アメリカンスタイルの本格的レストランのルーツ店
ココス(COCO’S)はガストやデニーズと並ぶ、全国的に店舗数の多いファミリーレストランである。
1号店は1980年、茨城県でオープンした「ココス中貫店」だ。
ココスはアメリカのレストラン「COCO’S」のライセンシーを得て、株式会社ろびんふっどが運営をしていたものであるが、これに先立ち株式会社ろびんふっどは「ろびんふっど」というレストランを1978年に開業させており、その後このココス土浦店に転換された。
よって、この店舗は日本におけるココスのルーツ店と言える。
ココス 土浦店は1978年にオープンした「ろびんふっど 土浦店」から転換されたココスである。
ファミリーレストランであったろびんふっどから建物も建て直されること無く、当時の空気を伝える1970年代のセミ・クラシックな風情のあるレストランとなっている。
ココスの歴史はファミレスの歴史
WE’RE COOKING FOR YOUのコピーが期待を高めてくれる。
余裕のある広さの店内は、まさにファミリーレストランの王道といった雰囲気だ。どこか格調すら感じさせる。
まさにファミリーレストランの黄金期をイメージさせる。
ファミリーレストランは元々アメリカの郊外にあったものを日本に持ってきた文化である。
ココスはアメリカから直接ライセンシーを得たということもあり、アメリカンな雰囲気を今に色濃く残している。
1970年の大阪万博以降、日本の外食産業が大きく花開いたのは、日本人が元来持っていたアメリカへの憧れが、万博で一つ形になったことというのがあるだろう。アメリカをそのまま日本に持ってきたら成功する… こういったアメリカ輸入ブームはその後も続いた。
すかいらーくと比べると後発組のココスであるが、まだまだアメリカ直輸入のファミレスが受け入れられる土壌があったのだ。
その後、日本人に合わせるための改良を次々と加えていったという。
ドリンクバー。
お手拭きはココスのシグネチャーモデルだ。
カリフォルニア・タコサラダ。ココスの代表的メニューである。
激しい価格競争が続くファミリーレストランにて、ガスト、デニーズ、ジョナサンらと競い続けるココスは、すき家で牛丼シーンを攻め続ける(株)ゼンショーのグループである。CASAのココスへの転換や、価格戦略に、攻めの姿勢を強く感じることができるが、ルーツであるココス土浦店のセミ・クラシックな風情は是非今後も残して欲しいものである。