1991年に放送され、脚本家:吉本昌弘の名を天下に知らしめたジェットコースタードラマの嚆矢。「面白いよー」というのでレンタルしてみたのだけれど、いやー、こりゃすごいですね。「面白ければ何でもあり」で暴走の限りを尽くすサスペンスもの。最終的に主要登場人物が全滅してしまう。銃殺される人はまだいい(?)として、伊藤かずえさんに至ってはバラバラ死体にされてしまいます。
あらすじと人物相関図はこちらで確認できます。
主要登場人物にはスーパーマンが多く、会社を任されるや軒並み繁盛。だったら犯罪に手を染める必要なんてなかったんじゃないか。大企業の顧問から庶民の相談まで一人でこなす弁護士も謎。高々数千万円の再審費用とやらを何故か用立て(られ)ない主人公。終盤で争奪戦の対象となる孤児院だって、5億円もあるなら地方に移転すればいいじゃないか。……とか何とか、ぶつぶつ言い出すと止まらないので、ぶはは、と笑いながら見るのがいいのだと思う。面白かったです。
加野瀬さんが紹介されていたポニーキャニオンの商品紹介ページには薄幸のお嬢様から復讐に燃える女性に変貌する田代美幸役を熱演し、本作で女優として一気に知名度を上げた山口智子。牛乳で汚れた足を吉田栄作に舐めさせるシーンなど、ファンならずとも必見の名場面が満載。
とありますね。山口智子さんの変身はなるほどすごいのですが、驚き顔のシーンを見比べてみたら、なんだかメークが違うだけのような気も。
TVドラマ仕事集によると昨年も大映テレビ制作ドラマ「聞かせてよ愛の言葉を」の脚本をなさっていて、主演の伊藤さんのコメントなどを見るに久々の大映ドラマらしい大映ドラマとなっている様子。細々とであれ需要があるのはいいことだと思う。
仲谷昇つながりというわけでもないのだけれど、平行して観たドラマが「青い鳥」。こちらは「もう誰も愛さない」の対極に位置するゆったりとした展開で、それがいいところ、という作品。