ドーモ。あおいです。
開始から一ヶ月足らず、現時点ではほとんど咲ブログと化しているこの「さくやこのはな」ですが、私が昔書いたSSなんかもアップしていきたいなと思っております。というわけで今年のはじめに書いたAnotherSSをひっそりアップ。
鳴ちゃんは出ません。
松井さんと金木さんも出ません。
「ちびまる子ちゃん」の世界で「現象」が起きたら?というお話です。 クラスの座席表はこちらとかこちらを参照のこと。
「ここに描いた40人以外にもクラスメイトは十数人在籍しており、ときどきクラスのメンバーが入れ替わってます。座席は40人しかないのに数えてみると42人出演していた話もありました…^^;」そのクラス確実に「いないもの」混ざってるじゃん。「Another」ならみんな死んでた。
えっと、あと「けいおん!!」バージョンも見てみたいので誰か頼むぜ。
では以下からどーんとどーぞ!
商店街を歩いている藤木&長沢。
空き地にいるブー太郎、はまじ、小杉。
先生「大野君が、……なので、………を、お願いできますか?」
②に続く。
開始から一ヶ月足らず、現時点ではほとんど咲ブログと化しているこの「さくやこのはな」ですが、私が昔書いたSSなんかもアップしていきたいなと思っております。というわけで今年のはじめに書いたAnotherSSをひっそりアップ。
鳴ちゃんは出ません。
松井さんと金木さんも出ません。
「ちびまる子ちゃん」の世界で「現象」が起きたら?というお話です。 クラスの座席表はこちらとかこちらを参照のこと。
「ここに描いた40人以外にもクラスメイトは十数人在籍しており、ときどきクラスのメンバーが入れ替わってます。座席は40人しかないのに数えてみると42人出演していた話もありました…^^;」そのクラス確実に「いないもの」混ざってるじゃん。「Another」ならみんな死んでた。
えっと、あと「けいおん!!」バージョンも見てみたいので誰か頼むぜ。
では以下からどーんとどーぞ!
商店街を歩いている藤木&長沢。
藤木「明日から三年生だね、永沢君」
永沢「そうだな、藤木君」
藤木「一緒のクラスになれるといいね」
永沢「僕は藤木君の面倒を見るなんてこりごりだけどね。僕は忙しいんだ、藤木君ごときに構っちゃいられないよ」
藤木「…」
永沢「ところで藤木君、君はもし自分が三年三組になってしまったらどうするつもりだい?」
藤木「三年三組?」
永沢「藤木君、まさか知らないのかい?三年三組の呪いを」
キートン山田「そのころ」
空き地にいるブー太郎、はまじ、小杉。
ブー太郎「なあ、ミサキって知ってるかブー。三年三組のミサキ。それにまつわる話」
はまじ「ミサキ…人の名前か~?」
ブー太郎「昔、そんな名前の生徒がいたらしいブー。そいつはすごい人気者だったらしいブー」
はまじ「そいつがどうしたんだ?」
小杉「俺知ってるぞ。そいつ、三年生のときに死んじゃったんだよな」
はまじ「ええっ?!」
ブー太郎「でも、みんな、ミサキが死んだことを受け入れられなかったらしいブー」
小杉「それで、みんなで、ミサキが生きているふりをして一年間過ごしたんだってさ」
はまじ「そんなことできるもんなのか?俺、ぜったい無理だぜ」
小杉「でも先生も協力してみんなで一年間やったらしいぞ。でさー、ここからが怖いんだよな」
ブー太郎「そうだブー」
はまじ「うわああああ聞きたくねええええええ」
ブー太郎「それは終業式の日のことだったブー」
小杉「みんなで撮った写真を現像してみると」
はまじ「うわああああああ」
小杉「そこには」
ブー太郎「ミサキの姿がうっすら映っていたらしいブー!」
はまじ(なんて話だよ…夜中に小便に行けなくなるじゃねーかよ…)
キートン「翌日」
たまちゃん「まるちゃん、見てみて!また一緒のクラスだよ!三年三組!」
まるこ「三年三組…」
たまちゃん「どうしたの?まるちゃん?」
まるこ「なんでもないよ…」
まるこ(昨日、お姉ちゃんが変なことを言ってたんだよね…)
お姉ちゃん「ねえまるこ。あんた明日から三年生よね…」
まるこ「そうだよ」
お姉ちゃん「三年三組にだけはならないでよね…なったらあたし、あんたのお姉ちゃんやめる」
まるこ「えっ!」
キートン「なんとも唐突である」
お姉ちゃん「おねがい、三年三組にだけはならないで…怖いの!もうあんな思いをするのはイヤなの!」
まるこ「お姉ちゃん、どうしたの…?」
お姉ちゃん「あたしは助かったけど…ああ、どうしてお母さんはまるこを生んだのかしら。一人っ子ならよかったのに…」
お母さん「こらっ!何を言ってるの!」
お姉ちゃん「お母さんだって危ないんだからねっ!でも、お母さんにはわかんないよっ!」ダダダッ
お母さん「ちょっと待ちなさい!」
キートン「しかし見事に三年三組になってしまったまるこであった」
丸尾(名簿を片手に)「40人…と。それではそこの花輪君!ズバリこの教室にある机の数を数えてください!」
花輪「どうしたんだい丸尾クン。机の数なんてどうでもいいじゃないか」
丸尾「ズバリこれは大事な問題でしょう!この丸尾末男、今年は『対策係』に任命されてやる気満々なのです!もし『ある年』だったとしても
だれひとり犠牲者を出さずにみんなで四年生に上がることを目標としてがんばるのです!」
山根「…40個だったよ」
花輪「ボクが数えても同じ結果だったよ、ベイビー」
丸尾「おお!」
山根「40個だったらどうだっていうんだい。なにか問題でもあるのかい?」
丸尾「ズバリこれで一安心でしょう!」
先生が入ってくる。
丸尾「先生!名簿によればズバリクラスは40人!そして机の数は40個でぴったりなのでしょう!」
先生「(小声)そうですか、それはよかったですね」
先生は野口さんをちらりと見る。
先生「(小声)では、〈いないもの〉を作る必要はなさそうです。彼女とは普通に接してください」
丸尾「ズバリ了解しましたでしょう!」
まるこ「丸尾くんは何を喜んでいるんだろうね」
たまちゃん「なんか、クラスの人数と机の数がぴったり合ったんだって」
まるこ「変なことに喜ぶ人だねえ。そんなの、隣のクラスからあまったのを貰ってくれば済む話なのに」
丸尾「野口さん!ズバリおはようでしょう!」
野口「クックックックッ…」
たまちゃん「野口さんも同じクラスなんだね。―おはよう、野口さん」
たまちゃん、まるこ、野口さんの傍に行く。
野口「クックックックッ…さくらさん、穂波さん、おはよう」
まるこ「一年間よろしくね野口さん」
野口「安心しない方がいい…気を付けて…もう、始まってるかもしれない…」
まるこ・たまちゃん「…?」
野口「クックックックッ…」
藤木「どうやら今年は『ない年』みたいだね。あー、なんだかほっとしたよ」
山根「もし『ある年』だったらこんなに暢気にしていられないよね。毎月クラスの関係者が死んじゃうっていうし」
藤木「春の日差しが一段と暖かく感じられるなぁ…ねえ、今日の帰りはプラモデルを見に行こうよ永沢君」
永沢「藤木君は暢気だな。僕らは助かるかもしれないけれど、来年、再来年の三年生は『ある年』に当たってしまうかもしれないじゃないか。自分が安全圏に入ったからって浮かれていいことじゃないと思うんだけどなあ。藤木君、そういうところ、本当にイヤらしいね」
藤木「うう」
城ヶ崎「もしクラスの人数がひとり増えてたら、クラスの中の誰かを〈いないもの〉にしなきゃけなかったのよね」
笹山「なんか大変な話だよね。一人を一年間、延々無視するなんて」
かよ「〈いないもの〉は春休み中に、先生と対策係の丸尾君が候補を決めたって聞いたけど…誰だったのかな」
みぎわ「花輪君だったら困っちゃうわ…!花輪君と話せなくなっちゃうもの…!どうしよう…!」
城ヶ崎「それはないでしょ」
笹山「たぶんそれ、野口さん、だったんじゃないかな」
三人「…やっぱり?」
かよ「変わってるもんね、野口さん。友達少なそうだし」
城ヶ崎「話しかけても、なんか冷たいっていうか醒めてるのよね」
みぎわ「花輪君は優しいから野口さんにも話しかけてるけど…はっきりいって、ああいうタイプって私、苦手なのよね~」
城ヶ崎「私も」
かよ「まるちゃんたちは普通に接してるみたいだけど、ほんとは私も、ちょっとね…」
杉山「そういや、去年転校していった大野がこっちに帰って来るんだよ」
まる子「ええっ、大野君が帰ってくるの!」
杉山「昨日電話があったよ。ほんとは新学期からこっちの学校に通うはずだったけど、あいつちょっと怪我しちまってさ、転入するのはもうしばらく後になるらしい」
まる子「怪我?!そりゃあ心配だねえ…」
杉山「こっちに戻ってきて、さっそく空き地でサッカーしてるところに居眠り運転の車が突っ込んできて、撥ねられたんだってさ。命に別条はないってよ。まだ入院してて様子をみなきゃいけないから、いつ戻ってくるのかはわかんないんだけどさ。いろいろ大変だから、俺と同じクラスになれるようお願いしてるっておばさんが言ってたぜ」
冬田「大変!大野君…!どうしよう!ああ、大野君のお見舞いにいかなくっちゃあ!」
丸尾「ズバリ!この丸尾末男!謹んで大野君のお見舞いに行かせていただきます!」
杉山「お前大野と仲良かったっけ」
丸尾「…え?いや、その、大野君がもしこのクラスに入ってくるのであれば、この丸尾末男を学級委員に選んでくれるよう、お願いにいかねばならないでしょう!
これはズバリ選挙活動でしょう!」
チャイムが鳴る。授業中。
先生「では、この問題がわかる人はいますか?」
沈黙。
先生「みなさんはもう三年生になったんですから、こういうときは積極的に手をあげるようにしましょうね。周りの行動を見て自分をそれに合わせようとするばかりではいけませんよ。こういうときに目立つのは何も悪いことではありません」
沈黙。
先生「仕方ないですね。今日は15日なので、出席番号が15番のひと、前に出てこの問題を解いてください」
まるこ(うわぁ…15番ってあたしだよ…どうしよう、困ったよ、ぜんぜんわからないよ…)
先生「15番のひとはだれですか?」
まるこ「うう…はい!私です!」
関口「オレです!」
まるこ・関口「…え?」
関口「15番はオレだぞ。何言ってるんだ、さくら」
たまちゃん「まるちゃん、出席番号を間違えたんじゃない?」
先生「みなさん、新しい出席番号にはやく慣れてくださいね」
まるこ「あはは…(ちょっと恥ずかしいけど助かったよ)」
まるこ(でも、あたしは確か15番だった気が…?)
まるこ、たまちゃん、廊下を歩いている。
まるこ「あれ…?」
先生と何やら話している野口さん。
先生「大野君が、……なので、………を、お願いできますか?」
野口「…」
先生「あなたにしてみればある意味、大変に理不尽な話になります。つらく感じることも多いでしょうが…大丈夫ですか。協力してくれますか」
野口「―ここで私が『いやです』と言ったら、やめてもらえるんですか」
先生「それは―」
野口「いいです。分かってます。協力します。クックックッ」
まるこ(どうしたんだろう…先生も野口さんもずいぶん深刻そうな顔をしているよ)
まるこ(大野君が転校してくることが、なにか関係あるのかねえ)
まるこ(それに―)
たまちゃん「どうしたのまるちゃん、急に立ち止まったりして」
まるこ「い、いや、なんでもないよ」
たまちゃん「行こっ」
まるこ「う、うん」
たまちゃん「最近のまるちゃん、なんだか変だよ?急に立ち止まったり、それからこのあいだも何か考え込んでたし」
まるこ「ううん…あたしもよくわからないんだよ。三年生になってから、何か変な感じなんだ。たまちゃんはどう?」
たまちゃん「そうかなあ…でもまるちゃんがそう思うなら、何かがあるのかもしれないね」
その日の帰りの会。
先生「みなさん。今日は大事な話があります。みなさんとみなさんのご家族に大きくかかわってくる話ですので、ちゃんと聞いて、決めごとをきちんと守るようにしてくださいね。
先生「みなさん。今日は大事な話があります。みなさんとみなさんのご家族に大きくかかわってくる話ですので、ちゃんと聞いて、決めごとをきちんと守るようにしてくださいね。
わからないことがあれば、先生とここにいる対策係の丸尾君に質問するようにしてください。いいですか」
丸尾「この丸尾末男、ズバリ、みなさんをしっかりサポートしてゆきたいでしょう!」
みんな「はーい」
山田「対策係って~何をする係なんだ~?タイ焼きがたくさん食べられるのか~?」
ブー太郎「ありえないブー」
はまじ「そんな係だったら俺も率先してなってるよ」
まるこ「何だろうね」
としこ「ね」
先生「なお、このことはみなさんのご家族や近所のひとたちには絶対に話してはいけません。このクラスの中だけの秘密にしてください」
まるこ(なんだか気味が悪いねえ)
山根「緊張して胃腸が…」
先生「皆さんは今年、三年三組になりました。この三年三組というクラスは、ある事情で、何年かに一回、『死に近い』場所になってしまうことがあります。
これは呪いだという話もありますが、原因は特定できていません。何年かに一度、クラスの中に、以前死んだひとが一人混ざる、という現象が起こります。そのためにクラス全体が『死に近』くなってしまう、と思ってください。
『死に近い』という表現では、みなさんには少しわかりにくいかもしれませんね。端的にいうと、この現象が起こってしまうと、事故や病気で死んでしまう可能性が高くなるんです。しかもそれはこのクラスの皆さんだけではありません。みなさんのお父さん、お母さん、御兄弟も『死に近い』状況に追いやられてしまうんです」
『死に近い』という表現では、みなさんには少しわかりにくいかもしれませんね。端的にいうと、この現象が起こってしまうと、事故や病気で死んでしまう可能性が高くなるんです。しかもそれはこのクラスの皆さんだけではありません。みなさんのお父さん、お母さん、御兄弟も『死に近い』状況に追いやられてしまうんです」
ざわつく教室。
山田「ええ~っ?おいら死んじゃうのかい?嫌だよぅ、怖いよぅ、死にたくないよーぅ!」
冬田「怖いわ怖いわ。うわーん!」
前田「ち、ちょっとあんたたち、お、落ち着きなさいよ…ね、ねえ」
永沢「前田は自分が落ち着くべきだね」
藤木「噂は本当だったんだ…」
まるこ「お姉ちゃんが言ってたのは…このこと…?」
お姉ちゃん「おねがい、三年三組にだけはならないで…怖いの!もうあんな思いをするのはイヤなの!」
お姉ちゃん「あたしは助かったけど…」
お姉ちゃん「お母さんだって危ないんだからねっ!」
花輪「でも丸尾君、キミは今年は現象が『ない』年だって言ってたじゃないかベイビー!机の数とクラスメイトの数が一致する年は『ない』年なんだろう?」
丸尾「落ち着いて!落ち着いてくださいみなさん!ズバリ落ち着いてくださいでしょう!たしかにわたくしは年度のはじめに、今年は現象が『ない』年だと判断しました。現象が『ある』年は、クラスの人数と机の数が合わないんです。ズバリ、机よりクラスの人数のほうが一人多いのです!今年はそんなことがありませんでした!
しかし!五月に入ったら大野君がこのクラスに入ってきます!大野君を合わせればクラスの人数はズバリ41人!対して机の数は、ズバリ、40個でしょう!」
先生「念のため、今年は『ある』年かもしれない、ということで、みなさんに準備をしていただきたいんです」
はまじ「準備って何の準備だよー!」
関口「心の準備のことなのかー?!」
冬田「死者が混ざっているなんてこわーい!」
先生「皆さんの中にはもうご存じのひともいるかもしれませんね。もし現象が『ある』年だとしても、きちんとした準備をすれば、みなさんやみなさんのご家族が死ぬことを防ぐことができます。それは、このクラスにひとり、『いないもの』を作ることです」
先生「クラスの中のひとりを選び、一年間、みんなでその一人が存在していないかのように振舞います。その一人と口をきいたり、一緒に遊んだり、帰ったり、給食を配膳したりしてはいけません。とにかく完全に、その一人がこの教室にいないかのようにして行動してください。そうすれば、クラスの人数は40人に戻り、机とクラスの人数が一致することになります」
山田「やだっ、おいら給食食べたいよ~!」
先生「山田君。山田君を『いないもの』にしませんから、安心してくださいね。このクラスで明日から『いないもの』になってもらうのは―野口さんです」
みんな、一斉に野口さんを見る。
先生「いいですか。みなさん。明日からも、野口さんは学校に登校してきます。しかし決して口をきいたり、一緒に遊んではいけません。彼女がこのクラスにいないかのように振る舞い、何か話しかけられても無視してください。野口さんも、クラスの誰にも話しかけないようにしてください。トラブルのもとになりますので、みんなからは離れて行動してくださいね。成績は先生が適当に付けますから、テストなども受けないで、ただ授業を聞くだけにしてください」
「そんな、ひどいよ」「でも野口さんなら…」「もともとあまり存在感ないしねー」「できるかなあ、俺」「忘れちゃいそー」
丸尾「いいですか!野口さんを『いないもの』にしないと、ズバリ、みなさんの命が危ないのですよ!先生のおっしゃったことは、きちんと守ってください!」
長山「先生、いつまでそれを続けるんですか?」
先生「三月までです。みなさんが三年三組にいる間は、野口さんを『いないもの』にしなければなりません。なお、野口さんを『いないもの』にしたあと、『いないもの』について話をするのもいけませんよ」
先生「では、何か質問はありませんか?―ないようなら、これで帰りの会を終わります。もし何かあれば今日のうちに、先生のところか丸尾君のところまでお願いしますね」
帰り道。
まるこ(野口さん…野口さんを無視すればみんな助かるっていうけど…でも…それでいいのかなぁ…)
まるこ(野口さんはいま、いったいどんな気持ちなんだろう。一年間も誰とも口を利けないなんて、想像ができないよ…たまちゃんともとしこちゃんとも、はまじやブー太郎とも
話せないなんて…それに給食もよそってもらえないなんて、悲惨な話だよ…)
まるこ(給食、どうするんだろう。お弁当でも持ってくるのかなあ…でも、家の人には言っちゃいけないんだよね…じゃあもしかして、野口さんはこれからお昼抜き?一年間?そんなの…そんなのって…)
キートン「『いないもの』にされることよりも、給食抜きのほうが気になるまるこである」
まるこ、野口さんの後ろ姿を見つける。
まるこ(野口さんを『いないもの』にするのは明日からだって言ってたよね…じゃあ、今日は話しかけても大丈夫だってことだ)
まるこ「おーい、野口さーん」
野口「…」
野口さん、振り向く。
まるこ「今日は話しかけてもいいんでしょ?」
野口(無言でうなずく)
まるこ「えっと…なんていうか…このたびは…災難だったねえ…その…」
野口「『いないもの』にされたこと?」
まるこ「給食だって食べられないし…」
キートン「給食以外のことは気にならないのか、まるこよ」
野口「クックックックッ…給食は給食当番が全員に配ったあと、自分でとりにいけばいいんだよ…」
まるこ「あっなるほど」
野口「クックックックッ…」
まるこ「でもさ、野口さんアンタ、嫌じゃないのかい?」
野口「別に。クックックックッ…」
まるこ「あたしゃ絶対嫌だよ、『いないもの』なんて!今からでも先生や丸尾君に言って、それで、」
野口「でも、私が『いないもの』じゃなかったら、他の誰かを『いないもの』にしなきゃいけない…そんなのはもっと嫌だね」
まるこ「…野口さん」
野口「明日からはちゃんと『いないもの』として扱っておくれよ、さくらさん。うっかり話しかけちゃいけないよ」
まるこ「…うん(涙ぐむ)」
②に続く。
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