一人暮らしをしていると、ついつい自炊が面倒になってしまいがちですよね? とはいえコンビニのお弁当や、スーパーのお惣菜では飽きてしまいます。
一人暮らしなら「たまには一手間加わったものが食べたい、でも本格的な料理は面倒くさい……」なんて考えたことがあるのではないでしょうか。
そんなときにぜひ試していただきたいのが、今回ご紹介する燻製の作り方。手間のかかりそうなイメージのある燻製ですが、実はワンルームでもできるほど、カンタンに作れちゃいます。
目次
1. 準備するもの
- 直径20cm程度のボウル × 2つ
- ボウルより大きい焼き網 × 1枚
- アルミホイル
- 燻煙材
- 食材
(1)と(2)が今回使用する燻製器の材料です。
どれも100円ショップで揃うので、300円で燻製器のできあがり!
使用方法は後ほど詳しく紹介します。
(4)の燻煙材とは、燻製に使うウッドチップ(木くず)を固めて作ったものです。一度火をつけると線香のように燃え尽きるまで煙を出し続けるという便利なやつです。リンゴやブナなど、いくつか種類がありますが、最初は「サクラ」がいいでしょう。
燻煙材は、ホームセンターや通販で、1本400~500円くらいから購入できます。今回ご紹介する方法だと、5~6回分の燻製が楽しめます。
(5)の食材は、今回はプロセスチーズと市販の半熟味付き玉子、ミックスナッツの3種にしました。表面が乾いた食材であれば、基本的になんでも燻製にできます。
2. 食材を風に当てて30分ほど乾かす(風乾)
最初におこなう作業は「風乾」という作業。
写真のように焼き網の上に食材をのせ、風通しのよいところで30分~1時間ほど放置します。食材をしっかり乾かしておくことで、煙の風味や色が移りやすくなります。ホコリや虫が気になる場合は、薄手の布巾などをかぶせておきましょう。
なお、最初から乾いているミックスナッツのような食材に風乾は不要です。
3. 間隔を空けて、食材を焼き網に並べる
ボウルの上に焼き網をセットし、その上に食材を並べます。燻製の煙を行き渡らせるために、食材同士の間隔を適度に空けるのがコツです。
チーズは焼き網の上に直接置くと、網にくっついたり下に垂れたりします。
チーズのように熱で溶けてしまう食材や、網の目から落ちてしまうような食材は、下に皿状に整えたアルミホイルを敷きましょう。
また、ぴったりくっつけてしまうとチーズ同士が溶けて一体化してしまうのでご注意を。
4. 燻煙材に火をつけ、フタをする
今回は燻煙器が小さく、食材も少ないので燻煙材を1本まるまる使う必要はありません。燻煙材は3~4cmほどあれば十分です。周囲にカッターナイフで浅く切込みを入れてから、手で折ってください。とくに力も要らず、カンタンにポキっと折れます。
包装のビニールはそのままにしておき、残った部分はジップロックなどに入れておきましょう。そうすると、湿気らずに長期間保存できます。また、折る際には木くずが散るので、ゴミ箱の上や新聞紙を敷いておくとよいでしょう。
皿状にしたアルミホイルをボウルの下に敷き、点火した燻煙材を置きます。アルミホイルを敷くのは、食材から垂れた水で火が消えないようにするためと、後片付けを楽にするためです。
ボウルの底に燻煙材を置いたら、先ほどの食材を並べた焼き網をセットし、その上から、もうひとつボウルを重ねます。これで煙を閉じ込めるのですが、ぴったり閉じてしまうと酸欠で火が消えてしまうので、指が入る程度の隙間を空けるようにしてください。
燻煙中は、蚊取り線香を2~3本まとめて焚いたくらいの煙が出ます。燻製器は換気扇の近くやベランダなどの換気の良いところに置いておきましょう。
5. 完成
燻煙材が燃え尽き、煙が出なくなったら完成です。
フタを開けると、おいしそうに色づいた燻製クンたちとご対面! 蓋を開けた瞬間、強烈な燻製の香りが立ち込めます。
ひとまず味見とチーズをかじると、口の中いっぱいに広がる燻製の香り……うーん、これこそ燻製の醍醐味! 市販品でこの香りはなかなか味わえません。
ちなみに、市販の燻製製品(安価なベーコンやソーセージ)の多くは、「燻液(くんえき)」と呼ばれる液体を使って燻製のような香りをつけています。燻液は、木材などを燃やしたときに出る成分を集めて液体化したもので、これを使うとカンタンに食材へ燻製のような香りをつけることができます。
しかし、あくまで「燻製のような香り」であり、本当に煙でいぶした燻製と比べてみると、味も香りも一段違うのがおわかりいただけることでしょう。
6. 後片付け
燻煙材の消し炭は、煙が出ていなくても火種が残っていることがあります。水を少量垂らしてきちんと消火し、そのままアルミホイルでくるんで捨ててしまいましょう。ボウルや焼き網には燻煙材から出たヤニや煤がついています。これらは洗ってもなかなか落ちないので、諦めて燻製専用にしてしまうことをおすすめします。
7. 燻製に適した食材について
基本的に、表面が乾いていている(乾かせる)食材であれば何でも燻製にできます。中でも、筆者のオススメは以下の食材です。
市販の安価なハムやベーコン、ソーセージ
先ほど安価な市販の燻製は「燻液」と呼ばれる液体で擬似的に燻製のような香りをつけていると書きましたが、改めて燻製にすることでさらにおいしくできます。とくに、厚切りのハムステーキを燻製にしてからフライパンで両面に焼き目をつけてあげると、次元の違うおいしさに昇華しますよ!
ナッツや帆立の貝柱などの乾物
「風乾」の手順が要らないので楽ちんです。300円燻製器に並べて数十分いぶすだけでおいしい燻製乾物の出来上がりです。
魚の干物
一夜干しや開きなどの干物も燻製にピッタリです。水分が多めなので1時間くらいしっかり風乾させた方がおいしく仕上がります。ご飯のおかずにすると、勢いが止まりません!
練り物
意外に燻製に合うのが、かまぼこやちくわ、はんぺんなどの練り物類。まず表面の油をキッチンペーパーで拭いて、水分をしっかり乾かしてから燻製にしましょう。
たくあん
「いぶりがっこ」という秋田の名産品をご存知でしょうか。干した大根を何日もいぶして出来上がるものなのですが、そのいぶりがっこに近い味わいを手軽に味わえるのがたくわんの燻製です。これもしっかり乾かしてから燻製にしましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
敷居の高いイメージがある燻製が、こんなカンタンに安く作れるなんて驚きだったのでは?
いつもの食卓からマンネリを打破するアクセントとして、ぜひ試してみてくださいね。