彼女が開く扉、彼が開く扉――「ダーリン・イン・ザ・フランキス」4話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2018年冬アニメ
眼鏡っ娘は百合なのか、百合なのか。
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第4話「フラップ・フラップ」
©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会
「ダーリン・イン・ザ・フランキス」4話を視聴。プロローグの終わりと言った感のある今回は、ヒロとゼロツーが2人で2つの扉を突破するお話であったように思います。1つはもちろん、ゼロツーがいればこそヒロが突破できる扉。前回の再演である社交ダンスな認証扉の突破やステイメンとしての再起は、ヒロが1人では突破できなかったものとして非常に分かりやすいものです。
けれど一方で、ゼロツーもまたヒロがいればこそ扉を突破しています。彼女はその重要性、叫竜の血を引く出生、悪魔のような性質などからその特別ぶりをこれまでも今回も描かれ、また彼女自身奔放に振る舞ってきました。ですが特別さはけして自由を許すものではなく、そういう彼女だからこそいっそう他者に縛られもしています(前線に縛り付けられようとしたり、武装兵に囲ませてまで移送しようとしたり、望むヒロとの搭乗を許さなかったり)。それはナナに「普通のコドモ」と言われようともヒロやイチゴ達がある種のエリート(特別)である事や、籠の中で育てられてきたこと、パートナー殺しを経由しなくとも命の危険に接している事などと実はそう遠くありません。だからヒロは「ゼロツーも一緒だ」と感じるのです。その特別さは、孤独を感じるようなものではないのだと。実際、意識を失わずヒロが見たストレリチアのコックピットの中、搭乗方法は他のフランクスと変わらず「普通」でした。
イチゴはゼロツーを信用していません。今回の戦いにしても、ストレリチアに頼らない戦いをしなければとチームの結束を強めました。結束を強めるということは内と外の境も強固になるわけで、ゼロツーが獣のスタンピード・モードや他の誰かをパートナーにして現れたのならイチゴは協力を拒絶していた筈です。でもそれに乗っているのがヒロであり、「俺だってチームの仲間だ」という言葉があればこそイチゴは受け入れる――チームの「扉」が開く。それはゼロツーの体が持つSクラスのIDと同じ、ヒロの心が持つSクラスのIDです。1匹で2匹を装う叫竜の口(扉)を、2人で1つを装うフランクスがぶち抜く姿はなんとも高揚感にあふれたものでした。
ヒロの言う「俺だってチームの仲間だ」という言葉は、仲間を心配してというようなものではおそらくありません。落第して、除去されそうになって、死を対価にしてでもその場所に残りたい。そういう意思の表明です。1話で去ろうとして、3話で規定に従って押し殺した我をどうしようもなくむき出しにした姿がそこにはある。抗いようのないはずのゼロツーの退去に叫んだ姿から続く、とても素直な叫びでした。
関連:
ダーリン・イン・ザ・フランキス 感想リスト
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第1話「独りとヒトリ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第2話「繋がるということ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第3話「戦う人形」
にほんブログ村
【言及】
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-6731.html
https://tiwaha.blog.fc2.com/blog-entry-399.html
http://koisananime.com/now/2018/02/dif-4.php
http://ameotokops.blog.fc2.com/blog-entry-942.html
http://renpounasu.blog.fc2.com/blog-entry-2607.html
http://guutaranikki.blog4.fc2.com/blog-entry-14803.html