シートン俗物記

非才無能の俗物オッサンが適当なことを書きます

捕鯨兇状旅

日本政府の捕鯨の一番の目的は何ですか?
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1110803096


アホか…。こんな駄法螺みたいな話を今になって「タメになった!」とか云ってんの?
ま、yahoo!知恵袋なんて


強姦しても女性が濡れたことが立証できれば、法的に強姦罪は成立しないって本当ですか?
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1414385349


て質問に

女性は姦淫行為に真に反対している場合は「濡れる」ことはありません。

よって「濡れる」ということは姦淫行為に同意していることの表れなので強姦罪は不成立です。

がベストアンサーに選ばれちまうようなところだからな。当てにする方がマヌケなんだが*1。
さて、

本当の目的は...水産資源を守り、日本の食糧資源を確保することにあります。
食糧自給率の低い日本ですが、幸い漁場には恵まれていまして、海からの食糧供給はある程度望みが持てます。
科学的でも論理的でもない捕鯨禁止を看過すれば、他の水産資源も捕鯨問題と同様の事態になりかねず、
今でも自給率で問題がある日本の食糧資源は、さらに他国に頼らざるを得ないことになります。
つまり有事の際、食糧を日本に販売しないという政策を他国に取られれば、内容に関わらず言いなりにならざるを得なくなるわけです。
# 本音で言うと、関係者は捕鯨再開で日本の文化を守る云々という非現実的な夢など見ていません。
外交上、著しく不利になりかねない食糧問題の象徴が捕鯨で、日本政府として絶対に譲れない問題なのです。

まず、鯨に関して云えば、食糧供給にはまったく寄与しない。


財団法人日本食肉消費総合センター 消費動向調査
http://www.jmi.or.jp/info/survey.php?id=13


こちらを見てもらうと、日本人の食肉消費動向が判るのだが、日本人の平均的な世帯消費量は牛肉で週に300gほど。
一方で鯨はどうか。


1位長崎、上位に旧拠点地 調査捕鯨の鯨肉推計消費量
http://www.47news.jp/CN/200806/CN2008060401000677.html

長崎がトップで177・4グラム−。調査捕鯨の「副産物」として国内で販売されている鯨肉の都道府県別推計消費量が4日、調査捕鯨を実施している共同船舶(東京)の調査で分かった。1人当たりの年間消費量は長崎、宮城、佐賀、山口、福岡の順。全国平均は50・2グラムだった。捕鯨基地があった地域などで消費が多いことが確認された。

年の消費量で平均50g程度。ちなみに、現在の調査捕鯨の捕獲頭数は商業捕鯨モラトリアム直前の半分近くにまで及んでいる。つまり、「鯨の保護に影響を与えない」と強弁できる限界は現在の倍以下でしかない。だから、どんなに鯨の消費量が増えようと年間で100g程度でしかないのだ。
これは、日本人の平均食肉消費量の一日分程度でしかない、ということ。
そんなものがどうして望みある食料として考えられようか。


参考:
http://www2.odn.ne.jp/ews/%20kuzira.html


捕鯨中止が他の水産資源確保にも影響を与える、というのはまるっきり戦前の日本の「満蒙は日本の生命線」とかいうスローガンと同じだ。
そもそも日本は食料だけでなく何もかも諸外国頼みなのに、水産資源だけで何とかなるつもりなのか?訳判らん。大体、そんなに水産資源が大事なら、なぜ日本沿岸部や内水面を破壊するような真似を許容しているのやら。

国際外交をモラルを持った賢人が集まって決めているような幻想を持たないで頂きたい!(当然、経験者です)

まぁ、こんな事を言っている“経験者”とやらが交渉に加わっているのなら、賢人が集まっている、とは云えませんな。

捕鯨問題は日本の高度経済成長を疎ましく思った勢力が、人種差別的な反日キャンペーンを張ったことから持ち上がりました。
別に日本人が野蛮な人種であることを世界にアピールできれば、捕鯨でも何でも良かったわけです。

こいつ、真性のマヌケか?捕鯨のモラトリアムって、諸外国も巻き込んでの交渉だったんだがな。特にスペインと旧ソ連、それからノルウェやアイスランドなども大反発している。どこに人種差別的要素があるんだよ。

さらに水産の資源問題で圧力を掛けて畳みかければ、世界トップレベルの技術力を持ち、世界最大の日本の水産市場に大打撃を与えることができるかもしれません。
日本の貿易黒字の増大を憎む人々が、日本経済を脅かそうと放ってきた問題だったわけです。
当然国内の大反発が予想されたのですが...工業製品の輸出で利益を受けている人々が問題を大きくしたがらなかったため、国内世論が割れ、水産庁は国家が一枚岩となっての効率的な手を打てず、漁業者は一方的に損害を受けました。

割れもクソも、当時そんなに問題にならなかったよ。当時、消費拡大として学校給食に利用されたのは昨日説明した。大体、工業輸出とバーターにされたのは農業の方が大きかったんだけどね。そちらの方が問題じゃないの?

200海里経済水域なんて、今では当たり前に思われているかもしれませんが、これも日本を標的とした世界の国家間の取り決めです。
結果、日本の遠洋漁業は、完全に衰退の一途を辿りました。

それでなくても、捕鯨問題を持ち出されるだけで、日本としては諸国にODAをばらまかざるを得ないのです。
もし今まで看過すればどうなったでしょう?10年以上前にマグロが制限を掛けられていたはずです。

なんか、凄い事書いているな。そりゃ、ODAが諸外国に対する賄賂も同然、という告白か?実際のところ、水産関係での援助でIWCにおける票集めはしばしば批判の対象になっているけどね。しかし、日本におけるODAの役割のほとんどはそんな理由じゃねぇよ。
マグロに関して云えば、漁獲制限を掛けて資源保護を行う事は既に当然の事なんだけどね。

英語で魚のことをプアミートと呼びます。
他国では、魚が食べられなくても肉を食べればいいや...程度の扱いなのです。
魚を食べる社会の底辺の人々のことなど知ったことではありません...と。

アホか。ドイツじゃ魚料理は高級な扱いだぜ?イギリスのフィッシュ&チップスを始めとしてスペイン、フランス、イタリアでも海の幸は存在する。無理矢理な日本特殊論はみっともないぜ。

文化的な側面も考えてみて下さい。
ペリーが黒船で来航し、日本に開港を迫った理由は捕鯨基地が欲しかったからですよ。
当時の女性のスカートに鯨の髭が使われていたのです。肉は海に捨てていました。
これにより鯨資源は減少しました。

明治以前ならともかく、明治以後の近代捕鯨では日本だって主たる捕鯨目的は鯨油だったし、肉を海に捨てていたりした。

また、敗戦直後の日本人にタンパク質を提供するために、漁師さん達が命懸けで捕鯨を行ったのです。
「日本の子供達に栄養を!」それが、彼等の合い言葉でした。
歌のサビの一部にもありますが「生きて帰らん、望みは持たじ」です。
ちなみに、捕鯨問題で国内がごたついた際、漁師さん達からは「裏切られた」と水産庁は責められました。

食糧事情が戦後とはまったく異なっているわけでしょうが。その論法なら炭坑や「国鉄」は維持しなければならないだろうよ。

捕鯨問題の最先鋒であるアメリカでは、絶滅の危機にある北極鯨を捕鯨問題から外し、現在でも捕鯨しています。
一方で、資源として増えすぎ、他の水産資源を減らす原因となっているミンク鯨などは、捕鯨が許されていません。
あまりにも不公平で異常である状況にお気付き願います。

このホッキョククジラの捕鯨は、アラスカの先住民捕鯨の事。彼らの伝統文化としての儀礼的な捕鯨を認めるか、という事で、商業捕鯨と比較できるような話じゃない。

捕鯨問題が持ち上がった時点で、減少している鯨資源に関しては、日本政府としては保護の立場を取らざるを得ませんでした。
日本の水産庁の方針は、持続的利用可能な水産資源です。
減少している種類は、保護すべきという立場ですし、領土問題が中国,韓国,ロシアとの間にあるため、EEZ(経済水域)が事実上設定できない(相互乗り入れ海域)と、資源保護に関して頭を抱えています。
でもですね、こと水産問題に関しては、この国は本気で取り組んでいますよ?ODAの内訳でも見てみればよいです。


それほど大事な水産資源なのに消費量は減っているそうですわよ。


「全世代で魚離れ加速 水産白書」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/econpolicy/254038/

政府は15日、平成20年度の「水産白書」を閣議決定した。白書は、国民1人当たりの魚介類摂取量が減少し続け、全世代で魚離れが加速していることを指摘。学校給食やスーパーの店頭などで魚料理の定着を図るよう呼びかけた。
記事本文の続き 白書は、厚生労働省の「国民健康・栄養調査報告」をもとに、19年までの魚の消費動向を分析。国民1人当たりが1日に食べる魚介類の量は18年に80・2グラムと、統計を比較できる昭和24年以降で初めて肉類(80・4グラム)を下回った。19年は魚介類は横ばいだったが、肉類は増加し、その差は2・4グラムに広がった。

 魚介類の消費量は19年までの10年間で全世代で減り、肉類の消費はどの世代でも増加した。調理が比較的に簡単な肉料理を出す家庭が増えたことや、生ごみの処理が敬遠されたとみらている。このため、下ごしらえした魚の販売拡充や、学校給食で新メニューの拡大が必要としている。

 一方、日本周辺水域の水産資源が低迷していることや、高齢化による漁業就業者の減少から魚介類の安定供給に影響がでることへの懸念を表明した。


鯨より心配しないといけないのは、他の事じゃないの?

理不尽な要求を甘受すれば、さらに理不尽な要求が来ます。
さしあたってはマグロですし、次は中国を叩くために、サメのキャンペーンが張られますよ。
FAOも国連も一切活動していない海域、しかも私達が水産資源管理庁の頂点にいる、そういう国で、のうのうとサメの漁獲量が減っているグラフなどが発表されるのです。
日本を支持した大臣の首がすげ替えられ、協力者が失踪する...外交戦の裏側です。

盲目的に他国の宣伝を信じ、自分自身の首を絞めることに荷担しますか?

国民感情が反米に傾くことは拙い。従って、国民に事実を伝えることが許されない。
検閲もありますし、メディアの自主規制もあります。やめたからこそ書けるのですけど。

つーか、盲目的に自国の宣伝を信じるのが拙い、というのは教訓としてあるんだけどね。


それにしてもなぁ、このくだらない話を真に受けてアメリカを始めとして諸外国に敵意をむき出しにする連中が見られるのだが(オーストラリアやニュージーランドなど調べるとヒドい云われようだ)、ブクマでもそうした論調に同調する連中って、こないだまで普天間移設問題で鳩山内閣に「アメリカ様の機嫌を損なうな!」って主張していなかったっけ?


オレとしては沖縄の負担を減らすためにはアメリカ海兵隊は最低でも県外移設。出来ればグアムなどにどいてもらう事を希望する。だから、つまらない無意味な捕鯨問題などでこじらせる方が問題だと思うんだけどね。


なんか、ネトウヨの中では物事の優先順位付けがおかしくなってんじゃないの?
ま、元祖自民党も課題の優先順位付けしくじっているみたいだしね。バカは度し難い。


「保守」を前面に 自民党運動方針案全文判明
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100110/stt1001102310010-n1.htm


関連エントリー


・自滅する捕鯨
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080110/1199954666


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http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080111/1200043013


・新 自滅する捕鯨
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080115/1200386784


・自滅する捕鯨 征服
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080117/1200559138


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・自滅する捕鯨 の軍団
http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20080122/1200991642

*1:他にも小沢一郎に関する話とかがヒドい