知らなきゃ激ムズ!?英語で倒置が起こる2パターン

英文法
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否定語などで起こる英語の倒置-1

英文の中を軽やかに泳いでいくためには、文法上の知識がいくつも必要となる。

ここでお話しする倒置も、そのひとつだ。

いったいどんな場合に倒置が起こるのか?

正確な知識を身に付けることで、イレギュラーな英文にも上手く対応できるようになろう。

CONTENTS

倒置とは「疑問文の語順になること」

否定語などで起こる英語の倒置-1

普段は「SV」という語順になるべきところが、不意に「VS」という語順となることがある。


Here comes John.
On the top of the hill stands an old house.


 
などがそのような例で、ちょっとした強調のためだ。
※主語Sが代名詞の場合は、倒置は起こらない。

ただ、こういった「SV」が「VS」になるだけの単純な倒置は、必ずしも「そうしなければならない」というものでもないし、文構造そのものも比較的理解しやすい。

知っておかないと厄介なのは、次のような「疑問文の語順になる倒置」だ。


Never had I thought I would regret falling in love.
Were it not for you, I’d be blind to this fact.


 
これらは「必ずそうしなければならない倒置」で、そこにはある一定のルールがある。

ここでは、この「疑問文の語順になる倒置」を、特に「倒置」として扱うことにする。

否定語が文頭に置かれた場合の倒置

否定語などで起こる英語の倒置-2

英語で倒置の起こるケースの一つ目は、否定語が文頭に置かれた場合だ。この場合、英文は必ず倒置を起こし、疑問文の語順になる。


I had never thought I would regret falling in love.
Never had I thought I would regret falling in love.
まさか恋に落ちたことを後悔するとは思わなかった。


 
注意しておかなくてはいけないのは、never(決して~ない)やhardly(ほとんど~ない)などの単語一語の否定語に限らず、否定的な意味の副詞句・副詞節が文頭に置かれた場合にも、同じように倒置が起こるということだ。


By no means can I consider him an expert.
どう考えても彼が専門家だとは思えない。
Under no circumstances will I go there again.
もう二度とそこへは行かない。
Not until I got to know her better did I realize what an amazing person she was.
彼女と仲良くなるまで、彼女がどれほど素晴らしい人物かわからなかった。


 
特に、否定的な意味の副詞節が文頭に置かれての倒置には、かなり面食らうだろう。どういう文構造になっているのか、直感的には判断しにくい。

否定語というのは何も一語とは限らない。このことを心に留めておこう。

なお基本的なことだが、「語」と「句」の違いについては、以下の記事がお役に立てるだろう。必要なときには、ぜひ立ち寄ってほしい。

※参考記事:前置詞・接続詞から学ぶ、句・節という概念

また、例文に挙げた「not until」というのは頻出の表現なので、以下の記事で個別に解説している。

※参考記事:また丸暗記してない?It was not until ~ that …は強調構文

仮定法を含んだif節での倒置

否定語などで起こる英語の倒置-3

先ほどの「否定語が文頭に置かれた場合の倒置」に比べると重要度は下がるが、次のようなケースも知っておく必要がある。


If it were not for you, I’d be blind to this fact.
Were it not for you, I’d be blind to this fact.
君がいなければ、私は事実を知らないままだ。
 
If you had said nothing, I wouldn’t have noticed something so minor.
Had you said nothing, I wouldn’t have noticed so minor.
君が何も言わなければ、そんな些細なことには気付いていなかった。
 
If the situation should change, I will inform you.
Should the situation change, I will inform you.
状況が変われば、連絡するわ。


 
このように、(仮定法を含むif節で)ifが省略されると倒置が起こるというわけだ。

細かなことを言うと、この倒置は「were, had + 過去分詞, should」の3つの場合に限るが、まずはザックリと、「仮定法を含むif節で、ifが省略されると倒置が起こるんだ!」と理解しておこう。

なお、「仮定法」というのは述語動詞Vの一種。勘違いしやすいところだが、if節そのものや文全体を指す言葉ではないので、注意が必要だ。

仮定法への理解を深めるためには、次の記事を参考にしてもらいたい。

さいごに

いかがだっただろう。今回お話しした中でも、特に否定的な意味の副詞句・副詞節が文頭に置かれての倒置には、なかなか気が付きにくいものだ。

しっかりと復習をして、今後上手く対応できるようにしておいてほしい。

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