ニコンAF-S 50mm F1.8Gは旧型と比べて周辺部の解像力とボケ味が改善している

photozoneに、ニコンAF-S NIKKOR 50mm F1.8Gのフルサイズ機(D3X)によるレビューが掲載されています。

Nikkor AF-S 50mm f/1.8 G (FX) - Review / Test Report

  • 鏡筒はハイクオリティなプラスチック製で、造りはとてもしっかりとしている。フォーカスリングはわずかな重さがありスムーズに回転するが、残念なことに若干の遊びがあり、回転の方向を変えると数ミリの間、フォーカスユニットが移動しない。これは精密なピント合わせではイライラするかもしれない。
  • ピント合わせでレンズの全長は変わらないが、真のインナーフォーカスではないので内部の鏡筒は動く。前玉は回転しないので偏光フィルターの使用は容易。超音波モーターによるAFは非常に静かだが、AF速度は50mm F1.4G同様それほど速くはない。しかし、AFは日常の使用では、ほとんどの被写体で十分な速度だ。
  • 歪曲は1.4%前後の中程度の大きさのタル型で、単焦点レンズとしては予想よりも大きい。しかし、歪曲は大口径の標準レンズとしては標準的で、周辺部に直線的な被写体を入れなければ目立たない。
  • 周辺光量落ちは、開放で1.5EV前後で、絞れば改善し、F2.8以上では特に周辺光量落ちが目立ちやすい被写体を除いて問題はなくなる。
  • 中央の解像力は開放からとても良い値(very good)だが、いくらかコントラストが不足している。F2.8以上に絞ると中央は素晴らしい値(excellent)に達するが、F11以上では回折の影響で解像力が落ちる。周辺部はテストしたほとんど絞り値でとても良い値(very good)で、F5.6では素晴らしい値(excellent)になる。四隅は周辺部よりも若干低い値で、開放では良い値(good)で、F2.8以上では、とても良い値(very good)になる。このレンズは絞るといくらかフォーカスシフトが見られる。
  • 倍率色収差は、1~1.4ピクセルで中程度の大きさ。色収差は開放では最も小さく、絞るに従って少しずつ大きくなる。これはフルサイズのテストとしては良い結果で、ほとんどの被写体では問題はない。軸上色収差(ボケの色付き)は、開放付近では非常に目立つ。
  • ボケは二線ボケの傾向があり、後ボケは若干うるさいが、少し絞ると、全体的な印象は少しよくなる。ハイライトの形は開放では口径食の影響が見られ完璧ではなく、絞ると絞りの多角形の形が見られる。しかし、ハイライトの縁取りは極めて少ない。
  • フルサイズでも画面の大部分でシャープで、とてもしっかりとした性能のレンズだ。周辺光量落ちは標準的で、倍率色収差と歪曲は中程度。ボケは卓越してはいないが、このクラスとしてはとても良好だ。旧型の50mm F1.8Dと比べると、新型は周辺部の解像力が向上し、ボケ味もよくなっているが、大きさと重さが増している。

 

光学性能は5点満点で3.5点と、まずまずの評価となっています。旧型の50mm 1.8Dと比べると周辺部と四隅の解像力がかなり向上しているので、風景などの撮影では新型のほうが使いやすそうですね。

兄貴分の50mm F1.4Gと光学性能は同等の評価となっているので、F1.4の明るさにこだわりがなければ、安価で軽量なF1.8Gを選ぶのもいいかもしれませんね。