fc2ブログ
■2013年/ヴィスタサイズ/133分
■制作プロダクション:リトルモア、フィルムメイカーズ
監督:石井裕也
脚本:渡辺謙作 原作:三浦しをん
撮影:藤澤順一
照明:長田達也
美術:原田満生
編集:普嶋信一
音楽:渡邊崇
出演:松田龍平、宮﨑あおい、小林薫、加藤剛
   オダギリジョー、伊佐山ひろ子、池脇千鶴
   黒木華、渡辺美佐子、波岡一喜、麻生久美子
   鶴見辰吾、八千草薫
【映画公式サイト→】

「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編ん
でいく」…玄武書房の辞書編集部に引き抜かれた、ちょっと
変り者の編集部員・馬締光也は、新しい辞書『大渡海』の編
纂メンバーとして、奥深い辞書の世界へと没頭していく。

d(>_< )Good!!(2013/04/22 ユナイテッドシネマ札幌 5)

 主人公・馬締(松田龍平)の辞書編纂の日々とその人生模
様を穏やかに丹念に描いていく好編。
「言葉」を巡る状況がアナログからデジタルへ変わる時代の
中で、変わっていく言葉、変わらない言葉、ひとつひとつの
言葉の重みが、何気ない日常の言動の中にきらり、きらりと
光る感じが心地よい。
 紙のすれる音や電話のベル、扉のノックといった生活音、
そしてその逆に「無音」であることが醸し出す雄弁さ、松田
龍平&宮崎あおいの出会いとその後にみる「時間の流れ」が、
きわめて映画的に映像になっていて、クラシックな日本映画
にみる情緒のようなもの、文学的な匂いをを感じさせる。

 石井監督の演出は、不器用な馬締を見守りながら、一貫し
て、彼と周囲の人々との距離感、間合いを大切に描いている。
 15年の時の流れが説得力をもって描写される中、かつて
の馬締に対する新世代部員(黒木華)、馬締と香具矢(宮﨑
あおい)と松本(加藤剛)と千恵(八千草薫)夫婦など、そ
れぞれが映画全体を俯瞰して観た時、象徴的かつ対照的に描
かれているのも観逃せないポイントだろう。

 『舟を編む』は、紙面の文字を追い続けるという一見「非
運動」的な映画だが、様々なキャラクター描写は実は優れて
「アクション」性に富んでいる。食事すること、歩くこと、
会話すること、佇むこと。日常的なアクションの中に描かれ
るニュアンスの豊かさは、本作の魅力のひとつであり、辞書
のページをめくるように、そのひとつひとつをじっくり堪能
したい作品である。
関連記事
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加 はてなブックマークに追加
NEXT Entry
『青いソラ 白い雲』
Entry TAG
池脇千鶴  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
タグクラウド
"; return I; }; this.updateHTML = function(id) { var left =(this.x*cloudRad+cloudWidth /2)-this.width /2; var top =(this.y*cloudRad+cloudHeight/2)-this.height/2; var sfont=this.f*((this.z+1)/2*(1-perspective)+perspective); dtag[id].style.left= left + "px"; dtag[id].style.top = top + "px"; dtag[id].style.fontSize= sfont + "px"; if (atag[id].href != this.link) { atag[id].href = this.link; atag[id].innerText = this.tag; } var clrs = ""; if (this.isOnMouse) { clrs = linkColor; } else { var clr = Math.round(lightColor-(this.z+1)/2*(lightColor-darkColor)); clrs = clr.toString(16); // 16進数文字列に変換 clrs = "#" + clrs+clrs+clrs; } atag[id].style.color = clrs; this.width = dtag[id].offsetWidth; this.height = dtag[id].offsetHeight; }; } // -->
最新記事一覧
2024年6月 Jul 01, 2024
2024年5月 May 31, 2024
2024年4月 Apr 30, 2024
2024年3月 Mar 31, 2024
2024年2月 Mar 01, 2024
2024年1月 Jan 31, 2024
2023年12月 Dec 30, 2023
2023年11月 Dec 01, 2023
春画先生 Nov 03, 2023
2023年10月 Oct 31, 2023
全記事表示リンク
カテゴリ
検索フォーム
リンク
Ranking
にほんブログ村 映画評論・レビューへ




Page Top