4号機プール冷却再開 一時42・9度まで上昇 : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)

『東京電力福島第1原発4号機の使用済み燃料プールの冷却装置が故障、停止した問題で、東電は1日、応急的な復旧作業を行い、午後3時すぎに冷却を再開したと発表した。冷却再開時点で、水温は42・9度まで上がった。』

「応急的」な復旧作業ですね。

4号機使用済燃料プールの冷却システムは、電源のバックアップがない不十分なものだと明らかになっています。

今後どのように運用していくのでしょうか。

原発再稼働「最後の条件」: 「福島第一」事故検証プロジェクト 最終報告書

『冷却装置は6月30日午前6時25分ごろに自動停止。停止時の水温は33・3度で、10度近く上昇したことになる。4号機プールでは6月4~6日にも循環水ポンプの故障で冷却が停止、水温が42度まで上がるトラブルがあったばかり。』

6月30日午前6時25分 33・3度

7月1日午後3時過ぎ 42・9度

33時間程度で10度上昇したということか。

『東電は今回の故障について、非常用電源装置の一部に不具合があったのが原因とみている。近く、故障した装置を交換する。』

説明を簡略化して、事実を隠していますね。事実はこうでした。

▼参考:4号機 使用済み核燃料プールの冷却システム 完全にダウン その理由に唖然

『通常の冷却装置と予備の装置を制御する機械の電源が同じだったため、バックアップシステムが機能しなかったとみられ』

つまり

  • 通常の冷却装置と予備の装置を<制御する機械の電源が同じ>

ということです。

つまり、たった1つの電源で、「通常」と「予備」の冷却装置を制御していたということ。その電源が故障すれば当然「予備」の冷却装置も使えないわけです。

驚いたことに「電源のバックアップがない状態で4号機の冷却は行われてきた」ということになります。

このあたりはどのように解決したのでしょうか。

『4号機のプールには、未使用の燃料204体を含む計1535体が保管されている。』

おさらいです。

時事ドットコム:冷却装置の運転再開=第1原発の4号機プール−東電

『プールの水温は装置停止時は約31度で復旧時は42.9度』

報道によってばらつきがありますね。ここでは12度上昇と報じています。

東電:福島第一原発4号機使用済みプールの冷却を再開-漏水はなし - Bloomberg

『東電で調査したところ、無停電電源装置に問題があると推定された。これをバイパス(う回)する作業が終わったことで冷却を再開した。冷却再開時のプールの水温は約42.9度だった。』

どうやら、電源は「無停電電源装置」呼ばれるものだったようです。

無停電電源装置とはなんじゃらほい。

▼参考:無停電電源装置 - Wikipedia

『無停電電源装置(むていでんでんげんそうち)とは、入力電源が断になった場合も、一定時間、接続されている機器に対して、停電することなく電力を供給し続ける電源装置である。』

この「一定時間」というのは一体どれくらいの長さなんだろうか。

この無停電電源装置1つが故障したせいで、「通常」と「予備」の冷却装置がストップしたのですね。

で、故障した原因がわからないため、この無停電電源装置を迂回する作業をして、それが終わったとのこと。つまり、無停電電源装置を迂回して電気を供給したということか。

ということは、現在は無停電電源装置は接続されていないということになるのか(推定)。

また、「通常」と「非常用」の2つの冷却装置の電源のバックアップについてもなにも記されていない。

『東電では今週中に電源装置を交換する予定。』

電源装置を交換したあとは、電源のバックアップがない「冷却システム」ではなくなるのかどうか。

■謎を整理

  • 謎1)無停電電源装置は接続されていない恐れ
  • 謎2)まだ1つの電源で「通常」と「非常用」の2つの冷却装置に供給している恐れ
  • 謎3)無停電電源装置が作動できる「一定時間」というのは一体どれくらいなんだろうか。

報道は東電発表の垂れ流しだと思われます。

東電からの説明待ちです。

とりいそぎ、2012年7月1日午後5時26分時点での報道の差異のまとめです。

原発危機 官邸からの証言 (ちくま新書)

東電株主代表訴訟 原発事故の経営責任を問う

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