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小林信彦『回想の江戸川乱歩』(光文社文庫)
まもなく東武百貨店池袋本店で行われる「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」の話題があちらこちらで見受けられる。江戸川乱歩展の類は今までにもいろいろあったが、今回はあの「蔵」が公開されるとあって、期待している人も多いのだろう。もちろん私も行きます。2年ほどあの付近に住んでいたこともあって、個人的にも思い入れのある地なのだ。
で、そのイベントに便乗したのだろうが、光文社文庫から小林信彦の『回想の江戸川乱歩』が復刻された。
江戸川乱歩に誘われて「宝石」の編集者として過ごした若き日の小林信彦。その思い出を綴ったエッセイ集だが、実弟の泰彦氏との対談、エッセイのそのまま小説化したような「半巨人の肖像」も収録しているのがミソ。
後年、ビジネスマンとして「宝石」を支える江戸川乱歩の素顔は、戦前のエログロのイメージを払拭する常識人であった。著者の乱歩に対する眼差しはなんともいえず温かく、乱歩ファンならずとも読んでもらいたい一冊。
で、そのイベントに便乗したのだろうが、光文社文庫から小林信彦の『回想の江戸川乱歩』が復刻された。
江戸川乱歩に誘われて「宝石」の編集者として過ごした若き日の小林信彦。その思い出を綴ったエッセイ集だが、実弟の泰彦氏との対談、エッセイのそのまま小説化したような「半巨人の肖像」も収録しているのがミソ。
後年、ビジネスマンとして「宝石」を支える江戸川乱歩の素顔は、戦前のエログロのイメージを払拭する常識人であった。著者の乱歩に対する眼差しはなんともいえず温かく、乱歩ファンならずとも読んでもらいたい一冊。