1Uラックマウント可能なサーバを自作する

はてなでは以前から自社製サーバを使用しているのですが、今年の春に、新たに自社製1Uハーフサーバを開発しました。
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最近、タワー型だとメーカー製でもかなり安価なサーバがあるのですが、データセンターでの運用を考えると1ラックへの集積度が問題になってくるので、必然的にラックマウント可能なサーバが求められます。1Uサーバの中で価格対性能比のよいものを探すと、まだまだはてな的に使いやすいサーバが少ないので、今回このような1Uラックマウント可能なサーバを自社開発しました。

さてこのサーバの特徴としては、

  • ケーブル類がフロントアクセス
  • 組み立て簡単
    • いけてるインフラアルバイトのid:hxmasakiが組み立てると15分
  • 1ラックに60台以上搭載可能
    • もちろん、電源容量との兼ね合いもあります
  • ディスクのホットスワップが可能
  • 低消費電力
  • お値段据え置き
    • 以前の自社製サーバとほぼ同価格

といったところがあげられます。

また、パーツ構成は以下のような感じで、ほとんど汎用品を使っています。CPUファンとケースファンは薄型のものを使用していて、これらが多少手に入れにくいパーツでしょうか。その他は、全て秋葉原orネット注文で即日揃えることができるパーツです。

パーツ構成

  • CPU
  • メモリ
    • 2GB DDR2 x 4
  • マザーボード
    • Intel DQ45CB(低消費電力でお勧めです)
  • 電源
    • FlexATX 300W電源
  • シャーシ
    • 自家製
    • これは僕が設計して、板金工場のおっちゃんにつくっていただきました。

実際にさくらインターネットのデータセンターラックにマウントするとこんな感じです。以前のサーバに比べるとケーブリングがシンプルになり、格段にメンテしやすくなりました。データセンターで実運用をするとケーブリングの重要性を身をもって実感するので、メンテナンス性の向上は自分でもかなりうれしいところです。
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既にこの自社製1Uサーバは、はてなダイアリーのバックエンドサーバや、はてなブックマークのデータベースサーバ等として実際に活躍しています。また、アプリケーションサーバ用途、ストレージ用途、などいくつかのバリエーションを持たせるために細かな修正を加えています。ハードウェアといえども、ウェブサービスと同じで、日々実運用しながら改良を行っています。