米国のドナルド・トランプ次期大統領が過去4年近く、公式席上で行った発言を全数分析した結果、「韓国」についての言及は「北朝鮮」の3分の1水準にとどまっていたことが分かった。
トランプ氏は特に韓国に言及して「取引(deals)、関税(tariffs)、貿易(trade)」とともに言及してきたことが確認された。トランプ氏が韓国を明らかに「取引の対象」として接近することになる可能性が高いという意味に解釈することができる。
法務法人「大陸亜洲」が2021年1月2日から先月14日までのトランプ氏演説701件とインタビューを分析した結果、韓国への言及は100回あった。国別順位は26位だ。韓国のすぐ上にはキューバが位置した。反面、北朝鮮は287回の14位で、トランプは韓国より3倍近く北朝鮮について言及した。
トランプ氏は韓国を言及する時、主に取引の観点からアプローチした。トランプ氏が「在韓米軍撤退」など安全保障問題を直接的に取り上げ論じたことはあまりない。ただし、トランプ氏が韓国を「マネーマシン(money machine)」と称して防衛費分担金引き上げを要求し、特に関税を「交渉の武器」として使うという言葉を繰り返してきたことから、在韓米軍撤退が交渉テーブルにのる可能性はある。 (中略)
この以外にトランプ氏が繰り返し言及した国家は現在進行中の「二つの戦争」と直接的な関連がある場所がほとんどだ。メキシコの場合、トランプ氏が強調してきた不法移民の主要経路に挙げられる。関税などを活用した対中牽制、戦争の早期終息、不法移民者の根絶などはトランプ氏が任期初日に行政命令を通じて解決すると公言してきた最優先政策課題だ。
一方、トランプ氏が言及した国家のうち戦争の当事者であるイスラエルを除くと、欧州(445回)、ドイツ(282回)、NATO(237回)、台湾(212回)、カナダ(206回)、日本(187回)など多くの米国の同盟国の言及順位が韓国を上回っている。
(引用ここまで)
トランプ次期大統領の1期目における国別の言及先で韓国は比較的下位に置かれていた、とのニュース。
よくこんな分析するな……。
あれだけ外需頼りの国で商売をやっている人にとっては米韓関係は命綱のひとつではありますから、当然か。
1期目のトランプ政権はほぼムン・ジェイン政権と時を同じくしています。
パク・クネ政権は2016年12月に国会で弾劾が成立しており、外交の相手ではありませんでしたからなおのこと。
・トランプ 2017年1月〜2021年1月
・ムン・ジェイン 2017年5月〜2022年5月
・安倍晋三 2012年12月〜2020年9月(参考)
なので、トランプが「韓国」について言及する場合、往々にしてムン・ジェイン政権下の韓国への言及となるわけです。
そのほとんどが米韓FTAの改定等が多くなります。
米韓FTAについては政界、経済界から「韓国にだまされた!」って反応が大きかったのですよ。
開放を約束した部門はろくに開放せず、アメリカに自動車や半導体を好き勝手に輸出してきたって文脈で。
オバマの業績でもあったため、トランプは公約のひとつにその改定か破棄を挙げていたほどです。
トランプ「米韓FTAは再交渉か破棄。あんなものは受け入れられない、ひどい協定だ」→韓国政府「え、聞いてないです」(楽韓Web過去エントリ)
結果として韓国側が「アメリカにだまされた!」って言うくらいに大幅な改定がなされたのですね。
米韓FTA以外になると、米朝会談のおまけとしての言及くらいかな。
それ以外だとこの発言が大きくクローズアップされていました。
トランプ大統領の「韓国は物乞いのようだ」という発言はあったのか、なかったのか(楽韓Web過去エントリ)
これはアメリカに対して北朝鮮との対話を繰り返し要求してきた韓国に対する発言。
2017年9月の報道なので、まだ米朝会談とかなかった頃。
この後、韓国は舌先三寸の二枚舌で米朝会談を演出し、我が世の春を謳歌してから2019年2月のハノイですべてが瓦解するって末路を辿ったわけです。
ムン・ジェイン個人への言及もありましたね。
トランプ大統領、G7の会議で「キム・ジョンウンが『ムン・ジェインは嘘つき』だと言っていた」「なんであんな人(ムン・ジェイン)が大統領になれたのだろう」とぶっちゃけた模様……(楽韓Web過去エントリ)
うん、まあ。
あ、ほら。これはムン・ジェイン政権時代への言及ですから。
来年からの第2期トランプ政権では違ってくるかも知れませんよ?
韓国側のカウンターパートはイ・ジェミョンになる可能性が90%ですけどね。
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