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ファイルディスクリプタについて

ファイルディスクリプタについて(5)
~多重I/O「Multiplex I/O」の種類の特徴、使い方

第5回

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 本連載では、プログラムの外部との入出力を行うための抽象的なインタフェース「ファイルディスクリプタ」の機能や管理方法などを紹介していきます。第5回では、複数のファイルディスクリプタを一元管理する「多重I/O」機能について解説します。

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はじめに

 前回は、プログラムの内外部から発行されたシグナルイベントを補足し、通知するためのシグナル用ディスクリプタ「signalfd」について解説しました。今回は、複数のファイルディスクリプタを一元管理する「多重I/O」機能について解説してきます。

連載概要

 サンプルプログラムは100行前後程度までは画面に記載します。全プログラムは圧縮してページ上部よりダウンロード可能にしています。makeコマンドでコンパイルできます。i386/x86_64環境で動作確認済みです。

 プログラムのボリューム上、エラー処理や引数チェックなどを省いているので、あらかじめご了解ください。また使用法を誤るとシステムに重大な影響を与える可能性があります。利用する場合は責任のとれる環境において実行するよう、お願いします。

 当トピックでは、実際にプログラムを通して動作確認や性能測定を行うことで、個人的な見解を述べさせていただきます。あくまで個人的な感想に基づいているので、反論や指摘などあるかと思います。指摘や質問などは大歓迎なので、その際はぜひご連絡ください。可能な限りの対応に努めます。

Multiplex I/O(多重I/O)の紹介

 ファイルディスクリプタに対してwrite(2)が実行されると、カーネルによってそのファイルディスクリプタはready状態になります。そのファイルディスクリプタをread(2)している側としては、ready状態になったことを検知し、ファイルディスクリプタを通して情報を取得できます。

 しかし、いつready状態になるか分からない状態でread(2)を実行すると、通常はread(2)でサスペンド(Blocking)し続けます(注1)。

 これでも良い場合もあるでしょうが、複数のファイルディスクリプタを管理する場合、一個のファイルディスクリプタでサスペンドされては他の処理に支障をきたします。その問題の解決手段として、多重/IOによるファイルディスクリプタの管理方法があります。

 多重I/Oは複数のファイルディスクリプタを一元的に管理し、ready状態になったディスクリプタが現れたら対象のディスクリプタを知らせる機能です。前回説明したeventfd(2)/timerfd(2)/signalfd(2)もファイルディスクリプタであることから、多重I/Oへの対応が可能です。

注1

 サスペンド状態にならないNonBlocking設定も可能です。しかし読み出せない状態には変わりないので、結局は読み込めるまで何度もread(2)を実行しなくてはいけない状況に変わりありません。

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この記事の著者

赤松 エイト(エイト)

(株)DTSに勤てます。WebアプリやJavaやLL等の上位アプリ環境を密かに憧れつつも、ず~っとLinuxとかHP-UXばかり、ここ数年はカーネル以上アプリ未満のあたりを行ったり来たりしています。mixiもやってまして、こちらは子育てとか日々の日記メインです。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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