Aug 02 2008
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風姿花伝
世阿弥『風姿花伝』をわかりやすく現代語訳。
風姿花伝
松岡正剛の千夜千冊『風姿花伝』世阿弥元清花伝書を芸術論として読み進めてみたいと思う。
勿論私は能芸に詳しいわけでもなく、その他の古典芸術に詳しいわけでもない。
長年やっている居合道との何かの接点を見つめること、
あるいは花伝書を世阿弥の能に関する書物というのではなく、哲学として見つめてみようと思う。
自分なりの解釈が出来ればそれでいい。
勿論方向違いの解釈をするかもしれないが、ま、其れも良しとしよう。
こうした秘密重視の思想の頂点にたつのが、別紙口伝の「秘すれば花、秘せねば花なるべからずとなり」である。やたらに有名になって人口に膾炙してしまった言
葉だが、その意味するところは、いま考えてみても、そうとうに深い。加うるに、このあとにすぐ続いて「この分目を知ること、肝要の花なり」とあって、この
分目{わけめ}をこそ観阿弥・世阿弥は必ず重視した。このこと、すなわち「秘する花の分目」ということが、結局は『花伝書』全巻の思想の根本なのである。
この根本にはふいに戦慄をおぼえる。