木走日記

場末の時事評論

「絶対おかしいもん、この国会」〜娘よ残念ながら君はたぶん正しい

 本日は与太話です、笑って読み流してくださいませ。



 昨日のこと、小学6年生の娘が居間でなにやら難しい顔をして新聞を開いていました。

 普段新聞といえばTV欄しかみない子なのに、これはいったいどういうことなのか、ちょっと興味がわいたので本人に聞いて見たところ、今、社会科の授業で国会とかを勉強していて、先生から各自自宅でネットや新聞から関連のある記事を取り上げて学校で発表する宿題を課せられたのだそうです。

 ふむふむと納得して、で、娘におまえはどんな記事を切り抜こうとしているのと聞いたならば、なんと補正予算案の採決関連の記事を集めていたのであります。

 それは毎回のようにお父さんがブログで取り上げている話題だからわからないことがあったら何でも質問していいよ、と私は思わず親バカ丸出しのリップサービスしてしまいました(苦笑)

 で、娘の質問に答える羽目になったのですが、質問にこたえるはずが話がとんでもないことに・・・

 最初は定額給付金って何という話やら、記事に出てくる用語の話だったので子供にも理解できるように説明し、娘も納得していたのです。

 個人的にはアンチ麻生政権の木走でありますが、しかし説明していて、学校の学習が目的ですからなるべく親の価値感や偏見を娘に与えないように説明しようと配慮するのはけっこう大変でして、定額給付金がなんで国民や野党が反対しているのかは、私見をまじえず世論調査の結果を客観的に教えるのにとどめたりしておりました、けっして麻生さんの悪口は口にしないでです(苦笑)。
 
 が、採決の話でおもわぬところで説明に窮する事態が待ち受けていたのでした。

娘「こっちの記事では「民主党は、審議が尽くされていないとの理由で、補正予算案の採決に抗議し、採決前に退席の方針」ってあるけど、なんで「審議が尽くされていない」と「採決前に退席」しなきゃいけないの?」

木「うーん、これはね、大切な国の予算だからいっぱい議論したいのに、政府が急いで多数決しようとしているから抗議の意味で採決に参加しない方針を採るんだよ、野党としては「定額給付金」を除いた予算案にしたかったんだ、国民に政府の乱暴さを示す狙いもあるけどね」

娘「「抗議の意味」なら採決に参加して反対すればいいじゃん」

木「うーん、採決に参加しても衆議院では与党議員のほうが多いからね、結果は変わらないと判断してるんじゃないかな」

娘「先生が学級会のとき、少数の意見もよく聞いてそのうえでみんなで話し合って決めるのが多数決だっていってたもん」

木「それはそうなんだけどね、与党も野党も妥協できなかったんだ・・・」

娘「だったら最初から審議なんかしないで多数決とればいいでしょ、そんなの絶対おかしい」

木「・・・」

娘「あと、一番わからないのはここの部分、「その場合民主は参院審議入り拒否の方針」」

木「それはね、参議院は野党議員のほうが多いから民主党が主導権をとれるんだよね、で、政府への抗議の意味で最初「審議拒否」しようとしてるんじゃないかな」

娘「おかしいじゃん!! 衆議院では審議が足らないから採決欠席したんでしょ、じゃ参議院でいっぱい審議すればいいでしょ、なんで拒否しちゃうの、そんなの絶対おかしい」

木「うーん・・・」

娘「先生がね、学級会とか最後まで全員で話し合うことが一番大事なことだっていってたもん」

木「うーん・・・そうだね」

娘「審議が足らないって文句言っておいて審議しないって言うのは絶対おかしいもん、この国会」

木「・・・」

 ・・・

 ・・・

 この国会がおかしいのか、自民がおかしいのか、民主がおかしいのか、娘がおかしいのか、父親がおかしいのか、最後にはよくわからなくなってしまいました(苦笑)が、とりあえず娘には与党には審議を打ち切り採決をする「権利」があり野党には審議を拒否したり採決を欠席する「権利」があること、この国の国会ではしばしばいろいろな戦術が駆使されることを説明するにとどめておきました。

 「あなたのいだいた疑問は尊いけれど、議員の先生方も国民を代表して一生懸命この国のことを考えて国政にあたっている(はずですよね?)のだからね、たったひとつやふたつの記事で国会を「絶対おかしい」と決め付けてはいけないのだよ」、とまとめておきました。

 ふう。

 それにしてもです。

 先生へ、私も子供のころ新聞の切り抜きの課題などしましたのでご趣旨はよく理解しておりますが、今このタイミングではこのような政治的課題は出していただきたくなかったですな・・・、親として正直なところ子供に説明がつきません(苦笑)。

 あと自民党さんへ、なんでも強行採決というのはいただけません、国会は議論の場でありますから妥協点を見出す努力をもう少しできないものでしょうか、面子とかいろいろ事情があるのでしょうけど・・・正直なところ。

 あと民主党さんへ、全国の小学校の学級会で審議拒否が流行らないため(苦笑)にも、教育的配慮から、いいかげん、そろそろ審議拒否というのは止めていただけませんでしょうか・・・これも正直なところ。

 娘よ、残念ながら君はたぶん正しい。

 ・・・

 本日は与太話でした。

 ジャンジャン。



(木走まさみず)