東京電力とゼネコンの鹿島が2014年6月2日に凍土壁の工事をスタートさせたが、うまく行かず悩んでいると報じられている。原因は、地下の埋蔵物が障害となっているためだ。
約7年の効果のために320億円の税金を投入している。
凍土壁の工法
『凍土壁は総延長約1.5キロメートル。合計1550本の縦穴を1 メートル間隔で掘り、そこに深さ30メートルまで凍結管を埋めてマイナス30度の冷却剤(塩化カルシウム水溶液)を循環させ、地下の土壌を凍らせる計画 だ。』(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0300W_U4A600C1000000/ より)
あとで画像でわかり易く説明します。
トンネル工事に使われ今回のような大工事は前例なし
『凍土壁はトンネルなどの工事に一時的に使われる技術で、これだけの大規模な工事は前例がない。』(http://nikkan-gendai.com/articles/view/life/150856/2)
規模が大きくなると、想定できないミスが出たりしますね。
凍土壁 効果は7年 つなぎの対策
7年間しか効果がないのに1年以上もかけて作るわけで。その間にうまく、止水工事(つまりは本当の壁)はできるのでしょうか。壁ができなければ、ずっと凍土壁を作り続けるということになりますね。『計画では2020年度まで約7年間は凍結を維持するが、それまでに建屋に地下水が流れ込む場所を探し出して止水工事を施し、後に解凍するとしている。凍土壁は止水工事までの間、地下水流入を抑制するつなぎの対策』
(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0300W_U4A600C1000000/?df=2 より)
凍土壁を画像で理解
さらに原発に近づいたイメージ
凍結管の長さは26.4メートル(長い!)。それを1メートル間隔で縦に埋設し原発を取り囲み、土を凍らせる。
そして外側から汚染水が原子炉に流入しないようにしたい、というわけだが。
ゼネコン鹿島の悩み
『 2日に着工したばかりの福島第1原発の「凍土遮水壁」の工事が、わずか1週間で暗礁に乗り上げようとしている。埋設しようとしている約1500本の凍結管のうち、約170本が地下の埋蔵物とぶつかることが分かり、東京電力と工事を担当する鹿島建設が対応に頭を抱えているのだ。』
(http://nikkan-gendai.com/articles/view/life/150856)
地下に差し込む凍結管のうち、1割以上が地下の埋蔵物とぶつかることがわかったのですね。
凍結管が1割埋設できないとなると、凍土壁に隙間ができそうです。
専門家「不可能」
『 元大阪市立大学大学院教授(環境政策論)の畑明郎氏がこう言う。
「安倍政権は威勢良く啖呵(たんか)を切って着工したわけですが、もともと、何人もの専門家が凍土壁の工事は不可能だと指摘していました。ただでさえ全長26.4メートルもある凍結管を1メートル間隔で1500本も埋設しなくてはならない難しい工事なのに、地震の影響で建屋の地下の配管が複雑に絡み合い、デコボコになっている。埋蔵物が見つかった場合に避けて凍結管を埋設するのか、貫通させるのかといった方針を固めず、“やってみないと分からない”と見切り発車してしまった。こんな工事に320億円も税金を使うとは信じられない話です」』
(http://nikkan-gendai.com/articles/view/life/150856)
事前には、専門家が不可能だと指摘していたのですね。ということは今、鹿島が悩んでいるのは想定内の悩み。どのように解決していくのでしょうか。
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