(仮説)発達障害と偏頭痛の関係、その対処方法

この記事の所要時間: 759
※当記事は素人がいち患者として集めた情報と個人的意見をまとめたものに過ぎません。当記事の情報にもとづいて行動した結果起きたことについては、当方はいっさい責任を負えません。ご自身の健康のことについては医師にご相談を。あしからずご了承ください。
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どうしても発作をゼロにはできないのが偏頭痛

偏頭痛が出るようになって約20年ほど、本当にこれには悩まされている。5年ほど前にトリプタンと呉茱萸湯に出会ってから発作の頻度と重さは劇的に軽減し、私のQOLは劇的に上がった。しかし、それでも発作が出るときには出るし、寝込むときには寝込む。

予防に漢方薬(呉茱萸湯)、発作時の偏頭痛薬(トリプタン)、頭痛体操、普段からの定期的な運動、ストレスをかけすぎないようにする、過度な五感の刺激を避ける、誘引物質とされるものを含む食べ物を避ける… すべてやっても、出るときは出る。

どうしても出てしまうときの状況というのはほぼ特定できている。

  • しばらくストレスが続いたあとにそのストレスから解放されたとき
    (大きなプロジェクトが終わる、抱えていた悩みごとが解決するなど)
  • 五感の刺激が強いところにいるとき
    (雑踏を歩くこと、乗り物での長時間の移動など)
  • 断続的な強いストレスにさらされているとき
    (大きな社会不安とか。たとえば深刻なテロなど)

これはもう本当に避けられないので、もう「出るもの」として日常を組み立てるしかない。

一度発作が起こると「縦のものを横にする」こともできず、そうーっと横になっておさまるのを待つしかないし、発作の前後は思考力も低下するので、仕事でも前もってスケジュールを組んでおくようなことができない。週5でフルタイム働くというのもなかなか難しい。だから、結局最近は雇用型でなく、業務委託型などのフリーランスとして働くようになった。

発達障害者には偏頭痛持ちが多い?(※素人の勝手な仮説)

私は、発達障害者には定型発達の人よりも偏頭痛持ちの率が有意に高いのではないかと思っているのだけれど、実際はどうなのだろうか。一応調べてみたが、発達障害と偏頭痛に関する医療ベースの言及は見つからなかった。いち患者としての言及であれば、この方の記事がなかなか良かった。すごい親近感…

【頭痛持ちと発達障害】 - なんだなんだ、そうだったのか 
http://marumushix.hatenablog.com/entry/2015/03/18/150313

発達障害者の中には、感覚過敏や過集中・注意散漫といった、脳・神経系の機能のアンバランスを抱えた人がいる。また、生きるうえで大きなストレスも抱えやすい。私もそのひとりで、自分の偏頭痛傾向の原因のひとつはこういった、発達障害の特性からくるさまざまな要素ではないかと思っている。

偏頭痛の原因のひとつに、五感への過剰な刺激や脳の過剰な興奮がある。面白いのが、こうして引き起こされた偏頭痛自体が、その最中と前後に五感の過敏や脳の興奮を引き起こすということだ。結果どうなるかというと、偏頭痛が頻繁に起こる人は、常に五感の過敏や脳の過剰興奮を背負っており、それがまた次の発作の引き金になるわけだ。

ここで私が思うのは、弱い発作をのべつ起こしている偏頭痛患者の症状と、五感の過敏や脳機能のアンバランスがあってたまに偏頭痛も起こす発達障害者の症状は見分けがつかないのではないか、ということだ。

こういうことは前から考えていたのだけれど、ツイ友のCookさんの指摘でこの思いはさらに強くなった。

アロディニアは異痛症とも呼ばれ、本来は痛くない刺激を脳神経系の異常によって痛みとして感じてしまう状態のことを言うのだが、偏頭痛のひどい発作のあと、また、重症な偏頭痛持ちの患者にみられる症状。私も、偏頭痛の前後は顔に軽く触れただけでピリピリ痛かったり、髪を結ぼうとすると髪が引っ張られる刺激で痛いとかいったことがあったのだが、これをアロディニアというらしい。

感覚過敏のある発達障害児などで、軽く触られただけなのを痛がって泣いたりパニックを起こす人がいる。彼らの感覚しているのはこのアロディニアが常態化したような世界なのではないか、というのがCookさんの提言。

私も同感。私はもともと感覚過敏があって小さな頃から異常なまぶしがり。曇りの日もよく、空を見上げると「目の奥が痛いな」と思っていた覚えがある。これが偏頭痛の前後になると車のライトなどを特に眩しく感じるようになる。光の刺激自体を痛みとして感じるほどだ。

※偏頭痛は月経のある年代の女性に圧倒的に多い疾患で、女性ホルモンが関係しているとも言われている。私も15ぐらいから出るようになった。小さい頃はまぶしさが偏頭痛につながることはなかったのが、月経があるようになってから偏頭痛につながるようになったのだと思う。

発達障害者の一部には、感覚過敏・脳のアンバランスがある→偏頭痛が出る→感覚が過敏になる・脳がアンバランスになる→さらに偏頭痛が起こりやすくなる→最初に戻る という地獄のエンドレスサイクルが起きるのではないだろうか。

重い偏頭痛の対処法:ためしてガッテンでも放送された偏頭痛予防薬

2015年10月14日、NHKのためしてガッテンで偏頭痛の予防についての特集があった。

あ!薬を飲むその前に 頭痛を元から断つSP : ためしてガッテン - NHK 
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20151014.html

この回では、予防薬の服用や頭痛体操の実施をすすめていた。予防薬の具体的な成分や市販名は、NHKだからなのか言わなかった。

偏頭痛の予防薬にはけっこう種類がある。こちらのサイトでわかりやすい一覧表になっているので参考に。

頭痛、片頭痛のことなら田村脳神経外科クリニック 
https://www.omega.ne.jp/tamura-k/headache/02.html

私は予防薬の存在を知ってはいても、最近は発作は月に1回あるかないかになっていたので必要性を感じていなかった。しかし、ここ2,3週間、急に偏頭痛が止まらなくなったので、困り果てて脳神経内科へ。3種類の予防薬をもらった。いずれも低用量。

  1. ベラパミル塩酸塩 (カルシウム拮抗薬):

    脳血管の収縮をおさえる→急激な拡張もおさえる→偏頭痛の発生をおさえる。
    もともとは、血管を拡張して血圧を下げ、心臓の負担を下げるもので、不整脈などの治療に使われているもの。
    副作用は徐脈や血圧低下、めまいなど。

  2. トピラマート (抗てんかん薬):

    脳の異常興奮をおさえる=セロトニンをどうだかする→セロトニンが悪さをしないので偏頭痛の発生がおさえられる(うろおぼえ)
    脳神経の異常発火をおさえるもので、もともとはてんかん発作をおさえるものなのだけれど、脳の過剰興奮からくるいろいろな症状全般に使われるらしい。たとえば発達障害の一部の症状のコントロールや双極性障害の症状のコントロールなどにも使われることがあるらしいし、偏頭痛予防にも使われる
    副作用は眠気、体重減少、摂食異常、めまい、しびれ感、発汗減少など。

  3. ノルトリプチリン塩酸塩 (三環系抗うつ薬):

    ノルアドレナリンとセロトニンを増やす→セロトニンが悪さをしないので偏頭痛の発作がおさえられる(うろおぼえ)
    抗うつ薬の中では最も古い世代だが、偏頭痛予防薬としては著効がみとめられるのでかなり多く使われてきたらしい。抗うつ薬の中では比較的副作用が多いが、偏頭痛予防の場合は副作用に耐えるかいがある程度の効果が見込める
    副作用は口の渇き、眠気、めまい、立ちくらみ、便秘、手のふるえ、かすみ目、尿が出にくい、動悸など。

結果どうなったかというと、1日めでいきなりぐっすり眠り、翌日は発作が起きなかった。口渇感と便秘、眠気が若干気になるが、抗てんかん薬と抗うつ薬については、もしかすると私の発達障害の症状コントロールにもよい影響を及ぼすかもしれない。

抗うつ薬は以前、パキシルを飲んだら変な副作用が出てびっくりしたことがあって以来避けていて、最近飲んでいた向精神薬は発達障害の諸症状改善のための低用量のエビリファイだった。けれど、私の考えすぎがちなところはちょっと抗うつ薬を飲むのもありかもしれない。最近の偏頭痛の連続は、パリの同時多発テロからくる不安→考えすぎ も一因だろうと思うので。どうも性格的に、不安なことはある程度自分で納得するまで考え詰めないと乗り越えられない人間らしい…

あなたの偏頭痛について教えてほしい

あなたの偏頭痛はどんなだろうか? 参考のために教えてほしい。ちなみに私の母は偏頭痛持ちで、彼女もどうも発達障害持ちっぽい。本人は絶対認めないけれど、幼少時から感覚過敏らしきものと、特有の不器用さがある。

感想、情報などは @decinormal1 まで。

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