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「ドイツによる国債などの空売り規制」

 ドイツ連邦金融監督庁(BAFin)は、19日よりネーキッドショートセリング(貸株手当てのない空売り)の一時的禁止措置を導入する。規制の対象となるのは、ユーロ圏の国債ならびに関連したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、さらにドイツの主要金融機関10社の株式にも適用される。この措置は、5月19日から2011年3月31日まで実施される(ロイター)。

 この発表を受けて、18日のニューヨーク外為市場では取引規制強化が嫌気され、ユーロが大幅に下落した。ユーロ・ドルは、一時1.2161ドルと2006年4月以来4年1か月ぶりの安値をつけ、ユーロ円は112円割れとなった。

 ドイツ当局の空売り規制の導入によるリスク回避の動きや、米株安を受けて米債は大幅反発となり、米10年債利回りは前日比0.14%低下の3.35%、2年債利回りは同0.07%低い0.73%となった。

 この空売り規制は市場にとって劇薬ともなりかねない。米国ではサブプライムローン問題を発端とした米金融不安が広がりを受けて2008年7月から株の空売り規制が実施されたが、これはむしろマーケットの波乱要因ともなっている。

 今回は国債市場での空売り規制であるが、ギリシャ国債などは流動性に乏しくなっているところでの空売り規制は、さらに流動性を制限させる可能性がある。投資家がリスクが取れなくなるとの連想により、他の金融商品に売り圧力が掛かる可能性がある。今回は規制の掛からないユーロに対して、売り圧力を強める結果となった。このままではECBによる為替介入すら現実味を帯びてくる可能性がある。

 たしかに欧州は危機的状況にある。しかし、あまりに政府が市場に介入してしまうと市場が本来持っている価格形成機能を損ないかねない。
by nihonkokusai | 2010-05-19 10:50 | 国債
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