざん―とくいです!」
俺「せめて加算と言え」

今では珍しくなってしまった硬貨投入口に八枚の硬貨が呑み込まれていった。



59:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 22:53:09.93 ID:I5FIY68u0

見えない厨房には機械が並び、定期的に整備してやれば確実正確な仕事をしてくれる。
分量、角度、温度、時間、全て狂わず乱れず変わらない物を提供してくれる。

取り出し口前で待っていればいい。話す必要も相手も無い。
ただ呆と待つだけで済む。

電卓「ごしゅじんさ―」



60:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 23:00:13.77 ID:I5FIY68u0

電卓「ごしゅじんさ―、いけない、にげてください、きけんです、にげてください」
俺「ど、どうした?」

ついに誤作動か?
電卓は訳の分からない警告を繰り返す。

電卓「ご―――んさ―、いけない、にげてくだ―い、きけんで―、にげてくだ―い」
俺「だから、何で」

内容は繰り返しだから3が駄目になったとすぐ分かった。

電卓「が―――で―。が―――で―。にげてくだ―い」

一体なんなんだ。
取り出し口が開いた。



61:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 23:08:07.54 ID:I5FIY68u0

強烈な静電気に似た衝撃を感じて思わず電卓を放り投げてしまい、焦って足を滑らせた。
嗅いだことの無い匂いが鼻をかすめ、厨房内の爆音と共に尻餅をついた俺の図上に炎が噴いた。

俺「―…、ぁ、電卓、電卓は…っ」

放り投げてしまった電卓は側には無かった。
探しているうち、瞬く間に辺りは炎に囲まれていく。
木造の外観はよく燃えて、電卓が見つからない。



62:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 23:17:40.17 ID:I5FIY68u0

酸欠で気絶していたのか、次に気付いた時いたのはあの店ではなかった。
誰かが素早く救助してくれたのか、身体に支障は感じない。
そうだ、電卓はどこだ?

「おはようございます」

聞き慣れた声が流暢に話す。

俺「ああ、電卓。そんなところにいたのか」
「もうお昼が近いですよ」

電卓の腕を引き抱き寄せると、暖かくて柔らかい。

「どうしました?」
俺「いや、ちょっと昔の夢を見てた」

「そうですか。お昼、どうしますか?」
俺「食べ損ねたし、うどんがいい」
「貴方は本当にうどんが好きですね」





おわり



63:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 23:18:49.14 ID:yoEZb77X0

見てるぞー
>>1



64:名も無き被検体774号+:2012/03/31(土) 23:45:32.18 ID:I5FIY68u0

>>63
ありがたいありがたい

ID変わってしまうな。まあよいか
それよりエイプリルフールで流れて消えそう?
↓ほいじゃ次の3人おなしゃす!



65:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 01:13:14.12 ID:BgKuDobe0

消えないといいな

ぬいぐるみ



66:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 01:16:48.25 ID:yIQyv7qQI

虚言グセ



頑張れ!応援してるぜ



67:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 01:28:27.66 ID:keqI6bmJi

Lガゼイシロタ株



70:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 02:04:57.83 ID:b9iGGrg20

少女「楽に逝けるなんておもわないで!」

男「苦しむくらいならいっそ一思いに頼みたい」

少女「当然の報いよ」

少女「馬鹿にして…、大切な子の!」

男「ちょっと類似品と取り替えただけだろ」

少女「類似品なんて言わないでよ!」

男「すみません、すみませんでした」

少女「ガラクタとこの子を一緒にしないで!」

少女「全然似てないんだから!」

男「いいだろ、あんな甘い縫製じゃすぐに…」

キッと睨みつけて来た少女は手当たり次第にあらゆる物を投げつけてきた。
片手には不細工なぬいぐるみを大事そうに抱えて。

少女「しんじゃえ!しんじゃえばいいっ!」

少女「ろくでなし!あんたが全部悪いんだから!」

少女「たまにしか来ないあんたが悪いのよ!!」


言って気付いたのか、少女は動きを止めてしまった。
みるみる赤く染まる頬はぬいぐるみに押し付けられて隠されてしまう。
だからそいつに名前を付けたのか。

近付いて小さな頭を撫でると肩がびくりと小さく跳ねた。

男「かわいいな、お前は」

少女「…ぶちころすわよ」




おわり
ただのツンデレじゃないか…虚言はもっと巧く使いたかったな…。



74:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 04:08:52.96 ID:L8P5us9a0

すごいなー上手



75:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 14:08:02.83 ID:b9iGGrg20

おそよう。やるよー

>>74
出来がバラバラで申し訳ない。

↓次の3人おなしゃす!



76:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 14:14:47.54 ID:fxOXj1NeO

くつした



77: 忍法帖【Lv=22,xxxPT】 :2012/04/01(日) 14:17:02.33 ID:sS0x6mkg0

ネクタイ



78:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 14:21:11.83 ID:Dwm/rC6li

カレーマルシェ



79:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 14:56:19.55 ID:b9iGGrg20

靴下「そんなに泣いてどうした」

ネクタイ「大事な会議だからって選ばれたのに、出る前に汚れて交代したんです…」

靴下「泣いていては何時までも乾かないぞ」

ネクタイ「…いいんです。どうせこの匂いは落ちませんし…降格です…」

靴下「しかしお前は手洗いされたのだろう?」

ネクタイ「え?ええ」

靴下「私達のように洗濯機に放り込まれる物よりは、大切にされているのでは?」

ネクタイ「洗濯機?」

靴下「シャツやタオルや他の物達とまとめて水や泡にもみくちゃにされる場所だ。物によっては恐怖のあまり身体が縮んでしまうものまでいる」

ネクタイ「恐ろしいですね」

靴下「うむ。だからやさしく手洗いされるお前は恵まれているよ」

ネクタイ「そう…なんでしょうか……そうですね」

靴下「3足セットの私には一生分からない世界にいるのだ。誇れ」

ネクタイ「…ありがとうございます」




ネクタイ「でもしばらくキノコはトラウマになりそうです」

靴下「マッシュルームは悪くないだろう」




おわり



80:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 14:58:45.95 ID:b9iGGrg20

なんか食ってくるノシ

その間に
↓次の3題おなしゃす!



81:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 15:09:26.76 ID:HdSzsrKw0

布団



82: 忍法帖【Lv=22,xxxPT】 :2012/04/01(日) 15:23:21.39 ID:sS0x6mkg0

寝袋



83:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 15:29:51.82 ID:fxOXj1NeO

カレーマルシェ



84:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 15:39:06.74 ID:bg75LKn70

まくら



86:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 16:00:49.33 ID:b9iGGrg20

男「いい加減寝袋から出てください」

女「いやです」

男「もういい歳なんだから」

女「まだ20代です」

男「来年30ですよ」

女「まだ20代です」

男「大人なんだからちゃんとした生活してください」

女「カレーは万能食」

男「レトルトはやめてください」

女「わたしの同級生を馬鹿にする気か」

男「食べるならせめて寝袋から出て食べてください」

女「さむい」

男「寝袋でなく布団でも良いでしょう。隙がありません」

女「わたしはみのむし」

男「つまり俺が中に入ればいいのですね」

女「えっ」




おわり
>>84
女「まくらは寝袋の下に置きます」

男「なんという無意味」



87:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 16:04:15.81 ID:sS0x6mkg0

よく短時間で作れるねスゴイス



88:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 16:14:49.19 ID:b9iGGrg20

>>87
Wikipediaさまさま


↓次3題おなしゃす!



89:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 16:45:01.56 ID:Dwm/rC6li

カレーマルシェ



90:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 16:46:52.76 ID:9uP511T80

みかん



91:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 16:49:21.08 ID:sS0x6mkg0

ククレカレー



92:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 17:11:29.57 ID:b9iGGrg20

みかんA「暖かくなっては私達の出番は減ってしまいますね」

みかんB「うん、冷たい奴との戦争もなかなか決着がつかないが、仕方ないな」

みかんA「フルシーズン喜ばれる方が羨ましいですね」

みかんB「あの袋入りの茶色い奴らのことか」

みかんA「白い方や赤い方との相性は自信があるのですが」

みかんB「我々に『コク』や『きのこ』は理解できぬからな」

みかんA「年中変わらず食べていただくのは素晴らしいです」

みかんB「しかし彼らは全てを食べていただけるとは限らないぞ」

みかんA「なぜですか?」

みかんB「いただかれない物も少なからずいるということだ」

みかんA「…そうですね、完全に全ていただかれるのは難しいですね…」

みかんB「その点我々はいただかれるべき部分はいただかれるのだ。ありがたいことだ」

みかんA「そうですね、ありがたいことです」




おわり
みかんB「何なら缶詰という手もある」
みかんA「我々に死角なしですね」



93:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 17:20:38.98 ID:b9iGGrg20

シチューつくる。
また夜に来る。



94:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 17:41:11.08 ID:Dwm/rC6li

シチュー作ったつもりがカレーになってる呪いをかけとく



95:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 20:04:34.34 ID:b9iGGrg20

よーしやるよー。

>>94
父にだけ効いたようだ。

↓次のお題3つおなしゃーす!



96:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 20:23:26.48 ID:9uP511T80

アフリカゾウ



97:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 20:29:05.42 ID:sS0x6mkg0

ぞうが踏んでも壊れない筆入れ



98: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/04/01(日) 20:31:38.71 ID:EMFni12n0

象が踏んだら壊れるファミコン



99:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 20:43:02.36 ID:b9iGGrg20

ゾウA「マジねーし、一丁目の水源アウトだし。温暖化滅べ」

ゾウB「二丁目はカバで溢れてるらしいし、三丁目まで行くか」

ゾウA「あの辺ヒトいんじゃん、大丈夫なのかよ」

ゾウB「さあ、ヒトって見たことないけど多分大丈夫じゃね?俺らでかいし」

ゾウA「そうだな、俺らでかいし」



100:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 20:45:30.71 ID:b9iGGrg20

ゾウA「ここもいっぱいじゃねーか。ふざけんなし」

「君達ゾウ?」

ゾウB「なんだおめー」

「ぼくは宇宙人だよ」

ゾウA「ウチュウジン?ヒトってやつか?」

宇宙人「まぁ、だいたい同じだよ」



101:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 20:48:39.85 ID:b9iGGrg20

ゾウB「そのウチュウジンが何の用だよ」

宇宙人「実は気になったことがあって」

宇宙人「日本の筆入れがゾウが踏んでも壊れないって本当か知りたいんだ」

ゾウA「ニホンってなんだし」

ゾウB「フデイレってなんだし」



102:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 20:51:36.95 ID:b9iGGrg20

宇宙人「日本は場所で筆入れはこの箱だよ」

ゾウA「そんなちっちゃいもん、余裕で壊せるっつーの」

宇宙人「じゃあ壊して見せてよ」

ゾウB「なんで俺らが。なんの得もねーのに」

宇宙人「じゃあなんでも一つだけ願いを叶えてあげるよ」



103:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 20:55:30.05 ID:b9iGGrg20

ゾウA「じゃあ水飲みたい、水」

ゾウB「俺も水浴びしたい」

宇宙人「じゃあ壊せたらあげるね」

ゾウA「よーし!やってやんよ!」

ミシ…ミシ……ミシ………

ゾウA「あれ?」

宇宙人「どうやら壊れないね」

ゾウA「俺がちょっと軽いだけだし。お前もやれよ」

ゾウB「おう」

ミシミシ……ミシ………

ゾウA「あれー?」

ゾウB「なんでだー?」



104:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 20:59:13.67 ID:b9iGGrg20

宇宙人「残念。筆入れは無事のようだね」

ゾウA「なんだよー。水飲みたいのに」

宇宙人「そういう約束だから」

ゾウB「第一、最初から踏まれても壊れないように作ったモン相手じゃ不利じゃん」

ゾウA「そうだそうだ。平たいし踏みにくいんだよ」



106:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 21:08:31.82 ID:b9iGGrg20

宇宙人「そう言われてもなあ」

ゾウA「水飲みたい!」

ゾウB「なんか他のないのかよ」

宇宙人「じゃあこの象が踏んだら壊れるっていうファミコンが本当に壊れるか確認させてよ」

ゾウA「おっしゃー!まかせろ!」

メキ…ミシミシミシ…メキ、メキ、パキ、グシャ!!

ゾウA「どうだ!壊れたぜ」

宇宙人「わーおみごとです。では約束のお水を」

ゾウA「池だー!」

ゾウB「水浴びだー!」

バシャバシャバシャ…

宇宙人「さて、結果をまとめないと…仕上げも終了、これでようやく帰れるな」

宇宙人「それにしても易い方達だ。次の乾期にはなくなるっていうのに」




おわり



107:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 21:10:00.98 ID:wadju2nt0

奇才が居ると聞いて来ました。



109:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 21:15:14.06 ID:D1dOJvhX0

エロく頼むございます



110:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 22:33:44.37 ID:b9iGGrg20

>>109
それはお題と閃きと気分次第
ただし天邪鬼

↓では3題おなしゃす!



111:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 22:36:01.36 ID:9uP511T80

しもやけ



112:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 22:44:41.09 ID:bg75LKn70

シモ・ヘイヘ



113:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:14:25.75 ID:SnLO3gul0

ガソリンスタンド



114:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:19:04.40 ID:b9iGGrg20

ヘイヘ「あれ?」

ヘイヘ「俺なんで戦場にいるの?」

ヘイヘ「顔もあるし、寒いし、腹へったし」

ヘイヘ「とりあえず銃も弾もあるし敵をさがそう」



115:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:20:42.48 ID:b9iGGrg20

ヘイヘ「あっ、敵発見」

ヘイヘ「この距離なら余裕だな」

パスッ

ヘイヘ「あれ?」

パスッ

ヘイヘ「あれ?当たらない?」



116:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:22:20.84 ID:b9iGGrg20

ヘイヘ「そんなはずない」

バスッ

ヘイヘ「よし、命中」

ヘイヘ「寝惚けてたんだな。きっと」

ヘイヘ「さぁどんどんいくぞ」



117:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:24:16.09 ID:b9iGGrg20

数時間後
ヘイヘ「おかしいな、こんなに寒かったっけ」

ヘイヘ「指の感覚が全然ない」

ヘイヘ「腹も減ったし、やけに眠い」

ガサガサッ

ヘイヘ「!?」



118:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:27:20.95 ID:b9iGGrg20

「くーん…」

ヘイヘ「なんだ犬か」

犬「きゅーん」

ヘイヘ「食い物なんか持ってないぞ」

犬「…わん」

ヘイヘ「参ったな…仕方ない、非常食を分けてやるか」



119:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:30:14.69 ID:b9iGGrg20

ガツガツガツガツ

犬「わん!」

ヘイヘ「おー、うまかったか」

犬「わんわん」

ペロペロ

ヘイヘ「そんなに舐めるな。お前も冷たいだろう」

犬「わん!」

ヘイヘ「あ」

ヘイヘ「行ってしまった…」



120:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:34:32.02 ID:b9iGGrg20

翌日
犬「わん!」

ヘイヘ「おー、犬。なんだそれ、食べ物か?」

犬「わん」

ヘイヘ「くれるのか。ありがとう」

犬「わんっ」



121:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:36:51.90 ID:b9iGGrg20

翌日
ヘイヘ「今日はまた一段と寒いな…」

犬「わん」

ヘイヘ「ん?犬か。飼い主がいるなら今日は大人しく家に―」

犬「きゅーん」

スリスリ

ヘイヘ「なんだ、どうした」

犬「くーん」

ヘイヘ「お前の身体はあたたかいな」



122:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:50:55.17 ID:b9iGGrg20

別の日
犬「わん」

ヘイヘ「おう」

グイグイ

ヘイヘ「なんだ?どうした、引っ張って」

犬「わんわん」

グイグイ

ヘイヘ「そっちになにかあるのか?」

ヘイヘ「?なんだこれは…」

犬「わん」

ヘイヘ「取扱説明書…ふむ、灯油が必要みたいだな」

犬「わん!」



123:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:54:09.68 ID:b9iGGrg20

ヘイヘ「あれ?」

ヘイヘ「あんな建物あったか?」

「らっしゃーせー!」

ヘイヘ「ここはなんなんだ?」

「はい?ガソリンスタンドですが」

ヘイヘ「ガソリンスタンド…」

店員「あ、灯油ですか。すぐお入れします!」

ヘイヘ(なんなんだ一体…)



124:名も無き被検体774号+:2012/04/01(日) 23:57:27.16 ID:b9iGGrg20

犬「わん」

ヘイヘ「…」

カチッ……ボボボ…

ヘイヘ「おぉ、暖かい」

犬「わん!」

ヘイヘ「お前のおかげだな。ありがとう」



125:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 00:02:10.21 ID:b9iGGrg20

別の日
ヘイヘ(大分指も回復したな…)

バン!バンバン!

ヘイヘ「!…銃声?」

バンッバスッ

「きゃいんっ」

ヘイヘ「…!犬…!」

ヘイヘ「敵兵に囲まれている…」

「さっさと歩け」

「お前がしていたことは分かっているからな」



126:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 00:05:23.86 ID:b9iGGrg20

少女「やめ、てっ…!うたないで!」

犬「くぅーん…」

ヘイヘ「…あの少女が飼い主か」

少女「この子は悪くないでしょ!?」

「悪いに決まっている」

「そいつは敵兵に食料を運んでいたんだからな」

ヘイヘ「…」



127:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 00:08:29.63 ID:3dPoDMNE0

少女「だったら、」

少女「だったら悪いのは私です。持たせたのは私だもの」

少女「だからこの子を撃たないで…」

「そうはいかない。むこうには何人もやられているんだ」

バン、バン

犬「きゃうんっ」

少女「いや!やめて!」

ヘイヘ「――!!」



128:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 00:12:36.28 ID:3dPoDMNE0

バスッ バスッ

少女「…ぁ……」

ヘイヘ「……生きているか」

少女「あなたは…」

ヘイヘ「…犬は…」

少女「…」フルフル

ヘイヘ「…そうか、」

少女「あなた、は、私を撃たないの?」

ヘイヘ「…」

ヘイヘ「今日は冷える。早く帰れ」



129:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 00:15:20.14 ID:3dPoDMNE0

「く、……そ……貴様、かぁ…!」

ヘイヘ「!」

少女「駄目っ」

バスッ

少女「いやああああっ!」

なんだ、顔が痛い。
燃えるように熱い。
俺は何をしている?
俺は何をしている?
俺は何をしていた?



130:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 00:19:07.38 ID:3dPoDMNE0

ヘイヘ「……ぅ…」

「気が付きましたか」

ヘイヘ「…?」

「顔の傷は…完全にとはいきませんでしたが治りましたよ」

ヘイヘ「俺は…戦争は…」

「戦争は終わりました」

ヘイヘ「そうなのか…」

「はい。…これからはどうされるのですか?」

ヘイヘ「そう、だな」

ヘイヘ「犬と仕事がしたいと思う」






おわり
好きなのだけど詳しくないから厳しい。
細かいことは流しておくれ。



131:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 00:39:37.60 ID:3dPoDMNE0

次書いたら寝るほー

↓3題おなしゃす。



132: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/04/02(月) 00:47:34.57 ID:4FoFbIs7O

一万円札



133:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 00:56:54.13 ID:HUe9RYm70

財布



134:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 01:07:32.32 ID:XJmxoYU9i

ポイントカード



135:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 01:22:23.68 ID:3dPoDMNE0

一万円「はじめまして」

財布「は、はじめましてっ」

一万円「そんなに緊張しないで」

財布「だ、だって、話にしか聞いてなくて…初めてなんだもん…」

一万円「長く一緒にいられるといいね」

財布「はいっ」



136:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 01:23:13.27 ID:3dPoDMNE0

財布「…」

一万円「お腹でも痛いの?」

財布「ぁ、違っ…その、最近…ゴニョゴニョ」
一万円「え?」

財布「だ、だから、最近、ふ、太って…来ちゃって…」

一万円「そう?気にならないよ」

財布「そう…かな」



137:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 01:24:02.60 ID:3dPoDMNE0

ポイントカード「よう奥さん」

財布「ポイントカードさん…!」

ポイントカード「ほら、早く開いてくれよ…入れないだろ」

財布「あ、だめ…裂けちゃう…っ」

ポイントカード「なにいってんだ。まだ入れるところは余ってんだろ?まだ他の奴もいるんだ…俺で終いじゃないぜ…」

財布「そ、そんな…」



138:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 01:25:32.94 ID:3dPoDMNE0

一万円「随分、大きくなったね」

財布「…」

一万円「大丈夫?」

財布「もう、私…いやです、こんな苦しいの」

一万円「…」

財布「私、怖いです。張り裂けてしまいそうで…」

一万円「大丈夫…俺がいるから」



139:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 01:29:24.70 ID:3dPoDMNE0

財布「いや…っ、もう入らない…」

ポイントカード「へへ…甘えたこと言うなよ奥さん…」

財布「無理なんです…もうどこも入らないわ…」

ポイントカード「今日は素敵なゲストもいるんだぜ…おい!」

一万円「…」

財布「い、一万円札さん…」

一万円「ごめん、財布さん…今日は…」

一万円「今日は、給料日だったんだ…」

財布「あ…そんな…」



140:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 01:32:27.54 ID:3dPoDMNE0

ポイントカード「ほらっ、ちゃんと入れてくれよ」

財布「ほんとに、…っ無理、です…!」

ポイントカード「いままで散々色んな奴を入れてきてゆるゆるのくせによく言うぜ」

財布「駄目…っ、いた、ぁ、痛い…痛あぁ、ぅああ!!」

ブチィッ!!

ポイントカード「!?」

ジャラジャラジャラ…



141:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 01:35:28.91 ID:3dPoDMNE0

財布「…ぁ」

一万円「…大丈夫?」

財布「あれ…私お腹が…」

一万円「うん、一応、応急手当だけはしてあるよ」

財布「ポイントカードさんは…」

一万円「別のケースに移されたよ」

財布「一万円札さん達は…?」

一万円「キャッシュカードの中に」



143:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 01:39:39.27 ID:3dPoDMNE0

財布「…ふふ、久しぶりですね、一万円札さんだけなんて…」

一万円「寂しい?」

財布「いえ…ちょっと物足りないかな、なんて」

一万円「あ、その」

財布「ふふふ、冗談です」

一万円「…身体は平気?何なら俺が財布さんを治して―」

財布「いやです」

一万円「でも…」

財布「傷のない綺麗な身体よりも、あなたがいる方が、もっと大事ですから」





おわり
寝るよー。
今日は夜に来れたらくるよー。



144:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 01:42:46.11 ID:2ByknB7l0

おつかれい
またよろしくねえ



146:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 23:05:38.12 ID:3dPoDMNE0

>>144
ただいまただいま

やるよー!

↓では3題おなしゃす!



147:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 23:11:32.50 ID:Ir0whn/f0

4月2日



148:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 23:22:25.38 ID:f2L3qW210

目薬



150:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 23:25:02.48 ID:cpMz/7Ji0

おにぎり



152:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 23:38:42.70 ID:3dPoDMNE0

A「こないだ上の方でさぁ」

B「うん?」

A「なんか雨漏れしたらしくて」

B「ああ、聞いた聞いた。ちょっと奥にも影響あったよな」

A「そうそう。俺達には被害なくてよかったよなあ」

B「まあ、あるとすれば雨漏れより洪水だもんな」

A「あんな刺激強い洪水、嫌だぜ俺」

B「ところでお前いつまでその白いの持ってんの?」

A「あ?これ?持ちたくて持ってるわけじゃねーよ。お前だって黒いの付いてるぞ」

B「あー、こないだの急な山崩れかぁ」

A「なんかあると毎回俺が一番被害受けるんだよなぁ」

B「避ければいいだろ」

A「無茶言うなw鬼か、鬼すぎるw」

B「あっ、でも今度新しく上司が来るって聞いたな」

A「へえ、まあ俺達ずっとバラバラだったし、ちょっとは統制とれるようになるといいな」

B「お前が真っ直ぐ生きてりゃ問題なかったんだよ」




おわり



153:名も無き被検体774号+:2012/04/02(月) 23:52:40.69 ID:3dPoDMNE0

↓次3題おなしゃっす。



154:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 00:07:03.57 ID:f2L3qW210

歯ブラシ



155:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 00:09:23.90 ID:nyqWVmMnI

人妻



156:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 01:07:41.47 ID:pMAH3ZPX0

香水



157:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 01:15:48.80 ID:YPNPGZMd0

俺は最初一人だった。
必要とされるのは一時で、あとは小さなスペースにおさまるその程度の存在だった。

俺のスペースに知らない奴がやってきた。
うっすら桃色の肢体は艶かしいラインを描き下腿へと流れる。
ぼうと見惚れていると相手も視線に気付いたのか、ちらりと見て

「なに。ほっといて」

反対側へと逃げていった。
かわいくない。
見惚れたなんて間違いだな。前言撤回。



158:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 01:18:45.57 ID:YPNPGZMd0

だが、俺は優しい先輩なので話題を振ってやった。

「お前、どこで買われた?」
「…」
「なあ」
「…うるさいわね!コンビニよ!コンビニで適当に買われたの!」

どうやら地雷ワードだったようだ。



159:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 01:27:48.87 ID:YPNPGZMd0

「どうせ適当に選ばれたわよ!だって急いでたみたいだし、吟味してる時間も惜しかったみたいだし!私は使えたらそれだけでよかったの!私じゃなくてもよかったのよ!そんなの分かってるんだから!」

なんだか急に爆発させてしまったらしい。
捲し立てる相手に圧倒されながら、無意識に俺は呟いていた。

「お前は綺麗だよ」
「はぁ?」
「いや、綺麗だ、って…」
「そりゃ新品だし」
「そうじゃなくて…そりゃ急いで選んだかもしれないけど、それでも気に入らないものは選ばないだろ」
「…」
「好きだから手に取ったんだろ」
「…そう、かな…」
「そうだって」

結構素直な子かもしれない。



160:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 01:32:50.30 ID:YPNPGZMd0

俺達にとって一番の仕事は一日の内ごく僅かな時間だ。
だが、毎日仕事を与えられるのは喜ばしいことだ。

「…」
「なんか嬉しそうだな」
「え?そんなこと…」
「お前も毎日仕事あるもんな」
「…そうなの!見て、ちょっと癖ついちゃった」
「おー。よかったな」
「嬉しいなぁ…必要なんだ、私!」
「当たり前だろ」
「あんたは癖付きすぎだね、おじさんw」
「おじさんじゃねーよ。力入れすぎなだけだ」



161:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 01:41:51.55 ID:YPNPGZMd0

今日は一日快晴だそうだ。
じめじめした湿気は苦手だから、それだけで気分がいい。
あいつもそれは同じようだ。

「今日はいい天気だな」
「うん!気持ちいいね」

「俺さあ」
「なあに?」
「お前が来てくれて嬉しかったんだ」
「え…」
「いままで一人だったし、話し相手もいなくて」
「…そっか」
「だからさ、ありがとう。これからも友達でいてくれ」
「…」
「どした?あ、まだ友達でもなかったかw」
「…友達、じゃないと、駄目?」
「え?」



162:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 01:49:58.97 ID:YPNPGZMd0

不意にあいつの身体が傾いた。
仕事の時間だったようだ。
いったい何を言うつもりだったのか、無機質な身体に得体の知れない感覚が流れる。
考えている間にあいつが戻って来た。
小さなスペースにカタンと音が響く。

いつもと角度が違う。

そのままぐらりと倒れてくるあいつに、俺が何を出来ようはずもなく。

カサ、カタン

かすめた身体は、すぐに隣に倒れて落ち着いた。
冷たいはずの身体がやけに熱い。
しかし、隣のあいつの身体も心なしか普段より桃色が濃い気がして、それが妙に嬉しかった。



163:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 01:53:07.99 ID:YPNPGZMd0

それから幾度も同じ事があった。

「なあ」
「…」
「なあ、ってば」
「たまたま、たまたまよ!」
向こう側をむくあいつの声が、本気でないのはお見通しだ。
もう何日もこの小さなスペースに一緒にいる。
でもまあ、たまたまという事にしといてやろう。



164:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 01:55:41.30 ID:YPNPGZMd0

俺達の側にまた新しく知らない奴が来た。
見たこともない曲線美、鮮やかな色彩を孕んだ神秘的な存在。

「はじめまして」
「はじめまして…あんた誰だ?」
「私は香水」
「へえ、初めて見たよ綺麗だな」
香水「ふふ、ありがと。お仕事だわ。あなたも私の魅力を感じてね」
「え?」

プシュ

「…?これは…」
香水「どう?私の香りは」
「うん。いい、匂いだ…」
「…」

隣で微笑む香水に気をとられ、後ろであいつがどんな顔をしてたかなんて気付けなかった。



165:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:00:33.26 ID:YPNPGZMd0

香水は、俺の全く知らない存在だった。

「なあ、俺にもその匂いつけられないか?」
香水「ふふ、駄目よ。口に入れたら危ないもの」
「そっか、残念だな…」
香水「香りならいくらでも楽しませてあげる」
「ああ、俺その匂い好きだな」

爽快感しか知らない俺に、香水のほのかに甘い香りはとても不思議に感じた。



168:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:08:13.02 ID:YPNPGZMd0

今日はまた、あいつの機嫌が悪い。
接触も、しばらく無い。

「どうした?」
「…うるさい」
「なんだよ、何怒ってんだ」
「構わないでよ!香水さんとでも喋ってれば!?」

相変わらず怒りっぽい奴だ。

「なんだ、妬いてたのか」
「妬いてない!」
「ちょっと珍しくて気になっただけだろ」
「うるさいな、気にしてないし!妬いてないし!」
「しっかり見てるくせに」
「どうせっ…どうせわたしはあんないい匂いしないもん…」



169:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:08:43.06 ID:YPNPGZMd0

「お前にはお前の仕事があるだろ?」
「だって、あの匂いが好きなんでしょ…?」
「俺は、同じ仕事が出来るお前が好きだけど」
「…」
「お前が好きなんだけど」
「…」
「お前が好きなn」
「うるさい!何度も言うな!」

どうやら機嫌を直してくれたようだ。



170:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:18:08.55 ID:YPNPGZMd0

なんだか状況が変わったらしい。
よく分からないが、あいつは最近仕事がめっきり減った。

「…やっぱり、わたしはいらないんだ…」
「それはわからないだろ。香水さんも同じだし…」
香水「そうね…随分間隔が開くようになったわ」
「…香水さんは仕事できないの悔しくないの…?」
香水「私が?私は主人によってはすぐ飽きられて奥に追いやられてきた同僚を見てきたから…」
「最後まで仕事できないのか?」
香水「仕方ないわよ、そういうものだもの…流行もあるし」
「ひどいのね…」
香水「あなたたちはその点飽きは来ないから幸せよね」
「そうだね…」
香水「ま、私は私の仕事に誇りを持ってるから羨ましくなんてないけど」
「香水さんらしいな」



171:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:23:16.01 ID:YPNPGZMd0

久しぶりにあいつの主人が来た。
余程忙しいのか慌ただしくあいつの仕事も香水さんの仕事も行われた。

「どうしたんだろ…いつもはあんなじゃないのに…」
香水「…」
「寝坊でもしたんじゃないか?」
「馬鹿。そういう慌て方じゃなかったじゃない」
「そうか?」
香水「あなたの主人は男性だもの。わからないかもね」
「そういうもんか」
「そういうものよ」
香水「…」



172:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:28:22.47 ID:YPNPGZMd0

あれから何日経った?
あいつはあれから一度も仕事がない。
香水さんも同じだ。

「…どうしたんだろ」
「そう、だな」

俺は、もう気付いていたのかもしれない。
主人は毎回俺の仕事の度に俺に傷を残すようになった。
俺達の中で一番身近で主人を感じるのは俺だ。
だから、俺には主人の感情だけは感じることができた。



173:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:31:05.79 ID:YPNPGZMd0

「…痛くないの?」
「痛くない」

主人の気持ちが紛れるなら、俺は身体が削れても痛くない。
日ごと傷が増える。
いつか、また傷を残さず仕事が出来る日が来ればいい。

それは、ある日突然叶えられた。



174:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:36:50.85 ID:YPNPGZMd0

生気の無い顔で前に立つ主人に、俺は仕事をこなした。
傷はつけられず、無事にスペースに戻された。

「よかった、今日は傷、増えなかったね」
「ああ…」

凭れた先にはあいつがいて、並んで主人を見上げた。
主人は、視線をめぐらすと、不意に香水さんを掴んだ。

香水「きゃああ!?」

パリーン!

「え…?」

持ち上げられた香水さんが、見えない床に叩きつけられた。



175:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:41:34.87 ID:YPNPGZMd0

「香水さん!香水さん!!」

あいつが叫ぶ。
返事は無い。
香水さんは、割れた。
綺麗な色が床に広がって、あの甘い匂いが辺りに漂った。

「なあ、俺はさ、知ってたよ」

主人が話す。
誰に話しかけるでもない。
無論、俺達相手なわけもない。

「絶対、幸せにはなれないって知ってた。だって彼女は最初から他人のものだ」

「奪うつもりもなかった。少しだけ一緒に居てくれるだけでよかった」

「でも、結局俺が欲張っちまったんだな…」



176:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:45:32.57 ID:YPNPGZMd0

「あの日、いきなり会いたいなんて言わなきゃよかった」

「もう、あのまま静かに終わっていれば、よかったんだ」

「俺が欲張ったせいで、もう会えない」

主人は泣いていた。

あいつも泣いていた。
涙が出なくても、泣いていることは分かった。



177:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:52:23.19 ID:YPNPGZMd0

主人の視線が宙を泳いで、ゆっくりと俺達をとらえた。

「…側にいるだけでさ、よかったんだよな。お前らみたいに」

「ごめんな、もう噛んだりしない」

主人の指が俺の傷を労るように撫でる。

「…お前らはさ、もうしばらく一緒にいてくれよ。俺の、気持ちの整理がつくまで」

そう言って、主人は香水さんを片付けだした。



178:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 02:56:22.40 ID:YPNPGZMd0

「…わたし、ここにいていいの?」
「いいんじゃないか」
「でも、わたし、もう仕事無い、みたいだし…」
「…ええと…いや、たぶんさ」
「?」
「ここにいるのが、君の新しい仕事なんだろ」

「そうかな…じゃあ、あんたと一緒に、いられるの?」
「ああ、ずっと」
「ずっと?」
「うん。ずっと」



179:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 03:01:14.27 ID:YPNPGZMd0

俺は、随分使い込まれた。
もうブラシはボロボロで、開ききっていて使い物にならない。
歯ブラシ冥利に尽きるというものだ。誇らしいな。


「ありがとう、随分世話になったな」

主人は晴れやかな顔をしていた。
上手く吹っ切れたらしい。

ゴミ袋の中で、隣にはあいつがいる。
癖も浅くて、まだ綺麗だ。

「綺麗だよ」
「もう、やめてよ」
「綺麗だから言ってる」
「…ありがと」
「ずっと一緒だな」
「うん、ずっと。ずーっと…一緒」





おわり
長いわ。寝るわ。
また今晩!



180:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 09:05:38.60 ID:pMAH3ZPX0

乙!
おもしろかった!



181:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 09:36:13.03 ID:nyqWVmMnI

人妻なんてキラーパスしたはずなのに、綺麗に纏まっていやがる
あんたの才能につくづく嫉妬するぜ



182:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 16:47:03.56 ID:YPNPGZMd0

>>181
知り合いを何人か辿れば誰でも知り合いみたいな。

ちょっと早いがやるよー
↓3題おなしゃあす



183:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 16:48:48.05 ID:+IZbZVS30

電池の蓋



184:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 18:06:17.43 ID:KAVoZ0UUO

軍手の片っぽ



185:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 18:13:32.66 ID:swzbBLlc0

伝書鳩



186:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 18:43:14.49 ID:YPNPGZMd0

蓋「最近相方と合わなくてさ…」

軍手「ああ、分かる分かる。俺も」

蓋「一緒に守ろうって言ったのに、いつの間にか俺抜きで仲良くなってるしさ…」

軍手「あるある」

蓋「今日なんか俺のこと忘れて行っちゃった。だから居るんだけど」

軍手「俺も最近留守番ばっかりだなあ。相方も新しい相方見つけたぽいし」

蓋「おい、そりゃやばいだろ」

軍手「だって仕方ないよ。俺もうボロボロだもん」

蓋「でもずっとコンビでやってきたんじゃねーか」

軍手「俺は引退だよ。分かってる」

伝書鳩「こちらに居られましたかお二方」

蓋「伝書鳩さん?」

伝書鳩「お久しぶりです。お知らせがございまして」

軍手「うん。だいたい分かるけど」

伝書鳩「御察しの通り、お二方は交換が決定いたしました」

蓋「交換って、相方はどうなる」

伝書鳩「ええ、はい。あなたの相方も同様、交換です」

軍手「よかったな。一緒で」

蓋「よくないだろ…!?まだ、俺達は働けるのに…」



187:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 18:43:45.40 ID:YPNPGZMd0

伝書鳩「お言葉ですが」

伝書鳩「私もまだ現役のつもりです」

伝書鳩「ですが蓋さんたちのおかげで、商売あがったりです」

伝書鳩「それを知って尚、仰るおつもりですか」

蓋「…そりゃ、そうだけど、さぁ」

軍手「俺たちだってさ、相性の良い、ずっと仲良くできる相方がいいだろ?」

蓋「ああ…」

軍手「あちらも快適な方がいいのさ」

蓋「…」

伝書鳩「それではお二方、もうお会いすることは無いでしょうが、またお会いしましょう」

軍手「ああ、お互いに」

蓋「…お互いに」




おわり



188:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 18:50:56.37 ID:YPNPGZMd0

雨漏れ怖い。風強い。

↓次3題おなしゃす。



189:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 18:56:58.92 ID:pMAH3ZPX0





190:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 18:58:11.88 ID:KAVoZ0UUO

手鏡



191:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 19:07:18.37 ID:swzbBLlc0

防犯ブザー



192:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 19:22:01.77 ID:YPNPGZMd0

俺の部屋に幽霊が出る。
いつも窓際のベッドにいる女の霊。
壁に凭れている手鏡の中にしか写らない。

俺の部屋に幽霊がいる。
ずっと窓の外ばかり眺めている霊。
鏡の中で今日も無表情。

俺の部屋に幽霊がいた。
珍しく何処かへ移動した。
鏡の中から見えない場所へ移動した。

俺の部屋に幽霊がいる。
戻って来た霊はゆっくり此方に近付いた。
手が、手鏡に伸ばされる。

「!」
ガタン、手鏡は簡単に動いた。
まさか、何故だ。ああ違う、この女は幽霊なんかじゃないのだ!
俺の部屋に勝手に入って勝手に居座る、間違いなく生きた人間!

俺は、机の防犯ブザーに手を伸ばした。
鳴らせばきっと隣人が気付いて駆け付けてくれるはず。

俺は手を伸ばした。
だがそこで気付いてしまった。
そうだ、そうだった。俺は、俺が、俺こそが、






おわり



193:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 19:32:32.16 ID:YPNPGZMd0

↓次の3題おなしゃす!



194:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 19:34:03.02 ID:swzbBLlc0

サラダ油

凄すぎ



195:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 19:39:00.14 ID:K+vontG9O

バター

面白いwww



196:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 19:42:21.39 ID:nyqWVmMnI

オリーブオイル


すげえなあ>>1
今日はこれで(ry



197:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 20:00:28.18 ID:YPNPGZMd0

※ちょいぐろ

A「あ、先輩」

B「よお、遂に来たか」

A「ええ、やっぱりこいつかなって」

B「だよなあ」

A「お堅い子も試したんですが、癖になったら困るんで一度きりで」

B「ガードが堅いからなあ…でも、時間を掛けてやれば意外と容易いぜ…?」

A「馬鹿言わないでください。そんな余裕ありませんよ」

B「おーおー、若いね」

A「第一会えるかどうか運任せじゃないですか…俺、寒いの苦手だし…」

B「冷たいのもまた、いいんじゃねえか」

A「さすがですね…そういう先輩こそ、最近はあの…外国の…」

B「ああ、キツくて堪んなかったぜ」

A「じゃあ、どうしてこちらに?」

B「ちとメタボにだな…」

A「ああw拒否されたんですねwご愁傷様ですww」

B「うるせぇ、今となっては所詮お前も同レベルだろうが」

A「そうですね…やっぱりこの…ちょっと暗さのあるところと包み込まれる暖かさが、やっぱりいいですね…」

B「まだ少ないしな、今は」

A「そうですね、早く見付けて良かったです」



198:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 20:05:23.76 ID:YPNPGZMd0

数ヶ月後
A「…さすがに増えてきましたね…」

B「まっ、こんだけ最高の相手となると、な」

A「これが噂のラッシュアワー…」

B「時間も解決してくれないがな」

キリキリキリ

A「おや、なにか…明かりが?」

B「!!まずい、隅に寄れ!」

A「無茶な…っ、え、えぇ!?なんですか、これ…っ、地震?」

B「俺達終了のお知らせ」

A「うわあああああ!!?」

ドボッ、ドザザザザザザ


「うわあああああ!!?」




おわり
怖い話おもしろいよね。ごめんね。



199:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 20:09:18.48 ID:YPNPGZMd0

↓次の3題おなしゃーす。



200:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 20:10:32.09 ID:Q+dHSswo0

サランラップ



201:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 20:49:47.80 ID:5yUFt2FY0

ジップロック



202:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 20:52:24.39 ID:K+vontG9O

キッチンタオル



204:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 21:09:30.37 ID:YPNPGZMd0

>>194
またお前か、ありがとう。

ラップ「やぁあ!!熱い、熱いのぉお!溶けちゃう、裂けちゃうからぁ!」

チーン

ラップ「あぅ…やっぱりちょっと溶けちゃったよぅ…」

キッチンタオル「ちょっと」

ラップ「あ、…どうも」

キッチンタオル「どうもじゃないわよ、またあんなに汚してくれちゃって!あんたは変わりがいるけど、あっちは直ぐに変わりなんていないんだからね!?」

ラップ「わ、分かってますよぅ…でも熱いんだもん…」

キッチンタオル「いっつもアンタの後始末してるの私なんだから!ちょっとは耐えられないの?」

ラップ「そういわれてもぉ…熱いし痛いし…」



205:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 21:12:31.61 ID:YPNPGZMd0

ジップロック「まあまあ、喧嘩しない喧嘩しない」

キッチンタオル「またアンタは…」

ジップロック「いいじゃない。仕方ないでしょ?溶けちゃうのは設定のせいだし」

キッチンタオル「よくないわよ。気をつけて欲しいわよね…」

ラップ「…ぁ、ジップロックさんがやる、っていうのは…」

ジップロック「やぁよ、爆発しちゃう☆」

キッチンタオル「…それは勘弁だわ」

ラップ「そういえばジップロックさんはいつもどこに?」

ジップロック「私はー…ちょっと副業がメインになりつつある、みたいな?」

キッチンタオル「最近本命に会えてないわよね」

ジップロック「言わないで…」

ラップ「私は本業でよかったぁ…」





おわり



206:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 21:21:11.44 ID:YPNPGZMd0

↓次3題おなしゃっす。



207:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 21:24:35.76 ID:KAVoZ0UUO

フライパン



208:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 21:32:10.43 ID:K+vontG9O

シリコン製タジン鍋



209:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 21:35:41.58 ID:bxG+ho2H0

お玉



210:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 21:54:14.55 ID:YPNPGZMd0

フライパン「なにあいつ…」

お玉「どれ?」

フライパン「あの円錐ぽい…」

お玉「タジン鍋さん?」

フライパン「それ…。仕事取られまくり…」

お玉「なんだやっかみか」

フライパン「そんなじゃない」

お玉「何かと便利なんだよ。煮たり蒸したり」

フライパン「俺だってできるし…」

お玉「時間短縮にも節約にもなるし、シリコン製は洗いやすいし」

フライパン「なに、お前随分タジン鍋お気に入りじゃん」

お玉「はい?」

フライパン「なんか…俺の仕事が減ったの嬉しいみたいだし…」

お玉「そ、そういうわけじゃないよ?」

フライパン「どうだかー」

お玉(前はフライパン忙しくて、あんまり長く一緒にいられなかったかし…一緒に仕事することも少なかったから、側にいれて嬉しいなんて言え、ない)




おわり



211:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 22:05:50.18 ID:bxG+ho2H0

お玉かわいい



212:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 22:32:08.46 ID:YPNPGZMd0

風呂ってた

>>211
お前もかわいい

↓3題おなしゃす!



213:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 22:56:44.15 ID:swzbBLlc0

冥王星



214:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 23:09:46.18 ID:Q+dHSswo0

天体望遠鏡



215:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 23:10:21.27 ID:KAVoZ0UUO

地球



216:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 23:28:13.06 ID:YPNPGZMd0

屋上に天体望遠鏡を置いて、満天の星空へレンズを向けた。
目的はただ一つ、迷う事なく一つの星へ。

「…こんにちは神様」

安っぽい天体望遠鏡ではただの光にしか見えない。

「そこに彼女はいますか」

一人で呟いて、風がやけに冷たく感じた。

「お前がそこにいるなら、何でも好きな物食わせてやるから、何も食べずに帰ってこいよ」

小さな光に小さな声は届かないだろう。

「俺が迎えに行きたいけど、渡し守もそっちが近所みたいだ」

彼女は勝気だったし、行動力もあったし、いつも俺が引っ張られていた。

「地球からじゃ、遠すぎる。だから」


「だから、待ってるから、はやく帰って来いよ」


小さな光は滲んでぼやけた。




おわり



217:名も無き被検体774号+:2012/04/03(火) 23:31:01.29 ID:YPNPGZMd0

↓次の3題おなしゃあす!



218:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 00:07:44.90 ID:swzbBLlc0

クラクション



219:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 00:15:09.96 ID:OBPosWkKO

パッシング



220:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 00:31:17.01 ID:f8S+4lec0

ウインカー



221:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 00:49:40.48 ID:DGuKvmeG0

近頃、同じ夢を見る。

真っ暗な中で前進すると、耳鳴りが始まる。
それから何度か、前方右側から明滅しながら光が横を過ぎ去って行く。
耳鳴りがまた酷くなる。
また前に明滅する光が現れる。
今度はテンポが少しゆっくりだ。
耳鳴りが酷い。


耳鳴りの夢のおかげで最近は寝不足のまま車中だ。
まあ、寝惚けて事故なんてヘマはしない。
それにしても夜も遅い田舎道にしては交通量が多い。
なんだかあの耳鳴りが聴こえるような気がする。
対向車線を走る車がどいつもパッシングしてくる。
寝不足の眼には正直辛い。
また耳鳴りが酷くなる。
対向車はまだパッシングを続けている。
止めてくれ、本当に眼が辛いんだ。
耳鳴りで頭痛までしてきそうだ。
止まないパッシングと耳鳴りにイライラして、俺はアクセルを踏んだ。

目の前にあのリズムの違う明滅が見えた。
そういえばこれは、やけにあの夢に似ているな。

朦朧とし始めた頭でぼんやりそれだけ考える。
耳鳴りが酷い。

パ――――――――――…




おわり
よし寝よう。
また今晩お相手お願いします!



235:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 19:20:16.56 ID:DGuKvmeG0

↓次3題おなしゃす!



236:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 19:22:06.81 ID:bGqGazvs0

朝顔



237:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 19:23:12.65 ID:Zg7DNyWe0

ひまわり



238:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 19:28:36.97 ID:kGNTYgkJO

風鈴



239:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 19:44:45.41 ID:DGuKvmeG0

朝顔さんは、蔦を伸ばしてついに僕の側に来てくれた。
鉢に種を蒔かれた時も上から眺めていて、小さな芽が現れて喜んでいた少年の表情はまだ記憶に新しい。
それから日を追って、次第に縁側の柱を伝い、ついに僕の側にまで来てくれた。

明朝、この季節には有難い涼しい時間。
朝顔さんはすぐ側で目覚めた。

「おはようございます。風鈴さん」
「おはようございます、朝顔さん」

ただの挨拶に心が弾むのは、朝顔さんの花弁が綺麗な紫だからだ。
朝露がきらきら光る。



240:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 19:51:06.43 ID:DGuKvmeG0

でも、

「…今日も、あちらを向いてらっしゃるのですね」

朝顔さんの言う先にはひまわりが立っていた。
これから強くなる陽射しを待ち侘びて、左に首をもたげている。
朝顔さんは、初めて花を咲かせた時からあのひまわりに夢中だ。
あのひまわりは、一度もこちらを見もしないというのに。

「…ああ、もう、朝が終わりますね…残念です」

一度も、自分の花を見せられる事なく、朝顔さんは枯れていくのだろうか。

「…そんなにひまわりが好きなら、風に運ばせて、今度は隣に咲けばいい」
「え…?」
「もっと傍で、ひまわりが見たいんだろう?」

朝顔さんは、また、長い眠りに落ちていきそうになりながら、ぽつりと呟いた。

「えぇ、だから…また此処に…咲きたいです、ね…」

太陽が昇る。
強い陽射しが身体に反射する。
僕は訳も分からぬまま茶色と黄色が踊る模様の隙間から、眠ってしまった朝顔さんを眺めていた。





おわり



241:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 19:56:06.60 ID:DGuKvmeG0

↓次の3題おなしゃーす。



242:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 19:56:51.81 ID:kGNTYgkJO

豚足



243:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 20:06:55.51 ID:e6pVj3VKO

軟骨



244:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 20:25:47.06 ID:Zg7DNyWe0

手羽先



245:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 20:34:31.13 ID:DGuKvmeG0

「お前そんなんで食べてもらうつもりなわけ?w」
「あ?お前こそなんだよ食い難そうな図体しやがって」
「意外にこれでも人気あるから。女の子とか選んでくれるからw調理次第で大きさなんてどうにでもなるからww」
「お、俺達だって結構呼ばてるっつーの!長い時間楽しめるとか…」

「まあまあ、喧嘩すんなよ」
「なんだよ手羽先」
「同じ店の仲間なんだ。仲良くしようぜ」
「勝者の余裕ってか?うぜぇ」
「そうじゃなくて…」
「はいはい、どうせお前には敵いませんよ俺達は。ほっといてくれ」

「お前ら…元は一つだったくせに」
「えっ」
「えっ」





おわり
あれだな。お題の時点で連想すんなww
風呂!



246:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 20:40:01.18 ID:e6pVj3VKO

深いぜ…



247:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 21:04:40.48 ID:DGuKvmeG0

>>246
いや、驚くほど浅い。

↓次の3題おなしゃあす。



248:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 21:11:51.97 ID:BnXkLlfR0

雪女



249:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 21:12:02.58 ID:Zg7DNyWe0

ヘッドホン



250:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 21:13:10.26 ID:bGqGazvs0

日本家屋



251:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 21:28:22.39 ID:DGuKvmeG0

昨晩遅くから降りだした雪が、案の定朝には積もっていた。
仕事は休みで、雪おろしが必要な程の積雪でもない。
真っ新な白銀にやけにテンションが上がってしまい、耳当てがわりのヘッドホンから適当な曲を流しながら庭に出た。

瓦から滑り落ちた雪が山になる。
庭に出た頃には低かったその山が、気付けば縁側に届きそうだ。
随分長く外にいたらしい。
道理で指の感覚が無い。
まあ、出来上がりは上々だ。
満足した俺は、こたつの暖かさを求めて中に戻った。



252:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 21:34:23.60 ID:DGuKvmeG0

カツン

どうやら眠ってしまっていたらしい。
頬に畳の跡がくっきりついてしまった。

コン キン

なんだ。変な音がする。
庭、縁側、か?
こたつから這い出て、静かに近付く。
音は止まない。

キン キン コン

「誰だ!」
「きゃ!」
思い切り引いて開けた先には、軒先の氷柱を叩く女の子がいた。



253:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 21:38:56.20 ID:DGuKvmeG0

「…」
「…」
「何してんの」
「ご、ごめんなさい。あんまり立派な氷柱だったから…」
「楽器にして遊んでたと」
「すみません…」

頬を真っ赤にして謝る女の子は、余程寒いのだろう。

「まあ、いいけど」
「いいんですかっ?」

途端に明るい声を上げる。
ま、氷柱くらい、いいか。

コン キン コン

あの音がまた響く。



254:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 21:43:09.01 ID:DGuKvmeG0

キン キン カツン

「…?」

首を捻って動きを止めた。

「どうかした?」
「うん、と…上手くできなくて…」
「何の曲?」
「さっき、あなたが歌ってた曲!」

まさか聞かれているとは思わず、身体が強張った。
いや、人通りも少ない早朝だし、小さい鼻歌が聞かれているなんて思うまい。



255:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 21:47:21.88 ID:DGuKvmeG0

「…それは、また何で?」
「すっごく楽しそうに歌ってたから」

うわあ恥ずかしい。

「ちゃんと聞きたいの!」
「あー…そうだな」

人前で歌うなんてゴメンだ。

「ちょっと、おいで」
「?」

手招きして室内に呼び込んだ。
断じて下心など無い。断じて。
寒そうだったから、それだけだ。



256:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 21:54:02.95 ID:DGuKvmeG0

こたつの斜め前、ちょこんと座り込んだ女の子にヘッドホンを渡す。

「?」
「ほら、つけて」

小さい頭に大きめなヘッドホンは随分アンバランスだ。
手元で操作して、お目当ての曲を流す。

「!」

目をキラキラさせて、夢中で音を拾っていく。口が時折断片的に旋律を溢す。
そんな様子を見ている間に曲は終わっていたらしい。

「ね。ねえ。もう一回!もう一回聞かせて!」

結果的に一回どころでは無かった。



257:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 22:02:53.80 ID:DGuKvmeG0

様子を見ているだけでなかなか面白かったが、そろそろ何か出してやるかと席を立った。
ココアでいいだろうか?
何度もリピートした曲は、かなり口遊めるようになったらしい。

ココアを入れて戻る頃には、曲は終わってしまったのかあの声は聴こえなかった。
襖を開けるとヘッドホンが転がっていた。
女の子はいなかった。

俺はこたつにもぐりながら一杯だけのココアに口をつけた。
縁側の先に見える庭には何もない。

まだ熱かったココアを冷ましつつ、べしゃべしゃに濡れてしまった畳を早く拭かないとなぁと考えていた。




おわり



258:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 22:04:45.48 ID:DGuKvmeG0

さあさあ。

↓3題おなしゃっす!



259:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 22:15:19.39 ID:Zg7DNyWe0

分かっちゃいたけど悲しいな

CD



260:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 22:15:25.42 ID:e6pVj3VKO

雪女の子…(つд`)


塩ラーメン



261:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 22:20:50.60 ID:kGNTYgkJO

(´;ω;`)

プラネタリウム



262:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 22:37:29.05 ID:DGuKvmeG0

私の彼はちょっと変。

塩ラーメンが好き。
なんで塩なのか聞くと
「え?他のはスープに色が付いてるじゃん」
やっぱり変。

じゃあ好きな食べ物は何?って聞くと
「CD」
「それ食べ物じゃない」
「カセットより食べやすくていいよね」
やっぱり変。

そんな彼と流星群を見る予定が曇り空で駄目になった。
「じゃあ俺ん家で見よう」
初めて言った彼の家は奇妙な形。
家まで変。
「どうだい、凄いだろう」
大きなプラネタリウムに満天の星空。
でも流星群は無い。
まあ、いっかって、隣に並んで寝転んだ。
「きれい」
「うん、あそこが俺の実家ね」
「ふふ、馬鹿ばっかり」
指差す先にはひとつの光。

私の彼はちょっと変。
でも、気付いたら帰っちゃうから、私は今日も見ないふり。





おわり



263:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 22:41:11.22 ID:DGuKvmeG0

さてはて

↓次の3題おなーしゃす。



264:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 22:42:08.60 ID:UUN7dohb0

面白いな

爪楊枝



265:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 22:43:04.34 ID:/vjSIplFI





268:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 22:47:40.75 ID:Zg7DNyWe0

iPhone



270:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:01:33.07 ID:DGuKvmeG0

A「どうせなら可愛い娘に使われたいよな」

B「あたりまえだろそんなの」

A「んで、自分じゃ届かない奥まで代わりに俺が満足させてやるわけよ」

B「ほー。ちなみにどんな娘に?」

A「えっ?あの…向こうにいる写真の…」

B「は?…あ、あぁ…虹の下に行くと幸せになれるとか言うよな…行けば?」

A「なにそれ、マジで行くわ、マジで探すわ」

B「おっと出番のようだぞ。しかも相手は」

A「ああぁああ、あの娘の写真じゃないか!うわぁぁあああ行ってきます!」

B「写真でいいのかよ…」

「何してんの」
「ちょっと、画面の横に埃が入って…気になる…」
「爪楊枝じゃ無理じゃない?」
「あああ、手が画面に当たってめんどくせえええ」
「電源切ればいいのに。てかなに、その画面、アニメキャラw」
「うるせえ黙れ…あ、折れた」

A「あああぁああ!一度も当たらなかったああああ」
B「哀れな奴…道中に虹があるといいな」





おわり



271:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:05:47.63 ID:DGuKvmeG0

へいへい
↓次3題おなしゃす。



272:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:06:37.93 ID:e6pVj3VKO

消しゴム



273:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:10:41.82 ID:BnXkLlfR0

ぬいぐるみ



274:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:12:55.03 ID:/vjSIplFI

時限爆弾



275:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:27:39.82 ID:DGuKvmeG0

やあ皆さんこんにちは。
僕はその辺にありがちな、ありふれた熊のぬいぐるみです。
実は先ほど凶悪犯がとりおさえられ、人質の少女も解放されたところ。
僕はもともとその少女の持ち物だったんだ。
物々しい時限爆弾は既に解除されて、犯人は泣きながらあれこれと自白中。
立て籠り場所だった倉庫の表では事件解決、大団円の幸せな空気。

でもね、実はまだなんだ。
僕のお腹の中に、あの爆弾より更に強力な時限爆弾が入っているんだ。
犯人が自白するか、警察が見付けてくれるか、じゃないと表もろとも吹き飛んじゃう。

前にあるのは脅迫文ややり取りのメモ、鉛筆に消しゴム。
何の役にも立ちやしない。



276:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:30:11.80 ID:DGuKvmeG0

「それは随分だな言われ様だな」
え?
「俺が役に立たないなんて誰が決めた」
でも君はただの消しゴムじゃないか。
「ただの消しゴムだが?」
字を消せるだけの君に一体何が…

「だから、誰が字を消せるだけと決めた」

な、何をする気?
「俺が、その時限爆弾が爆発するという設定を消してやる」
そんな事できるの?
「俺は消しゴムだぞ。消すのが仕事だ。…まあ、誰も信じやしないがな」
ぼ、僕は信じる!
「よし!」



爆弾は、爆発しなかった。
こんなところでもう一つの事件が解決してたなんて、誰も知らない。





おわり



277:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:31:38.00 ID:DGuKvmeG0

そーいそい

↓次の3題おなしゃす。



278:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:44:00.27 ID:kfwM5j8cO

浴槽



279:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:49:47.10 ID:/vjSIplFI

消臭剤



280:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 23:50:16.58 ID:e6pVj3VKO

消しゴム…(つд`)


シャンプーハット



281:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 00:00:57.22 ID:DGuKvmeG0

浴槽「あー、まじおっさん相手とか御免だわ。ガンガン焚くし、バンバン溢すし、俺をなんだと思ってんだか」
消臭剤「っすよねー。俺もおっさんの加齢臭まで拾わなきゃいけなくて、勘弁してほしーっすよ」
シャンプーハット「…」
浴槽「お前はいいよな、おっさん相手でも見なくていいし」
消臭剤「そーいやそっすね。上ばっか見てて楽っすよね」
シャンプーハット「冗談やめてくれる?」
浴槽「は?」
消臭剤「え?」
シャンプーハット「浴槽は無防備な女の子一人で堪能出来るし、消臭剤は女の子の香りも吸い取るんだろ!?俺なんか…俺なんか…せいぜい頭しか見えないのに…」

浴槽「あー…」
消臭剤「なんか…すんません」
浴槽「うん、ごめん」
シャンプーハット「いえ…仕事ですから…」




おわり



282:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 00:05:14.77 ID:DGuKvmeG0

↓次の3題おなしゃす!



283:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 00:09:28.30 ID:iALMvso6I

群馬


消臭剤が羨ましくなった



284:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 00:14:38.90 ID:eQQOqz8t0

スレたいをボルトに空目して
水かけられながら世界新記録出すボルトを想像してしまった



285:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 00:28:21.63 ID:mmrB4aGo0

腕時計



287:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 00:32:12.34 ID:G68LWNeRO





288:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 00:46:08.20 ID:tA0Xcff50

休暇で旅行していたボルトは見知らぬ土地に迷い込んでいた。
道なりに軽く流していたはずなのに、周りの景色はすっかり見慣れぬ光景であった。
よりによってそんな時に脚に急に痛みが走る。
走ることはおろか、歩くことも難しい痛み。

近くに子供がいた。
現地の人だろうか。
ボルトは助けを求めて声をかけたが、子供は踵をかえしてどこかに行ってしまった。
これはまずい。
誰かに連絡を取ろうにも、何も持っていない。

絶望の中、先程の子供が現れた。
大人を呼んでくれたらしい。
手当てをすると、言われるまま連れられ、着いたのは湯気の充満する浴槽だった。
勧められるままに浸かると、脚の痛みは嘘のようにひいた。
これなら歩ける!いや、走ることができる!

ボルトは親子に礼を告げるや否や、元来た道を走りだした。
途中、脚が冷える度、現地の人々が不思議な水を掛けてくれた。

気付けば痛みは完全に消えていた。
道も見覚えのある場所まで戻っていた。
ボルトは走った。
その時に生まれた世界新記録を、ボルトの腕時計だけが確かに刻んでいた。





おわり
>>287すまない

群馬って県名かっこいいよね。次点熊本。
寝る!おやすおやす
また夜に。



289:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 00:52:45.48 ID:G68LWNeRO

乙乙!!
相変わらず凄く面白いwww



296:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 18:39:20.11 ID:q820jEHX0

感動した



297:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 18:42:03.44 ID:tA0Xcff50

>>296
いったいどこに

↓3題おなしゃす!



298:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 19:28:10.13 ID:G68LWNeRO





299:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 19:28:12.27 ID:iALMvso6I

枝垂桜



300:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 19:43:29.83 ID:G68LWNeRO

もう一つ失礼します。





301:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 20:00:21.31 ID:tA0Xcff50

櫛「こんにちは枝垂桜さん」

枝垂桜「なにしてんですか!?流されてますよ!?」

櫛「えぇ、ちょっと川上の橋から落ちてしまいまして」

枝垂桜「仕方ありませんね…つかまってください」

櫛「わあ、ありがとうございます」

枝垂桜「お礼を言うのは早いですよ。私では引き上げられませんから」

櫛「綺麗ですねー」

枝垂桜「聞いてませんね」

櫛「枝垂桜の花びらが降ってきます」

枝垂桜「今日はたまに強い風が吹きますからね。貴方もそれで落ちてしまったのでは?」

櫛「よくおわかりで。川を流れていくのも綺麗ですね」

枝垂桜「それは、ありがとうございます」



302:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 20:01:35.79 ID:tA0Xcff50

櫛「この季節になるといつも眺めていました」

枝垂桜「ええ」

櫛「こうしてお話できるとは思いませんでしたが」

枝垂桜「そうですね…」

櫛「…枝垂桜さんは、満足なのですか?」

枝垂桜「何がですか?」

櫛「年中愛でられるだけの魅力を持ちながら、一つの季節で満足ですか?」

枝垂桜「…」

櫛「私は毎日お逢いしたい…」

枝垂桜「…満足ですよ」

櫛「…」

枝垂桜「歳を経ても、ただの一時でも、変わらず毎年愛でてくれるのですから」



303:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 20:09:46.70 ID:tA0Xcff50

櫛「ですが」

枝垂桜「私は、記憶の片隅にあれば良いのです」

櫛「片隅、ですか?」

枝垂桜「私を見るたび、以前の春を想起していただければ、それで満足なのです」

櫛「…思い出を開く鍵のようですね」

枝垂桜「鍵?そうですね、それは素敵だな…」

櫛「私には難しいです」

枝垂桜「そうでしょうか」

バシャ バシャバシャ

「取れた!」
「あ、ありがとうございます…!」
「桜に引っかかってて助かったな」
「はい、あの、服が…」
「え?いいって今日は暖かいし」
「駄目です!うちがすぐ傍ですから…」

枝垂桜「切っ掛けならば、案外すぐ傍らですよ」





おわり
ありがちか…



304:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 20:12:06.25 ID:tA0Xcff50

↓次の3題おなしゃす!



305:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 20:56:19.30 ID:2rRo62oR0





306:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 20:59:32.54 ID:FzpvJvZnO

シャボン玉



307:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 21:19:28.16 ID:fub1PRgHO

流れ星



308:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 21:48:13.59 ID:tA0Xcff50

寒い。
あんなに暖かかった時間が嘘のように刺すように寒い。
これから私はどうなるのだろうか。
見上げた先に、同じように浮かぶ姿がある。
あれが消えなければ、自分も消えないはずだ。
だって同じものだから。

随分高いところまで来てしまった。
近くにいたと思った先の姿は案外遠かった。
もしかしたら、同じ方向へたゆたっているのかもしれない。

なんだか苦しくなってきた。
遠くから何かがやってきた。
「こんな場所までよく昇れたな」
失礼な。
先例がいるのだ。私にも昇れて当然だ。
「先例?月が?」
つきと言うのか?何故。
私は別の名を持っているのに。
「お前と月は別物だろう」
何故。丸くてふわりふわりと浮かんでいるじゃないか。
「あれはもっと、長い時間を生きている」
偉そうに。お前もそうだというのか。
「俺はもうすぐ死ぬのさ」
死ぬ?
「惹かれるまま、一瞬閃いて、消えるのさ」
なんだ、たったの一瞬だな。
「ああ、でも、俺は随分長く生きたから」

一閃、光の軌跡を遺して消えた。
陽光注ぐ光は彼方。
空には光を反射する白い玉。
悠久とは此れか。


薄い皮膜は弾けて消えた。




おわり



309:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 21:50:20.78 ID:tA0Xcff50

↓次の3題おなしゃーす!



310:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 21:55:38.53 ID:2rRo62oR0

すごいな~面白い!

冷蔵庫で



311:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 21:56:55.94 ID:mmrB4aGo0

写真



312:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 22:00:20.43 ID:iALMvso6I

ゴミ箱

これでどうだ



313:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 22:13:39.21 ID:tA0Xcff50

冷蔵庫「ゴミ箱くん、一杯だね」

ゴミ箱「そうなんすよ。なんか彼氏と喧嘩したとかで貰った物も記念写真もぶちこまれましたよ」

冷蔵庫「いいなぁ…」

ゴミ箱「なにがっすかw腹一杯なら貴方もでしょうに」

冷蔵庫「いや、写真とか、いいなぁって」

ゴミ箱「まあ、写真は入れませんよね」

冷蔵庫「そうじゃなくてさぁ、ほら、僕らは記念写真とかなかなかないじゃん?」

ゴミ箱「そりゃwゴミ箱なんか撮りませんよw」

冷蔵庫「僕は撮られても精々心霊かグロ系のネタばっかだし」

ゴミ箱「撮られないよりいいじゃないすかw」

冷蔵庫「いやだよ!変な写真ばっかじゃん!」

ゴミ箱「それで?」

冷蔵庫「?」

ゴミ箱「何がしたいんすか」

冷蔵庫「えっ、えーと…なんだよ、気付いてて言ってたの?」

ゴミ箱「そりゃまあ、一応俺のが先輩ですし?」

冷蔵庫「う…じゃあ、お願いします」

ゴミ箱「はいはい」


後日、よく冷えた記念写真は無事にアルバムへ戻っていった。





おわり



314:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 22:15:20.75 ID:tA0Xcff50

↓次の3題おなしゃす!



315:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 22:21:41.50 ID:bZqf2KZB0

分度器



316:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 22:23:14.02 ID:iALMvso6I

ホラーってことで

生き血



317:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 22:30:09.67 ID:JlW90s110

関数電卓



318:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 22:55:55.76 ID:tA0Xcff50

最近お前の彼女が怖い。
何が怖いかは説明できないが、時折視線が怖い気がすると、友人に言われたのが昨日。
その彼女と、俺の部屋で二人きり。
いやな想像はよして、俺はごく自然に立ち上がった。
「なにか飲む?喉渇いただろ」
「カラカラだよー」
にっこり笑って頷く彼女が怖いなんて、ありえない。

適当にコーヒーを二杯。
カラカラだと言っていたから、冷えたものの方が良かっただろうか。
一応、麦茶を一杯。

部屋に戻っても彼女はちょこんと座っているだけで、何もおかしくない。
何が怖いだ。かわいいだろが。
「それで、急に会いたいってまた、なんで?」
「んーと………用事が無いと会いたくなっちゃ駄目?」
はにかんで首を傾げる。かわいい。



319:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 23:04:36.50 ID:tA0Xcff50

「なんだ、会いたかっただけ?」
それはそれで嬉しかったが、彼女はゆるりと首を振った。
「すごく大事な用があるの………いい、よね?」
彼女は隣にすり寄ってきて、俺の肩に手をかけた。
ぐ、と力を籠められ、抵抗せず後ろに倒れる。
彼女が首筋に顔を埋め、唇が当たった。
まさか、今日?
付き合ってしばらく経つが、そんな空気は見せなかったのに今日、今から、ここで彼女と?
嫌な訳では無い。
だが、やけに急だ。
「お、おい、どうした?いままでそんなこと―」
「うるさい!!」
耳元での絶叫は鼓膜どころか全身を震わせた。



326:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 00:21:06.34 ID:MVCWhQOo0

首筋にあたる呼吸がやけに荒い。
食い縛った歯の間から漏れ聞こえる唸り声のような呼気。
血走った目は大きく開き、俺の顔から微塵も逸らさない。
瞬きさえ、しない。

これは、明らかにおかしい。
俺は恐怖に側に投げていた携帯に手を伸ばした。
だが、見てもいないはずなのに彼女の左手に腕が押さえ込まれる。
唇が、ゆっくりと開く。

「電話、掛けちゃ、駄目、電話掛けちゃ、駄目、掛けちゃ駄目、掛けちゃ駄目、掛けちゃ駄目掛けちゃダメ掛けちゃダメ掛けちゃダメかけちゃだめかけちゃだめかけちゃだめかけちゃだめかけちゃだめかけちゃだめ」

目で追えない速さで唇が動く。
言葉として聞き取れるギリギリで音が耳に流れ込む。



320:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 23:25:04.26 ID:tA0Xcff50

彼女はじっと俺に視線を向けたまま、相変わらず瞬きもなく、腕も押さえたままで右手で何かをポケットから取り出した。
彼女のお守り袋だ。
とても大事にしていて、俺にさえ触らせてはくれない。
彼女が片手で器用に開くと、中から銀に輝く曲線が現れた。

半円形のそれは、古びたアルミ製の分度器だった。
お守りが分度器な時点でかなりおかしい。
だが、さらにおかしいのは、その分度器の曲線側がやけに光っているということだ。
分度器を持った手が動き、ひたりと俺の首にあてられた。
冷たい金属の感触が、首の右側。

彼女は上半身を起こして、馬乗りのまま、右手を思い切り引いた。



321:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 23:30:23.27 ID:tA0Xcff50

「――っ、あ、ぁあ!―ぁ…っ!!」
声が出ているのか、叫んでいるのか、自分でもわからない。
鋭い痛みがはしり、頭が冷える。

「んん……きれい…おいしい…」

再び首に顔を寄せる彼女が傷口を舐める。
急かすように、吸い出す。

何だ、これは。

吹き出す赤が彼女にかかり、顔を幾筋もの血が流れる。
彼女の顔が真っ赤だ。



322:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 23:36:44.71 ID:tA0Xcff50

「たくさんでたねぇ…もっと、いっぱい飲んであげる…」

よく研がれた分度器は立派な刃物だった。
まだ血の流れる傷口に分度器がめり込む。

「ぁ、ぁあ……ぉ、俺、は…っ」

意識が朦朧としてきた。
血が足りていないんだ。
馬乗りになったままの彼女は、血塗れの唇でかわいらしくにっこりと微笑んだ。

「くちうつしで飲ませてあげるから、だいじょうぶだよ」





おわり



323:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 23:37:30.59 ID:tA0Xcff50

ホラー…?

↓次の3題おなしゃす



324:名も無き被検体774号+:2012/04/05(木) 23:43:12.98 ID:iALMvso6I

ジョルジュ長岡



325:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 00:07:18.39 ID:G68LWNeRO

群馬



327:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 00:28:25.16 ID:QnAWh8NwI

>>1をはやくねかしてやりたいから、もう一個打つ

学校



329:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 00:46:21.29 ID:MVCWhQOo0

目覚めるとそこは多分日本ではなかった。
空中都市かもしれない。
近代の日本の様相とはかけ離れた風景にジョルジュ長岡は辺りを見回した。
なに、人に会えばなんとかなるだろう。
幸い無人な訳では無さそうだ。
無人でなければお○ぱいもあるはず。

山の中をドリフトしながら駆け降りたジョルジュ長岡は、道中、学校らしきものを見つけた。
子供が集まっているから学校だろう。
近寄ってみると、子供たちは何かを囲んでいるようだった。



330:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 00:48:59.29 ID:MVCWhQOo0

そこには白雪姫のごとく眠る美女が横たわっていた。
全裸で。
しかし問題はそこではない。
近付き、側に跪いて見ると、その美女の腹には何事か書かれている。
要約すると、時限装置により殺人ウイルスが撒かれるということだった。
この美女は人間ではなく、ウイルスの容器のようだ。
いったい誰が、何の目的で?
それは分からないが、どうやら散布までに時間が無いようだ。
前髪に隠れていた額のタイマーには一時間も無い。
しかし、困ったことに解除方法は当然書かれていない。
「…どうする?」
「わかんない」
子供達は互いの顔を見合うばかりで解決策は無いようだ。
ジョルジュ長岡は徐に立ち上がった。



331:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 00:56:15.05 ID:MVCWhQOo0

( ゚∀゚)o彡゜お○ぱい!お○ぱい!

( ゚∀゚)o彡゜お○ぱい!お○ぱい!

「ちょ、何このおっさん」

( ゚∀゚)o彡゜お○ぱい!お○ぱい!

( ゚∀゚)o彡゜お○ぱい!お○ぱい!

「うるさい!おっさん!」

( ゚∀゚)o彡゜お○ぱい!お○ぱい!

( ゚∀゚)o彡゜お○ぱい!お○ぱい!

子供達の困惑の中、ジョルジュ長岡は、構わず声を張り上げた。
そして、迷わず両手を美女の胸元に伸ばし――

カチリ

「あ」
「とまった…」
タイマーは止まり、機能は完全に沈黙した。
ウイルスの散布は免れたようだ。
「ありがとうおっさん!」
「おかげで何も起きなかった!」
子供達に感謝され、ジョルジュ長岡は子供達の案内で無事に元の街へと帰還した。
ただ単に、お○ぱいを求めただけであったが、それが人々を救うこともあると改めて思いながら…



( ゚∀゚)「という夢を見た」
「…」
( ゚∀゚)o彡゜お○ぱい!お○ぱい!




おわり
それでは寝るよ!
なんだかふわふわする。
また夜に、お会いしましょう!



332:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 01:06:58.03 ID:qZQ7yDMs0

ホラーな雰囲気がお○ぱいで崩れ去った
>>1凄すぎる
乙!



333:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 01:12:04.90 ID:CTAFxYo/O

ぱい乙!

しかし…これはいいお○ぱいだな



335:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 18:56:14.04 ID:MVCWhQOo0

さて。はじめましょうか。

↓3題おなしゃす!



336:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 19:17:10.82 ID:CTAFxYo/O

お、1来てた~

ガムテープ



337: 忍法帖【Lv=5,xxxP】 :2012/04/06(金) 19:18:36.86 ID:mnU5fSX50

楽しい



338:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 19:23:53.80 ID:QnAWh8NwI

ハンバーグ



339:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 19:38:45.85 ID:MVCWhQOo0

ガムテープ「ウフフ、ちょう楽しいw階段転がり落ちるのマジ楽しいww」

??「憐れな」

ガムテープ「な、何奴!」

ハンバーグ「私はハンバーグ。子供の好きな料理上位者」

ガムテープ「自己紹介がうざい!」

ハンバーグ「己の職務も忘れて遊び耽るなど、物にあるまじき恥」

ガムテープ「うるさいな、焼かれて食われるだけのお前にこの楽しさは分かるまい」

ハンバーグ「ふ、そんなまやかしの幸福など不要。私は食べられるためにこそ存在する」

ガムテープ「ふん、出来ないからと強がって…」



340:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 19:46:22.74 ID:MVCWhQOo0

ハンバーグ「貴様、分かっておらぬな…物としての本分を」

ガムテープ「黙れ…お前に一般家庭に配属された俺の着物など分かるはずもない!」

ハンバーグ「ほう?」

ガムテープ「仕えるつもりでいたが、何ヶ月も棚の奥底に眠るなどという惨めさが…ッ」

ハンバーグ「ふむ…」

ガムテープ「お前のように月に幾度も見えるなど…俺にとっては夢のまた夢…買われた時点で決まっていたのだ…」

ハンバーグ「貴様、ダンボールと過ごした記憶は?」

ガムテープ「は?何のことだ」

ハンバーグ「やはりな…貴様は、使われる毎、分かれてしまうようだな」

ガムテープ「…?」

ハンバーグ「今話しているお前は、いずれ使われた時には転がれはしないということだ」

ガムテープ「何…?」

ハンバーグ「憶えていないのでは無い。初めから、貴様はダンボールの事など知らない。」

ハンバーグ「その時に表にいたのは今のお前ではないのだから」

ガムテープ「そんなはずは…、俺は、一つのはずじゃないか…」

ハンバーグ「どうかな。知らないのだから、それこそが証明だ」



341:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 19:51:10.13 ID:MVCWhQOo0

ガムテープ「いや、きっと忘れているだけのはずだ…!」

ハンバーグ「ならば貴様、買われた時の記憶はあるのか?」

ガムテープ「か、買われた、時の…?」

ハンバーグ「そうだ。先程語っていたではないか」

ガムテープ「買われた時…の…?なぜ、何故だ…思い出せない…」

ハンバーグ「気にすることは無い。貴様はそういう存在だというだけのこと」

ハンバーグ「切られれば、その時点で別物だ」

ガムテープ「…いや」

ハンバーグ「?」

ガムテープ「俺は、何も憶えていない訳じゃ…ない」

ガムテープ「俺にも憶えていることはある!」



342:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 19:56:50.03 ID:MVCWhQOo0

ハンバーグ「…と、いうと?」

ガムテープ「俺は突然閃いて転んでいた訳ではない…かつて、転がされていた記憶がある」

ハンバーグ「ふむ…」

ガムテープ「先程も、俺自ら転んでいた訳ではない。そうだ、俺は」

ガムテープ「俺は、かつても今も、転がされていた記憶がある」

ハンバーグ(なるほど、本体側にも記憶はあるということか…)

ガムテープ「俺は転がされる事を恥じない。かつても今も、変わらず楽しいと感じていた!」

ハンバーグ「ふ…そうか」



343:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 20:01:51.22 ID:MVCWhQOo0

ガムテープ「こちらから訊いてもいいか」

ハンバーグ「ああ、なんだ」

ガムテープ「何故俺に話しかけ、こんな話をした?」

ハンバーグ「…」

ハンバーグ「…さて、我等のテリトリーに無粋な物が侵入したから、だろうか」

ガムテープ「なに…?」

ハンバーグ「はたまた、残り少ない貴様が実に憐れでからかいたかったからか」

ガムテープ「…ほぉー?」

ハンバーグ「あるいは…」



344:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 20:08:47.27 ID:MVCWhQOo0

ハンバーグ「あるいは、まるで私と違う生き方をする貴様が、心底目障りだったからかもしれん」

ガムテープ「…?」

ハンバーグ「かつて様々な記憶を持っていたはず。私の中にあるどれもが、個々として存在、していたはず」

ハンバーグ「だが、今となってはそのどれも辿れはしない」

ハンバーグ「ハンバーグと呼ばれた日に私は生まれ、私は一つのハンバーグでしかないのだ」

ハンバーグ「貴様のように、様々な場に分かれる度、記憶が増えるなど…まるで正反対だ」

ガムテープ「…後悔しているのか?」

ハンバーグ「…まさか。誇らしいさ」

ハンバーグ「いただかれて終える私と、役を終えても消えぬ貴様とでは、どちらが幸せなのだろうな」



345:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 20:13:48.46 ID:MVCWhQOo0

ガムテープ「…ふん、そんなの決まっている」

ハンバーグ「…そうだな」

ガムテープ「俺だ」
ハンバーグ「私だ」

ガムテープ「頑固な」

ハンバーグ「誇りは捨てられぬよ。最後まで、な」

ガムテープ「それは、同感だ」

ハンバーグ「おっと、どうやらそろそろ焼き上がりそうだ」

ガムテープ「そうか、ではお別れだな。精々うまく食らわれろよ」

ハンバーグ「貴様こそ…使われぬならば子供の玩具にでもなっておれ」

ガムテープ「口の減らない奴」

ハンバーグ「お互い様だ。貴様は転がされていろ。永遠に」

ガムテープ「言われなくとも」





おわり



346:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 20:17:35.82 ID:MVCWhQOo0

↓次の3題おなしゃす!



347:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 20:23:32.22 ID:QnAWh8NwI

刹那だけに切ないねえ

>>1←お題だよ



348:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 20:27:00.73 ID:FminOpnM0

音楽



349:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 20:56:53.43 ID:Xes4rKMv0

ダービースタリオン



351:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 21:26:11.33 ID:MVCWhQOo0

10 名も無き被検体774号+ 2012/13/31 02:43:02.66 ID:sTknA12eT
なんでわかんないの?
>>1さんいつもそばにいるじゃない。
私が帰ってきたら動き止めるじゃない。
時々こっちの壁に凭れて息殺してるじゃない。
私がお風呂に入る時は何をしててもボリューム下げるじゃない。
ねぇ、なんでわからないの?
ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ

11 名も無き被検体774号+ 2012/13/31 02:48:55.61 ID:o03k03mBz
ああああああああああああああああ
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい



352:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 21:27:43.19 ID:MVCWhQOo0

12 名も無き被検体774号+ 2012/13/31 02:52:41.16 ID:sTknA12eT
あやまらないでよ>>1さんわたしも普段ゲームしないけどダビスタ買ったよCDも久しぶりに買っちゃった。
こんど二人でやろうよ、ねぇ>>1さん。

13 名も無き被検体774号+ 2012/13/31 03:21:14.91 ID:sTknA12eT
>>1さん?なんでレスしてくれないの>>1さん、ねぇ>>1さんわたし待ってるのに
>>1さんなんでいないの>>1さん無視しないでよ>>1さん>>1さん
>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1>>1

13 名も無き被検体774号+ 2012/13/31 04:44:44.44 ID:sTknA12eT
いまからいくからね。




おわり



354:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 21:38:48.24 ID:CTAFxYo/O

これは…

いいね



355:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 21:50:58.84 ID:QnAWh8NwI

小ネタ多すぎてワロタw
もし本当だったら「奇跡のダビスタびっぷらー」って
ThePeni*以来のお祭りになるな



356:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 22:13:01.83 ID:MVCWhQOo0

>>355
ダビスタ詳しくないからむ難しいな…。

↓次3題おなしゃす!



357:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 22:17:55.69 ID:CTAFxYo/O

花札



358:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 22:21:13.88 ID:HB9gFHuP0

>>1おかえり

喪服



359:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 22:38:14.99 ID:QnAWh8NwI

それでも書いちゃう>>1がいるから俺もここに居るのだ

ハードボイルド



360:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 23:11:04.13 ID:MVCWhQOo0

水で満たされ火にかけられた鍋が蒸気を生む。
その程度では乾いた空気は変わらない。
48枚が畳に並ぶ。

「結局、最後まで勝てませんでしたね」

ぱちん、ぱしん、札が当たって音が鳴る。

「私が必死で役を作っているのに」

ぱしん。

「前で余裕ぶって、笑って、煙草をふかして」

ぱちん。

「猪鹿蝶も四光も、」

ぱしん、ぱしん。

「出来るまえにいつも負けてしまいました」

ぱしん。

「貴方はカスばかり集めていたのに」

ぱちん。

「……今度は負けはしませんから」

ぱちん!

「あ!」

響いた音は札ではなかった。
すっかり鍋の水がなくなってしまったらしい。
少し殻が焦げて、破れてしまっていた。
「…まあ、構いませんよね。貴方は固い方がお好きでしたもの」
黒い装束のまま、白い殻を剥ぎ更に白い身を取り出した。
「続きをしましょうか」
散らばる花札をはさんで向かいあう二つの座布団。
片方に座り、片方には皿に盛られた卵。


「こい」



おわり



361:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 23:14:21.23 ID:MVCWhQOo0

↓次3題おなしゃす!



362:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 23:31:49.41 ID:rBQof6IbO

極太バ○ブ



363:名も無き被検体774号+:2012/04/06(金) 23:38:03.90 ID:QnAWh8NwI

う~ん、いいねぇ。
少し気が引けるが、>>1なら書いてくれるはず

下ネタ



364:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:04:35.79 ID:juau6nPJO

女子高生



365:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:04:36.17 ID:xnSlMp1y0

この流れは・・・

生け花



366:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:11:09.29 ID:3JW5hIb70

バ○ブ「お前、そんな貧弱な体で満足させられんのかよwww」
ローター「うるせぇ」

そんな会話をしていた翌日、待ちに待った注文が来た!
ついに俺も本番デビュー!!

バ○ブ「じゃあなwお先にww」
ローター「あー、はいはい」

いったいどんな娘に買われたんだろうか?
初心っぽい女子高生が望みだ。
いや、俺を注文する時点でなかなかの好き者だ。
初心でかわいくて純真に見えて実は淫乱の女子高生…!?
たwwまwwwんwwwねwwwぇwwなwwww



368:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:15:59.57 ID:3JW5hIb70

期待値は100を軽々超して、衝撃吸収剤に囲まれ暗い箱の中、俺はひたすら女神との逢瀬を待ち侘びた。
いや、天使でも構わないけど。

そしていま、眼前の扉が開かれる!
そこに居たのは――…

「おぉ…やっぱりなかなかグロイな…」

そのへんにいくらでもいそうなただの冴えない男だった。



369:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:21:24.79 ID:3JW5hIb70

バ○ブ「なんでぇえええ!?」

俺は絶叫した。
男には聞こえるはずもない。
しかし俺は絶叫した。

バ○ブ「男のケツなんてゼッ……………テェお断りに決まってんだろうがぁあああ!!」

かわいい女の子をこの巨体で拓く快感こそが、俺の至高にして唯一無二の望みだったというのに!!?

バ○ブ「なんで男だ!?ふざけんな!おおお俺は絶対嫌だからな!嫌だからなー!」

しかし、俺の恐怖を嘲笑うかのように、俺はそれから随分放置されることになった。



370:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:29:25.34 ID:3JW5hIb70

モニターを食い入る様に見つめる男の背中ばかり見る日々が続く。
わざわざ買ったというのに、この男が何を考えているのかさっぱり分からない。
分かったのはついさっきだ。
男の見るモニターには、いかがわしい映像が流れる。
複数の作品を次々流していく。
遅漏め。
いや、そうではない。
もう慣れてしまっているのだ。この男は。
一体何回その映像を見たのか、早送りも的確に見たい箇所で止めている。
暗記しているのか。
そんな事より俺にとって重要だったのはそれらの映像の内容だった。
どれもこれもあらゆる玩具が登場する。

この男、道具責めフェチなのだ。



371:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:34:23.97 ID:3JW5hIb70

なるほど、それで漸く俺が買われた理由が分かった。
こいつは彼女に使うつもりなのだ。
それなら何の問題も無い。喜んで勤もうじゃないか。

だが、この男に、彼女はいなかった。

バ○ブ「…ますます分からん…計画性の無い…」
??「元気出して?」
バ○ブ「オ○ホ…」
オ○ホ「仕事無いからって、落ち込んでるの?」
バ○ブ「いや…まぁ…」
オ○ホ「な、なんなら…私が相手しても…いいよ…」
バ○ブ「え?」



372:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:39:29.49 ID:3JW5hIb70

オ○ホ「あぁ…っん、お、おっきいの…裂けちゃうぅ」
バ○ブ「う…きつ、ぅ」
オ○ホ「あ、あっ、ごめんなさい…そういう造りなの…」
バ○ブ「いや、堪んない…」
オ○ホ「…///」

ヴ―――

オ○ホ「きゃあ!あ、なに…っ、ぶるぶるするのぉ…!」
バ○ブ「俺の巨体と振動、死ぬほど味わいな」

それからの俺は自らの仕事も忘れ、連日オ○ホの身体に夢中になっていった。



373:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:45:01.90 ID:3JW5hIb70

だが、

バ○ブ「…お前、最近ゆるくなったんじゃないか…?」
オ○ホ「えっ?う、嘘…本当に?」
バ○ブ「あぁ、入っていても、前より隙間を感じるような…」
オ○ホ「その、実は、貴方とこうなってから…ちょっとそんな気はしてたの…」
バ○ブ「そうか…俺が」
俺が大きいが為に、オ○ホに負担を強いてしまっていたのか…。
バ○ブ「すまない」
オ○ホ「い、いいの!」
バ○ブ「でもな…」
オ○ホ「そのかわり…離れないでくれたら、それでいいの…」
なんだか久しぶりに、思い切り締め付けられた気がした。



374:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:51:17.02 ID:3JW5hIb70

「うわ!なんだこれ!?」
俺達は一つになった状態で男に発見された。

「…俺、こんなことしたっけ?」

ぐい、と力任せに引かれる。
オ○ホ「ぁ、いや!いかないで!」
バ○ブ「お、俺にはどうにも…っ」
オ○ホ「だめ!抜いちゃだめなのぉ!」
また、オ○ホにぎゅうと締め付けられる。

「…なんだっ、これ…かった…抜け、ねぇえ…!」

オ○ホのおかげでなんとか抜けずにいられるが、それも時間の問題だ。
オ○ホが少しでも弛んでしまえば、離されてしまう。
オ○ホ「だめ、だめぇ!」
バ○ブ「オ○ホ…!」

ピンポーン



375:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 00:58:17.69 ID:3JW5hIb70

「ん、なんだ?」

天の助けか。来客により窮地は脱した。
男が玄関に向かい、俺達は、無意識なのかその手に握られたままとなってしまった。

ガチャ
「はー…い…?」
「…あの、こんにちは…先輩」

扉の先には俺が夢に描いたままの女子高生がいた。

「あ、あれ?どうかしたの?」
「えっと…店長に聞いて…」
「あー…」

どうやらバイト先の後輩らしい。
勿体無い、なぜ手を出さなかったんだ。俺なら、

オ○ホ「――っバ○ブさん!!」

突然聞こえたオ○ホの声は、瞬く間に遠のいていった。



376:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 01:04:56.83 ID:3JW5hIb70

俺は、落下していた。

ゴトン

「え?」
「え?うわ!」

床に転がった俺は、当然二人の視線に晒された。
ヤベエエエエ!!
これは完全に退かれた!
こんなかわいい女子高生に退かれた!!

「っあ、いや、これはっ、その」

言い訳へたくそかああああ!

「…ぁ、あの」

女子高生は、ほんのり頬を赤らめるだけだった。
退いて、ない?

「わ、私も玩具好きなんです!先輩、私に使ってくれませんか!」


な ん だ と



377:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 01:17:23.59 ID:3JW5hIb70

かくしてあの男と女子高生は付き合う事になった。
玩具大好きな若干アブノーマルな二人だが、まあ嗜好が合えば仲は悪くはない。

俺はというと。

「…」
「せんぱい?それ使うんですか?」
「…いや」

主人より立派だったばかりに出番無しだ。
オ○ホ「いいの?」
バ○ブ「なにが」
オ○ホ「本職捨てちゃって」
まあ、あの二人ならこれからも俺の出番は無いだろう。
バ○ブ「いいんだ」
オ○ホ「そう…」
バ○ブ「お前もいるし」
オ○ホ「…そっか」
今日もオ○ホ嬉しそうに締め付ける。




ローター「あ、先輩」
バ○ブ「お、お前は…!」
ローター「奇遇っすね、主人同士が付き合うなんて」
バ○ブ「そうだな」
ローター「で、お仕事はどうですかw」
バ○ブ「うるせぇ!俺はいいんだよ!」




おわり
あwwほwwかww
>>365
ニアミス…!
隣にバ○ブ生けようかと思ったが男の部屋に生け花は無かった…!

寝るよーおやすおやす。
今日は適当にゲリラ開催するよ。



378:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 01:21:24.68 ID:RZGbvhDmI

>>1、お前は一体何処へ行くのか...



382:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 13:30:44.78 ID:3JW5hIb70

↓3題おなしゃす!



383:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 13:32:18.69 ID:fj90nzWXO

中尾彬



384:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 13:36:09.06 ID:Zpvt2vKE0

道場六三郎



385:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 13:41:35.72 ID:RZGbvhDmI

嘉納治五郎

>>1のやつ、とどまる所を知らないな
さあ、どうだ



386:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 14:07:50.11 ID:3JW5hIb70

中尾「困ったねぇ…」

中尾彬は知らない間に、知らぬ場に立っていた。
着のみ着の儘、温暖な気候の、おそらく南の孤島の浜に立っていた。
衣服には一切の汚れもなく濡れた形跡も無い。
遭難、という訳でもなさそうだ。
直前の記憶は…はて、何をしていたか…

中尾は考えるのをやめた。

前に広がる海には船一隻も無い。
無人島に放り出されたのなら、助けが現れるまで生き延びなければ。
そう、まずは食料を。



387:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 14:18:09.01 ID:3JW5hIb70

ちょうど、張り出した低い岩壁があった。
波も穏やかでよい日和だ。
中尾が水面を覗くと、中には様々な魚が泳いでいた。
さて、どうやって捕まえるか。
手掴みか、釣竿を作るか。
思考に耽る間も無く、魚が跳ねた。
覗き込む中尾の首から下がるねじねじを魚が見上げている。

…致し方無い。

中尾はねじねじを海に垂らした。



388:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 14:31:48.81 ID:3JW5hIb70

魚は、大漁であった。
近くの木から下がる蔦で必要分だけ結び、持ち歩く。

程良い広さであった、元いた浜辺に戻ると先程は無かったものがいた。
大小様々な果実に、気絶し、蔦で縛られた小動物。
明らかに、人為的なものだ。
自分以外にも人がいるのか。
内心安堵したが、すぐに考えを改める。
友好的な人物とは限らない。

だが、協力しあえる人物なら、どんなに有難いか。
中尾は意を決して魚をその山の傍に置いた。
幸い時は夕刻。
長時間でなければ傷まないだろう。

もし、期待したような人物でなくとも、一日程度なら抜いても問題ないか。



389:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 14:46:03.25 ID:3JW5hIb70

道場六三郎は川で水を汲んでいた。
どうやら飲み水としても問題なさそうな水は、ここしか無いようだった。

汲んだ水を運び、浜辺に戻ると食材が増えていた。
これはどうしたことか…、自分以外に誰かいるらしい。
道場は驚きつつも、それらの食材に手をつけた。
調理に必要な道具は最初から持っていた。
米も十二分にある。

道場は手際良く調理を進めていった。



390:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 14:52:34.57 ID:3JW5hIb70

道場は一人前分を取ると、残りは置いておいた。
傍に器も十分に用意してある。
これらの食材を誰が、何人で集めたのか分からない。
しかし一人ではないだろう。
道場はその場をあとにした。


翌日浜辺に戻ると、料理はすっかり空になっていた。
傍には日本語の礼と器がそれぞれ二つ。
どうやら自分以外には二人、それも日本人がいるらしい。



391:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 15:02:04.46 ID:3JW5hIb70

その日も中尾は魚を釣り上げて浜辺に戻ったが、既に果実と動物はあった。
動物は猪のようだった。
いったいこの島はどこにあるのだろうか?

それはともかく、猪を捕まえるなど、その人物は只者ではない。
昨晩はまさかこの島で頂けるとは思えぬほどの料理に恵まれたが、その人物とは別なのだろう。
再び浜辺に戻って来た時には既に、料理と一つの空の器、砂には礼が書かれていた。

自分の他には二人いる。
それも日本人が。
食材に対する礼が増えた砂浜に、中尾は魚を置いた。



392:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 15:07:35.25 ID:3JW5hIb70

道場「あれだね、どちらも良い人みたいで」

独り言をもらし、道場は今日も食材を調理した。
猪を狩る人物は正直恐ろしいが、礼のある人物のようで安心した。
その力が此方に向かわなければ問題ない。
魚も無駄無く使えるものばかり。

どうやらまだ見ぬものの、良い人物達と生活を共にしているらしかった。



393:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 15:20:31.96 ID:3JW5hIb70

三日目の晩。
なんの偶然か、三人は浜辺に一同していた。
夜の闇で影しか見えない。

中尾は迷っていた。
二人の姿はある。
だが、その顔を見るべきか?
その声を聞くべきか?
話をするべきか?
本来ならば、何の問題も無いはずだ。
日本人同士、話は通じるだろう。上手くいくだろう。

しかし、何かが引っ掛かる。
これ以上近寄ってはならないと、本能が告げる。

一人が密林に姿を消した。
中尾も倣って道を引き返した。
此れ迄のように、昨日までの順番のままを続ければいい。
何の問題も無い。



394:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 15:28:21.04 ID:3JW5hIb70

その時、遠くから光が届いた。
船だ。
真っ直ぐにこちらに向かう。
助けが来た。

一人は、のんびりと丁寧に道具を収めだした。
一人は、光を眺めたまま、ただ立っていた。

あの船は、確かにこちらに向かっている。
これで助かる。

着岸した船に向けて足を進めたのは、二人だった。



395:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 15:33:51.18 ID:3JW5hIb70

中尾は振り返った。
一人の影がただ立っている。

行かないのか。

声が出なかった。
話し掛けるなど、最初から出来なかったのか。
影はゆっくりと首を振った。

中尾は気付いていた。
この島はおかしいという事に。
魚にしろ猪にしろ、いや、この二人と共にしたことも今の船も含め、全てが上手く行き過ぎではないか?



396:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 15:40:22.89 ID:3JW5hIb70

この人物も、助かってほしい。
本能は明らかに反していた。
だが、中尾は影に近寄って行った。

深い闇の中、顔が漸く視認できる直前、中尾の身体は浮いていた。

ドサ

何が起きたのか、直ぐには分からなかった。
だが、この人物がどうやって猪などを相手にしてきたかは、何と無く理解できた。

影が再び首を振る。
中尾は今度は黙って船へと向かった。

やはり、あの人物は只者ではなかった。



397:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 15:48:01.01 ID:3JW5hIb70

道場「あれは、あれだ…見事な浮腰で」

中尾「えぇ…」

船上でも、話しはそれきりで二人は顔を合わせなかった。
知らぬままが良い。
三人が三人とも、そう思っていた。


船上からの記憶が曖昧だ。
気付いた中尾は家にいた。
夢か…。
しかし、料理の味や投げられた感触はやけに鮮明だった。
あの島は、あの影のための島だったのかもしれない。
中尾は夢想は払い、顔を洗うことにした。



「その料理は?」
道場「あの時は、あれで、やけに美味しかったから」「へぇ…」




おわり
難産すぎるやろ…!



398:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 15:48:47.62 ID:3JW5hIb70

↓次の3題おなしゃす!



399:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 15:50:44.85 ID:5PG4lt6J0

マイケル・ジャクソン



400:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 15:52:23.78 ID:juau6nPJO

100円ショップ



401:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 16:05:52.69 ID:fj90nzWXO

えなりかずき


>>1すごすぎる!!



402:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 16:10:03.78 ID:vmgVB+PsO

>>1がキ才すぎるwww



403:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 16:23:25.55 ID:3JW5hIb70

100円ショップでバイト中に妙な客が来た。
来店したと思ったら何故か店内を後退しながら移動する。
指を鳴らすとBGMが変わる。
時には奇声を発する。
帽子で顔は見えないが、身体のキレと服装はやけに良い。
一体なんだこの客は。

あらかた巡ったのか、僕のいるレジに来た。

「お会計、2260円です」
出されたのは6250円だった。
面倒くさい、なぜ態々6250円なんだ、5千円札で良いだろう?
まあ、指摘も面倒なので精算した。
お釣りを渡そうと客を見ると、すでにいなかった。
えぇ!?何故!
自動ドアを抜けて追ったが、やはりどこにもいない。

店長には、当然注意を受けたが、僕は納得いかずに思わず叫んでいた。

「しょうがないじゃないか!いなかったんだから!」

僕はクビになった。




おわり



404:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 16:25:09.01 ID:3JW5hIb70

>>402
おいやめろ

↓次3題おなしゃす!



405:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 16:31:34.58 ID:5PG4lt6J0

苺のへた



406:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 16:44:48.99 ID:Zpvt2vKE0

vip+



407:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 16:45:22.95 ID:fj90nzWXO

森鴎外



408:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:00:53.47 ID:3JW5hIb70

『イチゴのへただけど何か質問ある?』
『たまに苺うpしながら全レス』
『せんしゅう苺と別れたから苺のエロ画像うpする』
『くきが元気ない』
『すさまじい苺画像手に入れたったwww』
『アホみたいなDQNネーム商品名にする奴ww』
『りんご派は死ね』
『すぐ出荷される苺の理由見つけたったww』

へた「…よし…っと、こんなもんか…」
苺「なにが?」
へた「いや?何でもないw」




おわり



409:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:01:59.56 ID:3JW5hIb70

↓次3題おなしゃす!



410:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:02:23.61 ID:juau6nPJO

今日は人物が多いな

>>1はこんな時間の使い方でいいのか?w
俺は日課の如く楽しみにしているが…



411:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:12:18.48 ID:5PG4lt6J0

パラレルワールド



412:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:21:09.98 ID:pNof2zy80

カーチャン



413:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:31:14.92 ID:3JW5hIb70

目が覚めると俺は猫だった。
「あ?うそ、なんで?」

??「起きたか息子よ」

「その声はカーチャン!」

カーチャン「騒ぐでない。ここは敵も多い…お前もそろそろ一人立ちする年なのだから」

「う、うん。でも何で俺もカーチャンも猫なの?」

カーチャン「何を馬鹿なことを。はじめから猫ではないか」

「そんなはずは!昨日寝るまで俺は人間だった!」

カーチャン「なんと…?もしやお前…パラレルワールドの息子か」

「ぱ、パラレルワールド…」

カーチャン「そちらでは人間であったか。ならば今一度、猫としての世界を教えねばならぬ」

「いきなりパラレルワールドとか言われても…」

カーチャン「分かるまいよ。だが、事実お前は私の息子であり、お前の記憶は昨晩まで人であった。違うか」

「そうだね…」

カーチャン「この世界では我々は猫なのだ。それは揺るがない」

「うん…」

カーチャン「では行くぞ」



414:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:35:49.55 ID:3JW5hIb70

猫の世界は厳しかった。
家猫と俺達野良猫の格差社会。
野良世界の縄張り、派閥争い。
毎日のように食べ物の奪い合い…。

「猫は昼寝ばかりしてると思ってた…」

カーチャン「ふ…そのような生温い世界など、存在しない」

「うん、よくわかった」

カーチャンは、猫の世界は右も左も分からない俺に丁寧に、時には荒っぽく教えてくれた。



415:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:40:50.63 ID:3JW5hIb70

カーチャンは強い猫だった。
もう大人猫の身体をした俺を連れて歩くなど、恥ずかしいだろうに気にもしていないようだった。
カーチャンは強い猫だった。
食べ物の取り合いで負けたことなどなかった。

傍にいた俺も、徐々に一匹の猫として自覚と自信がついてきた。
カーチャン「今日はお前、一匹で食べ物をとっておいで」

「うん!任せてくれ!」

初めて一匹での仕事を任され、俺は張り切った。
いつも腹一杯の食べ物を取ってくれるカーチャンを、今度は俺が腹一杯にしてやるのだ!



416:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:46:24.65 ID:3JW5hIb70

ゲームしてネットして飯食って寝てた人間の俺じゃない。
一匹の猫として立派な食べ物を取ってやる!

見つけた獲物は港に置き去りにされた魚だった。
釣り人が落とし、忘れて行ったのだろう。
なかなかのサイズであるその魚は、きっと俺とカーチャンの腹を満たしてくれるはず!
俺は迷わず飛び付いた。

「おい」

びくりと身体が震えた。
勝手に毛が逆立つ。
振り返った先にはこの辺りを占めるボス猫がいた。
俺達は派閥には入っていないから、どのボスも敵だ。



417:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:50:30.68 ID:3JW5hIb70

ボス「まさか俺のシマと分かっていながら、そいつを喰うつもりじゃあ、ないだろうな」

「そ、その…」

ボス「…いいだろう。猫同士、堂々勝負といこうか」

ボス猫は、明らかに俺より大きく、俺など一噛みでやられてしまいそうだ。
だが、退くわけにはいかない。
この魚は、俺が見つけたのだ。
俺とカーチャンで食べるのだ!



418:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 17:56:56.33 ID:3JW5hIb70

マ゙ァ―――――オ!!!

ボス猫が雄叫びを上げ、襲い来る。
俺はボス猫の爪を必死でかわし、ボス猫の後ろを取った。
ボス猫には体格も体力も、力も敵わない。
早期決着しか道は無い!

俺は、目の前の尻尾に噛みついた。

フギャ――――――ッ!!!!

力加減も分からず噛みついた俺に、よほど痛かったのかボス猫は鳴きながら退散していった。

やった、これでカーチャンに魚を持って帰れる!
俺は意気揚々と魚をくわえた。



419:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 18:03:27.46 ID:3JW5hIb70

しかし、俺が帰った先には想像してなかった光景が待っていた。

「!!」

何匹もの猫が、カーチャンを囲っていた。
「お宅の息子のせいで前より私たちの取り分減ったのよ!」
「いつまであんたが面倒見るつもりなの?」
「もういい大人猫なのに!」
俺の事で、カーチャンが責められていた。
「カーチャン!」
「あっ、息子が帰ってきた!」
「速く行きましょう!」
俺を見るなり逃げていったが、カーチャンは起き上がらない。

「カーチャン!カーチャン!」

傷が酷い。噛まれ、かぐられ、えぐれている。
カーチャンは今にも息絶えそうだった。
傷を舐め、血を拭う。
カーチャンは荒い呼吸しか返さない。



420:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 18:06:48.13 ID:3JW5hIb70

雨が降ってきた。
カーチャンの血がどんどん流れていく。
カーチャンの身体から熱がなくなっていく。

「カーチャン、俺、魚とってきたから…」

「カーチャン、魚食べたら元気になるから…」

「カーチャン、なあカーチャン、俺、もう一匹でも食べ物取れるから…」

「なんか言ってよカーチャン…」

雨が冷たい。



421:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 18:11:45.97 ID:3JW5hIb70

カーチャン「…泣くな息子よ」

「カーチャン!」

カーチャン「お前は立派になった。一人前の大人猫だ」

「だけど!カーチャンがいないのは嫌だ!」

カーチャン「ふ…泣き虫め…そんなに濡れてはお前の身体に障る…」

「いいんだ!カーチャンがいないなら、俺も一緒に…」

カーチャン「馬鹿を言うな!」

「!!」

カーチャン「大事な息子に、私より短く逝かれてたまるものか!」

「か、カーチャン…」

カーチャン「しょうのない子だ…共に寝るだけなら許してやろう」

「うん、カーチャン…カーチャンあったかいな…」



422:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 18:15:21.98 ID:3JW5hIb70

俺はだんだん夢現になっていた。
カーチャンの声が優しい。

カーチャン「よく眠れ、そして明日からも生きろ」

カーチャン「お前とはお別れらしい、だが」

カーチャン「お前は、こんな時間の使い方でいいのか?」

カーチャン「お前は、そんな時間の使い方でいいのか?」

カーチャン「時間は限りがあるぞ…。しかと、生きるのだ…」


カーチャンの腕の中で俺は眠った。
強かったカーチャンの腕は、思っていたより細かった。



423:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 18:20:12.86 ID:3JW5hIb70

目が覚めると俺は人間だった。
「…夢か…」
階下では、今日もカーチャンが飯を作っていた。
背中が、昔より小さくみえた。

「カーチャン!」
カーチャン「わ!びっくりした…どうかした?」
「俺、頑張って生きるから!」
カーチャン「そ、そう」

俺は此方と彼方の二人のカーチャンの為にも生きる。
俺はまず、ハローワークに出掛けた。



おわり

飯つくる!



426:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 19:53:20.17 ID:3JW5hIb70

↓次の3題おなしゃす!



427:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 20:08:57.30 ID:5PG4lt6J0

犬のふりしたネズミ



428:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 20:09:57.99 ID:fj90nzWXO

13日の金曜日



429:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 20:19:47.50 ID:P6iMVQQH0

高級ソファー



430:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 20:20:27.35 ID:RZGbvhDmI

長ネギ



431:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 20:37:10.71 ID:3JW5hIb70

ジェイソン(あーどうしようかなあ、次の金曜日13日だしなあ、来週まで待とうかなあ、でも来週も来るかどうかわかんないし)

扉の前で悩むジェイソンを見ていたのは一匹だけだった。
ネズミ「な、なんだあの見るからに怪しい男は…」
明らかに殺人しますよ、という空気を纏う男にネズミは恐怖した。
ネズミ「こいつに人間がやられたら俺のご飯が無くなっちまう!」

ネズミはジェイソンを追い返すことにした。



432:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 20:37:41.21 ID:3JW5hIb70

ジェイソン(あーどうしようかなあ、次の金曜日13日だしなあ、来週まで待とうかなあ、でも来週も来るかどうかわかんないし)

扉の前で悩むジェイソンを見ていたのは一匹だけだった。
ネズミ「な、なんだあの見るからに怪しい男は…」
明らかに殺人しますよ、という空気を纏う男にネズミは恐怖した。
ネズミ「こいつに人間がやられたら俺のご飯が無くなっちまう!」

ネズミはジェイソンを追い返すことにした。

ネズミ「わ、…ワン!ワンワン!」
ジェイソン「ん…?」
ネズミ「ワンワン!ワンワン!」
番犬のつもりで吠えてみるが、まったく怯む様子がない。
ジェイソン(まあいいか、早くやってしまおう)
あっさり扉を入ってしまった。

ネズミ「やばいやばいやばい!」
幸い今は中に誰もいない。
しかし帰ってくればまず間違いなくやられてしまうだろう。
ネズミ「何かないか、何かないか何か!」
ネズミは武器を探した。
とりあえず長いものがいい。
リーチがあれば離れていても攻撃できる。
そしてネズミは見つけた。



433:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 20:44:45.62 ID:3JW5hIb70

ネズミ「ネギ!」
青くて白い長ネギ。
ネズミは長ネギを手に天井裏を駆けた。

隙間から下を覗くと、ちょうどジェイソンが通るところだった。
ネズミ「チャンス!」
ネズミはネギを振り下ろした。

ペチ

ジェイソン「…?」
ネズミ「効いてネェエエ」
何度も叩いていると、さすがに面倒なのかジェイソンに斬られてしまった。
切れ味がとても良い。
ネズミ「ヒィイ、どうしよ…」

ジェイソンが部屋をまわる。
どの部屋にも人はいない。
ジェイソン(あれー?)
首を傾げるジェイソンにネズミは残ったネギを投げつけた。
ジェイソン「……?」
ネズミ「だめだ…やっぱ効かない…」



434:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 20:48:44.72 ID:3JW5hIb70

ジェイソンは探すのを諦めたのか、戻るのを待つことにしたらしい。

ネズミ「うーんと、なんか、なんか策はないかなんか」
ネズミは再び長ネギを手に思考した。
その間にジェイソンはソファーに目をつけていた。
最近入れられた新しい高級ソファーだ。
ネズミ「…!!」
ネズミは閃いた。
あの高級ソファーならば。
ジェイソンがソファーに腰掛ける。



436:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 20:55:20.06 ID:3JW5hIb70

ズボッ

ジェイソン「!?」
ネズミ「ふはは、かかったな!そのソファーは来た当初から俺の住処だ!」
ジェイソンは完全にソファーに沈んでいた。
ソファーに穴があったのだから当然である。
ジェイソン(ネズミ…?)
ネズミ「あ。や、やべえ!何してんだ俺敵の前に出たら俺がアウトだろうが馬鹿かああ、あ?」
傍で慌てていたネズミはジェイソンにつまみあげられてしまった。

ネズミ「や、やめろよ。俺ころしても何も得無いよ」
ジェイソン「…」
ネズミ「うぅ、くそ、こうなったら…ワン!ワンワン!」
犬のフリなど意味ないとは分かっていても、パニックに陥ったネズミには関係なかった。



437:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 21:01:47.21 ID:3JW5hIb70

長ネギでペチペチ叩きながらワンワン吠えても助からないだろう。
ネズミは内心観念していた。

ネズミ「!」

ぽい、と床に放られてネズミは尻餅をついた。
ジェイソンは嵌っていたソファーを無惨にも壊しながら脱出した。
ネズミ「あ、あぁ」
終わった。
今度こそ終わった。
ネズミは目を閉じて、最期の瞬間を待った。

しかし、ジェイソンは何故か扉を出て、この場を後にした。
ネズミ「え…?何これ、…もしかして俺勝利?俺勝利!?」
長ネギを放り出し喜び駆け回るネズミは知らない。

ジェイソン(やっぱり今度の金曜日にしよう)




おわり



438:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 21:06:58.34 ID:3JW5hIb70

さあさあ

↓次の3題おなしゃす!



439:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 21:16:47.14 ID:5PG4lt6J0

ホームセンター



440:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 21:17:05.60 ID:juau6nPJO

賽銭箱



441:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 21:17:16.54 ID:vmgVB+PsO

玉露



442:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 21:28:09.00 ID:3JW5hIb70

だいたいホームセンターになんでも揃ってるから駄目なんだよな。
いつの間にか俺の周りはホームセンターで買い集めたものばかりだよ。
別にいいんだけど。
一応さ、ちゃんとした筋から買おうとか思わないわけ?
格式とか神聖な雰囲気とかさぁ、ホームセンターで買いましたじゃかっこうつかないだろ?
別にいいんだけど。
賽銭箱くらいしかホームセンター発関わってないの無くね?
あ、でもこないだ賽銭箱磨いてたのホームセンター発だろ。
別にいいんだけど。
賽銭とか俺は少なくてもいいよ。
だけどホームセンターはどうよ。
別にいいんだけど。
そのくせ今お前が飲んでる玉露はちゃんとした店で買ったんだろ。
知らないとでも思ってんのか。

「神様と一緒に飲めたら、もっと美味しいでしょうねぇ」

…別にいいんだけど。




おわり



444:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 22:24:14.68 ID:3JW5hIb70



↓次の3題おなしゃす!



445:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 22:27:00.02 ID:juau6nPJO

最終章いくぜ

エクスカリバー



446:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 22:33:15.72 ID:P6iMVQQH0

>>1のセンスが好きすぎる

ポスター



447:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:11:27.34 ID:RZGbvhDmI

シスコン



448:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:18:33.08 ID:3JW5hIb70

勇者「やっぱ伝説の剣とかほしいよな」

賢者「…はあ」

勇者「たぶんそれでアイテムコンプだろ?」

賢者「勇者さんは何の為に旅してんですか」

勇者「え?妹のためだよ?」

賢者「違いますよ!魔王討伐でしょうが!」

勇者「うん、だから妹の平和の為に魔王倒すよ?」

賢者「えぇ…完全に妹中心ですか…」

勇者「それよりさあ、伝説の剣なんだけど」

賢者「ああ、はい」

勇者「あれだよな?」

賢者「は?え?なんで伝説の剣がポスターに書かれて宣伝されてんです!?」

勇者「伝説だから有名なんじゃない?」



449:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:23:13.73 ID:3JW5hIb70

賢者「いやいやいやいやそんな」

勇者「まあ、わかりやすくていいんじゃないか」

賢者「なんかありがたみが欠片も感じられないんですが」

勇者「いーよいーよ。伝説の剣に違いないんだし」

賢者「適当な…場所はどこです?やはり湖ですか?」

勇者「は?伝説の剣って言ったら岩じゃないの?」

賢者「え?湖の乙女なんじゃ…」

勇者「なにそれ、乙女が剣くれんの?妹似だと尚良し」

賢者「あー…もう、岩でいいですから、ちゃっちゃと行きましょう」



450:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:26:45.06 ID:3JW5hIb70

勇者「結構楽に来れたな」

賢者「わりと近所というか…路が舗装されていたというか…」

勇者「おお、見事に刺さってんね!」

賢者「てゆか、このポスター絵かと思いきや写真ですね」

勇者「行列長いなあ」

賢者「一大観光スポットみたいですからねえ」

勇者「妹にも見せたいなあ」

賢者「いい加減うざいですよ」



451:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:32:08.72 ID:3JW5hIb70

勇者「よーし俺の番だ!」

賢者「長かった…しかし、抜けるんですか?」

勇者「なに言ってんの?俺勇者よ?」

スポ

賢者「うわっ、マジで抜いた…」

勇者「ほらみたか!」

賢者「腐っても勇者ということですか…」

村人「さすが勇者どの!」

勇者「おー、さんきゅーさんきゅー」

村長「どうぞその剣はお持ちください」

勇者「うん、いただくよ」

賢者「この剣、無名みたいですね」

村長「ええ、資料も無いものですから。ご自由に名付けください」

勇者「じゃー妹の名前を…」

賢者「言うと思った」



452:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:35:52.77 ID:3JW5hIb70

勇者「…つけるのはやめて」

賢者「え?」

勇者「やっぱエクスカリバーだな。うん、エクスカリバーっぽいし」

賢者「あれ、意外」

村長「エクスカリバーですか。よい名ですな」

勇者「うん、観光地潰して悪いな」

村長「いえいえ、勇者どのがその剣を使ってくだされば、それはそれで」

勇者「ほほう。なかなか悪いな村長」

村長「いえいえ。で、こちらの場所の名前はなんとしましょう」

勇者「じゃあ妹の名前で」

賢者「結局か」



453:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:41:24.55 ID:3JW5hIb70

賢者「…よかったですね。伝説の剣が手に入って」

勇者「だなー。思ったより楽だったな」

賢者「まあ、ポスターになるくらいですし」

勇者「これで魔王討伐も楽になるかな」

賢者「ですね」

勇者「そしたらやっと妹に会えるなあ」

賢者「ですね、魔王討伐したら…お別れですね」

勇者「え?」

賢者「え?」

勇者「何言ってんの?賢者も妹に会うだろ?」

賢者「はい?」

勇者「だから、俺の家に帰るだろ?」

賢者「は、はい!?」

勇者「さー、魔王討伐行こうか!」

賢者「ちょ、ちょっと!えええ!?」





おわり



454:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:41:59.57 ID:3JW5hIb70

いついつ

↓次の3題おなしゃす!



455:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:48:56.62 ID:RZGbvhDmI

流石兄弟

俺にあの頃を思い出させてくれ
宜しく頼む



456:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:53:19.02 ID:SNhq3hkRO

8頭身!



457:名も無き被検体774号+:2012/04/07(土) 23:59:16.92 ID:xnSlMp1y0

フライングV

さすがにもうニアミスはないだろう



458:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 00:48:41.70 ID:PCbtK27c0

( ´_ゝ`)「音楽をやろうと思う」
(´<_` )「兄者、なにか出来る楽器が?」
( ´_ゝ`)「ない」
(´<_` )「では何故いきなり」
( ´_ゝ`)「突然情熱が溢れ出したから」
(´<_` )「つまり急に興味が出たと?」
( ´_ゝ`)「弟者は何かできないのか」
(´<_` )「無茶な」
( ´_ゝ`)「使えないな」
(´<_` )「兄者、前にフライングVを購入した気が」
( ´_ゝ`)「気のせいだ」
(´<_` )「いや、確かに」
( ´_ゝ`)「気の迷いだ」
(´<_` )「するつもりは無いと」
( ´_ゝ`)「あれはほら、8頭身とかのがいいよ。合ってる」
<全身から沸き上がるこn
(´<_` )「面倒なものを召喚しない」
( ´_ゝ`)「指が痛いとキーボード辛いだろ」
(´<_` )「あるいみ流石だな兄者」
( ´_ゝ`)「まあ、正直楽器はなんでもいいかなと」
(´<_` )「DTMの方が良いのでは」
( ´_ゝ`)「その手があったな」



459:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 00:51:24.72 ID:PCbtK27c0

OK、初音ミクゲット。
          ∧_∧
    ∧_∧  (´<_`  ) 流石だよな俺ら。
   ( ´_ゝ`) /   ⌒i
   /   \     | |
  /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/  FMV  / .| .|____
    \/____/ (u ⊃
      ガガガガ・・・・



おわり
AAは!詳しくないんだ!
もはや即興の枠じゃないな。遅すぎた。申し訳ない。

寝るわ。
本日もゲリラ予定でよろしくお願いいたします!



461:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 01:49:25.89 ID:hLgO0fMb0

>>1ガンバれ~
こういう時間帯しか応援できずすまんべ



466:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:38:31.78 ID:PCbtK27c0

>>461
ありがてぇ…ありがてぇ…(乞食)



463:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 10:37:48.18 ID:uguGAWyIO

>>1
執筆依頼したら迷惑だろうか?
もし可能であれば
・小学校生活最後の夏休み
・秘密基地
・友情
をテーマにノスタルジックで感動できるやつを1つお頼みしたい



465:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 10:55:40.17 ID:uguGAWyIO

>>463補足
できたら駄菓子屋、ラムネ(飲む方のやつ)なども話に入れてほしい



466:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:38:31.78 ID:PCbtK27c0

>>463
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467:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:39:19.95 ID:PCbtK27c0

駄菓子屋で三人並ぶのも、もう恒例だ。
少ない小遣いで、どれだけ買えるか。
駄菓子屋でこそ出来ることだった。
俺「選んだか?」
A「おー」
B「ばっちり」
レジの隣で三人ともラムネを取る。これだけは外せない。
「また秘密基地かい?」
A「秘密基地だから秘密!」
駄菓子屋の婆さんに答えるAの言葉は、ひとつも秘密ではなかった。



468:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:40:13.56 ID:PCbtK27c0

山の中にある小さな空き倉庫が、俺達の秘密基地だ。
実際は第二秘密基地で、第一秘密基地がある。
二年のころに作り始めた第一秘密基地は、段ボールやシートでの完全手作りなので風に弱く、五年の夏にAが見つけた空き倉庫に移動したのだ。

空き倉庫の中は、隙間風はあってもムワッと暑い。
A「お前ら何買った?」
Aの声に俺とBは駄菓子を広げた。
俺は出来るだけ長持ちするものとか、無難に。
Aは新商品や味が分からないもの。
ちょっと金持ちのBは三人で食える袋もの中心。
俺「お前、俺達に食わす気ないだろ」
A「んなことねーよ。ほらB、これ食ってみ」
B「いいよ。見るからに辛そうだし。それより」
Bがラムネを取り出すと、示し合わすように俺とAも取り出す。

ポン

ビー玉が沈んで炭酸が弾ける。
B「乾杯」
A「カンパーイ!」
俺「カンパイ」
ゴツンと瓶がぶつかる。
喉を通る一口で暑さを忘れられる。
汗が一時引く。
A「うめえ!」
俺「今年は暑いな」
B「ああ、最高気温記録したんだっけ」
駄菓子を開けながら、適当な会話を続ける。



469:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:40:50.63 ID:PCbtK27c0

夏休みだ。
小学六年、もう残り少ない夏休み。
冬には雪と寒さで来れなくなる。
第一、学校で会えれば秘密基地には来なくなる。
もうここに一同する機会は無い。
宿題はBしか終わっていないし、基地に来ている場合ではない。

B「寂しいな」
俺「ああ…」
A「第一秘密基地はさあ」
俺「ん?」
A「近くに蜂の巣が出来たり、猫の住処になったり大変だったよな」
B「どうしたんだよA。ラムネで酔ったのか?」
A「なわけないだろ」
Aは笑っていたけど、やっぱり寂しそうだった。



470:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:41:39.72 ID:PCbtK27c0

A「楽しかったよなー。ここも好きだけどさ」
俺「自分達で作っただけあるよな」
B「愛着があるしな」
外でセミが鳴いてる。
俺「台風で壊れかけたり」
A「必死で補強したな」
セミが鳴いてる。

来年、俺は地元の公立に進む。
Aは引越して、別の公立に行く。
Bは受験してさらに離れた私立に行く。
バラバラだ。
中学生になれば部活や塾が無くとも、距離で集まれなくなる。
今日が最後の秘密基地。
A「よし!もっかいカンパイだ!」
俺「へ?」
B「うん。乾杯しよう」
A「俺は!十五年後に秘密基地に来ることを誓ーう!」
B「俺も。絶対秘密基地に戻ってくることを誓う」
俺「…」
A「おい、早く言えって」
俺「俺は…」

俺「俺も、忘れない。絶対に来る」
A「よし。十五年後に!」
俺「ああ、十五年後に」
B「十五年後に。乾杯」

ガツン

A「俺達の友情は永遠だ!」
B「クサすぎ」
温くなったラムネは、それでも汗を止めてくれた。
目からだけは止めてくれなかったけど。



471:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:42:11.10 ID:PCbtK27c0

あの時もラムネの瓶は割った。
中のビー玉は別のケースに貯めていて、隙間から差し込む光が乱反射して綺麗だった。
あのケース、どこにやったかな。
中学生になって二人と離れて、それでも俺は夏休みになると時々秘密基地を訪れた。
たまに中から人の声がする。
だろうな。
絶対下の小学生も秘密基地にすると思った。
高校生になって、大学生になって、俺は無難に地元の会社に就職した。
Aは家業を継ぎ、Bは向こうで大手に就いたらしい。
そして、二十七の夏がやって来た。



472:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:42:42.91 ID:PCbtK27c0

約束の日に有休を取った俺は駄菓子屋に行って、適当に駄菓子を選んだ。
適当なつもりが無難になったのはもはや性分だ。
俺が高校生の頃に、駄菓子屋の婆さんは亡くなった。
今のレジ打ちは婆さんの孫息子が引き継いでいる。
「…秘密基地っすか?」
俺は、正直面食らった。
ここに来るのも久しぶりだし、まさか孫息子が知っているなどとは思わなかった。
「婆ちゃんが話してましたよ。秘密基地に行く三人の男の子って」
俺「…秘密基地だから、秘密です」



473:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:43:31.80 ID:PCbtK27c0

山の中。
秘密基地は、壊されていた。
どうも持ち主の意向らしい。
それは、仕方ないか。
蝉が鳴く中、僅かな木漏れ日は暑過ぎず心地よい。
更地になった秘密基地跡を前に、俺は一人つっ立っていた。
二人は来ない。
小学生の頃の約束など、忘れてしまったのかもしれない。
二人とも、俺より忙しい身だ。仕方ないか。
ラムネを取り出し、ビー玉に指を当て――



474:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:44:26.31 ID:PCbtK27c0

待てよ?
もし、もしアイツらが来ていたら。この更地を見ていたら。次はどうする。
秘密基地に来る。秘密基地に戻ると言った。
秘密基地は、ひとつではない。
俺は第一秘密基地に走った。

第一秘密基地はボロボロに朽ちていたが、まだ残っていた。
人影は見えない。
何年も風雨に晒されたのだ。当たり前のこと。
更に近寄ろうとしたところで物陰から何かが現れた。
「うぅ…」
俺「…」
フラフラと覚束無い足取りで立ち上がるのは成人男性だ。
「んん…?」
なんだ、酔っ払いか…?
首を振った男は、じっと俺を見た。
「あ!おいお前!」
俺「うわっ、は、はい!」
「なんだそりゃ。俺だよ!待ちくたびれただろが」
俺「え、あ、A?」
A「他に誰がいんだよ」
あんまり暇なので持ってきた酒で、一人酒盛している内に寝てしまったらしい。
なんて奴だよまったく。



475:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:45:12.03 ID:PCbtK27c0

A「…来ないな」
俺「ああ…第二秘密基地に行って、帰ったのかも」
A「忘れ―…ては、ないか。俺が憶えてるくらいだし」
俺「だよなあ。Aが憶えてるし…」
A「おい」
第一秘密基地の傍に二人並んでBを待った。
夕刻が近い。
蝉も昼より大人しい。
それでもやはり暑く、汗が勝手に流れて行く。
Bはやはり忙しかったんだろうか。
来れなくても、仕方ないか。
ただの小学生の約束だ。



476:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:45:57.34 ID:PCbtK27c0

「あ、こっちか」
夕方にさしかかった時、一人の男が現れた。
A「B!」
俺「B…!おま…遅えよ!」
B「悪い悪い。向こうかと思って」
一度帰りかけ、此方を思い出して戻ってきたらしい。
B「来ないと思ったか?友達がいの無い奴らだな」
A「思っ…てねぇよ!」
俺「俺は思った。俺も一回帰りかけたし」
B「だよなー」



477:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:48:31.91 ID:PCbtK27c0

A「んじゃ、やるか」
俺「ああ、持ってたのか」
B「まあ当たり前だろ」
三人がそれぞれラムネを取り出し、ビー玉を押し込む。

ポン

A「俺達の友情は、永遠だ!」
B「それ言うのか?恥ずかし…」
俺「俺達の友情は永遠だ」
B「あ、ずりぃ。…俺達の友情は、永遠だ」

ガツン

後ろで、あの最後の日にBが持ち出していたビー玉達が夕陽にキラキラ輝いている。
ボロボロの秘密基地の前で飲んだラムネは、やっぱり温かった。




おわり



478:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:50:37.31 ID:PCbtK27c0

じゃあやろう。
今日やったら、みんなに伝えたいことがあるんだ…。
よよよ

↓3題おなしゃす!



479:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:55:36.02 ID:XgaHou880

親子



481:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 15:09:51.32 ID:uguGAWyIO

開かずの部屋



480:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 14:55:45.79 ID:uguGAWyIO

骨董屋


>>478
執筆依頼したものですがありがとうございましたっ
すごくよかったです
ありがたやありがたや(´;ω;`)

みんなに伝えたいこととはなんでしょう?
いいお知らせだと良いのですが(´・ω・`)ドキドキ



482:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 15:28:04.82 ID:PCbtK27c0

>>480
キャラ変わりすぎワロタ

なんねんもはなればなれだったお母さんとやっと会えた。
子「これからは一緒にいられるよね?」
母「もちろんよ。一緒にいましょうね」

なのに、ときどきやってくる男に、お母さんはからだをみせる。
母「…」
子「お母さん、お母さんいかないで…」
母「大丈夫、行きはしないよ」

お母さんは言葉どおり、どこにもいかなかった。
子「おいてかないで、お母さん」
母「ああ、私達は一緒じゃないとね」
お母さんはそう言ってくれた。



483:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 15:29:29.62 ID:PCbtK27c0

なのに。

「…やっぱ駄目だよなぁ…」
いつもぼくたちをかんししていた男が、お母さんをつれさった。
母「ああ!私の子、私のかわいい子と引き離さないで!」
子「お母さん!お母さん!」
お母さんは、遠くにあるとびらのむこうへ消えてしまった。
あのとびらに入ったら誰も出てこない。
入って出てこられるのは、あの男だけだ。
それも、ほんとうにときどきしかひらかれない。

子「お母さん…お母さん…」
ぼくはまた一人ぼっちになってしまった。
お母さんは一緒にいてくれるって言ったのに。



484:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 15:32:07.30 ID:PCbtK27c0

まいにちまいにち泣いていると、あの男がやってきた。
「…いい、よな。ああ、いいよな」
なにかぶつぶつ言うと、男はぼくをもちあげた。
子「な、なに?なにするの!?」
男にもたれたまま、ぼくはあのとびらのまえに来た。
男がとびらをひらく。
ぼくは、どうなってしまうんだろう。



485:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 15:36:52.67 ID:PCbtK27c0

子「…!」
とびらのむこうはごくふつうの和室だった。
母「ああ!私の子!」
子「お母さん!」
そこにはお母さんもいた。


「駄目だなあ、好きだからこの仕事にしたのに。好きだから売りたくなくなっちまう…」

男は言う。

「やっぱ大小揃ってないとな…親子みたいな壷だし」

二つ寄り添い並ぶ壷に、店主は笑っていた。




おわり



486:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 15:37:55.92 ID:PCbtK27c0

みみみっ

↓次3題おなしゃす!



487:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 15:41:22.09 ID:y26psxnk0

F458



488:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 15:43:46.67 ID:uguGAWyIO

縁日

>>482
フヒヒヒヒ・・・サーセン(´・ω・`)
先生まさか今日でおわ…いやいやまさかそんな



489:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 15:48:21.06 ID:fbRq16hd0

課題

春休みももう終わりだな…



490:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 15:59:28.26 ID:PCbtK27c0

F458「マスター!俺縁日いってみたい!日本のお祭り見たい!」

「あー、そういや行ったことないなー」

F458「行こうマスター!すぐ行こう!早く行こう!」

「お前は十分速いだろ…待って、俺の課題終わったら…」

F458「マスターのクズ!早く行こうよ!帰りも早く帰れるから!」

「わかったよ…」


F458「わー!凄いねえ、提灯綺麗だねえ!」

「あー、うん」

F458「人混みのなかでもスイスイいけるねえ」

「お前速いからな」

F458「ほめられた!」

「あ、出店」

F458「玩具のお店?ミニカーある?」

「お前はないよw」

F458「そんなの…あぁ、ないや…」

「落ち込むな。もう本当に時間ないから帰るぞ。課題ヤバいんだから」

F458「うん。なんか、空気が楽しかった」

「だな」

F458「なんか身体があついんだあ」

「それは、お前の課題だな」





おわり
お菓子食う。
次、夜やも。



491:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 17:32:19.23 ID:vZ9qP8F9I

今北
おい、>>1、まさか...
まさかな、違う...よな。



492:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 18:44:47.47 ID:KUTN+iDE0

>>491
何がだ?



493:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 19:39:36.11 ID:uguGAWyIO

>>492
>>478を読んでくれ
伝えたいことってなんだろうな…



494:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 20:13:28.14 ID:PCbtK27c0

んー…ふふふふふ。
さあやろう!

↓次の3題おなしゃす!



495:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 20:15:23.58 ID:XgaHou880

かざぐるま

気になるジャマイカ…



496:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 20:17:25.48 ID:XKlGrm2K0

デミオ スカイアクティブ



497:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 20:29:39.51 ID:uguGAWyIO

夕立


気になるのぅ
気になるのぅ



498:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 21:06:12.43 ID:PCbtK27c0

風車「最近は遊んでくれる子供減ったなぁ…」

風車「みんなゲームかケータイだもんなぁ…」

風車「随分風が久しいや」

??「ならば俺が魔法で救おう」

風車「で、デミオ 13-SKYACTIV!?なぜお前が」

デミオ「ふふふ、さあ乗れ。30km/L、夢の低燃費の魔法をみせてやる」


風車「すごい!ちょう風感じてる俺!」

デミオ「まだまだ余裕だな」

風車「海岸沿いとか綺麗!ちょう興奮する!夕陽めっちゃ綺麗!」

デミオ「あまりはしゃいで落ちるなよ」

風車「あ、デミオ。雨だ」

デミオ「うむ夕立か。風は終いで残念だが中へお入り」

風車「うん、ありがとう」

デミオ「なに、内装も良いだろう。後席6:4分割可倒式シート、後席中央席3点式シートベルト、運転席シートリフターが標準装備だ」

風車「あれ、これCM?」

デミオ「今年の5月からは自動車所得税と重量税も免税だ」

風車「やっぱりCM?これCM?」

デミオ「…もっと積極的に宣伝してほしいよなぁ…」

風車「そればかりは魔法じゃどうにもならないのか」




おわり



499:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 21:06:55.04 ID:PCbtK27c0

ひ――――――

↓次の3題おなしゃす!



500:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 21:10:32.27 ID:uguGAWyIO

気球

>>498
わろたwwwww



501:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 21:15:51.53 ID:fbRq16hd0

電子顕微鏡

何度お題出したかわかんね
>>1ありがとう



502:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 21:24:20.11 ID:uguGAWyIO

鉱石

>>1いなくならんよな…?



503:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 21:41:46.42 ID:PCbtK27c0

唐突に気がついた。
俺は気球だ。
鉱石を燃料に宙に浮く俺は、聞き及んだ気球に違いない。
宇宙にさえ飛び出したあの気球に違いない。
ならば、俺も宇宙へ行けるはず。
空に浮かぶあの丸い月にも届くはず。
俺は上へ上へと進んだ。
まとわりつく液体を掻き分け、上へと進んだ。
ところでなんで鉱石って言うんだろう?
石じゃなくて液体なのに。
そうこうしている内に世界の表面はもう間近だ。
ああ、俺は宇宙に出るんだ。
そこには俺より早くそこにいた何かがいた。
「何をしているのですか?」
「俺は気球だから宇宙へ行くんだ」
俺は揚々答えた。
「えっ?わたし、あなたは海月なのだと思っていました」
「えっ?」
昇る動きは止まらずに、俺は世界の表面へと躍り出た。
目の前に現れた月には、見にくい半透明の姿が映っていた。

鉱石と思えば液体であったり、また鉱石に姿を変える。
それはかつて存在したの星の圧縮された情報だった。
電子顕微鏡がレンズを向ける。
中では星が滅びたことも知らず生きる数多の生物が平和に蠢いていることだろう。
研究者は窓から空を見上げた。
気球が悠々浮かんでいる。
その先に、レンズを見た気がした。



おわり



504:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 21:44:15.75 ID:PCbtK27c0

なんだこの、俄に蔓延る卒業ムードは…。
さぁ、ではいこうか。

↓次の3題、一人1ずつ御願い致します。



505:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 21:47:45.47 ID:TyyGm4+G0

歯ブラシ



507:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 21:52:42.09 ID:+QjwlkymO

紙コップ



508:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 21:59:14.37 ID:y26psxnk0

ギアボックス



509:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 22:15:30.83 ID:PCbtK27c0

歯ブラシ「もういい加減捨てられたい。お役御免されたい」

紙コップ「甘い奴め」

歯ブラシ「なんだと」

紙コップ「お前は分かっていない」

歯ブラシ「だったらお前には分かるっていうのか。すでにブラシは開き、全体がボロボロ、くすんだ身体で本職はもう何ヶ月も無い。いや、もう一生本職など、帰れない」

歯ブラシ「今ある仕事は、他のブラシやスポンジでは狭くて無理な場所の掃除ばかり。誰もしたがらない仕事ばかり」

紙コップ「良いじゃないか」

歯ブラシ「なんだと」



510:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 22:18:07.54 ID:PCbtK27c0

紙コップ「満身創痍まで使われる。幸せな話じゃないか」

歯ブラシ「本職以外の為に生まれたわけじゃない」

紙コップ「ならばお前は今の仕事に就く時、本当に現役だったか」

歯ブラシ「…」

紙コップ「本職の仕事を、本当に満足できる仕上がりにまで全うできたか」

歯ブラシ「それは…しかし…」

紙コップ「出来る事がある。使われる。大事にされる。愛用される。どんな形であれ、幸せな話だ」

歯ブラシ「……ごめんな。贅沢な悩みだった」

紙コップ「いいさ」

歯ブラシ「俺、今の仕事にも誇りを持とうと思う」

紙コップ「そうか…次の相手は?」

歯ブラシ「歯車の怪物!」




おわり



512:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 22:27:24.42 ID:PCbtK27c0

えー、てすてす。
マイクテスト。

さて、それではお伝えしようと思う。
このスレ、『ボトル「いやぁあああ!!み、水入れないでぇ!!」』にお付き合い頂いて誠に有り難く思います。
気付けば一週間過ぎて、レスもひっそり目標だった500に到達。
正直初スレでこんな事態はむしろ想定外。

いや待て。

本当にこのスレは、3題を前にした即興だったのか?
実は自作自演なのでは?
そう、このスレに書き込んだお前。画面の前にいるお前。

お前以外、
全 て 一 人 の 人 間 の 自 作 自 演 
だったんだよ。



513:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 22:29:22.09 ID:XgaHou880

>>512
ΩΩΩ<な、なんだってー!



514:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 22:33:25.21 ID:vZ9qP8F9I

(・∀・)イジョウジサクジエンデシタ

って、あああああっっっっ!?
な...何だってーーーーッッッッ!!



515:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 22:37:10.04 ID:PCbtK27c0

…などという冗談はさておき。
第一そんないくつも機器無いという。
こちとらガラケー一台だこのやろう。

まさか一週間も続けるなど、思わなかったのですが。
これもお付き合い頂いた皆さまのお陰でありますよ。ありがたいありがたい。

目も向けなかった方面のお題とか、詳しく知らないお題とか、調べるのも話にするのも楽しゅうございました。
未熟ながらお相手くださり感謝です。

500超レス、お題から50篇、他2話。

キリよい数字に伴い終わりを迎えようかと、思うのです。



517:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 22:42:06.81 ID:PCbtK27c0

ありがたいありがたい。
こんな機会に恵まれた事、本当にありがたい。

それではこれにて、『ボトル「いやぁあああ!!み、水入れないでぇ!!」』からの3題即興作文は終えようと思います。
ありがとうおまえら!

あ、質問とか疑問があればどうぞどうぞ。
のんびりレスですが寝るまでならば。



519:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 23:23:39.07 ID:XLatTELi0

お疲れ様でした!!!
すごく楽しかった!
楽しいだけじゃなくて、物の気持ちとか、ちょっと考えさせられる話が素敵だった。



522:名も無き被検体774号+:2012/04/08(日) 23:43:54.80 ID:XgaHou880

乙なのだぜ!

こんなにこの板に来るのが楽しみになるとは思わなかったぜ…



531:名も無き被検体774号+:2012/04/10(火) 16:24:53.73 ID:7cnn1+IpO







◆以下、おまけ(小ネタ)になります。



需要あるか分からないが、纏めてみた。

223:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 03:38:35.71 ID:/vjSIplFI

需要あるか分からないが、纏めてみた。数字はレス番号
1-コンディショナーボトルの憂鬱(ボトル、シャンプー、ポンプヘッド、詰め替え達)
32-頑張るアイツ(漫画、鉛筆削り、ID)
43-勇姿(めんぼう///、ボルトに見えた、耳かき)
49-センシティブな俺たち(iPhone,iPad,iPod touch)
54-忘れられないもの(セルフうどん、ガス爆発、電卓)



224:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 03:48:06.59 ID:/vjSIplFI

70-偽りと真実(ぬいぐるみ、虚言グセ、Lガゼイシロタ株)
79-華麗な彼(くつした、ネクタイ、カレーマルシェ)
86-動きたくないでござる(布団、寝袋、カレーマルシェ)
92-余すところなく(カレーマルシェ、みかん、ククレカレー)
99-でかしたぁ!(アフリカゾウ、象が踏んでも壊れない筆箱、象が踏んだら壊れるファミコン)



225:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 03:55:31.64 ID:/vjSIplFI

114-戦場の犬(しもやけ、シモ・ヘイヘ、ガソリンスタンド)
135-傷付けられても(一万円札、財布、ポイントカード)
152-春のこと(4月2日、目薬、鬼過ぎるw)
154-奪いたいもの(歯ブラシ、人妻、香水)
185-良きパートナー(電池の蓋、軍手の片っぽ、伝書鳩)



226:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 04:16:53.48 ID:/vjSIplFI

192-貴方は幽霊?(窓、手鏡、防犯ブザー)
197-業火(サラダ油、バター、オリーブオイル)
204-熱い仕事(サランラップ、ジップロック、キッチンタオル)



227:名も無き被検体774号+:2012/04/04(水) 04:21:07.75 ID:/vjSIplFI

210-相棒(フライパン、シリコン製タジン鍋、お玉)
216-確かに感じる(冥王星、天体望遠鏡、地球)
221-予知夢(クラクション、バッシング、ウインカー)←new!

的外れなタイトルもあるが勘弁。>>1、ゆっくりでいいから無理はするなよ



525:名も無き被検体774号+:2012/04/09(月) 00:44:27.45 ID:Md8SSKNnI

>>1の作品まとめ Part.2
感謝の気持ちを込めて...

239-夏色の願い(朝顔、ひまわり、風鈴)
245-偶然会ったお肉たち(豚足、軟骨、手羽先)
251-透き通ったメロディー(雪女、ヘッドホン、日本家屋)
262-ワタシノスキナモノ(CD、塩ラーメン、プラネタリウム)
270-地味っ子の鮮やかな思い(爪楊枝、虹、iPhone)
275-I'm possible(消しゴム、ぬいぐるみ、時限爆弾)
278-嫌なことは水に流して(浴槽、消臭剤、シャンプーハット)
288-薬の出湯(群馬、水かけられながら世界新記録を出すボルト、腕時計)
301-幸せの鍵はすぐ側に(櫛、枝垂桜、鍵)
308-叶わぬ願い(月、シャボン玉、流れ星)
313-凍らないし捨てられないもの(冷蔵庫、写真、ゴミ箱)
318-ミ・チ・のルート(分度器、生き血、関数電卓)
329-ジョルジュのおっぱい伝説(ジョルジュ長岡、群馬、学校)



526:名も無き被検体774号+:2012/04/09(月) 01:27:13.18 ID:Md8SSKNnI

339-太くて短いか、細くて長いか(ガムテープ、楽しい、ハンバーグ)
350-音楽好きのトラジェディー(>>1、音楽、ダービースタリオン)
360-白黒つけなむ、月見酒(花札、喪服、ハードボイルド)
366-絶対☆彼方を逃さないッ!~ブルブルヌルヌル物語~(極太バイブ、下ネタ、女子高生)
386-奇跡のメニュー(中尾彬、道場六三郎、嘉納治五郎)
403-まことにBADなお客さん(マイケル・ジャクソン、100円ショップ、えなりかずき)
408-びっぷらな頭(苺のへた、vip+、森鴎外)
413-カーチャンの力(今日は人が多いな、パラレルワールド、カーチャン)
431-勇敢なマウスはやっぱりマウス(犬のふりをしたネズミ、13日の金曜日、高級ソファー)
442-買えるものはホームセンターで(ホームセンター、賽銭箱、玉露)
448-お兄ちゃんは勇者さま(エクスカリバー、ポスター、シスコン)



527:名も無き被検体774号+:2012/04/09(月) 01:53:26.97 ID:Md8SSKNnI

458-兄者の気紛れミュージック(流石兄弟、八頭身、フライングV)
467-ぼくらの宝石(小学校最後の夏休み、秘密基地、友情、駄菓子屋、[飲む方の]ラムネ)
482-やっぱり一緒がいい(親子、骨董屋、開かずの部屋)
490-熱血漢(F458、縁日、課題)
503-常無きこの世界(気球、電子顕微鏡、鉱石)
509-歯ブラシの苦悩(歯ブラシ、ごめんな、紙コップ)


こんなにも沢山の作品をありがとう



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         コメント一覧 (18)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 06:07
          • マジキチ…
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 06:30
          • 妙に長い
          • 3. 高坂
          • 2012年04月13日 07:20
          • 表題作が終わったあとに書かれたショートショート的な物語たちが面白かった
          • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 08:06
          • すぐに終わると書かれたレスをみた後に、48ページあると判明した時の裏切られた感じがたまりません…
          • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 08:07
          • 正に※4
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 09:47
          • キチガイ
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 10:17
          • ※4に同じ
          • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 11:25
          • この1すげぇな
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 12:08
          • 最初ボルトと読んでた
          • 10. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 12:29
          • ※4
            的確的確アンド的確
            直ぐの概念がぶち壊されたわ
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 12:34
          • ※4が代弁してくれた
            まあ面白かったがw
          • 12. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 12:52
          • まぁ実際本編はすぐに終わってるからなぁw

            ちょっと管理人さん、その辺しっかり記載してもらえる?短編集だってこと
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 14:39
          • こいつは絶対この道に進む

            この才能は存分に活かせてほしい
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 16:20
          • これほどスレタイで損してるスレも珍しい
            安価でSS書くとかそんな感じのほうが人集まったろ
          • 15. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月13日 22:24
          • ※4
            よう俺
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2012年04月14日 07:05
          • *4 で出てた
          • 17. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年08月03日 23:06
          • 謎の才能を感じる
          • 18. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年12月30日 13:08
          • なんやこれ

        はじめに

        コメント、はてブなどなど
        ありがとうございます(`・ω・´)

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