アメリカのアマゾンが電子図書館を構想し、出版社と協議に入っている事が明らかになりました。

ウォールストリート・ジャーナルが報じています(2011年9月12日付け)。
関係筋によると、ネットフィックスのサービスに似たものになるのだそうです。つまり、年間料金を払ってアクセスするというビジネスモデル。

有料のネット電子図書館みたいな感じでしょうか。

幾つかの出版社は、このアイディアに乗り気ではないそうです。書籍の価値を含め、書店との関係に緊張を生む可能性があるからだとか。

アマゾンは日曜に行ったWSJの取材に対し、コメントを拒否したそうです。

今回の提案は、PCやタブレットや電子機器などで書籍やテレビを読んだり見たりする消費者が増えている中、小売り主がデジタルコンテンツの配信で更なる方法を模索している現れだとWSJ。

アマゾンでは電子リーダーのキンドルを出していますが、数週間以内にiPadに対抗する電子リーダーを出すだろうと、関係筋が話しています。

そのアマゾンは、出版社に古い書籍を中心とするデジタル図書館を構想中だと話したそうです(関係筋による)。コンテンツはアマゾン・プライムで利用可能にするとの事です。アマゾン・プライムは現在年間79ドルで2日間無制限の出荷や映画やテレビ番組の視聴が可能になっています。

アマゾンでは出版社側にかなりの額を提示してプログラムに参加する事を求めていると複数の関係筋は話しています。関係筋の何人かは、アマゾン・プライムの利用者が毎月読める本の冊数を制限するだろうと話しているとの事です。

この提案に応じる社があるかどうかは不明だそうです。出版社の役員としては書籍を買って貰う方が良いし、このプログラムが書籍本来の価値を安くしてしまうとの印象を利用者に与えてしまう事を懸念しているのだとか。ある出版社の役員は「これは書籍ビジネスの価値のダウングレードになるだろう」("What it would do is downgrade the value of the book business,")と話しているそうです。

利用者レベルとしては良い話なんでしょうけど…。

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