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2008年3月29日 (土)

花は散り際…なんてことはない

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世代を引き継ごうとして、幹に咲いているこの花。
枝に密集して咲いている花も美しいが、この花を愛おしいと思う。

無粋なことを言うと、ソメイヨシノは種から繁殖しない。
品種改良の結果、種で増えることができないようにされてしまったのだ…人の手によって…。

当たり前のことだが、花が散れば実が残る。
その実によって種は生き残っていくのが自然の姿だ。
それによって、種の中の遺伝子の多様性が確保され、環境の変化にも対応していく。

ソメイヨシノにはそれができない。それでも、世代を引き継ごうと精一杯に咲いている。
その花の散り際を美しいと思う心は、ある種の残酷さを秘めているのかもしれない。

人の世ではどうだろう?
精神の根本を「かくあるべし」と固定したものたちで溢れかえったら…
高みにたった(と信じている)ものたちが、かくあるべしと決めた価値観の精神のクローンたちで溢れかえった社会を想像してみる。
外部からの刺激に画一的な対応しかできない集団になるだろうとは、素人考えで思いつく。
その刺激が、種の生存に不適当な方向の刺激だったら…
なぜ、そのことに思いが至らないのだろう。
それを考えているのなら、なぜ画一的な価値観(=偏狭な価値観)を教え込もうとするのか。
自由な価値観の存在を教えようとする行為を押しつぶすのか。

教育は国家百年の計…と誰かが言っていた。
それをたかだか60年で方針転換というのは、間違いだ。
少なくとも、さまざまな価値観の自由を押さえ込む方向は昔言われた「逆コース」そのものだ。

ソメイヨシノは確かに美しい。しかし、ソメイヨシノだけが美しいわけじゃない。
オオイヌノフグリだって美しいじゃないか…

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コメント

桜の花っすかー。
桜にいる毛虫に刺されて、それがとんでもなく痛くて、その痛みが強烈過ぎて、もうそのことしか思い出せなくなっちゃってる私ですが。

ソメイヨシノは種つけられない桜だったんですねー。
全部クローンだったのはそういうことだったんですな。

投稿: すてはん@病み上がり | 2008年4月 1日 (火) 22時20分

すてはん様

コメントありがとうございます(^^)
そういえば、桜につく毛虫って刺しますねぇ。
私にはお茶の木につく同類の方が切実な問題だったけど。

ソメイヨシノも実がならないわけじゃないけど、その実が発芽することは無いそうです。
いろんな花が咲いてこその地上、ソメイヨシノ一色じゃつまんないですよね。

投稿: とみんぐ | 2008年4月 1日 (火) 22時42分

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