セレンディピティたっぷりのはて☆スタユーザ別トップページ

セレンディピティは「偶然の幸運に出会う能力」と定義される。つまり、『「A」というものを探し求めている旅の途中で、全く異なる「B」に出会い、その結果幸運をつかんでしまった(P.110)』こと。

はて☆スタのユーザには、それぞれにホームページが与えられる。

たとえば私のトップページはこれだ。

ここには、「私が☆をつけたブロガーの記事の中で、誰かが☆をつけたエントリ」がブロガ一人につき最新一件、一覧表示されている。

自分が巡回してあちこちに☆を付けた直後にここを見ても、たった今自分が「ちょっといいな」と思ったエントリが並ぶだけで、何も偶有性が無い。しかし、しばらく他のことをしてからここを見ると、あるいは、朝一番にここを見ると、そこには自分の全く知らなかった面白いエントリが並んでいる。

コントロールできる部分とそうでない部分のバランスが絶妙なのだと思う。

コントロールできるのは、「誰の」エントリがここに入るかである。それは、自分が☆をつけたブロガに限定されている。

コントロールできないのは、☆をつけたそれぞれのブロガが書いたたくさんのエントリの中で、「どれを」選ぶかだ。たくさんの、はて☆スタユーザがそれぞれ自分の関心に従って☆をつけていくので、なかなか予想できない。また、ここには☆の数は考慮されないので、1000個☆がついた大人気エントリーがあったとしても、後から別のエントリに誰かが一人だけ☆をつけると、そちらが優先して表示される。

RSSリーダやはてなブックマークの「お気に入り」機能は、これと比較すると、コントロール可能な部分の方が大きい。つまり、自分が選んだ信頼する人たちの最新エントリや最新ブクマが時系列に従って整然と表示される。ノイズはほとんど無いが驚きも少ない。

はてなブックマークのトップページは逆に、コントロールできない部分が大きい。別の言い方をすればシグナルノイズ比が高い。「出会い」も多いがノイズも多い。

はて☆スタのユーザ別トップページも、(しばらく放置した後には)コントロールできない部分が大きいのだけれど、そこにはノイズでなく「セレンディピティ」があるように感じる。

自分も中学のときはまあ適当にやっててそこそこだったけども、進学校の高校にいったら最初のテストでいきなり数450 人中 400 番とかで、もうね、アホかとバカかと。数学の点数が 23 点とかで、まあみんなそんなもんだろうと思って友達に見せたりしてて、なんか自分より低い人がいなくて、そのうちクラスで一番下だったことに気づいたという事件があった。

たとえば、こんな一年近く前の短いどうということのないエントリが上がっていたりする。

しかし、読みかえしてみると、クラスで一番下であることに気がついたのが、友達に見せた後であることに、ちょっとした意味を感じてしまう。

私だったら、誰かに自分の答案を見せる前に、そのことに気がつくと思う。おそらく、私のようなタイプの方が多いのではないだろうか。状況を把握する前にためらいなく情報を開示するというのは、欠陥ではなくて才能だ。その才能が、現職で活用されている部分があるに違いない。

生まれた時からとは言わないが、少なくとも高校1年のこの時点で、この少年は、将来、はてなのCTOになる運命だったのだよ、きっと。

ということで、みなさんも試しに、あちこちに☆をつけて1日寝かせてから自分のトップページを見てみると面白いですよ。