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「弦に常に平行に当てる」コンセプトの新ピック「Essetipicks ZIRIYAB Mini 」レビューします!

先日発売された、新しいハンドメイドピック、Essetipicks ZIRIYAB(エッセティピックス ジリヤブミニ)。
イタリアのハンドメイドピックメーカーによる、ちょっと変わったこだわりのピックです。
このピックは、防弾チョッキにも使われる強い素材、ケブラー繊維素材を用いて作られたピックです。胸ポケットに入れておいたら銃弾を防いでくれる・・・かもしれないピックですねw
今回はこのピックの、ミニタイプ「Essetipicks ZIRIYAB Mini」を買ってみたので、さっそくレビューしてみたいと思います。では、いってみましょう!

Essetipicks ZIRIYAB Mini


こちらが、そのピックです。ぱっと見、普通のピックとあまり変わらないように見えますね。本体にはEssetipicksのロゴとPAT PEND.、つまり特許出願中の文字、そしてURLが書かれています。

逆側にはEssetipicks ZIRIYABと、Mini、Rの文字。右利き用モデルのミニサイズということが分かります。
で、この2枚の写真を見ても分かるとおり、ピックの片側が丸く削られていて、またピックの重心あたりの部分もへこんでいる加工となっているのが分かるかと思います。ピック自体はけっこう厚みがあり、硬いです。
 

適当に、そこらにあった他のピックと比べてみましょう。左から順にDunlop Ultex Standard、IKM TEARDROP Clean、Gravity Guitar Picks Classic Standard 2.0mm YELLOW 、V-Picks V-TR、Essetipicks ZIRIYAB Mini、SIK PIK D55です。Dunlop以外はちょっと癖のあるピックばっかり集めてみました。Dunlopも1.14mmなのでかなり厚めのタイプではあります。
まず、サイズですが、多くのスタンダードなティアドロップタイプと比べると一回り小さいのが分かると思います。硬さは、この中ではDunlopとIKM以外は非常に硬いので、それらと同じ感じですね。なんとなく持った感じですが、素材のせいかEssetiが一番比重が軽く感じました。
 

このピックの最大の特徴は、この形状です。見ての通りピックの先端が斜めに切られており、これによって弦と平行にピックをあてることができる、という仕組みですね。このピックは右利き順アングル用なので、左利きで順アングルのプレイヤーと右利きで逆アングルのプレイヤーは、左利き用として作られているモデルを選ぶことで、同じように弦と平行にピックが当てられます。
 

Essetiとは逆に、「ピックを弦に対し垂直に当てる」ことを目的としたSIK PIK(レビュー記事)は、このように先端の方向が逆になっているのが分かります。
 

実際に弦に当ててみるとこんな感じです。弦に対してピックの先端が平行にあたっていることが分かるかと思います。
 

他のピックも見てみましょう。SIK PIKはこのように、弦に対して垂直にピックがあたります。
 

普通のピックの場合はこう。これはGravity Picks(レビュー)ですが、見ての通り順アングルでピックがあたります。このあたりはプレイヤーによってことなるところですが、だいたいこんな感じと思っていただければと思います。
 
それともう1つ。このピックは「ピックの形状により、通常よりも大きく感じる場合があります。普段スタンダードなサイズをお使いの方はミニサイズを、おにぎり型等大きめのピックをお使いの方はスタンダードサイズをおすすめします。」という説明文が書かれています。なので私は普段スタンダードサイズだからミニサイズを選んだんですが、これは実際につかってみてよく分かりました。
上の写真で、SIK PIKは分かりにくいのでEssetiとGravityを比べてみてください。親指の先からピックが出ている部分の長さが、Gravityはほとんど出ていないのに対し、Essetiの方がはっきりと長めに出ているのが分かると思います。
これはピックの重心当たりに指を置くような形状となっているためで、そのため実際のサイズとは別に、使った感触としてピックそのものがひとまわり大きく感じることが分かりました。おそらくですが普段からピックの先を長めに出して使うプレイヤーにとっては、普段のものに近いサイズを選ぶと良いのかもしれないと思いました。
では、ちょっと音をいくつかのピックを比べながら録ってみましょう。どのくらい違いが出るんでしょうか。

サンプルサウンド


※サンプルサウンドでは、このピックを左から順に弾いています。参考までに、最後に指弾きを追加しています。
コード弾き:Download(聴けない場合はこちら)
単音弾き:Download(聴けない場合はこちら)

  • 録音環境

ギター:Fender USA American Vintage 57 Stratocaster リアPU
エフェクター:Landgraff Blues Boxicon ローゲインセッティング
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
使用ピック:Essetipicks ZIRIYAB Mini、SIK PIK D55、Gravity Guitar Picks Classic Standard 2.0mm YELLOW 、V-Picks V-TR、Dunlop Ultex Standard、IKM TEARDROP Clean、指弾き

音はこんな感じです。指弾きは普段全くやらないので、恐ろしくヘタなのはカンベンしてくださいw
まず和音の違いですが、これはほとんど感じられませんでした。一番違いが出やすいようにとストラトに軽いクランチブーストを掛けてリアで弾いてみましたが、やたら音が出ていない指弾き以外、ほぼ違いはありませんでした。
単音だとかなり違いが出ますね。こんなトレモロ弾きもあまりやらないので、ピックの違いによる弾きやすさの違いが音の乱れで分かると思います。まず違うのがアタックの強さですね。硬いピックは、こういう単音を弾いた際、ピックと弦が触れる際の音がけっこう出てしまうことが多いです。特に弦に対して直角にあたるSIK PIKはけっこう派手に音が出ます。GravityとV-Picksはそれほど変わりませんが、V-Picksの方がアタック音は大きいです。Dunlopのピック、この中では最もスタンダードなピックはかなり乱れていますが、普段一番使わないタイプなのでこれは慣れの問題だと思います。そしてIKMとEssetiはけっこう自然な音の出方をしているのが分かると思います。
これらのピックの中で、最近一番使っていたのがSIK PIKです。それを考慮した上で、実際に弾いてみて感じたことですが、EssetiとIKM、SIK PIKは同じくらい弾きやすいtお思いました。次にGravityとV-Picks(レビュー)。この2つは似たスタイルということもあって、弾いた感触はほぼ同じです。Dunlopはたぶん慣れていないだけですが、今回のピックの中では個人的にはちょっと使いにくいと思いました。指弾きは、まぁ論外な感じです。もうやりたくありませんw

では、今回の主役であるEssetiについてもうちょっと書いてみると、このピックのキモは弦に平行にあたる先端部分よりも、その前後にあるなめらかな丸い部分にあると思います。この部分が弦にあたると、うまいこと傾斜にそって弦を移動するのでアタックが強く出すぎることもなく、弦の上を滑るように動くのでひっかかりも全く感じませんでした。同じくらい弾きやすいと書いたSIK PIKとIKMを比べると、SIK PIKはおそらく慣れているから弾きやすいと感じたんだと思います。弦のひっかかりはかなり強めですが、指がピックに固定されるのでその力をうまく分散されるのがSIK PIKでした。IKMはピックの周囲が薄くなっているのでよくしなり、これにより弦の引っかかりをほとんど感じずに弾くことができました。
Essetiは今回初めて使ったわけなんですが、指を置く位置と先端の独特な形状によってこのピックに合った持ち方が簡単に分かりますし、そうやって持てばとても楽に、自然なプレイができるように作られているということが理解できました。
あとはまだまだ、使って見ないと分かりませんが、ピックの耐久性もかなり高そうです。削れるスピードが最も速いのはおそらくSIK PIKで、これは弦への接触の仕方からも仕方ないかと思います。耐久性が高そうなのはプレキシグラスのGravity、V-Picks、そしてケブラーのEssetiですが、実際使って見ないとなんとも言えないものの、形状からくる力の動きと素材自体の違いを考えれば、かなり長いこと使えるピックとなるのではないかと思います。
単純に面白そうだと思って買ってみたピックですが、これは相当使いやすいです。正直ピックとしてはかなり高価ですが、まずは1枚試してみても面白いかも知れませんね。
超絶ギタリスト、Tommaso Semrovによるデモムービー



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