シン・仮面ライダーを見たので、いつものように備忘録を兼ねて、個人的な感想を書く。
前半ネタバレなし、途中から宣言してネタバレを書く。とはいえまっさらで見たほうが良いと思うので、まず映画館直行をおすすめする。
まず、ネタバレなし感想。
■ネタバレなし大枠
良いところ半分、悪いところ半分、視聴側の思い入れによって、かなり評価が動く映画だと思う。
自分が求めていたものとは違う。
俺はこの手の映画には常に「誰でも満足できるすごい映像作品」を求める。
そういう意味では、シン仮面ライダーはイマイチだ。
ただ一部の人にぶっ刺さるポイントはある。
そういうものの気がする。
自分は「世界に通用する日本のオタクコンテンツ」が生み出されることをいつも期待している。
だから、シン仮面ライダーには、マーベルシネマティックユニバースや、バットマンが収めた成功を収めてほしかった。こんな手があったのか!という正解を見せてほしかった。
ハリウッドがアメコミを「誰でも満足できるすごい映像作品」に仕上げたわけだ。
日本のオタクコンテンツをパシフィックリムとしてハリウッドでヒットする作品に仕上げた外国人監督もいる。
そりゃ、日本の予算と日本の監督で、大ヒットを当ててほしい。
そして、庵野監督のスキルならばそれができるんじゃないかと思っていた。
コジラ、ウルトラマンと、マスを意識したような作りをしていたし、仮面ライダーはとても期待していた。予算の差が莫大にしても、それをごまかせるジャンルでもあるし。
しかし、今回の仮面ライダーはそういうつくりではなかった。もっともっとドメスティックで内面的な話で、予備知識もいる。これが刺さる人は狭いだろうという印象だ。
俺が、「世界に通用する日本のオタクコンテンツ」が出来てほしい、と思うのは、俺の勝手な希望なので、それをいろいろな映画に託すのはまことに身勝手なのだが。
それができそうな押井守監督が明後日に向かってゆき、それなりに評価をされている宮崎駿がオタクコンテンツを毛嫌いしているこの状況下。
そこに庵野監督である。
期待しちゃうのも多少は勘弁してほしい。
そういう意味で期待外れの部分はあった。
しかし。ところどころよくこんなカットを撮ったなと思わせる絵がある。
これは面白いな、という原作の再解釈がある。
そういう部分で、自分はだいたい満足できた。
good/badをざっくり書いておく。当然個人の感想。
good
・ところどころあるとてもいいカット
・肉弾戦のアクション
・よいロケーション
・ライダーキック
bad
・安い造形
・安い背景セット
・セリフで語ってしまう構造
・ちょっと濃い目の演技
・英語のルー大柴的な使い方
・微妙なCG表現
・微妙なCGアクション
・微妙な肉弾アクション
正直、造形物とその撮影がもう少し良ければ、それで満足していた気もする。
例えば、ティムバートン版のバットマン大好きだけど、あれ造形と背景の見事さでほとんどの得点を稼いでいて、お話が面白いかというと微妙だと思う。
日本の実写映画はほんと予算の問題が大きいが。
予算をどこに使うかという部分も、ちょっとずれてかんじる。
■■■■これよりネタバレあり■■■■
amazonPrimeで視聴。
モデリングも絵作りも丁寧で一定水準をきっちり抑える作り。
ルパンは若い感じにアレンジされていて、どんどん老いていくわけにもイカないので、これはこれで良いと思う。
(宮崎駿時空のルパンは、1stシーズン後、歳を経て2ndシーズンの「死の翼アルバトロス」「さらば愛しきルパンよ」で、落ち着き欲望が薄い感じになっていったが。(時系列的に2ndシーズン的にカリオストロの城がある)。あのまま行けば今頃老衰なので、リセットや若返りは必要だろう。)
(モンキーパンチ時空のルパンは、もっと何もかもを超越したキャラなので、また別)
キャッツアイは、かなり厳しい。
もともと「美人三姉妹がレオタードで顔出し怪盗。同名の喫茶店を経営。ソコには刑事が入り浸り」という、難度の高い設定で。
少年ジャンプの漫画だからギリセーフなリアリティレベルを北条司の画力でねじ伏せてそれっぽくする、という大技だったので。
これを現代に復活させる難しさ。レオタードなんか最近見たこと無いよ、という現実。
なので、これをキャットスーツにしたりいろいろしてある。
それにしても、「女性3人が銃弾飛び交う中レオタードで飛び回る」をそれっぽく魅せることは難しい。
そして巨大版権x2。これは扱いが難しい。どっちかに偏れず。共通する敵を作りにくく。
そしてまた、「なんだまた、あなたが敵か」という内容。
でてくるキャラクターも、この人はこういう役どころだな、という最初の印象を裏切らず、最後まで役どころを演じる。
新しく新作を作るなら、踏み込んでほしい。
今までよくあったお話、これぐらいでいいだろうという画作り、これぐらいでいいだろうというオチ。
そういうのはもういい。すでにいっぱいある。大型版権ならばなおさらだ。
ルパン三世というIPにはもうかなり飽きがきていて、今の時代に作るのは懐古主義しか無いのではと思っていた時期があった。
それが、
シーズン5が、凄く良い出来で、現在のデジタル化社会の中で、ルパンが活躍する理由と、活躍の仕方まで踏み込んでいた。
作り手の、踏み込み次第でまだ、今見て楽しいルパンが作られていたのだ。
これを見ちゃうと、古いIPが、ある程度の客が見込めるからとりあえず作る、という、手垢の付いたやり口でも。
誰かが、どこかで、踏ん張ると、なにか、イイモノできちゃうんじゃないかと思っちゃったりする。
ルパン三世vsキャッツアイも、
あと少し、ほんの少し、なにか良い偶然があれば、もっといいものになったんじゃないかなと思う。
底力は足りているようにみる。出来ている絵はお話を乗せて発射させるに十分足りている。
じゃあ、どこに向けて発射するか、そういうところに、チャレンジが欲しかった。
という、欲張りな感想。
旧年中は大変お世話になりました。本年も宜しくお願い致します。
うさぎ年なので、ラビット関根を描いてみましたが、若い頃の関根勤のイメージ(緑色の全身タイツでカマキリ怪人やってる)がわかる人が周りに減ってしまった;
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