2月20日(金)、東京・目黒雅叙園で開催されたDevelopers Summit 2015(通称:デブサミ)で、はてなエンジニアの下林明正(しもばやし・あきまさ id:shimobayashi )が、任天堂ビジネス開発室の矢野幹樹(やの・もとき)氏とともに「世界に展開できる ウェブサービスのつくり方」と題した発表を行いました。
【20-C-5】 世界に展開できるウェブサービスのつくり方 - Developers Summit 2015 #devsumi
日本、US、EUの3リージョンに展開するMiiverse
任天堂が提供する Miiverse は、Wii Uやニンテンドー3DS、そしてPC・スマートフォンでも利用できるコミュニケーションサービスです。日本、US(北米・南米)、EU(欧州・オセアニア)の3リージョンで展開しており、世界中の利用者がMiiを通じてつながることができます。
本セッションでは、世界3リージョンそれぞれに等しい品質・運用でサービスを提供する手法について、インフラ構築の面を任天堂・矢野氏が、続いて多言語対応について下林が、ふたたび矢野氏が企画運営について話しました。
マルチリージョンでのインフラ構築においては、データベースのマスター/スレーブ構成から監視・運用体制まで、数多くの課題があります。サーバー監視においては、はてな製のクラウド監視ツール Mackerel を活用しています。
多言語対応の運用と、さまざまな注意点
Miiverseは、日本語のほか欧州8言語(英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、オランダ語)と4カ国方言(アメリカ英語、カナダ・ケベック州のフランス語、アメリカのスペイン語、ブラジルのポルトガル語)の計13言語に対応しています。
各言語のテキストは、文章ごとにメッセージ識別子を発行し、それぞれ翻訳しています。機械的に対処しようにも、女性名詞か男性名詞かによって同じ「あなたの」が変化することもあるなど、言語によって単数複数、各変化などのルールが異なるためです。
Webベースの内製ソフトウェア(Hatena::Translator)を活用し、エンジニアでなくても各言語の翻訳テキストが修正しやすくなっています。
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発表内容の全体は、次に公開している発表資料を参照してください。
参考リンク
発表時の雰囲気は、次のツイートまとめから様子を知ることができます。
2015/02/20 デブサミ2015【20-C-5】世界に展開できるウェブサービスのつくり方
はてなでは、Miiverseのサーバーサイドの開発・運用に当初より参加してきました。ローンチ(Wii U発売)直前、任天堂の岩田社長が現はてな社長の栗栖らに開発について訊いた記事が任天堂のサイトに掲載されています。
社長が訊く『Wii U』 Miiverse開発スタッフ篇|Wii U|Nintendo
Miiverseのインフラについては、はてなエンジニアの渡辺が2014年3月のJAWS DAYSで発表した資料とレポートが下記の記事からご覧いただけます。
【イベント登壇レポート】JAWS DAYS 2014で、Miiverseの取り組みを弊社エンジニア渡辺が任天堂と共同で発表しました - Hatena Developer Blog