今回は、1/6サイズ 仮面ライダークウガの主人公・五代雄介(演:オダギリジョー)の制作記です。
お久しぶりの更新です。
いやー始まりましたね、仮面ライダージオウ!
歴代レジェンドが次々に出てきますし、ソウゴ君やゲイツもいい味出してて、個人的にはツボです。
レジェンドの扱いがひどいとかいった感想をお持ちの方もおられるようですが、そこは約20年間もの間私たちをワクワクさせてくれた東映スタッフを信じましょう。最後にグッとくる展開が待っているはずです。
さて、とはいえ平成ライダーの中でも私の中で不動の一位なのがクウガ。
他の作品も全部好きですが、クウガに関してはもう、上手く表現できないです。
そんなクウガの主人公・五代雄介をどうしても作りたくなってしまいました。
実はこのブログでも記事を書いたとおり、過去にも挑戦したことがあります。
その時の物がこちら ↓
当時は塗装でミスった気分でしたが、造形そのものが違うので、コレジャナイ感が拭えない・・・
というわけで、オダギリさんがジオウに出演してくれることを夢見て、「祈りよ届け!」という気持ちを込めて、今回作り直そうと思ったわけです。
結果的には、自分でも会心の出来と思える程、完成度の高い物が出来たと満足しております。
今回は、完成に至るまでの制作記ですが、結構写真が多くなります(いつもか)
最近の私の信条は「人間が作った物は、人間に作れる」ということで、フィギュアを作る前は、「こんなの無理。プロがやる仕事」と思っていましたが、プロだって人間です。情熱と練習量によって、なんだって出来るようになるものです。
今回は、「フィギュアを作ってみたいけど、絶対無理だなー」と思っておられる方の参考になればいいなと思い、少し詳しめに備忘録をつけようと思いますので、お時間が許せば最後までお付き合いくださいませ。
作り直すにあたっては、このフィギュアの顔をおゆまる(熱っすると柔らかくなり冷えると固まるプラスチック粘土)で型を取り、そこにスカルピーを詰めて、そこから造形を修正していくという手法で始めました。
最初の形がこちら。↓
第一段階でここまで出来ているのだから、完成までは余裕だ!と思っていたのですが、大きな間違いでした。参考にできたのは頭部サイズくらいのもので、ほぼフルスクラッチで作り直すことになります。
鼻筋にスカルピー(以下粘土と言います)を盛り付け口を調整。
横顔なんかも常にチェックします。前後左右、上下に至るまで確認しないといけないのが立体造形の難しいところ。
また、実在する人物を作るうえで難しいなと思ったのは、人間は一定の顔ではないので、表情や時期によっても顔の形は変わりますし、そのキャラクターを表す表情や年齢はどういったものか、というのを良く考えないといけないところでした。
自己満足で作っている作品なので、自分が納得すればそれでいいのですが、逆にクウガファンを名乗るからこそ、クウガを愛する人に喜んでもらえる作品を作りたかったので、その辺はだいぶ苦労しました。
なんやかんやでこんな形に。この時点で「ん?こんなんやったっけ?」とはなってました。
髪の毛を盛ってみました。やっぱりなんか違う。・・・ここまで結構な時間かけましたし、途中までは良かったような気がしてたので、このままいこうかとおもいましたが、やり直すことにしました。
再びこの頭部をおゆまるで型を取って、そこからやり直しです。
そこからやり直したのがこちら。うん、だいぶいい感じになりました。
髪の毛をつけると感じ変わると思いますが、ベースは出来たと思いました、この時は。
ここまで作るときに気を付けたのは、とにかく左右差をなくすということでした。
どちらかに粘土が少ないとか多いとか、形であったりとかという部分です。これを直すと仕上がりは格段に上がりました。
私は6月ころから大阪市内にある
MUNI造形塾 (マキ先生という美人で丁寧な、プロ原型師の先生が教えてくれます)
に通い始めたのですが、先生のアドバイスもあって、造形レベルはかなり上がったと思います。
まずはこうやって、粗く髪の毛を盛り付けていきます。
髪の流れなんかは、さきが細くなっているスパチュラを押し付けたり、線を描くような感じでつけております。
あと、塗装しやすいように、髪の毛は別パーツにしました。
スカルピーはベビーパウダーをつけるとお互いくっつきにくくなるので、その性質を利用して粘土を盛り付けて、オーブンで焼くといったことをしました。
素体にセットしてみました。結構いい感じ(寝巻ですみません)
ここまでいけば完成はあと少し!と思っていたのですが、ここから沼にはまります。
顔の幅が若干広いようなきがするのと、鼻筋あたりなど、気になった部分があったので修正。
造形塾での修正は上手くいったのですが、自宅に帰って作業したところ・・・・
? んん?! なんで?!
素体にセットしても変な感じ。
眉毛と目の間にスカルピーを盛ったり、口の形を変えたことでこんな事態に。
髪を盛り付け始めましたが、もう失敗が目に見えている感じ。
くそお!ここまで来たのに!吐きそう・・・
と思いましたが、ここで諦めたら、オダギリさんのジオウ出演は無くなる・・・という勝手な思い込みを力に変えて、もう一度やり直すことに。
なるべくなだらかに、強い影が出ないようにすることに気を付けて造形しました。
生え際と耳を造形。耳は紙で殆ど隠れるので結構適当に造形してます。
耳は形状が複雑で、真剣に作るとめちゃくちゃ難しいので。
髪を盛り付けてみました。今回は前回と違い、毛の流れの凹凸も強さを変えて、深い溝が出来ないように配慮しました。
頭部をセットしてみました。
これ以上は無限ループに陥るなと思ったので、ここら辺で原型は完成ということにしました。
実際は、ここから前髪周りの造形を修正しています。
さて、ここからは塗装に移ります。
毎度毎度、ここが鬼門。とくに今回はリアルフィギュアの塗装です。
12分の1サイズくらいならごまかせることも、6分の1サイズとなると、胡麻化しがききません。
のっぺりにならないよう、実写に近い肌色とかをどう出そうとか考えながらやりましたが、今回は結果的にマグレでいい感じになりました。
まずはエアブラシで肌色塗装。白色サーフェイサーで下地を作り、ガイアカラーのノーツフレッシュとノーツフレッシュオレンジを混ぜた物を吹き付け。
下地の段階で、タミヤウェザリングマスターでシャドーになる部分を塗りましたが、だいたい消えましたw
唇の色もどうかなぁとは思いましたが、全体バランス的には上手くいきました。
この色は、ベースの肌色にガイアカラーのローズピンクを混ぜたものです。
ここから目などを描いていきます。
眼球の白目はラッカー系塗料で塗り、黒目や睫毛・眉毛はエナメル塗料で描きます。
こうすれば、エナメルだけふき取ってやり直すといったことが出来ます。
といっても、あまり何度もやり直すと汚くなっていくので、気持ち的には一発描きです。
お!?おお!!?結構いい感じで塗れたんじゃね!!?
結構リアルな感じ出てるんじゃね!?
そして髪の毛も塗って完成。これはキタ!という感じがして、この時点で少し笑顔になってしまいました。オッサンの一人笑い・・・
素体にセットして完成。
今度ばかりは「できたぞぉぉぉ---ッ!!」という気持ちになりました。
この画像をツイッターに上げたところ、今までにないくらい、好評いただきました。
(もっと拡散するといいな・・・)
というわけで、完成品画像を何枚か載せておこうと思います。
ただ、iPhoneカメラの設定が良くわからず、光加減が適当になってしまったので、リアル感は損なわれているかもしれませんが、一応ご覧くださいませ。
「変身!!!!」
右斜め上からの角度と、下からの煽りが似ていると思います。
やっぱり左右差を完全に消すことは出来ず、左からの顔は若干微妙な感じかもしれません。
まぁ、人間でも顔の左右で良く見える方向ってありますから、そこはご容赦ということで。
五代君といえば、この人も忘れちゃいけません。
一条さんと一緒に、はい、ポーズ!
一条「元気だったのか?五代。」
五代「一条さん。まぁ、いろいろありましたけど、俺、元気です!」
一条「五代。これは受け取れない・・・」
というわけで、6分の1サイズ・五代雄介の制作記でした。
いかがでしたでしょうか?今回も結構長くなっちゃいました。
肝心の造形についてはあんまり触れてないじゃないか!と思われるかもしれませんね。
結局のところ、めっちゃ観察して、あとは粘土を盛りつけたり削ったりをどこまで拘ってやるかだけの勝負です。
練習量が物を言うところでもあります。
大好きな五代雄介を完成させることが出来てよかったです。
@kou164ss でツイッターやってます。インスタもやってまして、制作中のフィギュアなんかは随時アップしてますので、そちらもフォローしてきただけたら大変喜びます。
今回の五代が、クウガファンの皆さんに気に入っていただけたら嬉しいなぁ・・
そして、この思い、リアル五代さんに届け!!
長時間お付き合いいただき、ありがとうございました。
今後もブログはゆっくり更新ですが、ツイッター等でウォッチングしていただけたら幸いです。