Syrup16gとは、日本のスリーピースロックバンドである。
ボーカル&ギターの五十嵐隆が専門学校の同級生でドラムの中畑大樹、ベースの佐藤元章を誘い「SWIMS」というバンドを結成。その後、バンド名をSyrup16gに変更。由来は五十嵐の好きな甘い咳止め用シロップと、練習後によく行っていた某ドーナツ屋のガムシロップが当時16gだった事。
数枚のアルバムをリリースし、佐藤が脱退。その後、サポートメンバーとしてスタジオミュージシャンのキタダマキが加入。
再結成後初となるアルバム「Hurt」のメンバー欄において、五十嵐、中畑とキタダの間にスペースがなくなる。また、音楽(ベース専門)雑誌である、ベースマガジンの2014年10月号において、「Hurt」に関連したインタビューを受ける中で、サポートメンバーやパーマネント・サポートという立場ではなく「メンバー」という立場でアルバム製作とツアーに参加したことを述べている。翌年、「Hurt」の次にリリースされたep「Kranke」においても、メンバー間のクレジットにスペースが存在しないため、こちらの製作とツアーにおいても「メンバー」として参加していると考えられる。
「darc」も公式サイトでは「スリーピースの限界に挑む」と銘打っており、キタダは最早完全にSyrup16gの3人目として定着しているといえよう。
「あー、楽しかった。darcっていうのを作ったんですけど・・・ これは、俺的にどうしたもんかなと思って・・・ 年間最新レポート。 こうしてツアーに回れるっていう得があったっていうんで出してよかったと思うし、ゼッタイあの・・・darcもうちょっと聴いてあげてください。来年もまた出すかもしれないけど、味がしなくなるまで聴いてやってくださいと述べ、未だ創作意欲が衰えていないことを告げ、さらなる新作発表をファンに約束している。
思えば2014年の再始動以来、年に一枚のリリース、年に一回のツアーと、syrup16gとしてはコンスタントに活動してきました。上記のように、小休止前という点を踏まえた上での構成となったため、最新作から処女作Free Throwを遡る形のセットリストに変化、「来週のヒーロー」「I.N.M」が再結成後初めてセットリストに加えられた。
休止とかおおげさなものではないですが、このへんで一休みします。
少しの間、冥途に旅してきます。
みなさん、旅の前にツアーでお会いしましょう。
syrup16g スタッフより
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/syrup16g_staff/status/1613823500103602176
フロントマン五十嵐は現在現役のミュージシャンの中でも髄一の速筆としても知られている。
デビュー作の時点で既に録音の有無に関わらずストックが100曲以上あり、アルバムに入れていくのは常にその活動期のベストとなっているという。
活動再開時にも解散時のストックが非常に多く残されていたにも関わらず、10曲以上も収録されたフルアルバム形態の全編書き下ろし作品を発表して世間を驚かせた。
作曲ペースがあまりに速いため、活動時期と音源の作曲時期が一致しないことも多々あり、「delayed」「delaydead」のdelay(遅れてきた者)シリーズはそうした「過去の」楽曲を寄せ集めた作品でもある。
近年、「ダーリー」「タバスコ」「take me in」といった2005年以降の未発表作品で演奏回数が極端に少ないにも関わらず公式セットリストに曲名ごと記載されたまま復活後も放置されたままになっている点や、再結成後のバンド状態や演奏クオリティが全体的に安定していること、「透明な日」「赤いカラス」が2016年のHAIKAIツアーでCD未発表にも関わらず演奏されたことなどから、この“Delayシリーズ”の継続を期待する声も日増しに大きくなっていたため、2017年にシリーズが13年ぶりに再開され、パート3にあたる『delaidback』には、多くの未音源化作品が陽の目を見ることとなった。それでもアルバム1枚分以上はゆうに越える楽曲が遺されていること、五十嵐自身も「Delayedシリーズはいつでも出せる」といった発言をしている点から、今後、シリーズの第4弾、第5弾と続刊が発表される日もそう遠くないのかもしれない。
五十嵐が如何に作詞作曲を行っているのか、については活動初期に以下のように明かしている。
(2001年のインタビュー記事からの抜粋なので、今も同じかどうかは不明)
つまるところ、大滝詠一や桑田佳祐に始まるデタラメ言葉に歌詞を見つけて乗せていく、という手法で、近年でも桜井和寿、YUIなどが同じ方法を用いている云わば『ロックミュージシャンの作曲法における基礎中の基礎』を知らず知らずのうちに習得していた、ということである。
曲はどうやって作っているのか? という問いに対して
『基本的にギターでしか作れないんですけど、ギターのコードの響きっていうか
自分で”他にはない”と思えるような響きをみつけてそこから作る感じですかね。
メロディーは結果的には1個しかなかったりするんですよ。
自分で開発したと勝手に思ってるコードに乗るメロディーは自分のなかには1個しかなくて、それを探す作業というか。
大雑把に言えば、コード進行をまず探って、そこから歌メロが決まって、その後歌詞がのっかるということ。歌詞についてはいまだに…。
文章を書くっていうのが好きじゃないんですよ。
読むのはすごい好きなんですけど。文字で表現するっていうことがまだいまイチわかってないというか。
あまり歌詞っぽくない歌詞っていうか、そういうものを敢えて選んでしまうところがあって、その方向で開き直るというか、そういう感じなんですね。
最初にデモテープを作った時からそれは思ってて。歌詞っぽい歌詞ってあるじゃないですか。
比喩を多用したりとか、共感しやすい言葉を使ったりとか。
そういうのは敢えて使わないで、深くリアリティーのある言葉を自分のなかで探すっていう。で、それがメロディーと拮抗していくように…。メロディーと言葉が相殺し合わないような言葉を選んでいくっていう。ひとつの歌詞を書き始める場合のとっかかりは、何かひとつの言葉で
全体的な物語みたいなものを作るっていうことは自分の作り方としてはなくて。
メッセージ色っていうのは別にないと思うんですけど、自分のなかで引っ掛かっている強い言葉が自然に何個か歌詞のなかに入ってくるっていう。ただ、そのとっかかりになる言葉が結果的に完成品の歌詞の中心になるかというとそうでもないですねえ。
たとえばサビは音楽的には盛り上がるべくして盛り上がってるところだから
そこに強い言葉を必要とはしないと思うんですけど、逆にAメロとかBメロのなかで言いたいことを言っていくっていう感じなんです。
サビっていうのは一番聴かれるところだから、そこでイメージを限定したくないという。とっかかりの言葉が曲とタイトルにつながっているかというと、タイトルは凝ったものにしてしまうとそれがキーワードになってしまうじゃないですか。
でも、僕の場合はそういうものではないから、歌詞のなかにある幾つかの言葉のひとつとしてポンと取り上げてるだけで、そこから何かを広げようとかしないし。
きっと表現っていうのは、そんな安易なものじゃないから、だんだんわかりやすくしていく方向にはあるんですけど…。
でも自分たちのリアリティーとして”正しいことばっかり言ってられない”というか人間のなかにあるひと言では言い表せられないようなものを書きたいっていう気持ちがあるから。まあ、書けてるかどうかは別にして、敢えてキーワードみたいなものは作らない。
syrupっていう名前もそういう考えからきてるし。』
『最初に鼻歌で歌ってるようなときは英語っていうかデタラメ英語なんですよ。
昔から聴いてきた英語の発音の語感に付随してキレイなメロディがあったりして。
でも日本って節回しで歌を作るっていうか、音にコトバをはめ込んでいくっていう感じがするんですよ。
最近だとそういうバンドが多いじゃないですか、洋楽をあんまり聴いてないような。
でも僕は自然と英語で出てきちゃうんですよね。
だから日本語で歌ってるんですけど、メロディへの乗り方は洋楽的というか。
だから……コトバに関しては本当、別物として考えてるんですよね。
ただ、メロディを壊さないように。詞が(曲に)勝っちゃってるのもちょっとイヤだから。
その……曲が黄昏れてるときに思いっきり違う詞を持ってくるおもしろさにも惹かれるけど、やっぱり……洋楽って何も考えずに聴けるところが良いと思ってて、その感覚に近いんですよね。
耳に全部が入らなくても、抜けていってもいいから、たまにひっかかるものがあれば、それで良くて。そういう、聴き流せるものであるべきかなって思うんですよね。』
なお、『coup d'Etat』発売時の新星堂フリーペーパーPause vol.109 2002年7月号でのFAXインタビューでは、影響を受けたミュージシャンについて下記のように答えている。
U2,Radiohead等(っていうのは限りなく嘘に近いです)。
五十嵐的には最も影響を与え続けているのは、まぎれもなく「俺」自身です。
嘘だっと思うなら一曲でも「あの曲に似ている」という曲を教えてください。きっとないはずです。
あっても言わなくていいです。
同インタビューでのsyrupの音楽で描きたいものは何か?という問いに対して
にごっている、という事。そして(本物の)シロップのように無色透明な存在を夢想するあまりに、にごっていく世界。と己。ソとドとシとラとソの中間にある無限の宇宙感。永遠のコドク。生命力。
--新星堂フリーペーパーPause vol.109 2002年7月号より抜粋
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最終更新:2024/12/22(日) 23:00
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