ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス　生涯とその思想 | I.Ｍ. カーズナー, 尾近裕幸 |本 | 通販

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リバタリアニズムの理論的な支柱となった人物であり,フリードリヒ・ハイエクの師匠でもある,経済学者ミーゼス（1881-1973）の生涯・思想をコンパクトにまとめた入門書。

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本の長さ

272ページ
言語

日本語
出版社

春秋社
発売日

2013/6/25
寸法

19.5 x 13.8 x 2.2 cm
ISBN-10

4393621867
ISBN-13

978-4393621868
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商品の説明

著者について

1930年生まれ。ニューヨーク大学教授。オーストリア学派の経済学者で、ミーゼスの薫陶を受けた。企業論で高い評価を得ている。

登録情報

出版社 ‏ : ‎ 春秋社 (2013/6/25)
発売日 ‏ : ‎ 2013/6/25
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 272ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4393621867
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4393621868
寸法 ‏ : ‎ 19.5 x 13.8 x 2.2 cm

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軽佻浮薄の人
カーズナーのミーゼス入門
2021年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新古典派と對比しながらミーゼス之理論を簡潔に傳へてゐる。市場に於ける企業家的󠄁競爭や其ダイナミックなプロセスに對する說明は明快に感ぜられた。

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レポート
robocon
主張の内容と根拠がわからない
2015年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
経済学のテキストで、ミーゼスの名前を見ることはほとんどない。彼がどのような主張を展開したのか、またその根拠はどのようなものだったのかを理解しようとして本を手にとってみたが、結局判然としなかった。均衡にいきつくプロセスについても、どのような議論が展開されたのか関心があったのだが、やはりよくわからなかった。

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ぷらくしおろ爺
自由主義を理解するための一書
2013年8月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス生涯とその思想」は、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスのニューヨーク時代の弟子である、イスラエル・メイヤー・カーズナーの著作になる、ミーゼス入門書と言うべき本である。

ミーゼスの著作の邦訳は、「貨幣及び流通手段の理論」（東米雄訳）、「ヒューマン・アクションー人間行為の経済学ー」、「経済科学の根底」、「自由への決断ー今日と明日を思索するミーゼスの経済学ー」（3冊ともに村田稔雄訳）の計4冊しかない。

これは、本書の訳者である尾近裕幸教授の解説にある通り、日本において、“ミーゼスは正しく理解されていない、いやむしろ誤解されている”（pp.228）という何よりの証拠であろう。

尾近教授は、この現状を打破するべく、効果的な“介入”の手段として、本書の邦訳を決意されたものと考えてもよいだろう。しかも、ロスバードではなくカーズナーを選んだところに、尾近教授の深い思慮が伺える。

本を翻訳する時、訳者の仕事に対する情熱は、訳の精度という内側の部分もちろんのことだが、訳者解説などの外側の部分に如実に現れる。ミーゼスを理解する上で、この訳者解説と付録のミーゼス著作紹介は非常に助けになる。

唯一の難点があるとすれば、本書それ自体が難解であるということであろうか。それは、ミーゼスの著作一般にも共通することである。ミーゼスの言う「経済科学」は、従来の経済学とは違い、社会科学ではなく、あくまでも人間行為科学だからである。

本書を読めば、ミーゼスの経済学、「人間行為の経済学」の視点は、我々、一人一人の人間に当てられていることがわかる（そしてカーズナーが師の理論を忠実に継承した後継者であるということも）。

重要なのは、ミーゼスの「人間行為の経済学」が、ミーゼスをして「自由主義、自由市場の最強の擁護者」としたということである。ミーゼスの理論に対する理解なくして、自由主義は理解できないのである。

本書の翻訳は、日本における自由主義にとって、まさしく福音であったと言えよう。

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木村貴
大きな政府は貧困への道
2014年8月22日に日本でレビュー済み
市場に積極的に介入する「大きな政府」は、経済の繁栄を妨げる。大きな政府の極致である社会主義は、ソビエト連邦や旧東欧諸国の崩壊後、さすがにほとんど支持されなくなったが、「ほどほど」の大きな政府である福祉国家（現在の日本、米国、多くの欧州諸国）については、政治信条の左右を問わず、いまだに信奉者が多い。しかし、たとえほどほどであっても、市場への介入が経済の足を引っ張ることに変わりはない。それどころか、福祉国家は本質的に、政府の統制がしだいに強化され、結局は社会主義に行き着く危険をはらんでいる。

社会主義、福祉国家という二つの大きな政府を早くから徹底的に批判したのが、オーストリア出身の経済学者ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス（1881-1973）である。本書は弟子のイスラエル・カーズナーによる評伝で、ミーゼスの主張が手際よく紹介されている。

まず社会主義である。ミーゼスは1920年、社会主義の計画経済を批判する論文「社会主義共同体における経済計算」を発表した。1920年といえば、ロシア革命で史上初の社会主義政権が樹立されてまだ三年しかたっていない。この早い時期にミーゼスは、社会主義者が主張する合理的な経済計画は不可能であると断じた。

その根拠はこうだ。合理的な経済計画を行うには、事業の健全性を判断する損得の計算が必要である。そのためには、さまざまな経営資源（土地、原材料、機械、労働力など）に市場価格がなければならない。ところが社会主義では、定義上、これらの資源は国有化されているから、市場価格が存在しない。経営資源に市場価格がなければ、どれほど勤勉で献身的な中央計画者でも、自分の判断が合理的かどうかを知ることができない。

社会主義経済は努力や工夫をすればなんとかなるものではなく、まさにその原理上、合理的に行うことは不可能であるという根源的な批判をミーゼスは突きつけたのだ。しかもこれは現在主流の経済学とは異なり、経済統計を実証的に「分析」した結果ではなく、純粋な論理から導かれたものである。カーズナーは、ミーゼスの根本的な社会主義批判を「幻想を粉砕した」（186頁）と表現する。

次に福祉国家である。福祉国家にみられる「ほどほど」の大きな政府の政策を、ミーゼスは介入主義と呼ぶ。とくに1930年代の大恐慌後、西側の資本主義世界では、自由放任主義の「危険」や「行き過ぎ」に歯止めをかけると称して、政府の市場介入が声高に唱えられるようになった（実際には大恐慌の原因は自由放任経済ではなく、政府の市場介入だった）。しかしミーゼスはそれに異を唱えた。

資本主義と社会主義を組み合わせた混合経済が実行可能な「第三の道」だという考えは神話にすぎない、とミーゼスは信じていた。介入主義政策は「消費者の選好を無視し、そのために消費者の目的を実現できないために失敗する羽目になるか、あるいは、政策立案者自身がまったく意図しない困った結果をもたらす」（189頁）。たとえば、最低賃金法や、労働市場に介入する労働組合びいきの法律は、失業を生み出す。拡張的な金融政策は不況を引き起こし、貧困層はもちろん、貯蓄や他の資産を保有する人々を苦しめる。ケインズ的完全雇用政策は、結局、人々を不幸にする物価騰貴を引き起こす。

だが介入主義がもたらす最悪の事態は、他にある。政府による経済の統制が不可避的にどんどん強化されることだ。たとえば、ある商品市場の価格が「高すぎる」と感じた政府は、価格の上限を設定する。これは経済学の初歩で学ぶとおり、その商品の不足を引き起こす。するとこの不足に対処するため、政府は配給を始めたり、商品の原材料市場にまで価格統制を拡大したりすることになる。同種の統制がさらに広がれば、介入主義体制は社会主義に変貌する。「福祉国家というのは、市場経済を着実に社会主義へと転換するものに過ぎない」（192頁）とミーゼスは憶せず述べた。

ただしこの場合の社会主義は、ミーゼスの主著『ヒューマン・アクション』（村田稔雄訳、春秋社）での分類にしたがえば、「ロシア型社会主義」ではなく、「ドイツ型社会主義」である。ロシア型社会主義が「全く官僚主義的で……すべての工場・商店および農場は、形式上国有化されて」いるのに対し、ドイツ型社会主義は「生産手段の私有を名目上表面的に保持して」いるものの、「もはや企業家は存在せず、企業経営責任者（ナチの用語でBetriebsf'hrer）のみが存在している。これらの企業経営責任者は……すべて政府の生産管理最高官庁が出す命令に、無条件で服従しなければならない」（同書、760頁）。

日本人の多くは、ソ連や旧東欧、北朝鮮などの失敗が明らかになった現在、先進国が社会主義に逆戻りすることなどありえないと信じている。しかしそれはロシア型社会主義の話であって、福祉国家からドイツ型社会主義への距離はそれほど遠くない。

最近米国では企業救済や国民皆保険を推し進めるオバマ大統領が保守派から「社会主義者」と非難され、これにリバタリアンの経済学者トーマス・ソーウェルが「社会主義者ではなくファシスト」と異論を挟んでいるが、これは定義の問題にすぎない。ソーウェルがもとづく標準的な定義によれば、ファシズムとは生産手段（経営資源）の私有を名目上のみ認める体制で、ミーゼスのいうドイツ型社会主義と同じだ（ナチスの正式名称は「国家社会主義ドイツ労働者党」）。米国同様、介入主義にのめり込む日本や欧州も、社会主義（ファシズム）への危険な道を突き進んでいると言わなければならない。

さて、ここで注意すべきは、社会主義に合理的な計画は不可能だと断言したミーゼスも、「社会主義経済が、たとえ数十年間であっても存在できない、といったわけではない」（185頁）ことである。意思決定が合理的でなくても、「存在」し続ける程度のことはできる。だからソ連が長期にわたって存在しても「ミーゼスはまったく動揺しなかった」（185頁）。それでも結局、合理的でない判断を重ねたソ連経済はその非効率から成長が阻害され、国民を貧困で苦しめ、最後は崩壊して七十年の歴史に幕を閉じた。

一方、実証主義的な主流派経済学を代表する米国のポール・サミュエルソンは、ソ連経済にきわめて楽観的だった。岩波書店から邦訳も出ていた有名な経済学教科書の1961年版で、ソ連のGNP（国民総生産）は1984年から1997年の間に米国を追い抜くだろうと予測した。サミュエルソンは版を改めるたびに繰り返し同様の分析を載せたが、米ソ逆転の時期だけがいつも先に延ばされ、1980年版ではとうとう2002年から2012年の間になってしまった。

アレックス・タバロックによると、「その後の版でサミュエルソンは予測を外したことを認めず、ソ連経済は『天候不順』（"bad weather"）だと述べる以外、ほとんど言及しなかった」。数少ないコメントの一つが、ソ連経済が崩壊しかけていた1989年の版で平然とこう記したことだ。「多くの懐疑論者が信じていたのとは逆に、ソビエト経済をみれば、社会主義の計画経済が機能し、成長もできる（can function and even thrive）ことは明らかである」

このあまり名誉といえないエピソードで思い出すのは、欧州経済危機がまだそれほど深刻でなかった2010年春、日本のある経済評論家が出版した本で、わずか三十年のデータをもとに、政府の財政拡大は経済成長を妨げず、むしろ促すと主張したことだ。財政赤字を二十年以上続けても立派に経済成長を遂げている例として挙げた国のうち、堂々の成長率トップはギリシャ。その他、上位にはポルトガル、スペイン、キプロスなどが名を連ねた。ある意味、なんとも興味深い実証分析の成果である。

政府が介入主義を続けても、すぐにGDP（国内総生産）の減少につながるとは限らない。もともと介入主義のバイアスがかかったGDPは定義上、政府支出を増加要因としてカウントする仕組みになっているからだ。上述のように、社会主義のソ連ですら、一時は米国を追いかけて経済成長したのである。だがその陰では、市民が劣悪な生活を強いられ、最後はミーゼスの理論どおり、経済全体が壊滅した。日米欧の介入主義経済は、資本主義の部分がまだ残っているものの、放置すれば、ミーゼスの警告どおり社会主義（ファシズム）が到来する可能性は否定できない。

大きな政府は社会を豊かにせず、むしろ貧しくする。それは社会主義だろうと福祉国家だろうと、違いはないのだ。私たちはミーゼスに学び、大きな政府が繁栄をもたらすという幻想から完全に目覚めなければならない。

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シュンペーター、ドラッカーからの解放と日本企業の進路
2013年8月17日に日本でレビュー済み
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イノベーションと言えば、十中八九、真っ先に日本人の頭に浮かぶのはシュンペーターかドラッカーの2氏の名前であろう。広く日本の大衆（学者も含む）に好まれる要因の一つに、どちらも「理論」としてイノベーションを論じ切れていない点が挙げられよう。そこがまた、曖昧で良いというのが、一方では技術を突き詰めつつも、他方では精神論を崇め奉る、そうした日本人の精神構造に合致するのであろう。しかしミーゼスと、その高弟であるカーズナーのによる「理論」は、本書の内容からもそのエッセンスを十分に感じ取ることができる。そして彼らの「理論」にもう少し耳を傾けることができるならば、日本企業のこれからの進路にも明るい兆しが見え始めるのではないだろうか。

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ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス　生涯とその思想単行本 – 2013/6/25

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