花の都で輝く花――「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」5話感想
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クレジットを見るまでシャルロッテ役を鈴木みのりと勘違いしてたとかおいは恥ずかしか!生きておられんごっ!(ズブドバ
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第5話「「人を結ぶ手紙を書くのか?」」
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」5話を視聴。突如として時は流れ、僕達は成長したヴァイオレットを見る。その美しさとそれに感じる戸惑いを描くようなお話。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
前回まではその回の主役がヴァイオレットに自分を見る事が多かったが、今回はどうもそうではない。それはいつも登場人物をハッとさせてきたヴァイオレットが手袋を外すシーンが描かれない事からも言えるように思う。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
「何かを外す」事で中身が描かれるのは、今回はゲストのシャルロッテだ。ティアラを外した彼女はベッドに篭り不満をぶちまけたり、姫ではない1人の少女としての内心をヴァイオレットに見せる。それを聞くヴァイオレットは既に手袋を外しており、義手という中身は顕だ。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
そしてティアラと手袋に加えて、もう一つ「外される」ものがある。シャルロッテとダミアンの手紙をヴァイオレット達が書く事で生まれる、心のカバー。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
元より王族同士の結婚とは国益が絡むもの。特に今回のそれは二国間だけでなく和平と再戦に絡む各国の思惑が強く反映された国家間の「代筆」行為(「紛争が終わった事を周辺諸国に告げる明確な儀式」)。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
ただの泣き虫我儘娘に思えたシャルロッテは意外にもしたたかで、その国益を利用して母国ドロッセルがダミアンのフリューゲルを選ぶよう根回しをした。言ってみれば彼女は自分の恋の駆け引きを国家間の思惑に「代筆」させたのだ。だがそれは同時に、要の恋を覆い隠してしまった。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
シャルロッテの最初の恋文は月と花を指定していた。それは1度だけの出会いを覚えているだろうかという暗号だったのだろう。けれど帰ってきたのは、美しいがそれに気付いたようには思えない恋文だった。この手紙でヴァイオレットは逆にカトレアの手紙だと気付くのが面白い。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
そうしてシャルロッテはダミアンの心を己の中で代筆する。彼は自分との婚姻を望んでいるのだろうか?上手くやっていけるだろうか?恋の駆け引きを国家間で代筆させてしまっただけに、彼女はそれが分からず苦悩する。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
代筆屋というカバーを外したダミアンの手紙は赤い椿の花言葉のように控えめ。それはきっと、彼の戸惑いを正直に表したものだ。年の差、異国への移住と別れ。シャルロッテが感じた不安をダミアンも「そんな思いをさせてしまうのではないか」と考えていたのだと思う。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
けれど1度だけの出会いを覚えてくれているなら、シャルロッテはもう1度当初の積極性を取り戻せる。国益を利用したほどの強い思いをまっすぐ、後から恥ずかしくなる位に手紙に乗せて。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
自筆でも当初はヴァイオレットの助言を受けていたのが、最後の手紙に至っては憤りを露わにして完全に自発的に書いている辺り彼女の独り立ちへの成長が見える。本当にこれは、シャルロッテ自身の言葉なのだ。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
そして2人のやりとりは、国民から離れた夢物語から自分達の恋物語を「代筆」したやりとりになる。うっとりするだけではなく応援するというのは、手紙の文面ではなくその差出人に感情移入している証拠だ。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
「手紙なら伝えられる」。かつて戦争をした両国が互いの国に血の通った人間を感じる事は、この形でしかできなかっただろう。2人のやりとりは、まさしく雪解けの「代筆」になったはず。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
月と花を指定した恋文で始まった手紙は、それを覚えているかという恋文によってリスタートされ、「月下の庭園で待つ」という再びの符丁で一区切りとなる。それは「1度だけの出会いの場所」を代筆した表現。2人が再会するという事は、噛み合ったという事だ。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
少し時間の飛んだ今回は、ヴァイオレットの変化を示す描写が多い。前回のように何がとはっきり言わない「謝罪」を受け入れたり、「愛してる」を「知りたい」ではなく「考えている」だったり。背伸びの象徴のハイヒールも、ドールの職分を越えた出過ぎた行為をする際に強調される。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
また、前回はそれだけが道ではないとされた婚姻は今回はとてもロマンチックだ。アイリスによって描かれた母と子の関係も、血縁の無いアルベルタとシャルロッテの擬似的な母子関係によって「代筆」される。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
船に乗っての別天地への移動、かつて失敗したのが見違えるような恋文。5話はこれまでの4話を思い出す描写に富んでいる。そしてそれを既に経験しているヴァイオレットは成長済みであり、今回成長を描かれるのはシャルロッテだ。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
かつてその手で手袋を外して筆を執ったヴァイオレットはローダンセ先生から卒業性を受け取った。そして自ら筆を執り想い人との恋を叶えたシャルロッテは、アルベルタから白椿を飾られる。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
このシーンは今週の個人的ベスト。何故心揺さぶられたのか考えたが、鏡によって二重に映るシャルロッテとアルベルタの姿から「姫と女官」「娘と母」という二重の姿を感じたからなのだと思う。#VioletEvergarden pic.twitter.com/KneIm54liw
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
手に持つ紅白の椿で、おそらくヴァイオレットは2人の結婚式を心で見ている。その表情はカトレアがハッとするほど晴れやかで――そして、この数ヶ月でどこまで彼女は変わったのだろう?と僕は思う。ディートハルトが抱く困惑、あるいは疑念はおそらく、それと重なるものだ。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
彼の中ではヴァイオレットは、自分の仲間を殺した獣のような時のままだ(過去と現在が対峙しているように画面は切り替わる)。彼の中でヴァイオレットの過去と現在が繋がる事は、僕の中で前回までと今回のヴァイオレットが繋がる事にもなるのではないかと思う。#VioletEvergarden pic.twitter.com/vXbWbTu1gi
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
そして、ヴァイオレットとディートフリートは互いが互いをギルベルトの代役として見ていくのではないか?とも思う。恋愛対象といった意味ではなく、ギルベルトに伝えられなかったものを互いに託すような関係になるのではないかな……などと。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
そんなわけで、華やかさと同時に密やかに次のステージに進んだように感じられた回でした。#VioletEvergarden
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年2月8日
関連:
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 感想リスト
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第1話「「愛してる」と自動手記人形」
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第2話「「戻ってこない」」
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第3話「「あなたが、良き自動手記人形になりますように」」
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第4話「「君は道具でなく、その名が似合う人になるんだ」」
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