反知性主義には、個人で、日本で十分対抗できる

昨日のエントリの続きです(´・ω・)


昨日のエントリは、かねどーの記事にしては珍しく、たくさんのブックマークがつきました。またtwitterでの反応を見る限り、日本の大学に「反知性主義」が横行してるのではないかという点については、結構多くの人(特に現役の大学生)が同じ問題意識を持っているようです。この悪しき傾向はわが大学に限らず、かねどーの友達が10人以上いる大学全般(東大、一橋大、慶応大、早稲田大等。実は上記より知的なのが津田塾大)に共通している模様。さてこの部分に関して、次のようなblog記事を見かけました(´・ω・)


日本の大学へ行ってはいけない理由
http://d.hatena.ne.jp/elm200/20100116/1263597766

日本の大学(とくに文系)は、学生たちに「勉強なんかしなくていいんだよ。大学でいろいろ難しいことを習うがそんなの社会にでて何の役にもたたないよ。知識を身につけ論理的な思考をするより、他者の顔色を見てうまく合わせる(コミュニケーション能力)ほうが重要だよ」という誤ったメッセージを強力に送り出してしまう環境なのだ。


なるほど、言わんとしていることはそんなに違わない気がします。しかし「だから日本の大学はダメだ。海外の大学に行け」というメッセージには賛同しません。例え大学が全体平均としてダメでも、その中で個人が流されず知的に成長することはやる気があればいくらでも可能です。逆に、そういう意欲がない人が海外の大学に行っても、自然と知的になれることはないと予想されます。少ないサンプルですが、かねどーが大学2年次に滞在していたトルコにおいても受動的に大学に行ってる人はたくさんいたし、勉強してる人は大学がどうというのと関係なく勉強してました。大学生諸賢は、「日本はもうダメだ。これからは海外だ」「自分がダメなのは日本の大学に通ってるからだ。」と言って海外脱出で成長する自分を妄想する前に、まずやれることからやってみてはいかがでしょう(´・ω・)


僕が思うに、知的な学生を目指すために、日本の大学生が海外に出なくても始められることはいくつかあります。

※上の記事では英語についても触れられていますが、とりあえず英語の話は除外。海外での日常生活や、簡単な議論、就活に困らない程度の英会話でよければ、日本でもすぐ身につきましたが。


1,「反知性主義」を突っぱねる

「勉強なんてつまんない」
「勉強するよりバイトしたり部活したほうがいい」
「大学の勉強なんて社会に出て役に立たない」
「大学生活では何かひとつのことにとことん打ち込むべきである」
「知識を身につけ論理的な思考をするより、他者の顔色を見てうまく合わせるほうが重要」

という先輩の助言を、にこやかに聞き流しましょう。周りが勉強してないからといって、あなたが勉強しちゃいけないということはありません。大学生活について相談するのであれば、部活のパンフ持って勝手に寄ってきて「人生の先輩」面したがる大二病の上級生ではなく、あなたがこれからの大学生活で何をしたいのかについて真摯に話を聞いてくれる、しっかりした上級生を探して相談しましょう。あまり露骨にやると友達が減るので注意(´・ω・)


2,大学の授業や大学図書館をフル活用する

大学の授業には非常につまらないものも数多くありますが、あなたが何かの分野に興味を持つきっかけとなるような良い授業もたくさんあります。ぜひとも活用してください。授業内容で決めるのではなく、教授の評判を聞いて決めるのがコツです(興味ある分野でもつまらない授業を受ける位なら独学した方がマシだし、面白い教授の授業ならどんな分野でも面白い)。授業は「この授業で何かを学ぶ」というより、「ある分野を面白いと感じて自習しはじめるきっかけ」とするのがよいでしょう。またシラバスに載っている「教科書・参考文献」は、面白い本を探す上での参考になります。


また、大学図書館は宝の山です。例えばこのようなサイトは、面白い本を見つける上で非常に役立ちますが(特に「新入生に薦める100冊」シリーズ)、このようなネットの書評に載っている良書の相当数は、最新のものでなければ大学図書館で借りることができます。利用しない手はありません(´・ω・)


ちなみに、TB元の記事で比較に使われている「海外の一流大学」の授業も、ネットでうけられるよん(´・ω・)

Academic Earth
http://academicearth.org/


3,ネットをフル活用して先輩や心の先輩を探す

一昔前には、大学生の時分に出会うことができる人は「クラスや学部、ゼミの友達」「部活やサークルの友達」「バイト先の友達」といった関係にほとんど限られていたのかもしれませんが、今はネットがあり、付き合う人のレベルがそのような外的条件に制約されることが少なくなりました。勉強会やオフ会にどんどん参加し、「飛び地」の人間関係を作りましょう。名言と愚行wikiやfreedom SNSを通じて知り合い、リアルでも会うようになった友人達(他大の学生、官僚、社長に教授にニートまでよりどりみどり)から、僕は大きな知的影響を受けています(´・ω・)


また、必ずしも実際に会うような関係である必要はありません。何かのwebサイトやブログを見て、それが新しい勉強や変化のきっかけになったとすれば、それは非常に望ましいことでしょう。例えば中高生の時に見たとつげき東北のwebサイトなんかは僕の思想形成に大きなインパクトを与えていますし、他にもこのサイトã‚„このサイト、このサイトにこのサイトなんか、様々なきっかけをくれたと思います。大学生になってからのkanedoは、半分位はネットに育てられたと言ってもよいかもしれん(´・ω・)


全て個人のやる気と知的好奇心次第です。頑張ってください(´・ω・) >これから大学1年生、2年生になる、賢明なみんなへ