就活スケジュールと採用方法は近年、劇的に変化しつつある。まずは基本的な流れを押さえた上で、志望する企業ではどのようなスケジュール、採用方法を採っているのかを確認しよう。(取材・文/古井一匡)
職種を限定した
「ジョブ型採用」導入も
就活とは、学生にとっては自分が希望する業界や職種で働くための場(企業)を見つけ、企業にすれば自社において活躍してくれそうな学生を選ぶという両者のマッチングに他ならない。
そのため、学生には準備段階として、自分を知ること(自己分析)と業界や企業を知ること(企業研究)の両方が必要となる。
自己分析では、学生生活やこれまでの人生を振り返り、自分は何が好きなのか、どんなことが得意なのか、どんな業界でどんな仕事がしたいのか、などを確認する。
一方、企業研究ではそもそも世の中にはどんな業種や企業があり、どのようなことをしているのか、どうやって利益を上げているのか、足元の業績と将来性はどうなのか、給与や福利厚生はどうなっているのか、などを確認する。
職種についての研究も重要だ。同じ企業でも社内には営業、製造、マーケティング、物流、人事、財務・経理などさまざまな部門と職種がある。
将来のキャリアを考えた場合、職種における専門性を高めることも重要で、最近は職種をあらかじめ限定した「ジョブ型採用」を導入する企業が増えている。
以上のような準備を通し、接触する企業をピックアップする。
企業との接触はプレエントリーからだ。就活サイトや企業のホームページに自分の情報を登録し、その後に行われる会社説明会に参加する。
DHR(ダイヤモンド・ヒューマンリソース)の福重敦士氏は、新卒での就活は企業側が自社のことを親切丁寧に教えてくれる「チャンスタイム」だと指摘。「自分の興味ある企業で30社、その取引先で30社、合わせて60社を目安に説明会に参加しよう」とアドバイスする。
その後、夏や初冬のインターンシップを経て、本選考のエントリーへ。本選考のエントリーに当たっては、自己紹介や志望動機を記載したエントリーシート(ES)を提出し、並行して適性試験を受ける。
書類審査と適性試験の通過率は企業によって異なるが、おおむね6〜8割、人気企業になると2〜4割ともいわれる。
そして、面接が就活の本番だ。企業によって個人面接、集団面接、グループディスカッションなどさまざまな形式があり、1次から3次くらいまで続く。最終面接に合格すると、「内定(内々定)」として企業から採用の意思が伝えられる。