「新春イロモネア」収録現場とオンエアの相違点

2010年最初のはてなダイアリー更新です。今年もよろしくお願いします。


さて、昨年12月25日にTBSで実際に観覧してきた「新春イロモネアSP」が年明け1月3日に放送されました。この実際に放送された内容が、収録スタジオで自分の目で見てきたものの「答え合わせ」ということだよね、という気持ちになってます。

今回のイロモネアを私的に振り返ります。


「おそらく自分の顔が出るだろう」

こっ恥ずかしさと、それとはうらはらの露出狂的な興奮に彩られた過剰な自意識に囚われながら、番組を見ることになりました。

実際、三組分の芸人のネタで、顔ががっつり映りました。正直ふだん鏡も見ないで暮らしている色気のない生活なので面食らいます。自分が自分じゃないようです。

「カメラに撮られてるかも知れない」

と頭の片隅で考えながらお笑いを見ている自分の表情は、どの芸人のときも漏れなく、歯を剥き出してニタニタと笑っていました。あまりのルックスのくだらなさに絶命しそうになりました。

「こいつなんで笑わないの?」「何様」と思われずに済んだのがせめてもの救いだと思っています。


そんな息子の顔をテレビ越しに見た北海道の母親から「映ってたよ」と新春初メールがリアルタイムで届きました。

事前に知らせておいたので夜遅くまで律儀に見てくれていたようです。よもや出奔したも同然の息子の顔をテレビ画面で確認することになろうとは思ってなかったはず。親不孝やら親孝行やらよくわかりませんが遠方から元気な顔を見せることができただけでも是とするべきでしょうか。

ちなみに親からの新春“三通目”のメールには、息子の顔についてのダメ出しがありました。

昔、写真で撮ったネガの中に、まん丸顔に目、鼻、口の小さい丸が並んだ1歳頃の○○君(本名)の顔が見つかり、○○(叔父の名前)ともども「可愛らしいね」と笑ったけれど、変わりましたね

親からの劣化認定いただきました!

たしかに小学校低学年くらいまではスノープリンス合唱団のような顔だったんや……。


話は変わります。

どんな出演者が出てくるのかは、事前に知らされてませんでした。

なので「なりきりモネア」のゲストとして優香や小倉優子がスタジオに立て続けに登場したときには、くそアイドル好きとして、かなりの昂ぶりました。ただでさえ小じんまりしているスタジオセットの中で、ぼくと優香や小倉優子の位置がかなり距離的に近かったのも超ありがたかったです。

「なりきりモネア」では出演者や客がスタジオのモニターで別の収録現場(今回はTBSの玄関)とつないだ中継を見ることになります。自分が審査員として小窓に映ってる可能性があるにも関わらず、「優香や小倉優子がネタ中にどう反応するかチラ見したい」という煩悩には、最後まで苦しみました。

ミニスカワンピ黒タイツという衣装の小倉優子が、徐々にずり上がっていく自分のミニスカに気づいてたまに下げてみる様子は、完全にエロモネアでした。

もうひとりの女性ゲスト・榊原郁恵は、ホリプロつながりで隣の席の優香が話し相手だったようで、往年のフジ「ものまね王座」における淡谷のり子と生田悦子のような関係性だと思いました。


いっぽう男性ゲストは佐々木蔵之介と賀集俊樹と細川茂樹。全員がTBSの新ドラマ番宣絡みの俳優です。

佐々木蔵之介がやはり圧倒的な声援を浴びていました。賀集利樹は最初高橋克典かと見まがいましたがちょっと似てるだけでした。細川茂樹はひとりだけドラマの役柄どおりという「白バイ隊長」役のコスプレをしており、確実に浮いてましたが、昨今のいわゆる「家電俳優」的なポジション取りからすると俳優と芸人との中間地点にいるようで、浮きっぷりすら自然体でした。

スタジオでは賀集利樹がかなり饒舌にコメントを残していました。しかし放送上では、ほぼすべてのコメントがカットされていました。シビアなものです。


「なりきりモネア」では、なりきりを終えた芸人が4組ごとに区切って並び、あらためてウンナンやスタジオゲストと絡む、みたいなくだりが用意されてました。

たとえば「あらためて見るとすごいメイクだな」とか「白い服着た奴ばっかだな」とか。ザ・たっちの二人と柳原可奈子が並んで「三つ子みたいだな」とか。フリーに遊ぶ感じです。

しかし、放送上そのくだりは、ほとんど無いことになってました。

オンエアされていたのは、はなわとナイツの塙という兄弟がそれぞれお互いの真似をして、ふたりで喋って「俺がおまえでおまえが俺で」状態になっていた部分くらいでした。けっこう贅沢にバッサリいくもんです。結果的にはその場だけのおたのしみになりました。


現場では、ディレクターや放送作家など男性スタッフの笑い声がかなりよく鳴り響いてました。スベリ芸にすら囃したてるように笑い声をたてることしきり。でもオンエア上ではそんな声がほとんど気になりませんでした。もっぱら聞こえるのは客席の声だけ。

客席と客席のあいだには「集音マイク」がいくつも点在していて、これら機材のセッティングには、かなり神経質に、ときにスタッフ同士がピリピリと言い合いをしながら時間が割かれていました。

綿密な事前準備、細やかな試行錯誤から、現場の臨場感はテレビにうまいこと乗っかってくるんだな、と放送を見ながら思いました。

またそのセッティング時のピリピリムードを、現場のフロアディレクター(松任谷正隆似)が客に気を遣ってやんわり陽気にたしなめていたのは、未だにいいイメージです。


最後に、ウンナンの背後に映っている巨大モニターのことですが、「この画面自体がスタジオには存在しなかった」という事実をお伝えして、ご報告を終わります。


画面はハメコミ合成です