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セイレン 第3話「オトコユ」
©高山箕犀/セイレン製作委員会



　2週間の夏期講習も半分を過ぎたある日、耀も基礎クラスにやってきた。しかし耀の振る舞いはどうにも浮いてしまい……夏が終わり、第3話。「からかい」「ズレ」に続いて今回は「嘘」が大きな役割を果たしており、1話2話とはまた少し違ったおもむき。
　ホテルの枯れたプールに象徴されるように、耀が当初に予定していた夏らしい日々――ポートタワーを見たり浜辺で花火を打ち上げたりイケメンにナンパされたりすることはなくなってしまったわけですが、それは正一に風呂で水着姿を披露することで代替されます。昼ではなく夜に、太陽ではなく月に照らされ輝く水面で、冷水ではなくお湯に浸かる。それは「嘘」の海水浴です。暗所なので風呂道具は影を潜め、また体を洗うといった風呂特有の動作がないことでこの奇妙な出来事は海辺から離れずにいる。

　同時に今回は正一が疑問を呈したように「女の子の嘘」がクローズアップされており、物語で嘘が通る時はいつも女の子の影があります。吉田さんは実は浪人生という嘘を貫き通し、実は生徒に舐められがちらしい塾講師は吉田さんの小道具によって強面の顔を崩さずに済んだ。そして耀をかばおうとした正一は、彼女から借りたパレオの存在によってホモという嘘を映像的につくことが可能になり窮地を脱する。灯りが点くとパレオの色鮮やかさが虹（同性愛のシンボルカラー）っぽく見えるとかどれだけ攻めるのかこの作品はwww　あと、ジャージの跡とおへそのコラボが水平線に沈む夕日になるのも言ってみれば「女」体の神秘ですね（真顔）。

　で、嘘をつくのに「女の子の力」がいる以上、男の子に近づくことは嘘をつくのが下手になったりつかれる側に回るということでもあります。オトコユでのぼせた耀は合宿での生活について由貴恵に「嘘が下手だな」と言われてしまうし、彼女からはどうも荒木と交際することになったらしいのに「特に何もなかったわ」と嘘をつかれてしまう。その観点からすれば、正一に構わなくなったのは「嘘」がつけなくなった＝からかえなくなった、ということでもあるのでしょう。前半の正一の部屋での騒動がこれまでの彼女の「からかい」とはちょっと違ったものであったことも含め、次回で彼女の胸の内が明かされるのが楽しみです。



　しかしこのインスタントおでんラーメン、ツッコミどころ満載である。メーカーが西から東でNISSINからTOUSINて。他の具はともかくゆで卵のフリーズドライって。しかもそんなのが入ってお湯の量は普通のカップ麺並（410ml）なんて……！　ゆで卵は模造品かロングエッグ的な何かなのか……！？

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