新国連総会議長、同性愛を「容認できない」と発言

第64回国連総会議長に選任されたアリ・アブドゥサラム・トレキ氏が、同性愛は「容認できない」と発言したというニュース。

トレキ氏はリビアのアフリカ連合問題担当長官で、2009年6月10日に国連総会議長に選任されています。
9月25日(金)に行われた記者会見で同性愛関連の質問をされ、彼は以下のように答えたとのこと。


「その事柄は非常にデリケートで、非常に厄介です。イスラム教徒ですから*1、私はそれに賛成ではありません……それは世界の国々の大部分では、容認されていません。私の意見としては、この事柄には少しも賛成できません。私たちの宗教や伝統では、あまり受容できないと思います。
「世界の大部分で、それは容認できないことだとされています。民主主義の一種と考えてそれを認める国もありますが、私はそれが民主主義だとは思いません」
"That matter is very sensitive, very touchy. As a Muslim, I am not in favour of it . . . it is not accepted by the majority of countries. My opinion is not in favour of this matter at all. I think it's not really acceptable by our religion, our tradition.
“It is not acceptable in the majority of the world. And there are some countries that allow that, thinking it is a kind of democracy . . . I think it is not,”

うっわー。こんな人が国連総会議長って。

喋りながらだんだん調子に乗っていくのが目に見えてわかる発言ですよね、これ。「デリケートな問題」と当たりさわりのない表現で始めておいて、「イスラム教徒だから」と己の同性愛への不寛容を正当化し、次に「世界の国々の大部分」を持ち出して「(イスラム教徒でなくても)みんなやってるもん」理論で自説を補強。しまいには同性愛を認めている国を非民主主義的だとして攻撃、と。やれやれ。

国連が採択してるはずの世界人権宣言とか、どこ行っちゃったんでしょうね。こんな「宗教や伝統がいいって言ってるもん」「みんなやってるもん」理論が通るなら、世界中の差別も搾取も紛争も、ひとつもなくならないと思うんですけど。国連が氏のこの発言に対して何らかの対処をするのか、それとも黙認するのか、引き続きニュースをチェックしておかねばと思います。

単語・語句など

単語・語句 意味
United Nations General Assembly President 国連総会議長
preside 議長をつとめる

*1:この部分は「イスラム教徒として」と訳してもいいかも。原文は"As a Muslim"となっています。