リンク「ゼルダ姫…マスターソード入れるよ…」
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 18:04:04.76 ID:S7vh2Vh7O
ゼルダ「ダメ、絶対ダメ。」
リンク「イイ、絶対イイ。」
ズブズブ…。ティロロロリロロロン♪
リンク「ああ…君の中はハイラル平原だよ…。」
ゼルダ「痛いわ…。貴方にはサリアちゃんが…。」
バチン!
リンク「五月蠅いっ!!!君はおとなしくハートの器になってればいいんだ!!!」
リンク「さぁ…剣と器を擦り合わせ、嵐の歌を奏でようか。」
ゼルダ「いやぁああ!!!」
- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 18:06:01.81 ID:4wIoPu2CO
構わん続けろ
⇒‐推理の絆―ソードマスターの犯罪- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 18:09:08.19 ID:S7vh2Vh7O
パンパン!パンパン!ズンパパパパパン!
ゼルダ「やだ…奥まで届いてる…!!!」
リンク「全く…君の子宮は大妖精の泉だな。最高だよ。」
ゼルダ「いやぁああ!!!!痛い!」
リンク「ははは!僕の心は炎のボレロだ!!!燃え上がろうじゃないか!!!」
ズバズバズバズバ!!!
ゼルダ「あの子が居ないからなの…だから貴方は変わってしまったの…?」
リンク「ごちゃごちゃ喋るな!!!人の気持ちを分かった気になってるやつが一番むかつくんだよ!!!!」
ズバババズバババ!!!
リンク「はぁはぁ…!」
ゼルダ「やだ…いやだやめて…。」
- 13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 18:14:55.72 ID:S7vh2Vh7O
リンク「はぁ…はぁ…はは…こんなに暴れても血が出ない…君は処女じゃないみたいだね。」
ゼルダ「…。」
リンク「誰としたんだい。」
ゼルダ「それは…。」
バチン!!!
ゼルダ「きゃああ!!」
リンク「この淫乱雌猿め。いいだろう、そんなイケない娘にはおしおきをしてあげるよ。」
ゼルダ「それは…何なの…。」
リンク「メガトンハンマーさ。」
ゼルダ「!」
- 14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 18:15:54.74 ID:4eSfnL4/0
うわああああああ痛い痛い痛い痛い
- 16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 18:22:37.56 ID:S7vh2Vh7O
リンク「ははは!」
ズガン!!!
ゼルダ「きゃああああ"!!!!」
リンク「ははは!その恐怖に歪んだ顔、最高だ!!そそられるねえ…。」
リンク「安心しなよ姫様。死なない程度にいたぶってやるさ。」
ゼルダ「いや…」
ズガン!!!バコン!!!
ゼルダ「きゃああああ"あぁあ!」
リンク「ははははっ!!!!良い顔だ!!!!」
ゼルダ「あ…ぁ…。」
リンク「震えてる君も…健気で可愛いね!!!!」
ズガン!!!!!!
- 17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 18:30:55.46 ID:S7vh2Vh7O
ゼルダ「…。」
リンク「もう気絶したか…。はは、美味しいションベンをかけてやるよ。」
シャー!
リンク「たまにはこいつで楽しむのも良いかな…これは病み付きになりそうだ。」
リンク「飽きるまで犯して、飽きたら捨てればいい。ははは、笑わずにはいられないよ。」
彼は部屋の机に供えてある花を抜き取りズカズカと家を出ていった。
リンク「行くよエポナ。」
エポナ「…。」
リンク「言う事を聞かないかっ!!!!」
バチン!
リンクはエポナに跨り小さな家を後にした。星のない静かな夜だった。
- 19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 18:34:14.56 ID:S7vh2Vh7O
いよいよ寒くなって来た冬の始め頃、彼は冷たい風を引き裂きながらハイラル平原を馬に乗って駆けて行った。
コキリの森に着くまではまだ時間が掛かりそうだ。今日は少し遅くなってしまった。
この遅れが収穫に対する代償だと言うのなら万々歳だろうな。
彼は馬を鞭打ち森へと向かった。
無機質で冷たいひづめの音がハイラルにこだましている。
- 30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 18:42:23.34 ID:S7vh2Vh7O
ガノン「マスター、もう一杯。」
マスター「今日はもうよしといた方が…。」
ガシャン!ガノンドロフはカウンターを叩き今にも飛び掛かりそうな目付きでマスターを睨んだ。
ガノン「客の注文が聞けねえのか!!!ああん!!」
マスター「は…はい…かしこまりました。」
マスターはそわそわと瓶を取り出して、グラスに酒を注いだ。手が震えている。
ゴク…ゴク…
ガノン「ぷはぁ!!!」
ガノン「いいか!客は神様だ!こんな店長くはもたねえよ!!!」
ガシャン!とカウンターを一蹴りして彼は席を外した。
マスター「ちょっとお客様お勘定は!!」
彼はは振り向きもせず夜の闇に消えた。
- 33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 18:48:22.27 ID:S7vh2Vh7O
客1「あいつガノンドロフだろ…。」
客2「ああ…ゲーム役者界の巨匠だ。」
客1「一体何があったんだよあいつ。」
客2「実はな…。」
ガノンドロフはゲーム役者として生計を立て、主に悪役を勤めていた。
ゲーム役者としての評判はすこぶる高く、悪役としての不動の地位を築き上げていた。
しかしおよそ二年前にリンクという男が舞台を降りて以来、ゼルダの伝説シリーズは打ち切りになり、同時に彼の出番も無くなってしまったのだ。
彼はリンクが理由も言わずに役者を辞めた事を憎んでいたが、とうとうリンクに会う事は無かった。
そうして行き場を無くした怒りの矛先は町の人々に向けられていたのである。そうでもしなければ耐えられなかったのだ。
- 36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 19:01:47.86 ID:S7vh2Vh7O
彼はハイラル城下町の裏路地の壁にもたれていた。
酒瓶から滴る雫を最後の一滴まで残さず飲み干している。金も無ければ働く当てもない。しかしこれからどうしようか等考える事は無かった。
ガノン「ふう…。今日は冷えるな。」
彼は近くのごみ捨て場で拾ったボロ布を体に巻いて眠った。
通りから差し込む仄かな光にぼんやりと照らされた彼の顔はシワだらけであった。若々しさは微塵も持ち合わせていない様子だ。やはり年のせいだろうか、あるいはこの二年間の急な生活の変化によるものなのかも知れない。
- 37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 19:07:55.28 ID:S7vh2Vh7O
マロン「あ、皿洗いはあたしがやります。」
タロン「いつもすまないね。」
マロン「いいえ、あたしもそう言う年頃ですから。それにいつまでも頼るわけにもいけませんし。」
ここはロンロン牧場。赤い髪の美しい女性がせっせと食器を洗っている。
タロン「え~と…何かを言おうとしてたんだが…。あ、そうそう、君当てに手紙が届いてたよ。すまないね、最近もの忘れが激しくてな。」
マロン「一体誰からかしら?」
タロン「え~と…。誰だったっけ…。」
インゴー「リンクだよリンク。」
マロン「リンクですって!?」
タロン「ああ、そうだ、確かそう言う名前だった。何年か前まで手伝いに来てくれてた子だよ。手紙は君の部屋の前にある机に置いといたから後で取っときなさい。」
マロン「は、はい。」
彼女は驚きを隠すため曖昧にうなずいた。なんせもう二年も会ってない人からの手紙なのだから気になってしかたない。食器を洗う手がどぎまぎしている。
- 49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 20:25:02.99 ID:S7vh2Vh7O
水道の音も無くなり、片付けはようやく終わった様子だ。
マロン「それじゃああたし上がりますね。」
タロン「お疲れ様。おやすみ。」
マロン「おやすみなさい。」
マロンは少し急ぎ足で階段を登った、まるで彼女の鼓動のように小刻みな音が木の部屋に響く。
インゴー「なぁ…俺達の仕事もそろそろ考え直した方がいいんじゃないか。」
タロン「突然どうしたんだお前らしくない。なぁにまだ大丈夫だ、マロンならロンロン牧場を守ってくれるさ。」
インゴー「だといいんだがな…。」
ゼルダの伝説のロケ地として一躍有名になった牧場であった為、一時期は出荷も多かったが、年々家畜の需要は減り続けている。彼はこれからの牧場の幸先が不安でしかたないようだ。
- 50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 20:35:51.33 ID:S7vh2Vh7O
暖炉の火が静かに揺れている。
インゴー「それでよぉ、一つ真剣な話があるんだが。」
インゴーはタロンの目を見て言った。
インゴー「そろそろマロンの結婚の事考えた方がいいんじゃないか。」
タロン「それまた突然…、今日は何かあったのか?」
インゴー「いや…今までずっと思ってたんだがいつかは決めなきゃならねえ事だ。後継ぎに男がいないとまずいだろと思ってな。」
タロン「確かにあいつもそう言う年頃だ、それに若い男がいないと牧場の運営も厳しくなるだろう。しかし当てはあるのか?」
インゴー「概ね無い訳でもない。」
タロン「なら誰なんだ?」
インゴー「ま、一時期お世話になった人だ。」
話は夜遅くまで続いた。もちろん彼女自身の気持ちを問う必要がある為、後日彼女を含めて話し合う事にしたのであった。
- 51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 20:48:09.52 ID:S7vh2Vh7O
マロン「一体何の手紙かしら…。」
疎遠と言うにはまだ早いかもしれないが、彼女はリンクに二年も会っていない。牧場がロケ地として使われていた頃は彼はよくここへ来て家畜の世話を手伝ってくれていた。
エポナは彼女がその時の御礼でプレゼントした馬だ。彼女の一番のお気に入りでもあった。
彼女は椅子に座って手紙が破れないようにそっと封を切った。
- 52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 20:49:39.69 ID:S7vh2Vh7O
―親愛なるマロンへ。
君と最後に会った日からもうすぐ二年。だいぶ寒くなって来たけど元気にしてたかい。僕は元気にしているよ。
突然ですまないけど、君に会いたいんだ。
君が牧場の後取りとして忙しいのは分かってる、だから君の都合の良い日で構わない。良い日が決まったら連絡してくれ。
城下町で良い店を見つけたからディナーでも一緒にどうかと思ってね。それにゆっくり話もしたい。
完全に僕のわがままかもしれないけど、君の返事を待ってる。
リンク―
- 53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 20:55:03.19 ID:S7vh2Vh7O
彼女はしばらく手紙を見つめていた。何より彼の唐突な頼み事に驚きを隠せないでいた。
彼に久し振りに会えるのは嬉しい。
けれどそれなら何故直接牧場に来てくれないの。
それに、突然居なくなった理由は書いてないし…。
彼女は大きな喜びと不安を抱えながら机に向かった。
リンク変わって無かったらいいな。今更会うのもちょっぴり恥ずかしいけど、昔みたいに優しくて誠実な彼のままだったらあたしは幸せだな。
彼女は様々な想いを巡らせながら、複雑かつ慎重な気持ちで返事を書いていた。こんな夜は初めてだ。
- 55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:15:43.69 ID:S7vh2Vh7O
その頃リンクはようやくコキリの森にある家に着いた。
リンク「ただいま。」
サリヤ「おかえり。」
そこにはリンクと同じ綺麗なブロンドの髪の女性が机に料理を並べて待っていた。
彼女はサリア、リンクの幼馴染みでありここ二年は同棲生活を送っている。結婚の事を考えた事もあったが、リンクが思い止どまった為その話は無かった事になっている。
サリア「今日は遅かったね。」
リンク「ごめんね。仕事長引いちゃってさ。」
彼はそう言いながら席に着いた。
サリア「うん…。」
サリアはうつむいたまま動かない。それに何を言っても生返事しか返ってこない。
リンク「ごめんごめん。君の為にもっと頑張るからさ。」
サリア「そうじゃないの…。」
彼女はサッと顔を上げてリンクの目を見つめた。机を挟んだ二人の間にギクシャクした時間が流れる。
- 56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:23:55.67 ID:S7vh2Vh7O
サリア「リンクが頑張ってるのは良く分かってる。でもリンクが遅くなるとあたし不安で…。」
リンク「大丈夫、僕は君だけのものさ。約束しただろ。」
彼は自身に充ち満ちた声で答えた。
サリア「けど…。」
リンク「ほら、これを見てごらん。」
リンクは懐から綺麗な花を差し出した。
サリア「これは?」
リンク「遅くなってしまったお詫びだよ。君が喜ぶと思って帰り道のハイラル平原で採ってきたんだ。」
サリア「リンク…。」
リンク「元気だして、君に暗い顔は似合わないよ。」
リンクは彼女の手に花を持たせて頭を撫でた。
サリア「えへ、ありがと。」
彼女は嬉しそうにはにかんだ。どんなに不安になってもどんなに暗い世界にいても、彼はいつもあたしをすくい上げてくれる。そんな彼が好きで好きで仕方ない。
- 58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:34:46.24 ID:S7vh2Vh7O
食事を済ませた二人は布団の上で深く抱き締め合っている。
リンク「寒い季節も、君となら大丈夫さ。」
サリア「うん。」
サリアはなんとも嬉しそうに目を細めてうなずいた。
リンク「君は何より暖かい。愛してる、サリア。」
サリア「あたしも。」
二人の柔らかい唇が重なる。決して離れようとせず、鼻で小さく息をして長い長い口付けをした。
気がついたら二人は眠っていた。こんな無垢なままの関係がいつまでも続くのなら、それはきっとドラマなのだろう。理想は理想でしかない。
それでもサリアはリンクを何よりも信じているのだ。
- 59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:44:11.69 ID:hBN6m4wOO
サリアの髪って緑色じゃ無かったっけ?
- 61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:46:39.13 ID:S7vh2Vh7O
>>59
勘違いしてた。ブロッコリー色で脳内補完頼む。
- 62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:47:41.71 ID:S7vh2Vh7O
コッケコー!鶏の声がハイラルに響き渡り朝が来た。
サリア「ふわぁ…おはよ。…あれ?」
リンクが居ないわ。何処に?
そう思いながら朝食を作っていると彼が帰って来た。
リンク「起きてたのか。おはよ。」
サリア「おはよ。何処行ってたの?」
リンク「朝の散歩さ、やっぱしこの森の空気は最高だよ。」
サリア「あたしも誘ってよ馬鹿ぁ…。」
リンク「ごめんね、明日の朝は一緒に行こうよ。」
サリア「うん。」
そんな話をしながら二人は朝食を食べ終えた。
リンク「それじゃ、仕事行って来るね。」
サリア「頑張ってね。」
リンクはエポナに跨り寒い朝の霧を引き裂き、ハイラルを駆けて行った。
- 69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:57:36.80 ID:feQp+nx70
プレイボーイだなリンク
- 70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 22:00:36.95 ID:S7vh2Vh7O
片付けを終えたサリアは迷いの森に来ていた。
朝の空気、ホントに良いわね。彼女は迷いの森の広間で横になって鳥の声に耳を澄ました。
朗らかな小鳥たちのはしゃぎ声が彼女の心にこだまする。
すると一匹の小鳥がサリアの手に止まった。
サリア「ふふ、可愛い。」
サリアと小鳥の目が合った。しかし小鳥は逃げようとせず、むしろ落ち着いた様子だ。
鳥達と無邪気に戯れるサリアは幼い子供のようだ。純粋でいて活気があり明るい顔をしている。
- 71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 22:07:05.50 ID:S7vh2Vh7O
しばらくしてサリアは立ち上がり、歩き始めた。
泉や花畑、ありとあらゆる自然がここにはある。自分が愛する故郷は掛け替えのない居場所なのだ。
少し歩いた所に森の渓谷があった。落ちたら確実に命を落とす高さ故に子供は近付いてはいけないとされている所だ。
いつまでも子供のコキリ族にとっては、いつまで経っても禁止区域なのだ。
良く見ると隅に花が添えてある。
誰か落ちたのだろうか、いったい誰が花を添えたのだろうか等と思考を巡らせてはみたものの結局何も解らず、彼女は迷いの森を後にした。
- 73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 22:24:34.45 ID:S7vh2Vh7O
リンク「金が底を尽きそうだ。エポナ、キノコ王国へ向かうぞ。」
リンクはハイラルからは遠く離れたキノコ王国へ向かった。
かつては有名なゲーム役者であった彼の知り合いは何人もいる。金が無くなっては何かの言い訳を作って知人に金を頂戴しているのだ。
慣れている事なので今更金を貰う事に躊躇はない。
いつしか彼の貪欲さはサコンクラスになっていた。
- 74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 22:33:49.09 ID:HBA7fOQa0
キノコwwwwwwww
- 75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 22:34:38.59 ID:S7vh2Vh7O
カメラマン「そうそうもっと笑って。」
ゼルダ「こう、ですか?」
カメラマン「いいねいいね~。」
太陽より眩いフラッシュが彼女の顔を照らす。
彼女が舞台を降りた後、モデル業界が彼女の才能を逃がす筈も無く、彼女は持ち前の美貌を活かして様々な雑誌のモデルをやっていた。
しかしそれでも決して贅沢な生活は出来なかった。それ故に他にいくつかの仕事も掛け持ちしている。
売春について真剣に考えた時期もあったが、母の事を思うとやはりそんな真似は出来なかった。
カメラマン「それじゃ、休憩にしよっか。」
ゼルダ「はい。」
- 79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 22:49:43.22 ID:S7vh2Vh7O
ゼルダ「懐かしい。」
彼女は城壁に手を当てて小さく呟いた。
今日の撮影場所はハイラル城だ。
ハイラル城はゼルダシリーズの撮影では度々使われた建物である。
元はと言えば古い王様の城だったのだが今では観光地となっている。
ハイラルに伝わる伝説や歴史的建築物を、ハイラル中の役者やエキストラ総動員で、最新のCG技術を駆使してゲーム化したもの、それがゼルダの伝説シリーズであった。
ゼルダ「あの物語りでは、ここでリンクが助けてくれたんだっけ。」
あの頃の彼はもう居ない、そうは思ってもやはり懐かしいのだ。ここには思い出が溢れている。
毎日見ている筈なのにいざ近くへ来てみると何かやるせない思いが心の底から沸き上がってくるのだ。
- 81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 23:03:50.09 ID:S7vh2Vh7O
撮影は昼まで続いた。これも生活する為と思えば苦にはならなかったが、やはり長時間の撮影は体力的にも精神的にも疲れるものだ。
カメラマン「お疲れ様~。」
ゼルダ「お疲れ様でした。」
日も高くなってようやく仕事は終わった。
彼女は安っぽいボロ布を背中に羽織り城下町へ向かって歩いた。
そして昼食をとる為に小さな店に入っていった。
- 85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 23:16:05.28 ID:S7vh2Vh7O
ピアノソロによる渋いジャズがジュークボックスから流れている。
彼女はランチタイムの安さに魅かれて毎日のように昼はこのバーで食事をしている。
それに真昼よりは少し遅いこの時間帯は客も少なく、自分に絡んでくる人があまりいないため気楽に食事が出来るのだ。
彼女はいつものようにカウンターに腰掛けた。
ゼルダ「マスター、いつものランチお願いします。」
マスター「はいよ。」
彼女の為に既に用意されていたかのようにすぐにパンとサラダの定食が出てきた。
彼女は上品な手付きでそれを食べている。流石に一流役者であっただけはあり、食事という当たり前の行為でさえそつ無く美しい。
- 95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 23:29:56.06 ID:S7vh2Vh7O
昼食が終わり、カウンターでぐったりしているとふとマスターがこちらを振り向いた。
マスター「お嬢さん今日はすっかり疲れてますね。」
ゼルダ「なんでわかるんですか?」
マスター「そりゃ毎日見てりゃわかります。無理するのは良くない、疲れたら休むのも一つの手です。決して悪い事じゃありません。」
ゼルダ「ありがとうございます。けど生計を立てる為いた仕方ない事なんです。」
マスター「付かぬ事をお聞きするようで悪いのですが貴方は独身ですか…?」
ゼルダは少し間を置いて返事した。
ゼルダ「はい。」
素直に「はい」と言ったもののあたしは少し恥ずかしかった。
マスター「それはそれは…。お疲れ様です。今の時代に女一人で頑張ってる人なんてそうはいません。私は貴方を応援します。」
ゼルダ「ありがとうございます。」
あたしは頭を下げて感謝した。こんなあたしを未だに応援してくれてるのは彼しか居ないのかもしれない。
- 102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 23:46:46.61 ID:S7vh2Vh7O
ゼルダ「応援してくれる人が一人でも居る限りあたしは頑張ります。」
マスター「貴方はなんとも気高い女性だ。きっといつか報われることでしょう。いや、必ず。」
マスターは瓶を拭く手を止めてそう言った。
ゼルダ「本当にありがとうございます。これからもお世話になりますが、どうかよろしくお願いします。」
彼女は深々と礼をした。
マスター「いえいえ、顔を上げてください。私には何の力も御座いませんが、相談相手になら幾らでもなりますので困った時は何なりとお話ください。」
ゼルダ「はい。」
彼女は笑顔で横に頷いた。
ゼルダ「それじゃあまた来ますね。はい、いつもの20ルピー。」
マスター「御会計は15ルピーで構いません。常連様へのサービスです。」
ゼルダ「いいんですか?」
マスター「構いませんよ。お客様は私めにとって神様ですから。」
ゼルダ「ありがとうございます!」
一礼してホクホクした笑顔でバーを出て行く彼女をマスターは笑顔で見送った。
- 103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 23:58:51.04 ID:S7vh2Vh7O
昼過ぎ頃リンクはキノコ王国に到着した。
リンク「しっかしちょっと見ないうちにすっかり都会になったな。エポナ、ここで待ってろ。」
彼はエポナの首輪を電信柱にくくり付けてルイージコーポレーションに入って行った。
ルイージは一流IT企業の社長であると同時に大手ゲーム会社の社長でもある。もちろん、キノコ王国を代表するゲーム役者でもある。
近年ゲーム会社の支店を多くの国に立ち上げ、ハイラルにも進出するとかしないとか言っていたが、ハイラルにはまだその影は見られない。
フロントガール「何か御用でしょうか。」
リンク「ルイージに会わせてくれ、リンクと言えば分かる筈だ。」
フロントガール「少々お待ちくださいませ。」
リンクは財布を手の上で転がしながら返事を待った。
- 107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 00:10:37.66 ID:RCS5zEVqO
フロントガール「面会が承諾されました。エレベーターで最上階へどうぞ。」
リンクはエレベーターに乗り最上階へ向かった。
何階あるんだこのビル。リンクはエレベーターのパネルに書いてある数字をみた。
200階だと…ルイージの奴いつの間にこんなに登り詰めやがったんだ。永遠の二番手も舐めてられないな。
そんなことを考えているうちに最上階へついた。最上階だけ絨毯が緑色なのはあいつの遊び心だろう。
リンクは無駄に広い廊下の突き当たりにある大きな扉を開いた。
ルイージ「ウェルカム、ミスターリンク。久し振りだな。」
そこにはスラッとした体系にスーツ姿のカイゼル髭の男がいた。ルイージだ。
- 109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 00:22:49.20 ID:RCS5zEVqO
リンク「久し振り。」
ルイージ「出来ればゆっくり話でもしたいんだが仕事が忙しくて時間が無いんだ。要件はなんだ?」
リンク「金…くれないか。ほんの2000ルピーでいいんだ。君達の国でいう20万だ。君なら簡単だろ?」
そう言った途端ルイージの表情が固くなった。
ルイージ「生憎、無鉄砲に金をまき散らすのはもうやめたんだ。金が欲しいなら他を当たってくれ。」
リンク「そこをなんとか、な、僕達緑同時だろ?」
ルイージ「ふざけるな。やらんと決めた物はやらん。」
ルイージは厳しい目付きで彼を睨んだ。
リンク「かたいね~。分かった分かった。降参するよ。」
彼は両手を上げて下を向いた。しかし何かを思い付いたのかすぐに顔を上げて訪ねた。
リンク「じゃ、マリオは?あいつは何処にいる?」
ルイージ「兄さんは一年前のクリスマスの日に死んだ。」
それはあまりに衝撃的だった。
ルイージの言葉が彼の頭の中で何度も跳ね返り、彼は目を見開いた。
- 112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 00:35:45.57 ID:RCS5zEVqO
リンク「う…嘘だろ。永遠の主人公の赤が死んだだって?冗談はよせよ。」
ルイージ「俺も出来る事なら冗談であって欲しかった。」
リンク「おいおい…僕はなんだかんだであいつを尊敬してた、あいつを超えなきゃいけないと思ってた。いつか超えてやると何度も思ってたんだぜ。冗談だろ?な、な?」
ルイージ「どうしても認められないならこれを見ろ。」
ルイージは机の中からクシャクシャになった古い写真を取り出した。
そこにはマリオを中心に多数の有名な役者が笑顔で写っていた。
リンク「その写真は…。」
ルイージ「兄さんがこの写真を手放すと思うか。これはただ一つ残った兄さんの遺品だ。兄さんの生きた証だ。赤はもう居ないんだ。」
リンク「畜生!」
リンクは跪いて床を叩いた。彼の目からは涙が溢れている。
リンク「なんでいつも…なんで!大事な人がまた…僕の大事な人はいつも…!あいつも…マリオも…。」
彼が何を言っているかは良く分からなかった。ただ彼の悲しみが月並みで無い事くらいは一目で分かる。
- 116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 00:56:03.63 ID:RCS5zEVqO
ルイージは腰を降ろしてリンクの肩を叩いた。
ルイージ「泣いたって、兄さんは帰って来ない。それに、喜ぶ筈も無い。」
リンク「だけど…!僕は…!」
声が裏返っている。ゲームの中の勇者の誰も見た事がない哀れな姿だ。
ルイージ「辛いのはみんな一緒だ。しかし気になる事が一つある、お前がゲームの舞台を降りたのは知っている。何があった。」
リンクはゆっくり立ち上がって報いた。
リンク「喋る義理はない。例えあんた以外の誰が訪ねてこようと僕は答えない。」
ルイージ「なら無理には聞かない。ただ、諦めた者に未来は無い。」
リンク「五月蠅い…。」
ルイージ「有名なキノコの教訓に"最後まで諦めなかった者に幸せは与えられる"という言葉がある。かつて兄さんが信じてやまなかった言葉だ。」
リンク「迷信だ。所詮はその場の配剤に過ぎない。」
ルイージ「ならいつまでも自惚れているがいい。」
リンク「ああ。もう此所へ来る事はないだろう。さよならだ。」
リンクは急ぎ足で部屋を去った。
ルイージ「リンク…。何が君を変えてしまったんだ。」
- 117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 01:04:47.94 ID:RCS5zEVqO
リンク「行くぞエポナ。」
彼は苛立ちを隠せない様子で馬に跨りキノコ王国を後にした。途中ルイージの言葉が脳裏を過ぎる度に彼はエポナを鞭で叩いた。
結局金は無しか…それどころか余計な事を知ってしまったな、くそ。かくなる上はゾーラだ、ゾーラの里に行く。
リンク「エポナ、ゾーラの里に向かえ。」
彼はエポナを何度も鞭打って、ゾーラの里へ向かった。
こうなったら彼女に頼るしかないだろう。ゾーラの王女ルト。
- 180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 21:32:21.50 ID:RCS5zEVqO
マロン「こら暴れないの。」
彼女は鶏を巣に戻す作業をしていた。
タロンやインゴー達は桑を担いで枯れ葉を集めている。
マロン「ふう…やっと終わったわ。」
寒くなって来たとは言えあれほど動けば汗もかくものだ。彼女は牧場の担い手としてのしっかりとした自覚を持っている為、この仕事に後ろめたさを感じた事は無い。
彼女は額の汗を拭い芝生に寝転んだ。太陽が彼女の顔を照らしている。
マロン「お日様が綺麗だわ。」
彼女もまた、このハイラルの自然を愛してるのだ。
- 183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 21:43:05.77 ID:RCS5zEVqO
マロン「貴方達とももうすぐお別れなのよね。」
彼女は檻の中の鶏を見つめていた。冬の出荷が近いのである。
マロン「よしよし。」
彼女は牧場の動物全てに家族のように愛情を注いでいる。生まれた時は嬉しくなるし、別れる時は悲しい。
彼女は少なからず檻の中で決められた道を辿るしかない動物達と自分の間に同じ境遇を感じてるのだ。
もし此所を出たらあたしはどうなるんだろう等と無理な事を考えたりしながら掃除を済ませた。
冬場の仕事は昼下がりには終わる、あと一頑張りだと自分の心に鞭打って、彼女は仕事を続けた。
- 185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 22:02:03.66 ID:RCS5zEVqO
昼下がり頃、ゾーラの里に到着したリンクはゾーラ族の長を訪ねた。彼は此所には度々来ているようだ。
リンク「こんにちは。」
キングゾーラ「おお、リンクよ。今日はどうした?」
リンク「ルトは居ますか。」
キングゾーラ「さては…貴様等できておるな。」
キングゾーラは短い腕を上げて、小指を突き立てた。
リンク「ち、違いますよ。ただの野暮用です。」
キングゾーラ「顔が赤いぞよ、若いのお。ルトならいつもの部屋におる。君が来たのならルトも喜ぶだろう。」
リンク「はは、ありがとうございます。では。」
リンクはそう言って滝のすぐ側にあるルトの部屋へ向かった。
- 187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 22:17:57.10 ID:RCS5zEVqO
リンクは綺麗な木の扉を軽くノックした。
リンク「ルト、僕だよ。いるかい?」
すると中から美しい衣装を身に纏った背の高いゾーラの女性が出て来た。ルトである。
ルト「リンク!」
リンク「やあ、こんにちは。今日も綺麗だね。」
ルト「えっ…///そんな嬉s…//」
彼女の青い頬が微かに赤みを帯びている。
リンク「ん、どうした?」
リンクはわざとさらしく聞き返した。
ルト「あっ!べ、別に嬉しくなんかないのだからな//まぁよい、上がれ。」
リンクは強引に手を引かれ、ルトの部屋に入った。
- 189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 22:33:33.01 ID:RCS5zEVqO
いつ来ても綺麗な部屋だ。中心には貝殻のオブジェが置いてあり部屋中に魅惑的な光を反射している。
ルト「突然どうしたのだ?」
リンク「頼みたいことがあって…。」
頼み?…さては…デートの頼みか///
ルトは顔を赤らめてニヤニヤしている。
リンク「どうしたんだいさっきから?」
ルト「っは!すまぬ。別にデートとかそんなこと考えてたんじゃないからな!」
リンク「はぁ…?」
彼女の不意を突くような発言には度々悩まされる。リンクは気を取り直して話掛けた。
リンク「実は、お金が無いんだ。」
ルト「仕事はどうしたのだ?」
リンク「どうも不景気でね。生活もままならないくらいだ。」
ルト「そうか…ハイラルの人は大変なのだな…。」
彼女はしかめっ面をしてリンクを見つめた。
- 193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 22:51:34.91 ID:RCS5zEVqO
リンク「2000ルピーでいいんだ。僕に恵んではくれないだろうか。」
ルト「払えない金額では無いが…。」
リンク「頼む、この通りだ。」
リンクは頭を下げた。
ルト「くるしゅうないくるしゅうない。顔を上げてくれ。」
ルトは優しく笑ってリンクに近付いた。
ルト「そのかわり、少し散歩に付き合ってくれないか。」
リンク「はい、女王様!」
リンクは体をピンと張って冗談半分にそう言った。
ルト「ははは、おぬしはいつまでたっても面白いなあ。さ、付いて来い。」
ルトはリンクの手を引いて外へ連れ出した。
- 195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 23:02:57.34 ID:RCS5zEVqO
リンク「ここは…。」
ルト「此所へくるのは久し振りであろう?」
リンク「ああ…あのゲームの撮影以来かな。」
そこはジャブジャブ様がいた滝の上の湖だった。もちろんジャブジャブ様なんてものは実際は居ない。ただの伝説に過ぎないのだ。
ルト「ここで氷を渡るそなたは何度も滑っては泳いでおったな。可愛かったぞ。」
リンク「馬鹿にするなよ、僕だってあのシーンのモーション撮影は必至だったんだよ。」
ルト「ははは、そうだな。あの時のそなたの弁当はよが作ったのを覚えておるか?」
リンク「もちろんさ、最高に美味しかったよ。あんな美味しい料理は初めてだ。」
ルト「またまた//上手い事いいおって///口が達者だな。」
リンク「正直な気持ちさ。」
ルト「リンク…//」
二人は手を繋いだまましばらく空を見ていた。
交わす言葉は少なかったが、リンクがルトの顔を見る度に彼女は顔を赤くして目を逸した。
- 200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 23:20:26.25 ID:RCS5zEVqO
リンクがルトをジーッと見つめている。
ルト「何を見てるのだ!//」
リンク「いや、綺麗だなぁって。」
ルト「もお!馬鹿者め!///」
リンク「照れるなよっ。」
リンクはルトの細い背中を叩いた。
彼女はまた顔を赤くして下を向いた。
彼女にはそんな他愛も無い時間が何より幸せであった。出来る事ならこのまま抱き締めたいのだが、目を合わすとつい恥ずかしくて素直になれないのだ。
リンクはブーツをトントン叩いたりしながら湖を眺めている。
- 206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 23:37:57.59 ID:RCS5zEVqO
ルト「そう言えば…劇中のよはここでそなたに告白をしたのだったな。」
リンク「懐かしいなあ…けどあのシーンを撮ったのはは僕の子供役の子と、君の子供役の娘だ。僕達じゃないよ。」
ルト「そう…だったな…。」
彼女は何やら悲しそうな目をした。
リンク「そういや、あの娘は今何してるんだ?」
ルト「あやつは今グレートベイで少女歌手としてデビューしておる。」
リンク「あいつもまだ小さいのに頑張ってるんだな。」
ルト「デビュー曲である"崖の上のゾーラ"が各地でヒットしたらしくてな。」
リンク「あの曲は彼女の歌だったのかい!凄いや!」
リンクは驚いた様子で声高く叫んだ。
ルト「知っておるのか?」
リンク「知ってる知ってる、"ゾーラゾーラゾラ、ゾーラの子"、とか歌ってるやつだろ?」
ルト「その通りだ。ハイラルでも有名であったのか。よも驚いたぞ。」
- 213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/13(木) 23:52:41.86 ID:RCS5zEVqO
リンク「彼女は本当に凄いね。」
ルト「なあに、まだまだこれからであろう。そう言えばそなたこそ子供役をしておったあの子はどうしたのだ?」
リンク「あいつは…。」
リンクの顔から笑顔が消えた。
何かまずいことを聞いてしまったのか、どうにかその場を取り繕うとルトは焦った様子だ。
ルト「リンク…?」
リンク「あ、あいつは元気だよ。クロックタウンで今も役者を続けているよ。」
リンクは少し苦笑いぎみであった。
ルト「それは良かった。あやつも頑張っておるのだな。」
リンク「ああ、なんせ僕の一番弟子だからね。ほら、あいつのブーメラン。」
リンクは懐から木のブーメランを取り出した。
リンク「僕がこの投げ方をしっかり教えたのさ。あいつはみるみる上達したよ。最高の役者だった。」
ルト「あの子はそなたから離れようとしなかったな。本当にそなたが好きだったのだろう。」
リンク「はは、本当にいい後輩さ。」
- 218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 00:05:47.79 ID:sjjAhQwnO
ルト「もう夕方か…早いなあ…。」
リンク「楽しい時間程早く過ぎるものだ。」
二人は手を繋いでルトの部屋へ入った。
ルトが机をあさっている。
ルト「ほら、約束のお金だ。」
彼女はルピーを大きな袋に詰めてリンクに手渡した。
リンク「すまないね。ありがとう。」
ルト「くるしゅうない。そなたが喜んでくれたらそれでいいのだ。」
リンク「本当かい?」
ルト「勘違いするな、決してそなたが好きだとかそんなんじゃないのだからな!」
リンク「はは、はいはい。じゃあまたね。」
リンクが扉から出ようとしたその時。
ルト「…待って!」
リンクは振り向いた。
ルト「もう少しだけ、側でいてくれぬか…?」
ルトはリンクを呼び止めた。
- 222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 00:19:05.25 ID:sjjAhQwnO
リンク「なんだい?」
ルト「リンク…。」
ルトの顔が音も無くゆっくりとリンクに近付く。
リンク「ん…。」
二人の唇が重なる音がした。離れた後の唇の間には透明に光る橋が架かっている。
リンクは彼女を床に押し倒した。
リンク「いいのかい…?」
ルトは顔を赤くしてコクッと頷いた。
二人の舌が激しく絡み合う、離れては求め合い、離れては求め合いを繰り返し、二人の体温はデスマウンテンの火口のように上がっていく。
ルト「ん…。恥ずかしい…//リンク…//」
気がついたらルトは裸になっていた。リンクは彼女の知らぬ間に至極自然な動きで服を脱がしていたのだ。
リンクは緑の服を脱ぎ捨てた。彼の白タイツの中はまるで50個入りボム袋のように膨らんでいるのが上からでもよく分かる。
ルトはその白いマウンテンの山頂を優しく撫でた。成長する山とはなんとも珍しい。
何色にも輝く照明が二人を柔らかく照らし、その影を幾重にも写し出している。
- 230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 00:36:02.45 ID:sjjAhQwnO
リンク「うぅ…//」
ルト「可愛いぞ…。」
ルトはリンクのタイツをそっと降ろした。そこにはカチンコチンの先端桃色マスターソードがそそり立っていた。
ルト「大きい…。」
リンク「嫌かい?」
ルト「大好き…//」
ルトはリンクの大筒を咥えた。
ルト「ひもちいひか…?」
ルトがおごつかない口調で彼に問い掛ける。
リンク「ああ、最高だ。」
彼女は嬉しかったのか一心不乱に行為を続けた。
リンク「出そうだっ。」
ルト「口に来い…ほら、ちゃんとここにだすのだ。」
ルトは口を大きく開いてリンクの剣を激しく扱いている。
リンク「イクッ!」
ルト「アアンッ///ハム…」
ルトはリンクの剣を再び咥えた、口の中いっぱいに熱く白く甘酸っぱい液体が広がる。彼女はゴクッと飲み干して、彼の剣の錆を最後まで綺麗にした。こやつ…まだ勃っておるではないか…//良いだろう…//
ルトは舌なめずりをしてその場に寝転がった。
- 235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 00:47:34.09 ID:sjjAhQwnO
彼女はついに貝殻を開いた。彼女のライクライクは洪水を起こしている。
ルト「来て…//」
リンクの剣が彼女の鞘にすっぽり入った。
ルト「ン…!///」
リンク「動くよ。」
リンクのロングフックが何度もショットされる。ピストンの激しい音がピチャピチャと愛液をまき散らしながら二人の行為を加速させている。
キスをし、胸を舐め、ありとあらゆる部分を堪能しながら彼女と快感を共有した。
リンク「僕もう…!」
ルト「中にだしてよいぞ…ゾーラと人間は妊娠したりしない。」
リンク「窒(なか)でイクっ!!!」
リンクの影が長く伸びた。ルトは彼を強く抱き締める。リンクは熱い熱いおたまじゃくしをルトの湖に長く放った。
ぐったりした彼にルトは吸い付くようにキスをした。股間からは大量の白い汁が溢れている。
- 245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 00:57:58.46 ID:sjjAhQwnO
息も落ち着いてから二人は服を来て今度こそ別れを告げた。
リンク「またね。」
リンクは彼女に口付けした。
ルト「ん…//寂しくなんかないんだからな…いつでも待ってるからな…。」
リンク「ああ、ありがとう。」
そう言ってリンクはゾーラの里を後にした。
ルト「子供…できたらいいのにな…。ゾーラに生まれた限りそれは出来ぬか…。」
部屋に一人残された彼女は先程と打って変わって暗い顔をしていた。
ルト「大好き…。」
彼女の目からゾーラの涙がこぼれ落ちた。その輝きは石の床で弾けて消えた。
まだ部屋にある彼の匂いが彼女を一層切なくするのだ。儚くて脆い、愛しい時間は終わった。
- 246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 01:10:24.70 ID:sjjAhQwnO
ダンペイ「お疲れさん。」
ガノン「おう。」
ガノンドロフは何とかして金を手に入れる為地道に仕事を探していた。今日は朝からカカリコの墓場の掃除を手伝っていたのだ。
ダンペイ「あんたみたいな男がいると助かるよ。」
ガノン「仕事が忙しかったらいつでも呼んでくれ。」
ダンペイ「あいよ。そうだそうだ、これやるよ。」
ガノン「これは?」
ダンペイ「フックショットさ。こいつがあれば何処でも飛び回れるぜ。ま、使い道ねえかもしんねえけどな。」
ガノン「他の仕事に使えるかもしれない。ありがたくいただいておく。」
ガノンドロフは夕方の平原を歩いて城下町へ向かった。明日の仕事も探さなければならない。
- 301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 19:14:09.47 ID:sjjAhQwnO
彼は城下町の酒場に入っていった。
ガノン「マスター、いつもの酒。」
マスター「今日はちゃんと払ってくださいよ。」
ガノン「あたぼうよ。」
マスターは手慣れた手付きで酒を酌みガノンドロフの手前に置いた。
ガノン「うめえ…。」
何杯か飲み続けとうとう酒が回ってきた。
ガノン「聞いてくれよマスター、俺にはよお、タルミナに親友がいたんだ。」
さっきまで黙って酒を飲んでいた彼は突然大きな声で喋りだした。
ガノン「そいつはタルミナ一、いや世界一の地図職人だった。ほらこいつをみてくれ。」
カウンター上にタルミナ全域やハイラルの一部が描かれた地図が広がった。
マスター「これは素晴らしい。」
ガノン「だろう?こいつは俺の親友のチンクルって野郎が描いたもんだ。特に迷いの森の地図なんて世界に二つとねえ代物だ。」
彼は誇らしげに語る。
- 305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 19:31:34.08 ID:sjjAhQwnO
ガノン「俺は暇さえあればクロックタウンで一緒に飲んだり、地図を描く為に土地を散策するのを手伝っていた。あいつは自分の事を妖精だなんて言う面白れえ奴だ。」
マスター「それはそれは、今度うちにご一緒してはいかがでしょうか?」
ガノン「それがよお…。」
彼は言葉を濁した。
ガノン「二年前くらいに森に行くと言ったきり居なくなっちまった。」
マスター「それから会ってないのですか?」
ガノン「ああ。俺の数少ない友であり、一番大事にしていた人でもあったが、あの日以来会って無い。森を探しても、奴が最後に描いたこの地図しか見つからなかった。」
ガノンドロフは地図を畳んだ。
マスター「私も手掛かりを探しましょうか?」
ガノン「いや、もう諦めはついている。構わない。」
彼の目は何処か遠くを見据えていた。
- 306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 19:48:10.41 ID:sjjAhQwnO
ガノン「迷いの森に行くなんて言った時に止めようとは思ったが、現地の案内役もいて周りの奴等も大丈夫と言っていた。それで俺は安心してしまった。それに地図を描くのがあいつの夢だ。俺はあいつを止める事が出来なかった。」
ガノン「今思えば、あの時俺が引き止めていれば、あいつは今隣りに座って酒を飲んで笑ってたのかもしれねえ。」
マスター「そう悲観的にならないでください。友の気持ちを考えての事でしょう、貴方は何も悪くありませんよ。」
ガノン「あの件についてはどうしても前向きになれなくてな。」
マスター「今日はゆっくりしていってください。安くしときますから。」
ガノン「すまねえな。俺みてえな糞客の為に。」
マスター「いえいえ、全てのお客様の家であることが私の務めです。」
ガノン「ありがとよ。」
そう言ってガノンドロフは再びグラスを手に取った。薄暗い部屋には静かなジャズが流れている。
- 309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 20:14:01.92 ID:sjjAhQwnO
マロン「いただきます。」
日も暮れかかり、マロン達も夕食時だ。
タロン「マロンや、大事な話があるんだ。」
マロン「え?大事な話?」
インゴー「お前さんの結婚の事だ。」
マロン「結婚ですって!?」
マロンは戸惑いを隠せない様子だ。彼女はついフォークを床に落とした。
タロン「ああ、お前もいつまでも一人は寂しいだろう。そろそろ婿をもらっても良い時期だと思うのだが。」
マロン「確かに一家を継ぐ為には必要かもしれないけど、そんな人誰もいないわ。」
インゴー「実は昨日の夜に俺達二人で話し合って候補を決めたんだ。お前の良く知ってる人が良いと思ってな。」
マロン「…誰?」
タロン「リンク君だ。」
マロン「!」
マロンはあまりの驚きに二の句が継げないでいた。
- 312:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 20:37:11.14 ID:sjjAhQwnO
タロン「あんな奇特な男は他にいないだろう。お前と彼さえ良ければワシ等は結婚を薦めるがな。」
マロン「そんな…突然。」
彼女の声が小さくなる。
インゴー「お前は彼についてどう思うんだ?」
マロン「確かに彼は素敵よ、手伝ってくた日はいつも全力でお仕事してたわ。けど…素敵過ぎてあたしには釣り合わない。」
マロンはうつむいたまま動かない。暖炉の火が彼女の横顔を赤く照らしている。
タロン「何を弱気になってるんだお前らしくない。一度彼と相談してみてはどうだ?昨日手紙が来ておっただろう。」
昨日の手紙によると彼もあたしに会いたいみたい。会う日を書いた手紙は送ったしその日にゆっくり話てもいい。
だけど怖い、もし断られたらあたしはどうしたら良いの。彼以外に誰もいないわ。それでもいつかは勇気を出さなきゃだめよね。よし、頑張ろう。
マロンは小さく頷いた。
タロン「お前と彼なら上手くやっていける事だろう。ワシ等は応援しているぞ。」
タロンは優しい目で彼女を見つめた。どんな時も彼の目を見ると落ち着けるのだ。
- 314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 21:02:53.39 ID:sjjAhQwnO
マロン「今度彼に会う予定があるのでその時に尋ねてみます。」
タロン「君なら大丈夫さ。」
インゴー「健闘を祈る。」
マロンは大きな決心をして、フォークを洗って再び夜食に取り掛かった。
鼓動が高まっているのが良く分かる。喜びと不安に今にも押しつぶされそうだ。
彼女は手紙を楽しみにしながら家事を済ませ部屋に戻った。
窓を開いて冷たい風に身を晒し、しばらく夜空を眺めていた。
星の祝福がありますようにと空に願い事をして暖炉の上にある写真を見つめた。
ただ一枚だけのリンクの写真だ。
火の輝きに揺れる彼の笑顔は沢山の勇気をくれる、溢れんばかりの思いを含んだあの日の景色は今でも彼女の心の中で生き生きと煌めいているのだ。
- 316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 21:18:45.40 ID:sjjAhQwnO
リンク「ただいま。」
サリア「おかえり。ほらご飯出来てるわよ。」
サリアは嬉しそうにリンクを迎えた。
リンク「そんなに焦るなよ、僕はいなくなりやしないさ。」
二人は席について些細な話をしながら料理を食べた。サリアの手料理は凄く美味しい。
食事が終わった二人はベットで横になっている。
リンク「サリア、明日は朝から一緒に森に行くんだろ。」
サリア「うん。一緒。」
彼女は幸せそうに笑ってリンクを抱き締めた。
リンク「おやすみ。」
サリア「おやすみ。」
二人は寄り添って眠った。月明りに照らされた彼らの影が重なって一つの姿となっている。
今日も相変わらず静かな夜であった。
- 318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 21:31:47.37 ID:sjjAhQwnO
リンク「サリア、行くよ。」
翌朝、二人は鶏よりも早く目が覚めた。
サリア「ふわぁ…まだ眠いよ…。」
リンク「このくらい早い方がいいんだ。見せたいものがある、ついてきてごらん。」
サリア「へ?見せたいもの?」
彼女はリンクに手を引かれて森に入っていった。日も出てない寒い朝だった為彼の体温がまじまじと伝わる。
彼女はリンクに凭れ掛かるようにして彼の少し後ろを付いて行った。
やがて少しずつ太陽が頭を出して、森は光を取り戻していった。
リンク「ほら、もう一頑張りだ。」
サリア「うん、頑張る。」
サリアはリンクの手を少しだけ強く握った。大きくて綺麗で、暖かいリンクの手。
- 325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 22:15:15.82 ID:sjjAhQwnO
リンク「ここだ。」
二人は森の広間にある高い木に登った。
サリア「うわぁ…//」
サリアの青い瞳に赤い朝日が写し出される。
リンク「どうだい、綺麗だろ。」
サリア「うん//」
二人は肩を寄せ合い朝日に浴びている。
あまりの絶景に彼女は言葉を無くした、森がキラキラ輝いている。
風が吹いては木々が波打ち、まるで目の前に赤い海が広がっているようだった。
リンク「この大自然の海を僕はハイラルで一番愛している。」
サリア「あたし、この景色を忘れない。」
リンク「ああ。今この瞬間も同じ空の下に命が生まれ、出会い、消えている。そんな美しくて仕方ないこの森や空が大好きさ。そして…」
サリア「そして…?」
サリアとリンクの目線が重なる。
リンク「僕は世界で一番君を愛してる。」
眩しい光に照らされた二人の唇が仄かに重なった。
- 329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 22:36:39.17 ID:sjjAhQwnO
一時間程森で過ごし、二人が家に帰り朝食を食べ終えた頃、一通の手紙が届いた。
サリア「何の手紙?」
リンク「ああ、古い友人からの手紙さ。」
サリア「そお…。」
リンクは手紙を懐にしまい家を出た。
リンク「行って来ます。」
サリア「行ってらっしゃい。」
リンクは手を振って馬に跨り森を後にした。
マロンからの返事か…。後でしっかり読んでおくか。
今日はカカリコ村で時間を潰すかな。的当てゲームでもしていよう。
リンクはハイラルを駆け抜けていった。
- 333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 22:49:37.37 ID:sjjAhQwnO
ガノンドロフは仕事を探すためゲイルドに帰って来ていた。
そこで朝から建築の手伝いをしていた。
力仕事は得意な為黙々と仕事をこなし、時々休憩を取っていた。
大工「お~い、ちょっとこっちへ来て手伝ってくれ。」
ガノン「分かった。」
彼はフックショットを打ち込み高台に登った。
大工「おお便利なもん持ってんじゃねえか。よし、そこの木材を積み上げて繰れ。」
ガノンは淡々と作業を続けた。故郷の発展と自分の金の為である。
彼もまた生きる為に必至なのだ。
仕事が終わったら久し振りにゼルダに会いにいくか、そうだな何か土産を持っていこう。
そんな事を思いながら仕事を続けた。
- 339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 23:13:19.73 ID:sjjAhQwnO
カカリコ村に着いたリンクはデスマウンテンの坂の前で突っ立ている老婆を見つけた。
リンク「おや…あれは。」
リンクは老婆に近付いた。
リンク「どうかしましたか?」
老婆「ああ…ワシは爆弾屋をしておるのじゃが…どうもこの坂はキツくてな。」
リンク「僕が変わりに取って来ましょうか?」
老婆「よいのか?」
リンク「ええ、その代わりお金はいただきますけどね。」
老婆「抜け目の無い若者じゃの…良かろう。200ルピーでどうじゃ?」
リンク「喜んで。」
老婆「ゴロンの長ダルニアに要件を言えばわかるはずじゃ。気をつけてな。」
リンクはデスマウンテンの坂をかけ上がった。
- 345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 23:27:00.70 ID:sjjAhQwnO
ゼルダ「デクの実いりませんか?」
ゼルダは城下町でカゴいっぱいに入れたデクの実を売っていた。
幸いにも彼女の魅力に魅かれた人が買ってくれている。
オジサン「嬢ちゃん綺麗だね。一粒何ルピーだい?」
ゼルダ「5ルピーになります。」
オジサン「はいよ、頑張ってな。」
ゼルダ「ありがとうございます。」
実とルピーを交換し、彼女は深くお辞儀した。
その後も町を歩いては呼び掛けるのを続けた、なんとか今日中に100ルピーは稼ぎたいと思っている。
冬が本格的になるまでに布団や服などを買い揃えたいのだ。
- 346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 23:37:07.38 ID:sjjAhQwnO
リンク「ゴロンシティに来るのは久し振りだな。」
リンクはデスマウンテン内部にあるゴロンシティに来ていた。
彼は幾つもある石の階段をコツコツと降りて行った。
リンク「確かここがダルニアの部屋だ。」
リンクは扉を開いたその時。
ダルニア「そおいやぁっ!!!」
ゴロン「アッー!!!」
ダルニア「そいそいやぁ!!!」
ゴロン「おぁああ!!!」
飛び散る汗、輝く筋肉、男と男がぶつかりあう音。逞しくも勇ましい雄声が響き渡り、クラクラしそうな匂いがムンムンと流れ込んで来た。
見なかった事にしよう。
リンクは扉を閉じた。
終わるまで少し待とう。うん、そうしよう。
彼は扉の前に座り込んで朝の手紙を開いた。
- 353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/14(金) 23:54:13.74 ID:sjjAhQwnO
―親愛なるリンクへ
久し振りのお手紙に驚きました。貴方が元気で嬉しいわ。あたしはとっても元気です。
今度の日曜日の夕方からは時間あるから牧場の入口で待ってます。
あたしも貴方に会いたいし話したい事も沢山あります。よろしくね。
マロン―
日曜…明後日の夜か。サリアに何とか言い訳つけなきゃな。
リンクは手紙を閉じて懐にしまった。ゴロン達の雄叫びはまだ聞こえて来る。中の様子など想像したくもないが、とてつもなく激しいプレイが行われているのだろう。
ノンケの僕に彼らの気持ちはわからないさ。リンクはもちろん男に興味なんかない。本当だ、本当に無いのだ。
- 360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 00:08:03.96 ID:h9woU5ETO
マロン「もうお昼ね。」
タロン「マロンや、今日の夜は城下町にミルクを届に行ってくれんかね?」
マロン「わかりました。」
タロン「いつもすまんな。」
マロン「大丈夫、あたしが頑張らなきゃ。」
タロン「ははは、えらいぞマロン。」
彼は笑顔のマロンを撫でた。えへ、と笑うマロンの表情は柔らかくて暖かい。
インゴー「よ~し、昼飯の時間だ。」
3人は道具を片付けて部屋へ戻っていった。
今日の夜は久し振りに城下町に行く、もしかしたらリンクに会うかもしれない。ちょっと緊張するな。だけどどっちにしても明後日には会わなきゃいけない、お洋服どれにしようかしら。
彼女はクローゼットをあさって滅多に着る事の無い洋服をあれこれ探した。久し振りに会うのに牧歌風の服は流石にマズいだろうと思った為である。
- 363:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 00:21:07.50 ID:h9woU5ETO
老婆「あの若者遅いのお…。昼までには城下町に届けねばならぬのに。」
老婆「仕方ない。先に城下町に遅れることを伝えてから戻ってこよう。」
老婆は城下町へ向かってゆっくりと歩き始めた。
実は彼女はクロックタウンからはるばる歩いてやって来たのだ。年の割に強い足腰を持つが、一日中歩くのは辛いものがある。
老婆「お日様が綺麗じゃ。」
太陽を眺めて休憩を取りながらも目的地を目指した。
- 365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 00:33:12.77 ID:h9woU5ETO
ダルニア「うぉおおおおおおお!!!」
ゴロン「ほあぁあああああああ!!!」
ダルニア「行くぜぇええええええ!!!!」
ゴロン「ゴロロロロオォオオ~ン!!!!」
ドカーン!!!!
部屋の中から轟音が響いた。
おや…やっと終わったみたいだな。
すると扉の中から尻から夥しい血を流しているゴロンが出て来た。痛々しい姿とは裏腹に顔はニヤニヤ笑っている。気持ち悪いことこの上ない。
ダルニアはあれほど豪快でいてテクニシャンなのか。そんな天才だったとは知らなかったな。
リンクはダルニアの部屋に入った。
リンク「うっ…!」
一瞬匂いで意識が飛びそうになったがなんとか堪えた。部屋の空気はなんだかジメジメしている。それになんだか部屋が熱い、火山のせいだけとは思えない。
ダルニア「お前は…リンクか。」
リンク「や、やあ…ひ、ひ、久し振り…。」
ダルニア「どうした元気が無いぞ。」
リンク「い、いや…なんでもないん…だ。」
彼は意識を保つのに必至だった。
- 368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 00:42:00.47 ID:h9woU5ETO
3分程経った後、ようやく換気が完了した。
リンク「今日は爆弾屋のお婆さんに頼まれ事をしててね。」
ダルニア「ああ、それならこいつを渡してくれ。」
ダルニアは大爆弾を取り出してリンクに渡した。
リンク「ありがとう。」
リンクは大爆弾を懐にしまった。
ダルニア「昔から気になってたんだけどよ。お前どうやってそんなに沢山の道具をしまってるんだ。」
それは聞いちゃだめだろ、そこは暗黙の了解でしょ普通。
リンク「あんまり意識してないけど、自然に出来るんだよ。うん、出来る人は出来る筈だ。」
ダルニア「そうかあ?」
ダルニアは目を細めてリンクを見つめた。
リンク「な、なんだよ!そんなに見つめるなよ…。」
- 371:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 00:46:48.14 ID:h9woU5ETO
ダルニア「何考えてんだ。」
リンク「何も。」
ダルニア「俺はおめえみてえなガリガリ野郎には興味はねえ。安心しろ。」
リンク「突然何を!?」
ダルニア「はは~ん。しらばっくれちゃって、お前も興味あるんだろ。」
リンク「何にだよ。」
ダルニア「漢。」
リンク「無い。」
リンクは即答した。
ダルニア「つまんねえ野郎だ。」
むしろ好意的になられる方が気まずい気がする。そう思ったリンクは「はは…。」と苦笑いした。
- 372:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 00:56:37.27 ID:h9woU5ETO
ダルニア「それはそうとよお、近いうちに火山が噴火するかもしれねえ。」
リンク「最近は小さな噴火が多いな。」
ダルニア「カカリコ村は慣れてるから大丈夫だろうが、他の地域は火山弾に気を付けた方が良い。」
リンク「分かってるよ。」
ダルニア「あとよお…もう一度森から流れるあの曲聞かせてくれねえか?」
リンク「すまない。オカリナは無いんだ。」
ダルニア「またまたあ。ど~せ懐に忍ばせてんだろ。」
リンク「あれは一番大切な奴にプレゼントしてやったのさ。」
ダルニア「そうか。残念だ…。」
いい加減帰らねばと思ったリンクはゴロンシティを出ようとしていた。
リンク「ありがとう。それじゃあさよなら。」
ダルニア「達者でな。」
リンクは小走りでカカリコへ村へ向かった。
- 373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 01:03:16.31 ID:UYf+ZgBF0
一番大切な奴・・・まさか・・・
- 377:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 01:08:23.88 ID:h9woU5ETO
リンク「あれ…お婆さんがいないじゃないか。」
少し探したが結局見当たらず終いで、途方に暮れた彼は的当てゲーム場へ足を運んだ。
リンク「しばらく此所で時間を潰すか。」
リンク「5時間コースでお願いします。」
店員「かしこまりました。」
リンクは矢を構えて放っては次々と的を射抜いていく。隣りの客から拍手が来るくらいだ。
彼は隣りの客にウインクをして次から次へと矢を放った。
- 379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 01:16:16.06 ID:h9woU5ETO
ゼルダ「デクの実いりませんか?」
老婆「若いのに偉いのお…ちょうど欲しかったんじゃ。三ついただこう。」
ゼルダ「15ルピーになります。」
老婆は小さながま口財布からルピーを取り出したが3ルピー足りない。
老婆「しまった…少しばかり足りぬようじゃ。」
ゼルダ「大丈夫です。少しくらいなら安くします。」
老婆「いいや、構わんよ。変わりにこれをあげよう。」
老婆は肩にかけているマフラーをゼルダに差し出した。
ゼルダ「こんな高価そうな物いただくわけにはいけません。」
老婆「いいんじゃよ。頑張ってるそなたへの応援の証じゃよ。」
老婆はゼルダにマフラーを押し付けて、その場を去った。
- 380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 01:24:40.60 ID:h9woU5ETO
その後老婆はカカリコ村へ到着した。
老婆「あやつは何処へ行った…。まさか入れ違ったか。」
老婆「はぁ…。」
彼女はため息をついてトボトボとクロックタウンの方へ帰っていった。
今日一日が出費だけで終わってしまったことを非常に悲しく思っているのだ。
それから一時間程後になってリンクがゲーム屋から出て来た。
リンク「ふう…儲けた、儲けた。」
リンクは満足そうな顔をしていたが、ふと老婆の事を思い出した。
しまった遊び過ぎた。確実に見失った。ああ僕の200ルピーが…。
リンクは肩を落としてハイラルの城下町へ向かった。
- 382:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 01:27:41.60 ID:h9woU5ETO
ゼルダ「こんな物もらって良かったのかしら…」
彼女はその綺麗に網込まれたマフラーを肩からかけた。
ゼルダ「暖かい。」
それになんだか優しい香りがする。凄く落ち着く。
ゼルダは夜まで仕事を続けなんとか90ルピー分を売り上げた。上出来だった。
酒場のマスターとその話をして夕飯を食べた後、家に帰って花瓶に花を供えた。彼女の部屋はいつ誰が見ても綺麗で素朴な部屋に仕上がっている。
彼女は花瓶の隣りに置いてある小さな写真に向かって「ごめんね」と小さく呟いて椅子に座った。
- 384:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 01:29:27.30 ID:h9woU5ETO
ガノン「ふう…やっと終わったか。」
仕事を終えたガノンドロフは城下町へ向かう支度をしていた。
汚れを払い、ベルトを締め、滝で顔を洗った。
土産は何にしようか。そうだなあ、まだ少し早いかもしれないがゲイルドの花を持っていってあげよう。冬にしか咲かない綺麗な花だ。
彼は岩の隙間に生える青や紫の花を摘み採って綺麗に包装し、まるでこれからプロポーズでもするかのような格好で城下町へ向かった。
- 422:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:14:05.17 ID:h9woU5ETO
しばらくして、リンクが一番乗りで城下町に到着した。
リンク「お婆さんは見失うし散々な日だ。」
少し機嫌を損ねていたリンクは憂さ晴らしの為にボムチュウボーリングに入っていった。
ボムチュウと言う走る爆弾を投げ込み、壁にある穴に当てたら良いというルールなのだが、障害物もあり角度を正確に決定するのはなかなか難しい。
リンク「よし、行くぞ!」
リンクはボムチュウを走らせた、しかし直ぐに障害物に阻まれてしまった。
リンク「くそ…もう一度だ。」
その後も彼の挑戦は続いた。
- 424:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:18:10.86 ID:h9woU5ETO
やがてガノンドロフも城下町へやってきた。
ガノン「あいつの家は此所の筈だ。」
彼は扉を軽くノックした。すると小さな家の中からゼルダが現われた。
ゼルダ「あ、ガノンドロフ。こんばんは。」
ガノン「こんばんは。久し振りだな。」
ゼルダ「うん。外は寒いでしょ上がって。」
二人は部屋にある二つの椅子に座った。
ガノン「たまには顔を出そうと思ってな。」
ゼルダ「嬉しいわ。ありがとう。」
ガノン「これは土産だ。受け取ってくれ。」
ガノンは綺麗な花束を渡した。
ガノン「君と別れてから、もう二年だな。」
ゼルダ「そうね…。早いなあ…。」
- 425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:22:27.14 ID:h9woU5ETO
ガノン「俺は毎日仕事を探してなんとか上手くやっている。」
ゼルダ「あたしもモデルと適当な仕事でなんとかやっているわ。」
今はどちらも知らない顔を持っているようだ。二年という歳月は予想を上回る勢いで二人の生活に大きな変化をもたらしていた。
ガノンはゼルダの肩に掛けてあるマフラーを見た。
ガノン「いいマフラー持ってるじゃないか。それはクロックタウンのブランドだ。」
ゼルダ「これは今日あるお婆さんにもらったの、ブランドだなんて知らなかったわ。」
ガノン「ありがたくもらっといて正解だったな。」
ゼルダ「そうかもね。」
そう言って二人は笑った。別れた今でも友人としての付き合いは深いみたいだ。
- 426:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:30:36.81 ID:h9woU5ETO
ガノン「それで…一つ聞きたいんだが。リンクを見て無いか。」
ゼルダははっとなって下を向いた。
ゼルダ「見て…無いわ。」
ガノン「やっぱりか。あいつが役者をやめてから俺達は商売上がったりだ。結局あいつがいなけりゃ、俺達も役者を続ける事が出来なかった。奴のカリスマ性ってやつか。」
ゼルダ「彼…なんで辞めたんだろうね。」
ガノン「あいつが辞めた頃にチンクルとあいつの子供役の少年も見なくなった。何か関係があるんじゃねえかと思ってな。」
ゼルダ「あの件はあたしが悪かったわ。」
ガノン「いや…あれは君の願いだからしかたがない。ただ、俺はあいつを止める事が出来なかった。俺の浅はかさがいけないんだ。」
ゼルダ「けど…最初は貴方も付いて行く予定だった筈なのに、あたしが貴方を家に誘ったのよ。」
ガノン「それも俺の意志だ。君が自分を責める事はない。」
- 427:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:33:41.23 ID:h9woU5ETO
ガノン「あの日撮影が終わったあと、俺は初めて君と繋がった。」
ゼルダ「あたしは幸せだったわ。でも、あたしはわがままだった。」
ガノン「いいんだ、付き合ってる上では仕方ない事だった。それに君の約束を守ると約束していた筈だ。」
ゼルダ「ありがと…こんあたしの為に。」
ガノン「どうか自分を責めないでくれ、罰を受けるのは俺一人で充分だ。」
二人は言葉を失い、机の上にある写真を眺めていた。部屋には無機質な時間が流れる。
ゼルダ「お仕事頑張ってね。」
ガノン「ああ、言われなくとも。」
それからしばらく話をした、里の事や役者時代の事、居なくなった人達の事を一つ一つ思い出しながら話は続いた。
ガノン「それじゃあ。良い夜を。」
ゼルダ「待って、これあげるわ。」
ゼルダは綺麗な指輪を渡した。ゼルダがいつも指にはめていた指輪だ。
ガノン「ありがとう。また会おう。」
ゼルダ「またね。」
彼はそう言って酒場へ向かった。
- 428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:43:42.97 ID:h9woU5ETO
彼が酒場に入るのと同時に隣りの店からリンクが出て来た。
リンク「畜生…500ルピーも無駄にした。今日はツイてないよ。」
リンクはゼルダの家に足を運んだ。
リンクは扉を勢い良く開いた。冷たい風が部屋に吹き込む。
ゼルダ「リンク!」
リンク「やあ…。」
リンクは彼女にズカズカと近寄るやいなや、彼女を押し倒した。
ゼルダ「いや…ダメ。」
リンク「いい…オッケー。」
リンクは服を破いた、彼の股間の剣がゼルダの中に入っていく。
- 430:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:49:26.87 ID:kJyDAqzW0
リンク…
- 431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:50:30.03 ID:h9woU5ETO
リンク「はぁ…はぁ…気持ちいいよゼルダ。」
ゼルダ「ダメ…!ダメ…!」
リンクの腰の動きは止まらない。それどころか加速していくばかりだ。
リンク「あれ…その花はゲルドの花じゃないか。どうしたんだい。」
ゼルダ「店で買ったのよ。」
リンク「ほんとかなっ!」
リンクは彼女の中を強く突いた。
ゼルダ「きゃあああ!」
リンク「あの日もそうだ!君は仕事と称してガノンドロフとデートをしていた!僕はちゃんと知ってるんだよ。ふざけるのはいい加減にしてくれ。」
ゼルダ「ごめん…あたしがあんな事しなかったら。」
- 437:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:05:37.59 ID:h9woU5ETO
リンク「今更許すわけないだろ、ガノンドロフもガノンドロフだけど、元は君のわがままのせいだ。お前のせいであつはなあ!自分を憎めよメス豚。」
リンクは近くにあったマフラーを破いた。
ゼルダ「そのマフラーは…。」
ゼルダは泣いていた。彼は嫌な事があるといつもこうだ。乱暴して、めちゃくちゃにして、使い捨てたように帰っていく。彼の心には剣で刻み込まれたような傷があるのだ。
ゼルダ「なんでいつもこんなに酷い事しか出来ないの……あれはあの子も同意してたはずよ…。」
リンク「お前にあいつの何が分かる!!」
声を荒立て怒り狂ったリンクは彼女はひっぱたいた。
ゼルダ「きゃあああ!」
リンク「はぁ…はぁ…今日は面白い物を持ってきたんだ。」
リンクは懐から大きな木の樽を取り出した。
リンク「大爆弾。」
ゼルダ「!」
- 441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:12:42.17 ID:2doa8Jh8O
これはクズの極みw
- 447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:30:29.74 ID:h9woU5ETO
ゼルダ「そんなの爆発したら家が無くなっちゃう…。」
震えるゼルダをリンクはロープで縛ってぎりぎり爆風に当たらない部屋の隅に連れて行った。
ゼルダ「いや…そんなことしちゃだめ。」
リンクは爆弾の長い導火線に火をつけた。
リンク「君の全ての思い出はあと3分で無くなるのさ。ざまあみろ。あいつの変わりに僕が罰を与えてやるよ。」
導火線は着実に短くなっていく。全ての物事は終わりへの一方通行であり、いつかは爆発してしてしまう運命なのだ。
あの火が爆弾と一つになった時、何もかもが崩れる、まるであの日のゼルダとガノンドロフのようだった。
リンク「さよなら。」
リンクは素っ気無い返事をして家を出た。その時にマロンの手紙を落としてしまった事を彼は知らない。
ゼルダはジタバタ暴れているが、縄は一向にほどけない。
- 450:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:41:59.45 ID:h9woU5ETO
リンクがハイラルへ向かって走っていった頃、ちょうど雑貨屋からマロンが出て来た。
夜の配達を終えたばかりなのだ。
マロン「あれ…この臭い。」
何かが焦げるような臭いが彼女の鼻を刺した。今は冬よ、まだ花火の時期には早いわ。
そう思って彼女は臭いが濃い方へ歩いた。
マロン「この家だ。」
マロンが家に入るとそこにはボロボロの服で縄で縛られたゼルダがいた。そして部屋の奥には大爆弾がある。
マロン「貴方は!ゼルダさん!?」
ゼルダ「あの爆弾を…!」
マロン「はい!」
マロンは部屋にあったハサミで導火線を切ろうとしたがなかなか切る事が出来ない。
彼女は服を破り手に巻き付け、導火線の火を握って消した。そしてゼルダの縄を解いた。
ゼルダ「大丈夫!?」
マロン「は、はい…ちょっぴり火傷しただけですから。」
- 451:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:45:07.25 ID:h9woU5ETO
マロン「一体誰がこんな事を…。」
ゼルダ「なんにも御礼出来なくてごめんね、悪いけど一人にして欲しいの…。」
彼女は答えたく無い様子だった。マロンも流石に深く聞くのは好ましくないと感じたのかそれ以上は何も喋らなかった。
下を向いていると床に落ちている手紙を見つけた。
リンクの手紙?
マロン「これを何処で…?」
ゼルダ「知らないわ。」
彼女はやはり何を言っても何を答えようともしない。何が彼女を閉鎖的にしているのか分からなかった。
この時その理由に気付いていたら未来は変わったのかもしれないと、後になって気付く事になる。
思ってみればこの時が最期のチャンスだったのかもしれない。
- 456:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:52:52.04 ID:h9woU5ETO
マロンは寒い夜の道をロンロン牧場へ向かって帰っていった。
ゼルダは自分を責め続けた。彼の名前を聞かれると、いつも言い出せないでいる。
少なからずあの日ガノンドロフにわがままを通した自分に後ろめたさを感じていた為ではあるが、やはり苦しいのだ。彼女の律義さは並大抵の物ではないのだ。
彼女は新しい服に着替えて、破れたマフラーを編み直した。途中涙で視界が歪み、指を突いてしまったが、それさえ気にならないくらいの悲しみに浸っていたのだ。
写真の中の彼等は非情にも表情一つ変えずに笑っている。あの頃は眩し過ぎて分からなかった。未来の事も彼の気持ちも、そして自分の事さえも。
- 458:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:03:09.58 ID:h9woU5ETO
ガノン「マスターよお…なんか良い仕事ねえのか?」
マスター「そうですねえ、最近増えてる密猟者を捕まえる仕事なんてどうですか。」
ガノン「密猟者?」
マスター「最近森のスタルキットやデクナッツを乱獲して売りさばく輩が増えましてね。彼等を捕まえて欲しいって時々うちに来る自然保護団体の方々がおっしゃってました。」
ガノン「是非引き受けたい。」
マスター「そらなら貴方の申し出は私が伝えておきます。早ければ明日の早朝には迷いの森を捜索して欲しいのですが。」
ガノン「迷いの森か…」
マスター「どうかしましたか?」
ガノン「いや…大丈夫だ。俺にはあいつの地図がある。」
マスター「はい、健闘を祈ります。」
しばらく飲んだ後ガノンドロフはいつもより早く店を出て、明日に供えて眠った。
- 460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:04:42.12 ID:h9woU5ETO
リンク「ただいま。」
サリア「おかえり。お疲れ様。」
リンク「今日はホント疲れたよ。そうそう明後日の夜は仕事が長くなりそうだ。」
リンクは抜け出す口実を作ろうと努めた。
サリア「そう…大変ね。」
リンク「ああ…僕ももっと頑張らなきゃな。」
サリア「無理しないでね。あたしも森から出られたらなぁ…。」
サリアは悲しい目をしていた。それから二人はいつものように食事を共にし、抱き合って眠った。
リンクはサリアを愛し、サリアもまたリンクを愛しているのだ。
- 461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:08:12.44 ID:h9woU5ETO
翌朝、ガノンドロフは迷いの森を歩いていた。
ガノン「密猟者もやっぱしそう簡単にはみつかんねえなあ…。」
しかし銃声を聞いてからでは遅いと思い、彼は五感を研ぎ澄ませて探した。
ガノン「あとは禁止区域だけか。地図はここで途切れてるな。」
ガノンドロフは森の崖に向かった。
そして暗がりを抜けたその時、ついに運命の駒が再び対峙した。
ガノン「なぜお前がここにいる。」
リンク「ガノンドロフ…!」
リンクは手に持っていた花を落とした。
花びらが森に飛び交い二人の間を舞い上がって行く。
- 464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:17:33.38 ID:h9woU5ETO
リンク「やあ久し振り。ガノンドロフ。」
ガノン「貴様何故急に居なくなった。」
リンク「久し振りの再会なのにそんなキツい目するなよ。」
ガノン「答えろ。」
リンク「答える義理は無い。」
二人の間に朝の清々しさを破って重く鋭い空気が流れる。
ガノン「チンクルもあの少年もあの日消えた。何か知ってるだろ。」
リンク「チンクルは俺が殺した。」
ガノン「貴様ぁあああああ!!!」
ガノンはためらい無く怒りに任せてリンクを殴り飛ばした。リンクがゆっくりと起き上がる。
リンク「罪人を殺しちゃいけないのかい。ええ!」
リンクは力一杯ガノンドロフを殴った。
ガノン「…どういう…事だ…。」
- 465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:19:34.28 ID:h9woU5ETO
リンク「あいつはあの日、ここにチンクルに連れて来られた。地図を書く為の案内役とかぬかしやがって、あいつを森へ呼び出した。」
ガノン「あの少年も許可した筈だ。」
リンク「ああ、けど禁止区域なのは知ってるだろ。何故止めなかった。」
ガノン「それは…。」
この件に限ってはリンクに分がある。彼は言葉を返せなかった。
リンク「ゼルダか。あいつのせいか。」
ガノン「違う!俺が悪いんだ。」
リンク「女を庇うのか。は、バカバカしい。女って怖いねえ。」
リンクは嘲り、そして笑った。
ガノン「あいつをそんな風に言うのはやめろ。」
リンク「あん?」
リンクはガノンドロフの目を睨んだ。今にも飛び掛かりそうな勢いだ。
- 468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:31:52.31 ID:h9woU5ETO
リンク「ほら、僕が憎いかい?ホントにムカついてるのは僕なんだよ!二年経った今でもそうだ!あの男が居なければあいつは死ななかった!」
ガノン「だから殺したのか?」
リンク「ああ、あいつの変わりに僕が罰を与えたのさ。」
心は餓鬼のままだな。もう我慢なら無い。こいつを生かしてはおけない。ただの復讐に翻弄された悲しい悪魔だ。ハイラルに何の利ももたらさない。
ガノン「それは貴様の弱さだ。」
ガノンは太剣を構えた。
リンク「ははは、どういうつもりだい。どうせはったりだろ?」
ジャキンと音が響いて隣りにあった枝が二つに割れた。
リンク「実刀!?」
ガノン「ああ、俺は本気だ。」
リンク「いいだろう。」
リンクは背中の長剣を抜き出して体の外で円を描くようにして振り回している。
リンク「勝てば官軍、負ければ賊軍。いいね?」
ガノン「ああ、望む所だ。」
大きな金属の衝突音が早朝の森にこだました。
- 469:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:34:52.28 ID:h9woU5ETO
リンク「あの日あいつはこの穴に落ちて死んだ、あいつが連れてこなかったらこんな事にはならなかった!!」
ガノン「地図をかくのがあいつの夢だ!」
ジャキン!と二人の剣が交わり火花を散らすほどの激しい鍔競り合いが始まった。
ガノン「罪を隠す為に人々に溶け込み、役者を辞めたのか!貴様とて罪を認めているではないか!」
リンク「違う!!嫌気が刺したのさ!!!」
リンクが物凄い力でガノンドロフを押し出す。
リンク「僕はあんな汚い業界はもうまっぴらなんだよ!!!業界仲間よりあの女を優遇した君も大嫌いだっ!!!!」
キンッ!と音が響いてガノンドロフは剣を後ろに弾かれた。
リンクがすかさず横方向に切り込んだがガノンドロフしゃがんでかわした。そして足下へ切り返したのをリンクはジャンプでかわしてその勢いでガノンドロフに切りかかった、それを彼は鉄甲で防いだ。両者譲らぬ闘いが繰り広げられている。
- 473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:41:14.53 ID:h9woU5ETO
ガノン「ただの一度の復讐をいつまで引きずるつもりだ!!」
リンク「僕の体が朽ちるまでさ!!」
リンクはガノンドロフに飛びのり彼を踏み台にして木に登った。
そして怯んだガノンドロフに向かってすかさずブーメランを投げ同時にジャンプ切りを放った。
ガノン「甘い!」
ガノンドロフが剣を両手で押さえリンクを受け止めた。
リンク「馬鹿。」
返ってきたブーメランがガノンドロフの横腹に追突した。
ガノン「ぬおおお!!」
痛みを堪えガノンドロフが顔を上げると目の前には爆弾が置いてある。
ガノン「何!!!」
リンク「アディオス。」
爆音と共に森の鳥達が空へ飛び立った。
- 477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:51:33.86 ID:h9woU5ETO
ガノン「ぬんっ!」
爆発をなんとか紙一重で回避したガノンドロフは後方へ下がった。
しかし煙の中から黒い太刀筋を纏った剣先が突き出て来た。
ズバ!とガノンドロフの足に突き刺さる。
ガノン「く…!」
リンクは剣を突き立てたままガノンドロフを崖まで追い詰めた。
ガノン「俺を殺してもあいつは返ってこない。何故分からないんだ。」
リンク「今更命乞いかい?弱ったもんだねえ。」
リンク「チェックメイトだ。」
リンクは剣をガノンドロフの喉に突き立てた。
ガノン「くっ…。しかし!!!」
ガノンドロフは左手で剣を弾き右手で何かを構えた。
リンク「フックショット!?」
鎖の擦れる音と共に放たれた鏃がリンクのブーツに引っ掛かった。
リンク「やめろ!!」
ガノン「そらっ!!」
鎖が戻る音に合わせてリンクの体が宙を舞う。
- 478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:59:35.22 ID:h9woU5ETO
リンク「っつああああああ!!!」
ガノン「らぁああああああ!!!」
リンクの首飾りがブチッと切れて、彼は崖の底へと落ちて行った。
ガノンは剣をしまい足のを噛み殺して治療のため城下町へ戻る事にした。
ガノン「復讐からは何も生まれない。罪を罪で返すのは間違っている。」
ガノン「そして俺も、この罪を背負わなくてはならないのだ。貴様のように罪を置いてけぼりにはしない。罪と闘い、どれほど苦しかろうと足掻いてみせるさ。」
ちょうど朝日が完全に登り切った頃ガノンは森を後にした。
- 489:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:12:44.75 ID:h9woU5ETO
鶏の声で朝目覚めたサリアは異変に気付いた。
サリア「リンクがいない…。」
嫌な胸騒ぎがする。待ってても来ないのがなんとなくわかる…。リンクを探さなきゃ。
サリアは森中を探した。そして禁止区域の崖でリンクの首飾りを見つけた。
サリア「リンクまさか…。やだよぉ…。」
サリアはそこで泣き崩れた。そこに置いてある花の意味を知る事も無く、ただ目の前の絶望が彼女を支配していたのだ。
思い返される沢山の思い出が蘇っては森の静けさに消えた。
サリア「リンク…リンク…。」
弱々しくも健気な声で彼の名を何度も呼んだが返事は無い。昨日と同じ朝日を見てる筈なのに何故だか切ない。
あたし、リンクがいたから幸せだった。リンクがいたから笑えた。
…あんなに上手に笑えたんだよ。
森には自分だけしかいない。そんな気さえした。襲い来る孤独と止めどない悲しみに打ちひしがれ、彼女は生まれて以来一番泣いたのである。
- 491:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:19:58.08 ID:h9woU5ETO
前半終わったあああああ!!!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
続きは月曜の21:30か、火曜の18:00頃にスレ立てます。
例の如くスレタイは殆ど同じです。
リンクの真意、マロンの結婚問題、ゼルダの運命、サリアの夢、ガノンの決意、そして森に降り懸かる災い。
後半はこんな感じですかね。
それではしばらくさようなら。
↓第一期ED(歌詞が物語りに合ってる為選びました。)
3号線
TAKUI NAKAJIMA:中島卓偉 | Myspace Music Videoshttp://www.imeem.com/izumo/music/KbVJmNMb/tenpei_sato_disgaea_2_sparkle_to_become_a_star/
⇒3号線- 493:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:21:45.53 ID:LsypzViN0
>>1乙
後半に期待してる
- 494:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:24:15.41 ID:wKptRptd0
乙だ期待してる
- 517:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 20:10:23.06 ID:QxjfipUN0
リンクうううううううううううううううううううううううう!!!!!!!
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:15:41.20 ID:qh9U3G+HO
約束の時間だ。
- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:18:52.30 ID:IZnq/wopO
はやく書いてくれ
- 4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:20:53.03 ID:qh9U3G+HO
―お兄ちゃん
懐かしい声がする、誰だったかな。ああそうか、僕はあいつと同じ世界に行ったんだ。
―起きて
おいおい、僕はちゃんと起きてるじゃないか。
―僕を忘れたのかい
忘れた?君はまさか。
リンクはハッと飛び起きた。木々の隙間から広い空間へと差し込む日の光が彼を照らしている。
リンク「君は…。」
「やっと会えたねお兄ちゃん。もう駄目かと思ってた。」
幾重にも重なる木の葉の影が織り成す自然の模様が風にサラサラ揺れている。
- 6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:29:36.41 ID:qh9U3G+HO
リンクの目の前には他より一回り小さなスタルキッドがいた。
「僕、こんなのになっちゃた。」
彼の声の後には小鳥の囀りと葉の擦れる音だけが残った。リンクは目の前の光景を理解出来ないでいた。
リンク「森に入ったコキリ族がスタルキッドになるのはただの伝説の筈じゃ…。」
「ううん。伝説には時々だけど"本物"が紛れてるみたいなんだ。」
「僕はずっとお兄ちゃんに会いたかった。けど、もうこの体じゃ迷いの森からは出られない。」
リンク「君は…本者なのかい…。」
まだ状況が読み込めないリンクは現状を疑う他なかったが、スタルキッドは大きく頷いた。
そして懐からひび割れたオカリナを取り出した。
- 9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:35:24.08 ID:qh9U3G+HO
リンク「それは。」
「お兄ちゃんが僕にくれたオカリナだよ。いつも持ち歩いてたんだ。」
リンク「もしかして君は…ずっと…。」
「ずっと大切なモノだから。」
リンク「そうか…ありがとな。」
リンクはスタルキットの頭を撫でた。クスクスと笑って震える彼は心底喜んでいるようだ。
この時のリンクは紛れも無く二年前の彼だった。ハイラルの英雄リンク。万人が愛してやまなかった、あの勇者の太陽のような笑顔がここに有る。
- 14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:43:30.06 ID:qh9U3G+HO
「チンクルさんを今でも恨んでるの?」
リンク「ああ。僕が他の撮影でその場にいなかったのは仕方ない。だけどお前がこんな姿になったのはあいつのせいだ。」
「そっか…けど、僕はあの人好きだった。」
リンク「なんでそんな事を…。」
「地図書く時のあの人の目、ルピーよりずっとずっとピカピカに光ってたんだ。」
―地図を書くのがあいつの夢だ!―
―俺を殺してもあいつは帰って来ない。何故わからないんだ―
ようやくあの時のガノンドロフの言葉の意味を知ったリンクは、本当に久しく自分を責めた。
僕が間違っていたのかい。僕が彼の夢をぶち壊したのか。もっと早く君に会っていれば、こんな風にはならなかったのかい。
頭の中で何度問い掛けようとも、森から返事が帰ってくる訳は無かった。
- 15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:48:25.24 ID:qh9U3G+HO
「お兄ちゃん…?」
―ただの一度の復讐をいつまで引きずるつもりだ!!―
リンク「もう…終わりさ。」
「…?」
リンク「もう大切な人を傷付けたりはしない。」
守りたいモノを支え切れずに逃げ出した自分とはさよならだ。傷付けない事は簡単な事じゃない。だけどもう僕は自分から逃げたくはないんだ。
リンクは空を見上げて森の空気を胸一杯に吸い込んだ。そして太陽に照らされて言った。
リンク「何かを守る事は自分に負けない勇気を持つ事だ。」
そうだ、これが僕だ。あの日無くした、僕の言葉だ。
- 18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:03:23.99 ID:qh9U3G+HO
リンク「あの日、君が居なくなって以来、僕はろくに仕事もせず、毎日を無駄遣いしてきた。」
「それはお兄ちゃんのせいだけじゃないよ。」
リンク「いや…僕が自分から逃げてたんだ。気に食わない事にわがままを通してたんだ。」
リンク「心を無くした悲しみや憎しみを怒りに変える事しか出来なかった。何かにぶつけなければ耐えられなかった。幼稚で哀れでどうしょうも無いくらい弱虫になっていたんだ。」
「お兄ちゃん…。」
リンク「全部僕の弱さだ。過ちは背負わなくちゃならない。だから僕が勇気を持たなきゃならないんだ。それはきっと僕に与えられた使命なんだと思う。」
「大丈夫。お兄ちゃんは負けないよ。だって今のお兄ちゃんの目…。」
スタルキッドの瞳にリンクの目が写る。
「太陽みたいに暖かいから。」
- 20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:07:28.57 ID:qh9U3G+HO
「だからお兄ちゃんは大丈夫。次剥ぎだらけの心でもいいじゃないか。お兄ちゃんの勇気はみんなに伝わる筈だから。」
リンク「ああ、負けないさ。ありがとう。」
ようやく自分を取り戻したリンクは清々しい気持ちでスタルキッドと話を続けた。物語りのような昔話は彼等を二人の世界に引き込んだ。
二年前までもそうだったように、僕らは二人でいて笑えるんだ。
まるで夢のような時間が流れた。
本当に夢だったかのように一瞬でいて幸せな時間。
- 22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:13:06.71 ID:qh9U3G+HO
リンクは出来る事ならずっと此所で居たかった。しかしサリアが心配なのだ、もう昼頃になるだろうしきっと心配しているに違いない。
リンク「そろそろ帰らなくちゃならない。待ってる人が居る。」
「構わないよ、僕は大丈夫。」
リンク「相変わらず強い奴だ。さすがは僕の一番弟子。」
「えへへ、男は一人でも強く生きろってお兄ちゃんが教えてくれたんじゃないか。」
リンク「はは、そうだったな。時々は会いに来ていいかい?」
「うん、いつだって此所で待ってるよ。例え最期が来ても。」
リンク「最期だなんて言うなよ。お前は僕が守ってやるさ。約束だ。」
「うん。ありがとう。」
谷間から吹き込む柔らかい風に吹かれてスタルキッドの帽子が揺れている。
- 24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:21:01.60 ID:qh9U3G+HO
リンク「じゃあな。」
「またね。」
リンクはつたを登っていった。
空から差し込む太陽が眩しい。彼の体を、心を、過去を照らしている。過去の嘘も罪も過ちも全て突き抜ける光の粒が、森の空気を含んで彼を包み込んでいた。
緑は森の色、異郷であり故郷であるコキリの色なのだ。
大地に宿された命の色。
僕は大切な事を忘れていた。僕の誇りを忘れていた。
下ばかり見すぎたみたいだ、上を向いてみると空はこんなに広いじゃないか。
彼は空を目指した。
- 26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:28:24.20 ID:qh9U3G+HO
崖から這い上がったのはリンクの体ばかりではない。
彼は大切な思いを拾って、再びこの母なる森へ帰って来たのだ。
たったの数時間に過ぎなかったが、彼は彼なりに確かな何かを取り戻していた。
あの日の心だ。
リンク「ゼルダ…。」
その名前は今の彼に最も重くのしかかった。それは彼の罪の一部であり、全てであった。
リンク「謝ろう。もう二度会うなって言われるだろうけど、僕にはそうするしか出来ない。」
リンクは森を抜けて家へ帰った。
- 28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:33:14.92 ID:qh9U3G+HO
リンク「ただいま。」
サリア「リンク…?」
夢じゃない、リンクがいるんだよね。彼女はリンクに飛び付いた。
サリア「リンクぅぅぅ…。」
リンク「よしよし。」
リンクは子供のように頑固に泣きじゃくる彼女を父のように優しく撫でた。
なんだか今までのリンクと違う。懐かしい感じがする。
- 29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:35:04.91 ID:qh9U3G+HO
サリア「うぅぅ…良かった…良かったよぉ…。」
リンクは何も言わずに彼女を抱き締めた。深く深く力強く寛大に。
何よりも近くで彼女を感じようと彼女を引き寄せたのだ。
彼の服には涙の染みが出来ていた。
リンク「ごめんよ。心配かけて。」
サリア「うん…もう大丈夫だから。」
サリアは真っ赤な顔で必至に笑顔を作った。彼は彼女のグシャグシャの髪をそっと直して笑顔のお返しをした。
- 31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:40:05.05 ID:qh9U3G+HO
ガノンドロフはゼルダの家を訪れていた。
ゼルダ「ガノンドロフ、どうしたのその傷!?」
ガノン「ああ…ちょっと怪我しただけだ。なんでもない。」
ゼルダ「無理してない?」
ガノン「無理はしていないつもりだ。明日の夜までには治りそうだ、怪我が治り次第森に行く。密猟者を捕まえなくちゃならない。」
ゼルダ「貴方はいつも無茶するんだから…。」
ガノン「心配するな。信じてくれ。」
ゼルダ「いつになっても前向きなのね。」
ガノン「当然だ。」
ガノンは今日はゼルダの家に泊る約束をした。彼女と同じ屋根の下で一日を過ごすのも二年振りになる。
- 34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:53:55.88 ID:qh9U3G+HO
ダルニア「そいやぁああああ!!!」
ゴロン「イワーーーク!!!!」
ドカーン!
ダルニア「ふう…。良い汗かいたぜ。」
ゴロン「ゴロスコ~カシュウ…カシュウ…。」
ダルニア「それにしても昨日から火山の音がすげえなぁ。五月蠅くて俺の大好きな曲が聞けねえじゃねえか。」
ゴロン「兄貴のプレイも相当五月蠅いっす…。」
ダルニア「ああん?なんか言ったか?」
ゴロン「い、いえ、何も。」
ダルニア「全く、下手な口聞いたら掘り殺すぞばっきゃろう。」
ゴロン「ひいい、お助け~。」
ダルニア「こいつにゃあ冗談も通じねえのか。」
- 38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:07:46.32 ID:qh9U3G+HO
ダルニア「にしても、それそろ噴火すんじゃねえか。早けりゃ明日の夜頃だな。」
ゴロン「今回のはデカそうっす。決して性的な意味ではなく。」
ダルニア「ま、俺のは火山レベルだけどな。」
ゴロン「はあ…ダメだこりゃ。」
ダルニア「あん?何かいったかガバガバ野郎。」
ゴロン「いいえ、何も。」
ダルニア「雲行きから見ても明日は雨だ。まあなんとかなるだろう。」
ゴロン「大丈夫だといいっすね。いろんな意味で。」
- 45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:52:42.92 ID:qh9U3G+HO
マロン「ついに明日ね…。」
タロン「どうしたんだ心配そうな顔して。」
マロン「明日の夜にリンクに会うのよ。」
タロン「良かったじゃないか。」
マロン「けど…。」
彼女がリンクを特別扱いしているのは公然たる事実なのだ。それは彼女の口が語らずとも表情や様子から滲み出ていた。
タロン「心配するな。彼は誠実だ。ワシはあいつの目をよく知っている。何処までも澄んだ大きな瞳だ。」
マロンの頭に浮かんでくるリンクはいつもあの一枚の写真のリンクだ。実際今の彼がどうなってるかは知らないが、あの日のままであって欲しいと願うばかりである。
- 47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:06:44.90 ID:3FOhpsIPO
マロン「あたし頑張ってみますね。」
タロン「あいつのハートを奪っちまえ!ははは。」
マロン「ふふ、そんな難しいことできないわ。」
彼女は笑った。
そしてその後も着々と仕事を続けた。
家族をいたわりながの生活に彼が居たらどんなに楽しい事だろう。きっと素敵よね。
あたしが教えた歌、ちゃんと覚えてるかな。
- 49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:18:05.37 ID:3FOhpsIPO
そして夜が来て、皆それぞれの思いを胸に眠りについた。
風の音がガタガタ窓を揺らす度に、誰かが呼んでいる気がする程の不安と期待が彼等の中に在った。
世界を知ってるつもりでも、それはやはり自分の見て来た世界に過ぎなくて。他人の見て来た世界を見る事なんて誰にも出来なくて。
その小さな世界ハイラルのそのまた小さな一人一人の夢なんて解る筈は無いけれど。今日だけは全員が同じ夢を見ている気がした。
あの日以来決して交わらなかった夢の足跡が動き始めた静かな夜だった。
- 50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:31:50.93 ID:3FOhpsIPO
昨日ずっと家に居たリンクは今日はカカリコの大工連中と共に仕事をしていた。
実に久し振りの仕事である。
リンク「この木材どこに置いたらいいですか?」
大工1「ああ、あそこの上に積んどいてくれ。」
リンク「はい。」
彼はせっせと仕事を続けた。
大工2「しっかしバイトにしちゃすげえ良い態度だな。」
大工1「若いのに珍しい。」
大工2「いつか正社員になったら酒でも奢ってやりてえくれえだ。」
大工1「ば~か、ああいう男は酒なんか飲まねえよ。」
大工2「それもそうだな、ははは。」
彼の誠実な態度は職場の雰囲気までをも良くしていた。
- 53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:40:20.15 ID:3FOhpsIPO
大工1「おい飯だ飯!」
リンク「わかりましたあ!」
彼は駆け足で大工仲間の元へ向かった。
大工1「ほら、カカリコ産風車ブロイラー丼だ。」
リンク「風車ブロイラー丼!?」
大工1「おうよ。今日は運が良かったな。きっとこの村一番のおご馳走だぜ。ほら、遠慮せずに食え。」
リンク「はい。」
リンクはスプーンを片手に食事を口へ運んだ。
その影響はまず鼻に現われた。近付くに連れて濃くなる香ばしい香り、鋭さと柔らかさの絶妙なバランスを保っている。
そして口に入れた瞬間に広がる魅惑のカカリコ風味は全味覚を刺激するかのような勢いで、その味を僕に伝えた。料理はこれほどまでに人を感動させるのかと心底驚いた。
- 54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:50:26.73 ID:3FOhpsIPO
大工1「どうだ。冬の汗流した後の飯はうめえだろ。」
リンク「はい。こんなに美味しいお弁当をありがとうございます。」
大工2「なあに、働いてるから美味いんだ。」
大工1「働いてると辛い事もあるし、逃げたくなるかもしれんが、働いているうちが一番幸せだ。」
ルピーよりずっと綺麗な輝きの目って、彼等みたいな人を指すんだろうか。
本当に綺麗だ。
リンク「これからも宜しくお願いします。」
大工1「何改まってんだ。もう仲間だろ。」
リンクは何か救われた気分だった。重苦しい心に微かな寛ぎを感じたのだ。彼の心身にはかつての熱く燃え上がるような勇気と力が漲っていた。
- 55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:54:16.76 ID:3FOhpsIPO
ゼルダ「ガノンドロフ、傷は大丈夫?」
ガノン「ああ、だいぶ楽になった。予定通り今日の夜には仕事に行けそうだ。」
ゼルダ「そう…。」
彼女は目を細めて下を向いた。
ガノン「どうした?」
ゼルダ「嫌な予感がするの。」
ガノン「いつからそんなに心配性になった。俺は大丈夫だといってるではないか。」
ゼルダ「そ…そうよね。信じてるわ。」
やはり嫌な予感は消える事が無かった。机の上の小さな額に入れてある写真を眺めると、何故か泣きそうになるのだ。
その意味にこの時はまだ気付かなかった。
- 56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:01:38.76 ID:3FOhpsIPO
遂に夜がやって来た。
リンクは仕事も終わり家で出かける準備をしていた。小鳥が囀るようにサリアの歌を口ずさんでいる。彼は気分が良いといつもこの歌を口ずさんでいた。
しかしかなり久し振りに聞いた為サリアにかえって不安に感じられたのだ。
リンク「それじゃあ行ってくるよ。」
リンクは扉を開けた。
サリア「待って。」
口から自然に言葉が漏れてしまった。
サリア「ごめん…。」
リンク「大丈夫だ。心配するな。」
サリア「分かった…。行ってらっしゃい。」
言うまでも無く、サリアは彼に居て欲しかった。片時も離れたくは無いのだ。彼女は彼の出て行った扉が風でパタパタ揺れているのを暫く眺めていた。それがえも言えぬ虚しさのリズムとなって彼女に押し寄せて来た。
とうとう辛くなった彼女は扉を締め、冷たい窓の霜に指を当てて縦に線を引いた。
リンクはロンロン牧場へ向かった。ロンロン牧場の入口には冬の風に棚引く赤い髪の美しい女性が立っている。
- 57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:03:50.90 ID:3FOhpsIPO
読んでくれてありがとうございます。
今日はなんか腰が痛いです。
明日には治ると思うから今日は寝ます。
そろそろ終盤です。
おやすみなさい。
- 59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:05:17.06 ID:u5NKsu7l0
乙カレー
- 88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:06:02.07 ID:wSZpnp0EO
ほっしゅっしゅっ
- 103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:10:27.09 ID:3FOhpsIPO
いつも保守ありがとう。再開する。
今日は一日病室からの投稿になりそうだ。頑張る。
- 104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:11:43.33 ID:3FOhpsIPO
マロン「リンク。こんばんは。」
リンク「こんばんは。久し振りだねマロン。」
愛しい者の変わらぬ姿を見てなにより安心した。
マロン「会えて嬉しいわ。何にも変わって無くて良かった。」
リンク「すまないな。今まで会いに来てあげられなくて。今更君の家にお世話になるのもどうかと思ってね…。」
マロン「あたしはいつだって歓迎したわよ。」
リンク「はは、じゃあ毎日行ってあげれば良かったな。」
マロン「毎日だなんて…。」
月に照らされたマロンの顔が赤く染まっている。
- 106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:23:32.18 ID:3FOhpsIPO
リンク「マロンは照れ屋さんだね。そろそろ行こうか。」
そう言ってリンクは彼女をエポナの元へ連れて行った。
マロン「エポナ。」
マロンはエポナを撫でた。
リンク「こいつもおっきくなっただろ。」
マロン「うん。ちゃんと育ててくれたんだね。」
リンク「ああ。今では僕が頼りっ放しさ。」
マロン「あの歌覚えてる?」
リンク「もちろんさ。」
リンクはエポナの歌を口ずさんだ。
マロン「良かったぁ…。」
マロンは安心した顔をしてリンクと共にエポナに乗り城下町へ向かった。
- 107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:24:23.39 ID:HOx/iEdO0
病院って…
大丈夫か?無理すんなよ?
- 111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:38:13.44 ID:3FOhpsIPO
>>107
キノ五郎さんみたいにTVもって暴れたりしないから大丈夫だ。ありがとう。
明日には絶対に完結させるよ。
- 110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:36:41.47 ID:3FOhpsIPO
リンク「この店さ。」
二人は木製のテーブルを跨いで座った。
マスター「いらっしゃい。」
マスター直々に注文を聞きに来るなんて、気前の良い事この上ない。
リンク「今日の特製ディナーお願いします。」
マスター「かしこまりました。」
マロンは慣れない雰囲気に圧倒されている様子だ。
リンク「何硬い顔してるんだい、楽しもうよ。」
マロン「こういう店来るの初めてだから。」
何もかもが初めてだったのだ。
- 112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:44:39.56 ID:3FOhpsIPO
やがて二人の机に円い皿に飾られた大きな料理が出て来た。牛肉をふんだんに盛り付けた料理だった。
リンク「こりゃ凄いや。」
マロン「牛さん…。」
リンク「どうしたんだい?」
マロン「ううん。美味しそうね。」
二人はまるで真新しいカップルのように料理あまり目を合わせずに料理を食べた。時々目が合う度に二人はクスっと笑った。
リンク「君がこんなに元気でなによりさ。」
マロン「元気だけが取り柄だから。」
リンク「いやいや、君には素敵な所がいっぱいあるよ。」
手を口に当てて照れているマロンは無垢な子供のようだ。
- 113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:03:02.40 ID:3FOhpsIPO
二人は沢山の話をしている。
リンクが彼女の仕事を手伝っていた日の事。彼女に写真を渡した日の事。他愛も無い昔の事。洗いざらい全ての思い出を噛み締めるように話した。
料理も残り少なくなった頃についにマロンはあの件を持ち掛けようと決心した。
マロン「あのねリンク。とっても大事なお話があるの…。」
リンク「なんだい?」
マロン「ここじゃ恥ずかしいから、後でもいいかしら?」
リンク「…構わないよ。」
リンクにはその意味が何となく分かった。無性に高まる鼓動を押さえるのに必至で意識が料理からそれてしまっていた。
- 114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:10:22.14 ID:3FOhpsIPO
暫く店の空気を堪能し勘定をすませて外へ出て来た。
リンク「寒いねえ…。」
マロン「うん…。」
リンク「話ってなんだい?」
マロン「二つあるの。一つはこれ。」
マロンは小さなポシェットからあの手紙を取り出した。
リンク「それは!?」
マロン「ゼルダさんの家の中で拾ったわ。ゼルダさんに聞いても何にも喋ってくれないし、どうしたのかと思って。」
リンク「あ、ああ…彼女に届け物をした時に落としたみたいだ。」
自分の嘘に嘘を重ねることは楽じゃない。心が折れそうだ。
マロン「そう…。」
マロンは暗い顔をした。しかしゼルダと大爆弾については一切喋らなかった。それを喋った時に二人の間の何かが終わる気がする。それが怖かった。
- 116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:16:37.99 ID:3FOhpsIPO
マロン「もう一つは、貴方との結婚の話。」
リンク「僕と!?」
リンクは彼女のあまりに直線的な発言に予想の上を行かれて驚いていた。矢が体を突き抜けたような気分だった。
マロン「リンクと結婚するなら、タロンやインゴー達も反対しないってさ。」
僕にはサリアがいる。もう離したくないんだ。それに僕にとって君は素敵すぎる。
二人の気持ちが交わらない交差線を描いて突進んでいた。
リンク「嬉しいさ、僕だって君と居たいって気持ちはある、だから手紙を送ったんだ。けどもう少し時間をくれないか?」
マロン「そうよね…。いつまでも待ってるわ。」
リンク「すまない。」
マロン「そんな顔しないで。」
マロンはリンクの為に笑顔を作ったが、あまりに見え透いた作り笑顔はかえって彼を悲しくした。
- 117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:19:02.30 ID:3FOhpsIPO
二人は暗い夜道を歩いて帰った。
リンク「今日は楽しかったよ。また必ず手紙を送る。その時まで待っててくれ。」
マロン「待ってる。」
リンクは彼女を撫でた。彼女はこれでもかと言うくらいに顔を赤くした。冷たい空気は彼女の頬の温度を一層高く感じさせている。
リンク「それじゃあ。」
マロン「またね。」
手紙…ずっと待ってる。小さくなって行く彼を、少しだけ熱くなった目頭をなんとか堪えて見つめた。
そうしてリンクは冷えきった夜道を戻り、再び城下町へ向かったのである。
- 119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:20:57.89 ID:3FOhpsIPO
リンクはゼルダの家の戸を叩いた。
リンク「僕だよ。開けてくれゼルダ。君に謝りたい。」
あまりに無神経だったのかもしれない。
ゼルダは戸を開いてリンクを睨んだ。
ゼルダ「今更何言ってるのよ…あたしの事何にも解らないくせに…帰って!帰ってよ!」
ああ、こうなることは分かってたつもりだ。だけど。
彼女は声を裏返してリンクに向かって破れたマフラーや額入りの写真を投げ付けた。
リンク「すまない…本当にすまない。」
ゼルダ「来ないで!!!」
彼女は強く戸を締めた。彼は今町に一人取り残されたようにポツンと突っ立って冬の風に打たれていた。家屋の隙間を吹き抜ける風の音がやたらと耳にこびりつく。今日も星の無い静かな夜だ。
彼は無意識にマフラーと写真をしまって、城下町を後にした。もう来る事はないだろう。
- 121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:28:44.25 ID:3FOhpsIPO
帰り道、彼は何度も後ろを振り返った。
名残惜しい冬の城下町を眺めては、小さくなる町の灯が自分の姿と重なって見えた。
ただ、町の灯は確かに明るくて、消える事だけは無かった。
最初から光に生まれてきたらどれ程楽だっただろうか。
どんなに沢山の人を余念なく照らし続けれただろうか。
今更余韻に浸る意味は無いのかもしれない。
空は暗く町は明るく、僕は…。
いや、自分の事はもういい。
彼の中で現実の時計は一旦息を潜めたが、その針は今まさに動き始めようとしていた。
- 123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:33:13.00 ID:3FOhpsIPO
すまないが45分から診察がある。
行って来る。
- 125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:50:04.44 ID:5oObQ4gb0
いてら
- 128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:23:05.24 ID:Ix5TISJ20
ほしゅ
- 131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:55:06.64 ID:3FOhpsIPO
その物語りの最後は大きな大きな音と共に始まりを告げた。
リンク「噴火!?こんな時に!!!」
火山弾が飛び散りコキリからも煙があがっている。
まずい!サリア!
リンクはエポナに飛び乗り一目散に駆け出した。風を切り裂き、愛する彼女の元へと向かった。
ブロンドの髪を棚引かせ馬を鞭打ち走ったのだ。
待っててくれ!待っててくれ!
- 132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:59:33.85 ID:3FOhpsIPO
火で道が解らない。どこを通ったら良い。
リンクはエポナを置いて進める道を慎重に歩いていった。サリアの居場所は全く解らなくなっていたのだ。
彼は迷いの森についた途端にスタルキッドの事が心配になった。
彼はスタルキッドの元へ向かった。
リンク「良かった無事だったか!!」
「うん。火はここへはまだ来てないみたいなんだ。」
リンク「森が…。」
「大丈夫。雨が降るはずだから。それにまた来てくれて僕嬉s…」
その瞬間、リンクは背後に大きな気配を感じた。銃を構えた亀達がいる。
リンク「危ないっ!!!!」
雷の落ちたような音が燃え上がる森の空に響いた。
- 133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:03:13.84 ID:3FOhpsIPO
「お…お兄…ちゃん…。」
リンク「あぁああああああ"!!!」
リンクの声がするのと同時に雨が降って来た。
クリボー「よっしゃあ。ナイスショット!」
ノコノコ緑「よし。獲物を捕獲しますよ。」
ノコノコ青「チョロイチョロイ。」
ゼニノコ「はよ捕まえやアホ。」
リンク「来るな…来るなぁああああ!」
リンクは雨を裂くように目茶苦茶に剣を振り回した。
ゼニノコ「兄ちゃんよお、仕事の邪魔や。」
凄まじい力にリンクは剣ものとも投げ飛ばされた。
- 134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:05:41.28 ID:JzqBVj43O
ああああああ…
- 136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:17:30.56 ID:3FOhpsIPO
ゼニノコ「はよ、獲物持って逃げや。」
ガノン「やっとみつけたぞ逃がさん!」
森の炎の中から飛び出て来て彼はゼニノコに切りかかった。
ガノン「らああ!」
ゼニノコ「邪魔やおっさん。」
ガノン「!」
ガノンの剣は全く刃が立たず弾き返された。
リンク「ガノンドロフ!?なんで君がここにいる!!!」
ガノン「それはこっちの台詞だっ!!!」
リンク「あのスタルキッドはあいつなんだ、あいつが撃たれた!僕はあいつを守れなかった…。」
ガノン「守れないだと?守るんだろ!!!諦めるな、あいつらを追え!!!」
―最後まで諦めなかった者に幸せは与えられる。―
雨と炎の中を吹き抜ける風のようにルイージのあの言葉が頭を過ぎった。
- 138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:31:32.76 ID:3FOhpsIPO
リンク「ガノンドロフ…僕は本当に全部無くして自分の失敗に気付いたんだ。けど、解らない事がある。諦めないってなんなんだ…。」
ガノン「…。」
リンク「諦めなかったら報われると、ある知人が言った。僕は心のどこかで信じていた。だけどあいつは…。僕は失敗だらけの人間だ。」
ノコノコ達はどんどん遠くなる。ガノンは何も喋らない、降り注ぐ冷たい雨の雫が二人を打つ。
リンク「なぁ…諦めないって、どうしたらいいんだい。どうしたらいんだよ。」
リンク「答えろよ!!!」
リンクが声を裂いて裏返して叫んだのと同時に雷の音が響いた。二人の顔が青白い光に照らされてはまた火の赤に照らされた。
ガノン「人生に失敗は無い。何かを諦めた時が、失敗だ。」
ガノン「本当に最後まで諦めないと言うのなら、答えは自分で見つけろ。」
ガノン「そこまでやり抜いてもいない者が他人に甘えるな。そんな者に幸せは訪れない。」
- 140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:39:29.68 ID:wSZpnp0EO
ガノン…パネェいい男だな…
- 143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:58:18.20 ID:3FOhpsIPO
ガノン「もう一度言う、やつを追え。まだ助かる。」
リンク「ああっ!」
半ば納得のいかない様子でリンクは雨の中を駆け出した。
ゼニノコ「おっと、いかせまへんでえ。」
ガノン「お前の相手はこっちだデカブツ。」
ガノンドロフの渾身の拳がゼニノコの顔面に直撃した。
ゼニノコ「ぬぁあ…!」
ガノン「いけえ!!!」
リンクは全力で走った。飛び散る雫の一つ一つに過去の思いが重なって弾けていく。
- 148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:12:56.01 ID:3FOhpsIPO
クリボー「ひい!来やがった!踏まれる踏まれるう!」
ノコノコ緑「二手に別れましょう!!」
クリボー「おう!」
クリボーは森の暗がりに消えた。そしてノコノコ2匹はスタルキッドを連れたままゾーラの里へと繋がる穴へ逃げ込んだ。
リンク「待て!!」
リンクは迷わずスタルキッドを連れたノコノコ達を追った。
泳ぎに泳いでゾーラの里に着き、リンクが体中の水を払ったその時。
ノコノコ緑「おっと、動かないでくださいよ。」
ルト「すまぬリンク…。」
ルトが銃口を突き付けられていた。
リンク「卑屈な手を…。」
リンクの剣を持つ手が震えていた。今の彼の正義と勇気は彼等の悪意が許せなかった。
- 149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:16:10.47 ID:3FOhpsIPO
リンク「彼女を離せ。」
ノコノコ緑「嫌です。」
リンク「離せえ!!!」
ノコノコ青「ひいい!」
リンクは殺気に満ち溢れた目でノコノコを睨んだ。
ノコノコ緑「いいでしょう。その変わり、私たちは逃がしてもらいますよ。剣を捨ててください。」
リンクは言われるがままに剣を地面に落とした。
ノコノコ緑「さよならです。」
ノコノコ達はスタルキッドを担いで逃げている。
リンク「…逃がすか!」
リンクはすかさずブーメランを投げてスタルキッドだけは助ける事に成功した。
ノコノコ緑「卑怯な…!嘘つきはいけませんよ!」
ノコノコ青「覚えてやがれ糞野郎!!!」
- 150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:22:55.35 ID:3FOhpsIPO
ルト「すまない。よは足手纏いだな…。」
リンク「いや、君は勇敢だったさ。」
ルト「リンク…お前はいつも優しいな…。」
リンク「そうでありたいものだ。待ってる人がいる、また会おう!」
リンクは急いであの穴へ走った。ルトはこの心を打ち明ける時は今しかないと思った。今言わなくては二度と言えない気がした。
ルト「よはそなたを愛しておる!!大好きだ!!!」
リンク「ああ、僕もだ。」
リンクは優しい顔でそう言って森へ帰った。しかしルトは泣き崩れた。
ルト「馬鹿者…顔が引きつっておったぞ…。」
いつもそうだった、そなたは優しい顔で嘘を付く。夢みたいな嘘でよを幸せにしてくれる。そなたの嘘などとうに見抜いておった、それでもそなたが好きなのだ。
- 152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:34:26.21 ID:3FOhpsIPO
ガノン「のあああ!!!」
ゼニノコ「へぼいへぼい。話になりませんわ。ほおれ、両手あけてやるさかいどっからでもかかってきいや。」
リンク「そこだぁあ!!!」
ゼニノコが油断したその時、林から突然リンクが帰って来た。
ガノン「リンク!!」
不意を突いたリンクはメガトンハンマーをゼニノコの腹に叩き込んだ。
ゼニノコの硬い殻の腹の部分が砕けて夥しい血が流れている。
ゼニノコ「ぜに…ぜに…おいおいやってくれたなあ。許しまへんで。」
ゼニノコがズカズカとリンクに向かってくる。
- 153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:40:21.65 ID:C5qSN/pC0
今更だがなんで病院なんだ?
- 154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:44:49.39 ID:3FOhpsIPO
ガノン「行かさん!」
ガノンのフックショットがゼニノコの腕に巻き付いた。
ゼニノコ「やめんかい!」
ガノン「絶対に離さん。」
ゼニノコは鎖をガシャガシャと揺らして暴れている。雨で腹の血が止まらない。ガノンドロフは全力で巨体を押えている、今にも腕がはち切れそうだ。
ガノン「いまだリンク!!」
ガノンドロフはリンクに自分の剣を投げつけた。リンクはそれを掴み取り、両手を広げてゼニノコの方へ走っていった。雨の雫を巻き込みながら、あの一点を目指した。
- 156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:55:29.67 ID:3FOhpsIPO
雷の音とリンクの走る音が重なって響く。
ゼニノコ「離せいよるやろがあああ!!!」
ガノン「ぬぁあああ!!!」
ガノンは壁にたたき付けられた。
―行け、リンク、勇気のトライフォースはお前の証しだ。
リンク「せやぁあああああ!!!!」
リンクはガノンドロフの剣をゼニノコの腹に突き刺した。
―諦めない者に、幸せは与えられる。
リンク「さぁああああああ!!!」
そしてマスターソードは決して貫けないと思われていた分厚い甲羅を背中まで貫いた。
- 160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:09:09.49 ID:KgoSMR6DO
ゼニノコ「わてが…やられたゆうんか…。ありえん…ありえ…へん。」
ゼニノコは倒れた。二本の剣が空に向かって聳え立っている。剣芯に炎を写して雨の中で交差する剣には神々しささえ感じる。そして同時に今の僕たちに似た物を感じた。
リンク「すまないガノンドロフ、まだ少し用がある。全てが落ち着いたらまたゆっくり話をしよう。」
ガノン「ああ。しばしさらばだ。また会おう。」
二人は雨の雫を弾くような勢いで硬い握手をした。
リンクはスタルキッドを置いた雨も火も無い静かな林に戻った。
「大丈夫…鉄の玉の一発や二発この体ならすぐ治る筈だよ…。」
リンク「今は動くな。」
「うん。また…あえるかな?」
リンク「ああ、会えるさ。必ずだ。」
リンクは走った。とにかく心配だったのだ。彼女を探さなくては。
- 162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:17:11.10 ID:KgoSMR6DO
リンクはだいぶ炎の治まった森を走り回った。
リンク「サリアー!サリアー!」
何度名前を呼んでも雨の音に書き消されてしまう。
彼はあらゆる場所を手探りで進んで行った。そしてその辿り着いた先に黒く染まった扉を見つけた。
リンクは感覚的にそれが何かを理解して勢いよく開いた。
ああ、帰って来たんだ。半日に過ぎない出来事だが、まるで何年も此所へ来てなかった気さえする。
- 163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:24:19.76 ID:KgoSMR6DO
リンク「サリア!」
サリア「…リンク!」
二人は抱き締めあった。
リンク「良かった…無事で良かった…。」
ふとリンクが顔を上げる。
リンク「…他の皆は?」
サリア「他のみんなはデクの樹様の中に逃げたわ。あたし、ちゃんと待ってたよ。」
リンク「馬鹿、こういう時はちゃんと逃げろよ。」
サリア「約束したから。」
刹那、リンクはもう一度彼女を抱き締めた。
- 164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:26:37.17 ID:KgoSMR6DO
サリア「一つ…お願いがあるの。」
リンク「なんだい言ってごらん?」
サリア「あたしを森の外へ連れて行って。一度でいいから外の世界が見てみたいの。」
外に出たら彼女は消える。伝説には時々"本物"があるとあいつは言っていた。彼女を失いたくない。
サリア「大丈夫よ。最期のシーンの撮影の時森から出てたじゃない。」
リンク「あれは森の近くだったかr…。」
サリア「お願い。」
サリアがこんなにも僕に物を頼む姿を初めてみた。僕は決意を固め彼女をおぶって森の入口へ向かった。いつも通る道が全く違って見えるのは火災のせいばかりでは無いのだろう。
- 165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:38:00.42 ID:KgoSMR6DO
どの道、雨では治まらないくらいの火が迫って来ていたんだ。あのまま家にいても焼かれるだけだろう。行くしかない。狭い世界のその果てを超える時なんだ。
リンク「行くよ。」
サリア「うん。」
頭上にはまだ夜の暗さの残る空がどこまでも広がっていた。
冷たい初冬の風が二人の体を吹き抜ける。しかし風が吹く度に心はかえって熱を増していったのだ。
僕は彼女をおぶったまま森の外へと踏み出した。背中越しに彼女の小さくて早い鼓動が伝わってくる。彼女はここに生きているんだなと、僕は彼女の息吹を感じ取った。
少し歩く度に彼女の姿を確認したがその度に彼女は小さく微笑む。
やがて目前に広がるハイラルが僕らを迎えた。広大な平原が全身で二人を歓迎するかのように、草達がサラサラと揺れている。
長い時を経て、僕等は今まさにハイラルの大地に立ったのだ。
- 166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:40:31.89 ID:KgoSMR6DO
今日は寝ます。読んでいただきありがとうございます。
病院について質問がありましたが、腰に腫瘍が出来てたみたいです。明後日手術します。
皆様が幸せである事を誰より願います。
それではおやすみなさい。
- 167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:41:28.90 ID:DZWz2lS90
とりあえず乙
カラダに気をつけてww
- 170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:44:34.97 ID:dWu7mQOe0
おいおい無理すんなよ?
- 171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:03:56.41 ID:ty9fKEQ+0
お大事に乙
- 176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:46:11.53 ID:uhWJydKv0
・・・手・・・術・・・?
ガンガレ!超ガンガレ!
- 209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:03:36.98 ID:KgoSMR6DO
保守ありがとう。こんなに沢山の人に支えてもらって嬉しい。
今日で終いだ、最後の投稿をする。
- 210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:04:10.36 ID:oFhrTA5jO
やた!まてたよ
- 212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:05:51.42 ID:KgoSMR6DO
エポナの首輪を引きながら二人はハイラル平原に降っている雨の雫を空へ微かに巻き上げながら歩いた。初めて歩く道、誰も知らない二人の世界。
サリアは辺り一面を見回してはリンクにあれはなに?と何度も聞いて来る。真新しい世界の新鮮味を瞳に焼き付けて、彼女は生まれたばかりの赤ん坊のように僕に物を尋ねる。
僕が答える度に、彼女は驚きとも感動とも似つかない表情で頷くのであった。
強い風の中を決して折れる事なく、僕たちは淡々と歩く事を続けた。
- 213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:09:43.82 ID:KgoSMR6DO
リンク「まだ雨が降ってるな…。寒いだろ、上着貸すよ。」
サリア「ううん、いいの。それに、雨なんてとっくに止んでるよ。」
僕は漸く、自分が泣いていた事に気付いた。
サリア「勇者様が泣かないの。みんなが見たら悲しくなるでしょ。あたしは大丈夫だから。」
サリアは背伸びしてボロボロのハンカチで彼の涙を拭ってみせた。
僕がありがとうと笑顔を作り彼女に報いると、いつものようにあの笑顔が返って来た。僕は幸せ者だ。彼女の笑顔は新鮮な世界に懐旧の情をもたらした。
- 216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:15:06.44 ID:KgoSMR6DO
僕らは誰もいないハイラルの夜がずっと続いているような錯覚に目眩をすることもなく、ただひたすらその果てへ向かった。
辿り着く所。冬の始まり、恋の終わり。
得体の知れない大きな感情の塊がのしかかってくるのからは目を背け、ただひたむきに彼女を見つめようと努めた。
ようやく僕の中にあるそれは、愛では無く、恋、なのだという確信に至った。
これ程までに自分の心を信頼した事があっただろうか。ありはしないさ。
- 217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:24:22.47 ID:KgoSMR6DO
長らく歩いた所で、僕らは広い空間に出た。まるでそこは地上に舞い降りたエデンの園のように、暗い空に輝く星達を写し出している。
リンクはエポナに此所で待っていてくれと言うと、空を見上げて彼女の肩に手を当てた。
リンク「ここがハイリア湖、綺麗だろ。」
サリアはコクッと頷いたてリンクの手に手を引かれて歩いた。
向かうのは泉の真中にある小さな島。僕らの終点。
明日の始まる所。
- 218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:34:03.16 ID:KgoSMR6DO
そこには一本の木、ただそれだけがあった。
水面は静かに揺れ二人をこの世界に引き込み、星は二人に今此所で生きている事を伝えた。
二人は寄り添うようにして座っている。
華奢な彼女の体を通して、世界に一つの温もりが、僕の体の涙腺から奥底までを暖めた。
何かを悟るように目を閉じてゆっくり彼女の方を振り向いて瞼を開いてみると、彼女の体がうっすらとしているのに気付いた。
リンク「サリア…。」
サリアは涙を流し唇をかみ締めながらもリンクにほほ笑み掛けたのだ。彼女に出来る精一杯の笑顔が、湖の水を満たさんばかりの有りっ丈の愛情が、彼の心を満たし切った。
- 219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:38:24.17 ID:KgoSMR6DO
リンク「…大丈夫。君は消えない。これからも一緒だ、二人で生きよう。」
サリア「嘘が、上手いのね。」
その一言は僕の中の一番弱い部分に嵐が吹き抜けたような痛みを与えた。全ての過ちの償いが、とうとう音を起てながら降り懸かって来た。
リンク「どうして…。」
サリア「ずっと気になってた。外の世界の貴方、どんなんだろうって。それはそれは素敵なんだろうってお星様を見たら分かったの。だけど、素敵過ぎた。」
サリア「貴方は皆のものよ。」
リンク「…僕が不甲斐ないばかりに、君だけのものにはなりきれなかった。なれなかった。すまない…すまない。」
―もう嘘は付けなかった。
サリア「もう良いの、それでも良いの。だけど今日だけはあたしの夫でいて欲しいの。」
リンクは彼女の体を包む込みように抱き締めた。サリアはクシャクシャになった彼の頭を撫でている。
- 221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 19:53:01.38 ID:KgoSMR6DO
そうして、限り無く永遠に近い幸せの時間が流れた後でようやく太陽が僕らを照らした。
灰色の世界が淵から鮮やかに染まって行く。
彼女が初めて見る、外の世界の太陽。
しばし耽美に浸り、静寂の時が流れたその時、彼女はあの歌を歌い始めた。僕が気分の良い日はいつも歌っていた、サリアの歌。今度は彼女が歌っている。
少し表情が和らいだ僕も釣られるようにその懐かしいリズムに合わせて歌を口ずさんだ。二人の過ごした森の唄。
この世に二つと無い音色が重なった時、ハイリア湖の水面が太陽を写し出して黄金の光を放った。
- 223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:01:59.13 ID:KgoSMR6DO
サリアの歌が一通り終わった後、微かに笑った彼女の方を振り向いたら、もうどうにもならないくらいに透き通った体があった。
僕は逃げずに彼女を包み、瞳を合わした。
彼女の目は僕の目を、僕の目は彼女越しに見える金の水を見つめていた。
サリアの体温が太陽の温度と徐々に入れ替わって行こうとしたその時、サリアの愛しい顔が僕の間近に接近した。それがまさに予期していたその時だった。
僕は瞼を閉じて近付いてくる彼女を瞬き一つせずにそっと見据えた。
僕の心が壊れそうなくらいにそっと決意をして満面の笑顔を作ったその瞬間、彼女と僕の体がすれ違った。
- 224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:08:58.81 ID:KgoSMR6DO
―ありがとう。
- 225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:18:48.76 ID:KgoSMR6DO
水面はキラキラ揺れている。
彼女が光に戻って行くのと同時に、僕の頭上を木に止まってい鳥達が飛び立っていった。
僕は最後の温もり一つを残して、その全てを全身に受け止め、最後の温もりはこのハイラルに返した。
夢が目覚め
恋は終わり
新しい一日が始まった。
覚悟はあったつもりだ。ほら、今だって笑っているさ。
こんなに上手に、君を見て笑っているよ。
そうしてリンクは微かに瞳を閉じた。
何が勇者だ、何がトライフォースだ。
愛する人一人でさえ、最後までいてやれなかった。
ただ…最後まで諦めなかった、これだけは僕の誇りだ。
彼女は確かに此所にいる。彼はただ一つの木を見据えて、思い出と哀愁のその全てを此所に置いき、朝日を背にエポナに飛び乗りハイラルを駆け抜けた。
- 226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:26:18.50 ID:C1IKTqy40
サリアああああああ
- 227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:26:18.84 ID:KgoSMR6DO
日もある程度高くなり、ガノンドロフがゼルダの家を訪ねようとしたところ、彼女の家の前に綺麗な額に入れられた写真と、不器用な縫い目が目立つマフラーが置いてあった。
ガノンドロフは全てを悟り、ゼルダの家に上がった。
ガノン「おはようゼルダ。」
ゼルダ「おはよう。それは!?」
ガノン「家の入口に置いてあった。」
ゼルダ「リンクっ!!!」
彼女は今になって彼の真意に気付き家を飛び出そうとした。
ガノン「行くな!!!」
ガノンドロフは後ろを向いたまま彼女を引き止めた。
- 228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:29:05.39 ID:KgoSMR6DO
ゼルダ「リンクが!!彼は!!!」
ガノン「あいつが自分で決めた事だ、手を貸してはならない。」
ガノン「あいつはようやく自分一人で答えを探そうとしているんだ。」
ゼルダ「あの日彼を追い出したりなんかしなかったら。」
ガノン「今更仕方の無い事だ。」
ガノン「今は祈ろう、そして勇気を信じよう。今日があいつの門出の時だ。」
ゼルダ「ええ。…分かってるわ。」
冬の朝日が二人を窓に写している。二人は後に再び生活を共にする事になる。彼等にとっても今日が始まりだったのかもしれない。
- 229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:31:46.58 ID:KgoSMR6DO
ルト「父上、どしたのだ?」
キングゾーラ「いやぁ…朝早くにリンクが来てな。お前に伝言をもらっておる。」
ルト「早く教えるのだ。」
キングゾーラ「もう当分は会えないそうだ。」
ルト「…分かったのだ。」
こうなる事は分かっていた為、驚きはしなかったが、やはり悲しかった。
彼女はゆっくり部屋に帰り、朝にもかかわらずもう一眠りした。
夢でもいいのだ、もう一度好きと言わせてくれ。
- 230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:33:54.92 ID:KgoSMR6DO
マロン「手紙が来てるわ。」
彼女はポストから手紙を取り出した。
マロン「リンク!!!」
―親愛なるマロンへ
僕は暫く旅に出る事にしたよ。結婚の話があったけど、僕にその資格は無い。良い人見つけるんだよ、大丈夫世界はずっと広いさ。
本当はもっとしっかりした手紙が書きたかったけど時間が無いんだ。一段落付いたらまた連絡するよ、待っててくれ。
最後に、君の幸せを誰より願っている。
リンク―
マロンの手が小刻みに震えている。
マロン「確かに世界は広いけれど、貴方は一人しかいないのよ。」
彼女は手紙をそっと折り畳み顔を拭って馬小屋へ向かった。今日は太陽が一際綺麗だ。
貴方の手紙ずっと待ってるから。
- 234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:46:02.35 ID:KgoSMR6DO
「もう、行っちゃうの?」
リンク「ああ、もう夕方だし、出発は早い方が良いだろう。」
リンク「本当に皆を待たせてしまう事になっちゃったな。君も、ルトも、マロンも、そしてサリアも。みんなを待たせてしまっている。」
リンク「今から出た方がその分早く帰って来れるだろ。必ず帰ってくるさ。」
「うん。約束だよ。あと…これ返すよ。」
古びたオカリナがリンクの手に添えられた。
リンク「いいのかい?」
「良いんだ。これが僕の代わりさ。」
リンク「ありがとう。」
彼はスタルキッドと深く握手をして森を後にした。長旅への出発の時間だ。
- 235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:56:32.71 ID:KgoSMR6DO
その後彼の姿を見た者は居ない。
その勇者は未だ覚めない多くの夢と情熱を胸に、広大な世界へと巣立って行ったのだ。
何か守る事は自分に負けない勇気を持つ事。
最後まで諦めなかった者はいつか必ず幸せになれる。
また会おう、そして待っててくれ、僕らがまたいつか此所に集うその日まで。
新しい勇気の芽生えが彼を迎えている
星の綺麗な静かな夜だった。
~リンク「ゼルダ姫…」・完~
エンディングテーマ
PC用↓
http://jp.youtube.com/watch?v=rZcHeA3jhY4&feature=related
↓携帯用
http://game-melody.com/cgi-files/csystem/html/n-91167-ezweb-ezweb.html
- 236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:58:12.22 ID:KgoSMR6DO
今まで読んでいただきありがとうございました。無事終了いたしました。
余談ですが、今日の早朝に隣りのベットで寝ていたお婆ちゃんが突然看護婦さん達に運ばれて帰ってこなくなりました。
その時の気持ちで病室から見た外の朝日があまりに哀愁を漂わせていたのでサリアの下りに使う事にしたんです。
また一つ、皆様と一緒に作品が作れて幸せです。
明日の手術頑張ります。お幸せに。
- 237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:58:42.02 ID:C1IKTqy40
おつでした!
すごくよかったぜ
- 238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:58:52.23 ID:TFvf3V/80
>>1 乙~
- 239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:00:41.26 ID:tmD1JMwr0
>>1乙
感動をありがとう
- 245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:11:30.53 ID:EeF1Jbxe0
>>1
お疲れ様。ダルニアとリンクのセクロスないのに悲しかったけれど凄く楽しかったよ。
手術がんば!
- 247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:21:37.58 ID:GvHXuytk0
>>1ありがとう、そして乙
- 248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:28:49.68 ID:GEsEzRuNO
>>1乙
感動をありがとう!
手術頑張れ!!
- 250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:36:52.76 ID:oFhrTA5jO
楽しかった
手術の無事を願ってるぜ
- 251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:38:32.94 ID:uhWJydKv0
素晴らしかった!乙
お大事に!
- 252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:38:35.64 ID:HXKjjfgZ0
これは乙と言わざるを得ない
- 256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 22:04:22.65 ID:HYBzJWm3O
最初から読んでました。
乙です!
- 259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 22:33:19.94 ID:0G6o3MY60
読み終わった!>>1乙!
こんな才能がオレにも欲しいぜ・・・
- 264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 23:50:25.67 ID:/2yTLnlJ0
乙です!
お大事に!
- 283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/20(木) 07:25:57.81 ID:zMqGai2cO
次の作品も期待してる
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