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Oracle® Database Clientインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Microsoft Windows
B58879-09
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C Oracle Databaseグローバリゼーション・サポートの構成

この付録では、次のグローバリゼーション・サポートについて説明します。

C.1 異なる言語でのOracleコンポーネントのインストールおよび使用

この項では、次の手順について説明します。

C.1.1 異なる言語で実行するためのOracleコンポーネントの構成

Oracleコンポーネントを使用する場合、使用する言語と地域(ロケール)を指定できます。コンポーネントのロケール設定により、そのコンポーネントのユーザー・インタフェースに使用される言語、および日付と数値書式などのグローバリゼーション動作が決まります。Oracleコンポーネントに応じて、コンポーネントのロケールは、そのコンポーネントを起動したオペレーティング・システムのセッションから引き継いだロケール、またはNLS_LANG環境変数で定義したロケールが使用されます。

オペレーティング・システムのロケールは通常、Javaテクノロジに基づくOracleコンポーネントで使用されます。NLS_LANG環境変数で定義したロケールは通常、OCIなどのOracle Clientライブラリを使用するOracleコンポーネントで使用されます。


注意:

選択した言語でOracleコンポーネントのユーザー・インタフェースが表示されるのは、該当する翻訳リソースが使用可能であり、インストールされている場合にかぎります。そうでない場合、ユーザー・インタフェースは英語で表示されます。

C.1.1.1 オペレーティング・システム・ロケールの決定

Oracle Universal Installer、Oracle Net Configuration Assistant、Oracle Database Configuration Assistantなどのコンポーネントにおけるユーザー・インタフェースの言語や、グローバリゼーション動作は、オペレーティング・システム・セッションのロケール設定によって決まります。また、ユーザー・アプリケーションからOracle JDBCドライバを介して作成されたOracle Databaseセッションにおけるグローバリゼーション動作も、アプリケーションが優先されていないかぎり、オペレーティング・システム・セッションのロケール設定により決まります。

「スタート」メニューから「コントロール パネル」を開き、オペレーティング・システムのロケール設定を変更します。Windows XP、Windows 2003、Windows Server 2003 R2、およびWindows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2のコントロール パネルのクラシック表示の場合、「地域と言語のオプション」をクリックします。Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2のコントロール パネルのデフォルト表示の場合、「キーボードまたは入力方法の変更」をクリックします。

Windows XP、Windows 2003およびWindows Server 2003 R2で現在のオペレーティング・システム・ユーザーのロケールを設定するには、「地域オプション」タブの「標準と形式」領域のポップアップ・リストから希望するロケールを選択します。Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7およびWindows Server 2008 R2の場合、「形式」タブの「現在の形式」ポップアップ・リストから希望するロケールを選択します。

一部のロケールは、必要なオペレーティング・システムのサポート・ファイルをインストールしないと使用できない場合があります。Windows XP、Windows 2003およびWindows Server 2003 R2では、「言語」タブの「補足言語サポート」領域で適切なチェック・ボックスが選択されていることを確認します。

SQL*Plusなどの一部のOracleコンポーネントでは、Windowsシステム・ロケールも、そのコンポーネントを実行する言語に設定する必要があります。システム・ロケールは、Windows XP、Windows 2003、Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7およびWindows Server 2008 R2では「Unicode対応でないプログラムの言語」と呼ばれます。Windows XPおよびWindows 2003では、「詳細設定」タブの「Unicode対応でないプログラムの言語」領域のポップアップ・リストからロケールを選択します。Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7およびWindows Server 2008 R2の場合、「管理」タブの「システム ロケールの変更」ボタンをクリックし、ユーザー・アカウント制御がアクティブな場合は、管理権限の使用を受け入れ、開いているダイアログ・ボックスのポップアップ・リストからロケールを選択します。


注意:

システム・ロケールの変更後は、オペレーティング・システムを再起動する必要があります。Windowsのロケール設定の詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

C.1.1.2 NLS_LANG環境変数を使用したロケールおよびキャラクタ・セットの構成

NLS_LANG環境変数は、SQL*Plus、expおよびimpなどのコンポーネントのユーザー・インタフェースの言語およびグローバリゼーション動作を決定します。また、クライアント・アプリケーションおよびデータベース・ユーザー・セッションで使用される言語および地域を設定します。また、クライアント・アプリケーションでのデータの入力や表示に使用するキャラクタ・セットも宣言されます。

NLS_LANG環境変数の形式は次のとおりです。

NLS_LANG=language_territory.characterset

この形式の詳細は次のとおりです。

  • languageは、ユーザー・インタフェース、エラー・メッセージ、ソート、曜日および月の名前の表示に使用する言語を指定します。

  • territoryは、日付、通貨、数値のデフォルトの書式の規則を指定します。

  • charactersetは、データベース・クライアントのエンコーディング(クライアント・プログラムで入力または表示されるデータのキャラクタ・セット)を指定します。

    多くの場合、これはシステム・ロケールで決定されるWindows ANSIコード・ページに対応するOracleキャラクタ・セットです。

WindowsのNLS_LANGパラメータは、次のように設定できます。

  • レジストリで、指定のOracleホームに対応するサブキーの下に設定できます。

  • 環境変数として設定できます。

Oracle Databaseコンポーネントをインストールし、NLS_LANGパラメータがターゲットのOracleホームのレジストリ・サブキーでまだ設定されていない場合、Oracle Universal InstallerではNLS_LANGパラメータを、現行ユーザーのオペレーティング・システム・ロケールから導出されたデフォルト値に設定します。


注意:

AL32UTF8は、XMLTypeデータに適したOracle Databaseキャラクタ・セットです。これはIANAの登録済標準であるUTF-8エンコーディングと同等であり、すべての有効なXML文字をサポートします。

Oracle Databaseのデータベース・キャラクタ・セットUTF8(ハイフンなし)をデータベース・キャラクタ・セットAL32UTF8またはキャラクタ・エンコーディングUTF-8と混同しないでください。データベース・キャラクタ・セットUTF8はAL32UTF8で置き換えられています。XMLデータにはUTF8を使用しないでください。UTF8でサポートされるのはUnicodeバージョン3.0以下のみで、有効なXML文字がすべてサポートされるわけではありません。AL32UTF8には、このような制限はありません。

XMLデータにデータベース・キャラクタ・セットUTF8を使用すると、リカバリできないエラーが発生したりセキュリティに悪影響を及ぼす可能性があります。データベース・キャラクタ・セットでサポートされていない文字がinput-document要素名に表示される場合は、置換文字(通常は疑問符)で置き換えられます。このため、解析が終了して例外が発生します。



関連項目:

  • 複数のOracleホームに対するサブキーの場所の詳細は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』を参照してください。

  • NLS_LANGパラメータとグローバリゼーション・サポート初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。


次に例を示します。

  • アラビア語(U.A.E.) - ARABIC_UNITED ARAB EMIRATES.AR8MSWIN1256

  • 中国語(PRC) - SIMPLIFIED CHINESE_CHINA.ZHS16GBK

  • 中国語(台湾) - TRADITIONAL CHINESE_TAIWAN.ZHT16MSWIN950

  • 英語(イギリス) - ENGLISH_UNITED KINGDOM.WE8MSWIN1252

  • 英語(アメリカ合衆国) - AMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252

  • フランス語(カナダ) - CANADIAN FRENCH_CANADA.WE8MSWIN1252

  • フランス語(フランス) - FRENCH_FRANCE.WE8MSWIN1252

  • ドイツ語(ドイツ) - GERMAN_GERMANY.WE8MSWIN1252

  • ヘブライ語 - HEBREW_ISRAEL.IW8MSWIN1255

  • 日本語 - JAPANESE_JAPAN.JA16SJISTILDE

  • ロシア語 - RUSSIAN_RUSSIA.CL8MSWIN1251

  • スペイン語(スペイン) - SPANISH_SPAIN.WE8MSWIN1252

  • スペイン語(メキシコ) - MEXICAN SPANISH_MEXICO.WE8MSWIN1252

  • スペイン語(ベネズエラ) - LATIN AMERICAN SPANISH_VENEZUELA.WE8MSWIN1252

C.1.1.2.1 コンソール・モードおよびバッチ・モードでのNLS_LANG設定

SQL*Plus、SQL Loader、Import、ExportなどのOracleユーティリティをコマンド・プロンプト・ウィンドウから使用する前に、NLS_LANGパラメータのキャラクタ・セット・フィールドをレジストリでの値と異なる値に設定することが必要な場合があります。

これが必要なのは、コンソール・モードで実行されているプログラムでは、いくつかの例外を除き、GUIモードで実行されているプログラムとは異なるコード・ページ(キャラクタ・セット)を使用するためです。レジストリでは、デフォルトのOracleホームのNLS_LANGパラメータは、常に該当するGUIコード・ページに設定されています。コンソール・モード・セッションのNLS_LANGパラメータが適切に設定されていない場合、文字変換が正しく行われず、エラー・メッセージやデータが破損する可能性があります。

日本語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語、タイ語およびベトナム語では、コンソール(OEM)コード・ページはGUI(ANSI)コード・ページと同一です。この場合、NLS_LANGパラメータを設定する必要はありません。他の言語では、影響を受けるユーティリティを起動するのと同じコマンド・プロンプト・ウィンドウでSET NLS_LANGコマンドを発行し、NLS_LANGに正しいキャラクタ・セットの値を設定します。

同様に、バッチ・モードで、バッチ・プロシージャで処理されるファイルのキャラクタ・セットに応じて、プロシージャの開始時に、SET NLS_LANGコマンドを挿入し、NLS_LANGに正しいキャラクタ・セットの値を設定します。

現在のコンソール・コード・ページを確認するには、コマンド・プロンプト・ウィンドウでCHCPコマンドを発行します。表示されたコード・ページ番号を使用して、表C-1で対応するOracleキャラクタ・セット名を調べます。

表C-1に、コンソール・モード・コード・ページに対応するOracleキャラクタ・セットを示します。

表C-1 コンソール・モード(OEM)コード・ページに対するOracleキャラクタ・セット

OEMコード・ページ コンソール・モードのOracleキャラクタ・セット

437(US)

US8PC437

737(ギリシャ語)

EL8PC737

775(バルト語)

BLT8PC775

850(多言語ラテンI)

WE8PC850

852(ラテンII)

EE8PC852

855(キリル語)

RU8PC855

857(トルコ語)

TR8PC857

858(多言語ラテンI + 西ヨーロッパ語)

WE8PC858

866(ロシア語)

RU8PC866

874(タイ語)

TH8TISASCII

932(日本語Shift-JIS)

JA16SJISTILDE

936(簡体字中国語GBK)

ZHS16GBK

949(韓国語)

KO16MSWIN949

950(繁体字中国語Big5)

ZHT16MSWIN950

1258(ベトナム語)

VN8MSWIN1258


C.1.2 翻訳リソースのインストール

Oracleコンポーネントのユーザー・インタフェースを異なる言語で表示するには、それらの言語に翻訳されたリソースをコンポーネントとともにインストールする必要があります。インストールする翻訳リソースを選択する手順は、次のとおりです。


注意:

Oracle Database Vaultのユーザー・インタフェースのテキストの一部は、DVSYSスキーマのデータベース表に格納されています。デフォルトでは、これらの表には英語のみロードされます。Oracle Database Vault Configuration Assistantを使用すると、Oracle Database Vaultに別の言語を追加できます。必要な手順は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』の付録Cを参照してください。

  1. Oracle Universal Installerを起動します。

  2. 「インストール・オプションの選択」画面で、インストール・オプションを選択し、「次へ」をクリックします。

  3. 「システム・クラス」画面で、データベース・インストール用のシステムのタイプを選択し、「次へ」をクリックします。

  4. 「Gridインストール・オプション」画面で、実行するデータベース・インストールのタイプを選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「インストール・タイプの選択」画面で、インストールのタイプを選択し、「次へ」をクリックします。

  6. 「製品言語の選択」画面で、「使用可能な言語」フィールドから、製品を実行する言語を選択します。


    注意:

    「使用可能な言語」フィールドには、Oracleグローバリゼーション・ライブラリでサポートされているすべての言語が表示されます。通常、実際に翻訳されている言語はその一部であり、各コンポーネントによっても異なります。また、特定のコンポーネントにおいて翻訳の対象となる範囲は、言語によって異なります。たとえば、ユーザー・インタフェースのテキストがすべて翻訳されている言語もあれば、エラー・メッセージのみ翻訳されヘルプ・ファイルは翻訳されていない言語もあります。

  7. 「>」矢印ボタンを使用して、選択した言語を「選択された言語」フィールドに移動し、「OK」をクリックします。


    注意:

    Oracle Universal Installerでは、「選択された言語」フィールドに移動した言語でも、翻訳されていない場合は無視されます。

C.2 異なる言語でのOracle Universal Installerの実行

Oracle Universal Installerを実行する際に表示される言語は、使用しているオペレーティング・システムのロケールによって決まります。Oracle Universal Installerは、次のいずれかの言語で実行されます。

  • ポルトガル語(ブラジル)

  • 英語

  • フランス語

  • ドイツ語

  • イタリア語

  • 日本語

  • 韓国語

  • 簡体字中国語

  • スペイン語

  • 繁体字中国語

Oracle Universal Installerを目的の言語で実行する手順は、次のとおりです。

  1. オペレーティング・システム・ユーザーのロケールおよびシステム・ロケールを「オペレーティング・システム・ロケールの決定」で説明されているように変更します。

  2. 「Oracle Database Clientソフトウェアのインストール」の説明に従って、Oracle Universal Installerを起動します。

前述の言語以外を選択した場合、Oracle Universal Installerは英語で実行されます。